
●山根隆治君
民主党の山根でございます。
まず、ちょっと通告外で恐縮でございますけれども、昨日の夕刊と今日の朝刊に報道されておりました、トンネルじん肺の原告団と国との和解についての報道がございましたけれども、これについて大臣、何か御感想ありましたら。いろいろな訴訟問題等、環境省もかかわっておられることが多かったわけでありますけれども、この国との和解についての御感想が何かあれば一言お述べいただければと思います。
●国務大臣(若林正俊君)
直接の環境省所管の事業にかかわるものでございませんけれども、今委員が御指摘になりましたように、このじん肺問題は、この被害を受けた方と国及びその関係者との間に長い訴訟が係属されておりまして、その訴訟の過程で多くの方がお亡くなりになる、そしてこの訴訟の係属によって苦痛を続けられた方々が大勢いらっしゃるわけでございまして、そういう状況の中でこのたび国と原告団との間で和解に至ったということは大変喜ばしいことだというふうに評価をいたしておりまして、訴訟の場面ではそれぞれの責任の所在をめぐって激しい意見の対立、論争があるわけでございますが、この被害を受けられた方々もそれぞれがいろんな立場の違いを持っておられますけれども、共通の問題として国の責任というものをどのように認識するか。これも突き詰めるといろんな議論があるわけでございますけれども、今申し上げたように長い間このことで苦しみ続けてこられた原告の立場というものを国としても認識した上での和解の成立だという意味で、この和解は歓迎すべきものだと考えているところでございます。
●山根隆治君
通告外で恐縮でございました。
今、大野先生が議員としての最後の御質疑ということでのお話を聞きまして、少し詰まるものもございました。その御議論をちょっと聞いていて、これも細かしい話ではないので、基本的なところでございますので、通告をこれもちょっとしてなかったんですけれども、ちょっと御感想といいますかお考えを聞かせていただきたいと思うんですけれども。
今御報告のありましたハイリゲンダムのサミットで、安倍総理が二〇五〇年までに半減をしたいというふうなお話が、排出について現状から半減したいというふうなことを述べられて、国際的な注目を浴びてほかの国々の御理解、共感も得たと、こういうことでございますけれども、ふと疑問が思い浮かんだんでありますけれども、半減ということの意味は何なんでしょうか。
●国務大臣(若林正俊君)
地球温暖化を止めなきゃいかぬ、ストップしなきゃいけないというのが基本でございます。今の状況を見ますと、温室効果ガス、特にCO2については自然の吸収源というのがあります。吸収源の一番大きいのは海でございます、海面から吸収する。それから森林です。これらの吸収する量が三十二億トン余という、プラスマイナスありますけれども、それが吸収量なんですね。ところが、排出はどうだということになりますと、年々蓄積される排出量が増えてまいりまして、これも七十一億トンプラスマイナスというようなことで倍以上になっているわけであります。
この温暖化を止めるためには、排出されている量を少なくとも吸収量まで落とさないことには止まらないわけですね。ですから、削減をしていくときに長期的に見てその吸収量とイコールになるところまで抑え、削減していかなきゃいかぬという、そういう考え方に基づきまして、それをざくっと言いますと、これは現状から、分かりやすく言えば、みんなの理解として言えば、半分にするということがなければ温暖化は止まらないね、温暖化を止めるためには半分にしようじゃないかと、こういうことを世界の共通の認識にしたい、共有したいという意味で提案を申し上げているわけでございまして、正確に言いますと、このIPCCの予測もこれ数字でございますからいろいろ幅があるんですね。いつのときを起点にするかというのはそれぞれいろんな議論があるんですけれども、分かりやすく言えば、今我々が生活をしている地球の中で排出している量と想定されるものを少なくとも半減しないと吸収量に見合ったところまで行かないという意味で半減を提唱したということでございます。
●山根隆治君
そうしますと、半減という数字には科学的な根拠はないということでいいんでしょうか。
●国務大臣(若林正俊君)
正に科学的な根拠だと私は思うんですけれども、IPCCが予測を報告をしておりますように、その吸収量というのがあるわけですね。これはもう海の中の生物諸活動などを通じて炭酸ガスを吸収していくという、これがどのぐらいの量あるかというようなこと、正に科学的な知識、分析の結果から出てくるわけですね。森林がやはりどのぐらいの炭酸ガスなどを吸収しているかというのも、これ全世界の森林面積を想定をし、その森林の吸収する量というものを推定して吸収量というのは出しているわけですね。しかし、世界全体ですから統計的には誤差があります。非常に幅があるという意味で限界があるんですけれども、大ざっぱにいきますと先ほど申し上げたような数字になるわけですね。
じゃ、排出量はどうかといえば、これは石炭とか石油とかその他の、例えばツンドラ地帯で発生してくる、これが解けてくるとメタンが発生するとか、様々な温室効果ガスがあるわけですけれども、そういう排出量というようなものを各国の状況を積み上げながら推定をしてきておるわけです。
しかし、これやはり地球の自然の大きな営みの中でありますから、ある幅があるという意味で、そういう意味では幅のある話の中をつないでどのくらいかということですから、科学的根拠に基づきながらみんなが理解できる、共通に理解できる、つまり対立もあるわけですよね、考え方の違いが、科学的根拠の主張の仕方が。その共通の部分をお互いに共有していきたいという意味で半減、少なくとも半減という提案をしたということでございます。
●山根隆治君
例えば、半減ではなくて五五%だ、六〇%だということもあり得たわけですね。しかし、今の大臣のお話、御答弁聞くと、やはり何かレトリックといいましょうか、そうした象徴的な数値としてやっぱり挙げられたのかなという気はしたんですね。
もう古典的なレポートですけれども、ローマ・クラブの報告などはかなり世界じゅうの学者がいろいろな科学的なデータを分析して、そしてレポートにまとめた。それへのいろんな当時から批判も、科学的な面からの批判ということもございましたけれども、一応すばらしい歴史的なレポートに当時なっていたと思うんですね。
この五〇%削減というのも、分かりやすくすっきりするということで、何か大根をばさっと切ったようなそういうさっぱり感というのはあるんですけれども、科学的に五五だとか六〇ということじゃなくて、五〇というのは一つの象徴的な数字、分かりやすいというかメンタルな部分に訴える、訴えやすいということが強かったという理解でよろしいんでしょうか。そのことがいけないと言っているんじゃなくて、そういう理解でいいかということを申し上げているんです。
●国務大臣(若林正俊君)
先ほど科学的根拠がないとおっしゃられたものですから、そうではありませんと。
それで、IPCCの推定を申し上げますと、これは世界の科学者六百人ほどが集まり、日本の科学者もこの中にメンバーに入りまして相当大きな貢献をしているわけでございます。そのIPCCの第四次報告では、排出量を七十二プラスマイナス三億トンというふうに想定しています。吸収量については三十一億プラスマイナス十一億トンという幅を持って出しているわけでございます。
しかし、このIPCCの報告とは別に、いや、もっと吸収量が多いんだという主張をしている国もありますし、そういう科学者もいるわけですね、個別に見ますと。だから、IPCCのものだけが絶対にこれで共通の認識が得られているとも言い切れない。
そういう意味で、ある幅のあるそれぞれの科学者あるいはそれぞれの国の主張というようなものを共通にどこでこの認識を共有するかというふうに考えまして、このハイリゲンダム・サミットのときにも、EUとカナダと、そして日本の主張をベースにしたわけですが、少なくとも半減というのは、それじゃ、少なくともってどのくらいなのかということもあります。そこはそういう主張をまとめていく中で、お互いにこれだと共通の認識が得られるだろうという意味で半減、少なくとも半減という言い方をしたということでございます。
それなりに科学的な主張に幅があるということの中で共通の点をお互いが共有をするために認識を提案をしたと。これもその方向に向かって検討するということになっておりまして、結論を得るにはなおなお議論のあるところだと思います。
●山根隆治君
大臣の御答弁で背景と大体の風景が見えた気がいたします。
しかし、もう一つあれと思う疑問は、そうすると、数値の話でありますから少し細かしくなりますけれども、京都議定書で定められた期間というのがあって、二〇一二年、それを待たずに現状の半減というふうな表現をされているわけでありますけれども、ここは少し丁寧に二〇一二年の時点を踏まえてというふうなことではなかったところについてはどのような解釈をしたらよろしいのでしょうか。
●国務大臣(若林正俊君)
この半減というのは実は二〇五〇年という長期の目標に対してどういう目標設定をするかということでございます。
お話の京都議定書は、二〇〇八年から二〇一二年までの期間をどのような形で、これは先進国だけですけど、地球全体がどうなるかということについてはそこでは明らかにしていないんですね。その参加した二十七か国の先進国について言うと、少なくとも一九九〇年比で五%減らそうと、先進国で。その中で日本は六%、EUは八%、そして離脱をしましたけどアメリカは七%ということを協議で決めたということでありまして、そういう二〇一二年までの期間の何%削減するかという手法として基準年を一九九〇年に置いたということでございます。
今度の長期計画は、五十年先ですから、そういう長期の先をどこを起点にしてというふうに、今言いましたように、少なくとも半減という程度の幅の中で言っていますから、今の時点というのはそれじゃ幾らなんだと。今というのはいつかというと、IPCCの報告だと、二〇〇〇年から二〇〇五年までで幾らというのはIPCCで推定したものがあるんですけれども、じゃ、それを固定して世界共通の認識が得られるかというと、それにはまだ異論を持っている方もいます。いますから、だから数字を挙げて幾らということは、その起点についても申し上げなかったと。
しかし、いろんな議論があるけれども、現状においてこうだろうと思われるもの、数字は明らかにされていませんけど、幅があるものから少なくとも半減というふうに表現をしたわけでありまして、京都議定書とのかかわり合いは直接は意識しておりません。
●山根隆治君
御説明はよく分かりましたけれども、やはりちょっと私の疑問にはまだすっきりとした御答弁でなかったと思いますけれども、マクロの話ばかりしていても時間もございますので、少し進めさせていただきたいと思います。
私は、アスベストの問題についてお尋ねをさせていただきたいと思っております。
実は私、埼玉県の選出の議員でございまして、建設労働者の方々で組織する建設埼玉というところがございます。ここでいろいろな調査をされ、いろんな日常活動の中、調査をされておられるわけでございますけれども、その調査結果の中で、建設労働者の五十代から六十代の方々の生活習慣病の検診などで多数の粉じん、石綿による検診結果で多数の健康障害が出ているという資料を実は私いただきまして、今後も発症の可能性というのは非常に高いと思われるわけでございますけれども、今後の、私、埼玉県の一例を申し上げたわけでありますけれども、アスベストの被害の状況予測についてはどのようにお考えになられるのか、お尋ねをいたします。
●政府参考人(上田博三君)
今後の被害の予測ということでございますけれども、一説に言われておりますのは、アスベストが我が国で輸入をされて使用されてからその輸入量、使用量がピークになるまでの期間がございまして、そのピークの期間から大体三十年ないし五十年ぐらいの間にこの被害のピークが来るんだろうということでございますので、ちょっとまだ予想については十分推定ができない状況でございますけれども、まだこれから被害者の方は増えるんではないかというふうに考えているところでございます。
なお、現在のところ、私どもとしては、救済法に基づいて適正なる、また迅速なる認定を進めているところでございます。
●山根隆治君
なかなか試算ができない、まだできていないということでございますけれども、ある組織での試算ですと、胸膜中皮腫の死亡者数について、今後三十年間で約五万八千八百人、四十年間では十万三千人になり、二〇三〇年から三四年の五年間で死亡者数のピークを迎えると、こうした予測を出しているところもございます。
冒頭申し上げましたように、五十代、六十代の労働者の方々に対する補償や処遇について、それなりに適切にというふうなことでもございましたけれども、具体的にこういった相当多くの被害者の方々が予測されるわけでございまして、こうした予測、ある程度は国としても想定をされておられると思うんですけれども、石綿の救済法での補償ということの内容についてどのようなことをお考えになっておられるのか、もう少し詳しくお尋ねをしたいと思います。
●政府参考人(上田博三君)
石綿による健康被害の被害者の方々に対しましては、石綿健康被害救済法に基づきまして、昨年三月から申請等の受付を開始されまして、独立行政法人環境再生保全機構が申請等を受け付けまして、医学的判定が必要なものについて、中央環境審議会の専門家による審議を経て、機構が認定を行っております。
現状でございますけれども、本年五月末時点までに千九百件の申請を受け付けまして、九百十三件が認定、それから施行前死亡者に係る特別遺族弔慰金等につきましては、二千二百六十四件の請求を受け付けまして、うち千六百七十二件が認定をされております。認定の対象疾病といたしましては、いわゆる中皮腫と石綿に起因する肺がんということで、現在認定の対象としているところであります。
今後、こういうことにつきましても、附帯決議にございますように今後五年間の見直し期間がございますので、そういう中で様々な情報を収集をし、制度について検討を進めていきたいというふうに考えているところでございます。
●山根隆治君
アスベストについて、日本及び主要国での製造、使用に関する状況はどのようになっているか、お答えをいただきたいと思います。
●政府参考人(小野晃君)
アスベストの製造、使用の規制状況について、諸外国、我が国の経緯も含めまして少し御説明をさしていただきたいと思います。
製造、使用等の禁止につきましては、クロシドライト、これはいわゆる青石綿、それからアモサイト、茶石綿につきまして、我が国は一九九五年に禁止をいたしました。
このクロシドライトにつきましては、それまでも行政指導等によりまして既に一九八九年の段階で使用の実態がなくなっているということを確認をいたしております。ドイツが一九八六年、それからフランスが一九八八年に禁止措置を講じていたわけでございますけれども、これら両国では依然使用の実態があったということを考えますと、我が国として実態面でこれらの国に後れは取っていないというふうに考えております。
それから、アモサイト、茶石綿につきましては、ドイツが一九九三年、それからフランス、一九九四年に禁止をしております。我が国は先ほど申し上げましたように一九九五年でございますので、禁止の時期には大差がないというふうに考えております。
これまでも我が国として、その時々の知見に応じて必要な規制は講じてきております。ちょうど昨年、平成十八年に我が国が白石綿も含めまして全面禁止にいたしました。EUではその前年、平成十七年、二〇〇五年に使用等が全面禁止をされていると、こういう状況でございます。
●山根隆治君
先に進みます。
二〇〇五年、フランス上院の報告書によれば、フランスでは今後二十年から二十五年以内に六万人から十万人がアスベストにより死亡する可能性があり、その責任は産業界の強い影響を受けて禁止措置を遅らせた政府にあると、こうされたわけでございますけれども、我が国の場合、こうしたフランスの例を持ち出すまでもなく、重々いろいろな責任についての御認識もあるかと思うんですけれども、日本政府の責任についてはどのようにお考えになっておられますか。
●政府参考人(小野晃君)
お答えを申し上げます。
先ほども御説明いたしましたように、厚生労働省といたしましては、これまでもそれぞれの時点において、当時の科学的知見に応じて必要な規制等の対応を行ってきたというふうに考えておりまして、実態面も含めて対応に遅れはないというふうに考えております。
一昨年、政府としての検証、この間のアスベスト対策についての検証報告をさしていただきましたけれども、その中でも触れられておりますけれども、現時点で予防的アプローチが国際的に認知された現状から見ますると、生命、身体に係る法令上の禁止措置については世界的な動向を見ながら実施するという考慮が十分なされたとは言えないという面があるものの、いわゆる不作為等についてはないというふうに私どもも考えております。
今後とも、このアスベストによる労働者の健康障害を防止するため、昨年全面禁止の措置をとりましたけれども、この全面禁止措置の遵守の徹底を図りますとともに、これから今まで使われましたアスベスト等の建築物の解体等も増えてまいります、こういう面での暴露防止対策につきましてその徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。
●山根隆治君
今、御答弁にありましたように、建築物の解体に伴ってアスベスト廃棄物の大量排出ということが十分予測されるわけでございますけれども、この最終処分場というのは全国的には充足されているということになるのか、不足しているのか、お尋ねいたします。
●政府参考人(由田秀人君)
アスベストに係ります特別管理廃棄物として現在取り扱っておるものに関しましては、最終処分場に関しまして、現状の収集におけるこん包等、処分におけます溶融処理、あるいは耐水性材料での二重こん包等の措置を行って所定の場所に最終処分を行うという点につきましては、最終処分場につきまして特段不足しておる状況ではないという認識でございます。
●山根隆治君
特段不足していないということでございますけれども、それはいかがなものかなというふうな思いが実はいたしております。
相当の私は廃棄物、アスベスト廃棄物の大量排出ということで、本当にそれが全国的にも、トータルでは満たされていても、例えば大都市圏等ではその最終処分場の建設あるいは更なる増設ということについては、住民意識の問題もございましてなかなか思うように進まないという場面がこれから出てきはしないかということを私自身は心配をいたしているところでございます。
私も埼玉県の県議会の議員もしていたことがございまして、様々な地域の方々の御意見等も、お話も聞かせていただいたことがあるんですけれども、国が方針を少し変えまして、例えば一つの県の中で排出したものは県の中で処分するということが一つの原則としてもあろうかと思うんですけれども、前提があろうかと思うんですけれども、しかし、現実にはなかなか、量が多くなった場合には近隣の他県の協力を得ているというところもあるわけでございまして、実は埼玉県もそのような状況に一つなっているわけでありますけれども、そしてお隣のこれ群馬県の処分場をお借りをしたりするというところが、実は事情が埼玉県もあるわけでございますけれども、そうしますと、事業者は、排出事業者自身が持ち込むわけでございまして、その他県の担当者と直接に事前協議を行う必要があるということで、それを遵守多くの方はしておられるわけでありますけれども、この事前協議の手続が非常に煩雑で、処分コストの増大などがありまして、人によってはどうも不法投棄を心配する向きもかなりあるわけでありますけれども、こうした不法投棄の可能性、現状についての御認識というものはどのようなものをお持ちなのか、お尋ねをいたします。
●政府参考人(由田秀人君)
不法投棄に関しましては、かなり、平成九年の廃棄物処理法の改正におきまして、個人では一千万、法人で一億円、あるいはその後の改正によりまして懲役も五年と大幅に強化いたしておりまして、不法投棄、厳重な、断固として不法投棄を許さずという立場を取っておりますが、今御指摘のように、自治体の事前協議制というものが極端に行政指導等によって行われます場合には、そのリスクというものが高まる可能性というものはございます。
そのような観点から、環境省としましては、従来より、事前協議制度によりまして産業廃棄物の処理が怠りましたり不法投棄の不適正処理が生じる事態を招くことがないよう、このような指導を見直すように指導をしてきたところであります。昨年九月にも、各自治体に対しまして搬入抑制をすることなく円滑な処理の確保に留意すべき旨の通知を発しまして、この旨も周知を図っているところでございます。
●山根隆治君
しかし、大都市圏のいろいろなところで起こっている現実としては、山の中に不法投棄が後を絶たないという状況もまだ実はあるというふうに私自身思っております。
これは、卵か鶏がどちらが先かという話もありますけれども、例えば駐車違反なんかもそうですよね。非常に迷惑駐車だからといって罰則をどんどん厳しくして駐車をなくすということがありますけれども、しかしなかなか思うようにいかない。しかし、だんだん解決していった場合にどういうことになっているかというと、大体、民間の駐車場がどんどん増えていったりすると、そこに入れるということで駐車違反がなくなる、これがやっぱり現実だろうと思うし、素直なところだろうと思うんですね。
ですから、私は、この産廃、特にアスベスト建材の問題についても同じようなもので、幾ら罰則を強化しても、それはもう巧妙に不法投棄するというふうなことというのはなかなかなくならないんだろうというふうに思っております。やはり各四十七都道府県それぞれに私は最終処分場が十分充足されているという状態をつくらないと、根本的な解決は難しかろうというふうに思っております。
しかし、今お話ししましたように、大都市圏では必ずしもそれぞれの自治体ごとに最終処分場を充足させるということは、これからなかなかやっぱり困難になってくる場面も私は出てくるように思えてならないわけでございます。PCBの廃棄物の処理では、首都圏では一都三県での処理施設の配備ということで決められているわけでありますけれども、このアスベストの最終処置についても、私は広域処理というものがこれから現実的に検討されるべき課題だろうというふうに思っているわけでございまして、これにはやはり国の強力なバックアップ体制というものがないと、それぞれの各県にその処置をゆだねるということについては非常に現実的にやはり私は無理がある、負担が大きいというふうに思えてなりません。費用の問題、そして住民の皆さんとの協議ということも当然あるわけで、理解ということもあるわけですから、そうした非常に大きな負担ということがあるわけでございますので、国の広域処理ということについてもう少し前向きな検討が今必要な時期に来ていると思うんでありますけれども、この点についての御見解をお聞かせいただきたいと思います。
●国務大臣(若林正俊君)
委員がいろいろと御心配になられ、処分場が不十分であるために、規制を免れるために不法投棄が増えるんじゃないか、不法投棄の心配があるんではないか、自治体だけに任せていていいんだろうかと、PCBにおきますような広域的なその処理体制といったようなものを考えるべきじゃないかと、こういう御意見であろうかと受け止めているわけでございます。
実は、この石綿の廃棄物の円滑な処理体制を確保するために、昨年の二月に廃棄物処理法を改正をさせていただきました。それで、この廃棄物処理法の改正によりまして、新たに溶融などによって石綿の被害がその後も拡散することがないような処理方法によります石綿廃棄物の無害化処理につきましては、環境大臣が認定をいたしますと、民間の事業者ですけれども、認定いたしますと、もう都道府県の設置許可などを不要として、そこに持ち込んでもいいというような昨年の法律改正をお願いをし、成立を見ているところでございまして、この制度を有効に活用をして、大臣認定によります無害化処理の施設を促進を図っていくというようなことで、円滑で適正な石綿廃棄物の処理が確保されるように努めていかなければならない、こんな問題のとらえ方をしているところでございます。
●山根隆治君
いずれにいたしましても、私は、やはり各都道府県の実情に応じて、建築廃材でアスベスト処理ということが本当に大変な問題をこれから引き起こすことは間違いありませんので、適切な、やはり各都道府県の現状に応じた、実態に応じた措置というものを国として何ができるか模索を是非していただきたいというふうに思いますので、最後にもう一度、重なりますが、御決意のほどをお聞かせください。
●国務大臣(若林正俊君)
ただいま申し上げましたように、このアスベストの処理につきまして、その処理後の事故が発生するようなことがないように、昨年の成立を見ました法律に基づいて、大臣の認定に係る施設を整備をするように勧奨し、指導をし、そしてこれらの石綿の廃棄物処理が適正に行われますようにきっちりと指導してまいりたい、このように考えております。
●山根隆治君
それでは、ハイリゲンダム・サミットでの話に少し戻らせていただきたいと思うんですけれども、報道されたところによりますと、カナダが京都議定書の削減目標達成を事実上断念したというふうな報道があるわけでございますけれども、我が国としてもカナダについてはこうした認識を持っているのかどうか、お尋ねします。
●国務大臣(若林正俊君)
努力をしないということではないと受け止めております。いろいろ努力しても、この京都議定書の第一約束期間中に約束をした削減は困難な状況になったという認識をカナダが示されたものと考えております。
我が国については、もう委員御承知のように、本来来年から始まるわけですけれども、始まる前の事前の努力というものを重ねてきたわけですが、減るどころか、実は先般確定値見ましたら、二〇〇五年で七・八%増という結果になっているわけですね。そういう意味ではカナダと同じようになかなかこの達成は困難だという事情にあるわけですが、決して、ギブアップをし、これは困難だから無理だなというような認識は持っておりませんで、今年中にこの全体の見直しを今仕掛けております。
それぞれの排出源ごとに京都議定書の目標達成計画の細部にわたって、中央環境審議会、産業構造審議会の合同、あるいはそれぞれの審議会でヒアリングをかなり精力的に続けてまいっておりまして、先般中間的な取りまとめをしていただいたところでありますが、政府におきましてもそれら関係者との協議を重ねてまいっております。そして、今年中に更にこの京都議定書の目標達成計画の達成が確実になるような措置について、これを強化し、拡充を図り、必要があれば制度的な対応も含めまして、今年度中に新しい見直し後の体制でこの目標達成を確実なものにしたいと考えております。
当然のことながら、来年は日本が議長国を務めるわけでございまして、議長国たる日本が第一約束期間の約束が守れないというようなことでは世界に対して、次の二〇一三年以降の説得をする立場でございますけれども、誠に説得力のない立場になってしまうわけでありますから、何としてもこうやっていけば達成できるんだという見通しを明確にしたいと、こう思っております。
●山根隆治君
日本は頑張るんだと、こういう決意の表明もいただいたわけでありますけれども、今お話ありましたように京都議定書の目標達成計画を見直すということでございますけれども、いろんな見直し方があるんだろうと思いますけれども、当然、釈迦に説法ですけれども、排出削減ということが一つある、そして植林等による二酸化炭素の吸収促進ということがある、そしてもう一つはクリーン開発メカニズム等の措置があるということでございますけれども、どこに重点を置いて見直しをされようとされているのか。もうここまでの時点に来れば、私は排出権取引というところに重点を置かざるを得ないんではないかというふうに思いがいたしますけれども、目標を達成するための重点というものをどこに置かれようとしているのか、お尋ねをいたします。
●政府参考人(南川秀樹君)
御指摘の見直しでございます。
まず、需要の削減でございます。これにつきましては、産業あるいは業務、家庭、いろいろございますけれども、やはりその排出が増えております。想定よりもはるかに増えておりますのはオフィスなどの業務部門、それから家庭部門でございます。これにつきまして非常に対策が遅れていることもございますので、この辺りの需要減ということを最大限進めなくてはいけないというふうに考えているところでございます。
それから、森林吸収につきましては、三・八%ということで想定して補正予算も付けていただいておりますので、何とかこれを達成したいと思っております。
それから、CDMなどの京都メカニズムでございますけれども、これにつきましては、あくまでその様々な対策を取った後に必要なことについて補完的に使うということが原則でございまして、私どもこの原則はきちんと守りたいと思っております。そういったことから一・六%ということを見込んでおりまして、政府による購入は一・六%と見込んでおるところでございまして、これについて特段これを増やそうという見解は今のところ持っておりません。ただ、これ自身がうまく、安く効率的なことはかなり大変難しゅうございますので、私どもとしては、国民の皆さんに納得いただけるようなリーズナブルな購入を進めていきたいというふうに考えております。
●山根隆治君
国内的に、東京都も非常に今いろいろな施策を展開して、全国の注目も浴びているところでございますけれども、温暖化排出量が相当程度高い事業所を対象にして五か年の削減計画を求めたりして都内の事業所に対しておられるということでございますし、排出量取引という制度についてもこれから行っていくというふうな方針を東京都は出されているわけでありますが、これについての評価はどのようになされておられるのでしょうか。
●政府参考人(南川秀樹君)
地方公共団体、中でも東京都は、しばらく前からでございますが、熱心に対策に取り組まれております。
それで、具体的に、大型事業者につきましては、その需要を減らすための指導ということをされておるところでございます。また、先般発表されました計画によりますと、来年度に条例を策定するということを考えておるようでございまして、その中では、大規模事業者あるいは大規模ビルについて排出権取引も含めた制度化を考えたいと、またそれ以外のビルについても具体的なかなり規制に近い指導といったことも導入したいということで検討を進めるということでございます。
私ども、大変この東京都の動きにつきましては注目をしておりますし、またその実施内容についても東京都から話を聞いているところでございます。
●山根隆治君
環境省も今年度から自主参加型国内排出権取引制度に参加する企業団体を公表をされたという新聞報道がございます。今までの、この制度が発足をしましてから成立した売買というのはどの程度になっているのでしょうか。
●政府参考人(南川秀樹君)
こ の制度は自主的な取引制度でございますけれども、平成十七年度から始めております。各年度に参加した企業が三年間でその削減まで至る、あるいは取引を行うということで、三年で一度締めるということにしております。
第一期の事業に参加した社が三十一社、十八年度から参加した社が五十八社、第三期、十九年度からが六十二社ということでございます。第一期事業につきましては今年度で締めるわけでございまして、これまでのところ三十一社の中で四件ほどの取引が成立をいたしております。
●山根隆治君
非常に数としては少ない数、数字だと思うんですけれども、今後もこの程度のものにとどまりそうなんでしょうか。見通しはいかがでしょうか。
●政府参考人(南川秀樹君)
多いか少ないか、ベースが三十一でございますので判断難しゅうございますけれども、第一期に開始された参加者につきましては今年度にその排出量の確定を行います。したがいまして、過不足が明らかになってまいりますので、その中で足らないところは余ったところから買ってくるという取引がこれから増えてくるというふうに考えております。
●山根隆治君
次に、環境省は環境会計ガイドラインに基づき環境会計を促しておられますけれども、環境会計の開示状況がどのように今なっているのか、現状についてお尋ねをいたします。
●政府参考人(西尾哲茂君)
御指摘の環境会計は、企業等がその事業活動における環境保全のためのコストとその活動により得られた効果を認識して可能な限り定量的に測定、公表するという仕組みでございまして、環境省では、平成十二年に環境会計ガイドラインを作成いたしました。それを具体的に進めるために、翌年、環境報告書ガイドラインの中に位置付けまして、企業における環境会計の自主的な導入の促進に努めているところでございますけれども、その環境会計の導入状況でございます。
毎年、上場企業と従業員数五百人以上の企業を対象に、環境にやさしい企業行動調査ということを行っております。平成十七年におきまして環境会計を導入している企業数は、二千六百九十一社のうち七百九十社ということでございまして、三割に達しております。調査開始以来年々増加傾向でございまして、今後とも、この環境報告書の取組を促進する中でこの環境会計の導入の促進にも努めてまいりたいと思っております。
●山根隆治君
企業からの評判、評価はどうですか。
●政府参考人(西尾哲茂君)
環境報告書の取組自体は進んできておりますし、その中での重要な手法として環境会計は着実に定着しているんじゃないかと思っております。
●山根隆治君
その効果、社会的な評価、効果、企業にとっての社会的な評価、評判、そういうものはどうですかということを伺っています。
●国務大臣(若林正俊君)
私は、この環境会計というのは非常に評価をいたしております。これは、やはり将来のリスクというものを投資家が十分承知しておく必要がある、その意味で環境会計を通じて開示をしていくわけでございます。その意味で、このことは一般の企業者に対する環境についての認識、これを高めていくという意味合いもありまして、非常に大きな効果を持つものと期待をいたしておりますが、実際のこの導入状況を見てみますと、上場企業と非上場企業と、こういうふうに分けてみますと、上場企業については、平成十三年度はこれを導入しておりますのが二三・一%でございましたが、平成十七年度では三七・五%と割合が高まってきております。それだけやはり株式市場を通じての企業評価という点を企業側も認識しなければ、企業の株主、一般投資家からの評価が得られないという認識が高まってきた結果だと思います。
非上場の会社について見ますと、これは一定規模以上なんですけれども、平成十三年で一二%でございます。つまり、上場企業の半分ぐらいであります。その後も余り伸びませんで、平成十七年で二二・七%ということでございます。
非上場ですから株主が閉鎖的な中にいるという意味で、それだけ認識がまだ十分じゃないと思いますが、少なくとも上場して一般の投資家から資金を集める企業については、これは有価証券報告書その他でどのような開示の仕方をするかということを今検討してもらっておりますけれども、そういうことを通じて今の環境会計というものを更に推進をしていくべきだと、こう考えております。
●山根隆治君
将来、義務化するお考えはあるんでしょうか。
●政府参考人(西尾哲茂君)
現在、環境省で進めております環境会計、これは環境報告書の中の一環ということで進めておりまして、この環境報告書を進めるというのは企業が自ら環境配慮に取り組むということでございますから、企業の自主取組という枠でやっております。したがいまして、これはひとつ自主取組という枠で進めていきたい。
ただ、今義務化はどうかというお話でございました。これだけでいいのかということはございます。近年、大臣からも御指摘がございましたように、環境と投資、金融ということは非常に大事になってきています。投資家の目にとったときにどういう環境情報の提供が必要なのかという議論がございます。これにつきましては、これから、そもそもどのような環境情報をどういう形で提供するというような、投資家のニーズに本当に合うのか、あるいはそれがどれだけ現実的で可能なのかということにつきましてきちんと把握する必要がございますので、今年からその辺につきましての把握のための調査をやりたいというふうに思っております。
●山根隆治君
終わります。
●山根隆治君
民主党の山根隆治であります。
私は、冒頭、松岡農林水産大臣の御冥福を心よりお祈りを申し上げます。
さて、大臣死去の報に接し、政府高官が様々な発言をなさっておられます。その中で、私には看過できないものがあります。
農林水産省所管の緑資源機構による官製談合事件について、東京地検特捜部の強制捜査が始まっていることは周知の事実であります。
自殺した松岡農相が関連法人から献金を受け取っていた問題を指摘されていることに関し、安倍首相は二十八日夕刻、記者団に対し、本人の名誉のために言うが、捜査当局から松岡農相の取調べを行った事実はないし、これから行う予定もないという発言があったと承知しているとコメントをされました。これは、捜査中の刑事事件について総理大臣が捜査情報を捜査当局の発言を引用する形で意図的に暴露したというゆゆしき事態であります。また、長勢法務大臣は二十九日午前の閣議後の記者会見で、松岡農相への直接の捜査があったという話は聞いていないと語るなど、意図的な情報漏えいが行われております。
一国の首相が国民の前で取った言動は、動揺していたからとか、軽率だったで済むものではありません。今回の発言が公務員の守秘義務に違反するのは明らかであります。と同時に、法の下の平等を踏みにじる暴挙であります。総理の御見解をお伺いをいたします。
それでは、ただいま議題となりました年金関連法案について、民主党・新緑風会を代表し、国民の心の底からの怒りを代弁する形で質問をいたします。
安倍総理は、美しい国を政治目標に掲げ、戦後レジームからの脱却を主張されています。これは、小泉内閣で顕著となった国民の間の格差拡大や閉塞感を、こそくにナショナリズムを高揚させることで覆い隠そうとする隠ぺい策そのものに見えてなりません。安倍内閣の国民生活無視と強権主義は、今回の法案の衆議院における強行採決により、一層あらわになりました。
公的年金制度は、国民の老後の暮らしを支える世代間の支え合いであります。そして、制度を運営する国に対する揺るぎない信頼感があってこそ、これは初めて成立するものであります。ところが、その年金の支給漏れという重大なミスを目の前に突き付けられているのに、なぜ法案の成立を急ぐのか。やみくもに本法案の成立を強行しようとする安倍内閣の姿勢を厳しく批判しつつ、柳澤厚生労働大臣ほか関係大臣に質問をいたします。
国民の年金制度に対する信頼が根底から揺るがされています。申すまでもなく、五千万件以上に及ぶ消えた年金納付記録の問題であります。せっかく納めた年金保険料が、いざ受給年齢になったときに、社会保険庁のミスによって、年金の受給額が減るばかりか、場合によっては二十五年の最低加入期間を満たさないとして年金が支給されなくなるおそれがあるという問題であります。
先日の党首討論で、我が党の小沢代表の質疑に対し、安倍総理の答弁は責任逃れに終始をしておりました。歴代の社会保険庁長官やすべての関係者という表現をもってその責任について他人事のように言及されていることは、一国の総理としての潔さに欠けてはいないでしょうか。
メールマガジンの中で総理は、社会保険庁による不祥事が国民の信頼を失墜させたことに私は激しい憤りを感じてきましたと書かれていますが、本末転倒ではありませんか。国民は、最終責任者であるあなたに責任を求めているのであります。これでは、国民の怒りにたじろぎ、部下に責任を負わせて自ら保身に走るこうかつな指導者そのものの姿ではありませんか。
自由民主党の総裁、そして内閣総理大臣という国家の最高権力者に位置する者は、おいしい果実やまばゆい光だけを享受するのではなく、過去からの重い荷物も背負い、時に不条理を受け入れ、暗いやみの中を独り歩く覚悟や勇気が必要であります。また、テレビ中継された党首討論の場では、野党席からのやじに何度も過敏に反応してしまう総理の姿に、国民は、この方に国を任せていて大丈夫なのだろうかという疑念を抱きました。
総理、あなたの学ばれた帝王学に基づきまして、御自身の御所見をお聞かせいただきたいと思います。
具体的なお尋ねをいたします。
このような膨大な未処理記録がなぜ発生したのか、責任の所在はどこにあるのか、担当大臣としての厚生労働大臣にお伺いいたします。
また、保険料を納付した事実があると申告した国民に対し、社会保険事務所がこれまで証拠がないとして門前払いをしてきたのは言語道断であります。そもそも三十年以上前の昔の領収書を保存しておけというのは、およそ非現実的な話であります。
民主党は、衆議院において、実際に消えた年金の被害に遭って苦労している方々の実態を具体的に示し、早急に対応策を講じるように求めました。そもそも、正当な権利に基づく裁定がなされていない段階で消滅時効が完成するということは、論理矛盾であります。我が党はいち早く、領収書以外でも保険料の納付の事実を証明できるようにするなどの方針を出してまいりました。一年以上に及び民主党が粘り強く追及しなければ対応策が政府から出てこなかったというのは、全く情けない限りであります。
政府・与党の対応策で問題なのは、相変わらずの申請主義、つまり国民からの訴えがない限り被害は救済されないことであります。より多くもらえる権利があるのにそのことに気付いていない潜在的被害者はどうやって救済するのですか。一方、訴えがあり、今まで申請に基づき訂正された方は一体何人を数えますか。消えた年金がこれらの対応策で果たして確実に戻りますか。
さらに、一年以内で調査すると総理は言われましたが、単純計算しただけでも、五千万件の確認作業には一日十七万件の処理が求められます。職員を削減しながら、本当にそのようなことが可能なのでありましょうか。もしそれが果たせなかったときの責任は、国民の前に、テレビの前でもはっきり約束された総理御自身が負うことになるのは当然と思いますが、総理の御見解を改めて伺っておきます。
また、社会保険庁の記録と市町村の保有する記録を突合するとしていますが、既に保険料納付記録を廃棄した市町村が三百近くもあるとされています。なぜ、記録を保管している市町村がある一方で、これを廃棄してしまった市町村があるのですか。また、市町村の記録が廃棄されたものについては突合は不可能ではないでしょうか。社会保険庁側、被害者双方に記録や証拠がない場合の取扱いについての手続をできる限り早く策定するとしていますが、いつまでに策定されるのでしょうか、お伺いします。
さらに、対応策の出し方にも疑問があります。なぜ与党の議員立法なのでしょうか。政府が責任を認めるならば、当然内閣から法案を提出すべきであります。総理は閣法では時間が掛かると党首討論で答えていますが、これでは余りに無責任ではありませんか。これらについて厚生労働大臣の見解を求めます。
当初、対応策を法案として国会に提出するのは秋の臨時国会と言われていましたが、世論調査での内閣支持率急落に慌てたのか、急遽今国会に提出することになったと伝えられています。いかにも選挙目当ての場当たり策だと言わざるを得ず、お粗末の極みであります。
我々民主党は、消えた年金問題を解決し、国民に安心をもたらすため、衆議院において年金信頼回復三法案、すなわち歳入庁設置法案、年金保険料流用禁止法案、年金記録被害者救済法案を提出をいたしました。これこそ、年金制度への国民の信頼を取り戻し、安心、安定の年金制度づくりに必要なものであります。しかしながら、この三法は衆議院厚生労働委員会で棚上げ状態であり、審議もされておりません。それにもかかわらず、年金機構法案のみ強行採決し、付け焼き刃でほとんど対象者のいない年金特例法案のみを職権で審議しました。私たちは、内容の充実した年金記録被害者救済法を提出しております。なぜ、与党は積極的に衆議院で審議に応じなかったのでしょうか。理解不能であります。
社会保険庁がいかにでたらめでずさんな仕事をしてきたのか。保険料による無駄な箱物や職員宿舎の建設、公用車やゴルフボール等の物品購入、また監修料事件や事務機器をめぐる贈収賄事件、さらには、昨年発覚した不正免除事件等々を国民は忘れてはいません。
このような途方もない失態に対し、厚生労働大臣や厚生労働省の幹部はだれか責任を取りましたか。渡辺行政改革担当大臣は、歴代の幹部職員の責任問題をどうお考えでありますか。また、これに関し渡辺大臣は、歴代の社会保険庁長官の退職金を返還させると発言したと伝えられていますが、法律上の根拠はどこに置かれるのか、お伺いをいたします。
今回の法案について政府は、社会保険庁を分割、解体し、公法人の日本年金機構をつくるのだと強調します。つまり、職員を公務員でなく民間人にするというわけでありますが、職員の給与はこれまでどおり国費で賄われるものであり、実体上は公務員組織と言えます。これでは単なる看板の掛け替えにすぎないのではないでしょうか。しかも、形式上、非公務員組織としたことから大きな問題が指摘されています。つまり、日本年金機構には国会の直接的統制が及ばなくなること、機構から業務委託先の民間企業に対する天下りに法的規制ができないこと、公務員の場合より給与が高くなるおそれがあることなどであります。
これでは、正に解体とは名ばかりで、実際のところ焼け太り以外の何物でもありません。これらの問題について、厚生労働大臣は反論できますか、お伺いいたします。
とりわけ問題なのは、政府案で年金保険料の無駄遣いが本当になくなるのかということであります。確かに、年金保険料を福祉事業に充てることは削除しましたが、その代わりに、年金相談や教育、情報提供などの事業費に充てることが盛り込まれました。これでは、またぞろ全国各地に年金相談センターなどの施設を造ることになることが懸念されます。本来、年金保険料は年金の給付にのみ充てるべきであります。保険料無駄遣いの抜け道にならないのかどうか、厚生労働大臣、お答えください。
歳入庁構想に関して伺います。
税と社会保険料を一体的に取り扱う徴収機関は、英国、スウェーデンを始め、先進諸国に実例があるにもかかわらず、財務大臣は我が党の歳入庁構想に否定的な見解を述べておられます。財務大臣に改めてその理由をお尋ねをいたします。
政府案にはほかにも多くの問題点があります。
社会保険庁の職員は第三者機関で審査した上で年金機構への採用を決めるとのことですが、この際、大幅な人員削減を行うとされております。つまり、政府自らが生首を切ることになるわけでありますが、どのような基準をもって行うのか、職員の士気をどのように保とうとされるのか、お伺いします。
さらに、職員の引継ぎ規定を設けないことは国家公務員法に抵触しないのか、職員の雇用確保に万全を期すべしというこれまでの累次の国会決議との整合性はどうなるのか、渡辺行政改革担当大臣にお伺いをいたします。
また、政府の言う六分割により、消えた年金記録の責任の所在があいまいになることや、調査、救済の実施体制が確保できなくなるおそれがあるのではないか、国会の統制の届かない非公務員組織とすることで問題の幕引きを図ろうとしているのではないか、厚生労働大臣の答弁を求めます。
さらに、国民年金保険料滞納者に対し、市町村は国民健康保険の短期被保険者証を発行することができるとされ、協力してくれる市町村には財政上の配慮をすると言われています。一体、国民の命綱である国民健康保険制度で懲罰的措置を課すことが許されるのでしょうか。国民健康保険の保険料納付率まで低下するとの地方自治体の懸念にはどうこたえるのでありましょうか。こうした措置は導入すべきではありません。厚生労働大臣の見解を求めます。
年金問題に対する国民の怒りは、消えた年金問題の浮上でこれまでになく高まっております。国民の疑問にこたえないまま政府案の成立を強行すべきではありません。安倍内閣が本当に年金制度への信頼を取り戻そうとするのであれば、民主党が提出した三法案に真摯に向かうべきであります。民主党案を熟読玩味すれば、どちらが国民のためになる提案なのかは一目瞭然であります。自民党、公明党の言う百年安心の年金改革は、実のところは一日も安心できない年金改革でありました。与党の皆さんは、今改めて国民の前に謝罪すべきではありませんか。
●議長(扇千景君)
山根君、時間が超過しております。簡単に願います。
●山根隆治君(続)
それとも、三年前の保険料値上げ、給付削減のあの年金改革は、今でも百年安心なのだと強弁できるのですか。厚生労働大臣に伺います。
七月には、天下分け目の参議院選挙が行われます。民主党は、与党を完膚なきまでに打ち負かし、一日も早く政権交代を実現いたします。私たちの断固たる決意を表明して、私の質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
●内閣総理大臣(安倍晋三君)
山根議員にお答えをいたします。
松岡大臣逝去に関する私と法務大臣の記者団へのコメントについてお尋ねがありました。
私どものコメントは、東京地方検察庁において行われた検察庁幹部による記者への発言、すなわち公表された事実に言及したものにすぎません。したがって、捜査に立ち入るようなものでは全くなく、漏えい云々との御指摘はおよそ見当を得ないものであります。
先日の党首討論での私の答弁等に関連して、私が年金記録の問題について責任逃れをしようとしているのではないかとのお尋ねがありました。
先日の党首討論をごらんになっていた皆様は御存じかとは思いますが、私は、年金記録の問題に関して、政府のトップは私である以上、その責任はすべて私が背負っていると明確に申し上げております。また、昨日の街頭演説で申し上げたように、政府の責任者として国民の皆様に大変申し訳ないとの思いでございます。この認識の下で、私はこの問題に対して具体的にどのような対策を講じていく考えであるか、御説明させていただきました。そして、そうした具体策を責任を持って行っていくと断言をしたわけでございます。
国民の不安が高まる中で、今求められていることは非難の応酬に終始することではありません。互いに具体的な案を示しながら、真に国民のためになる対策をつくり上げ、それを速やかに実行に移すことであります。私は、正にその具体策を先般の党首討論の場においてお示しをした次第でございます。今後とも、政治を停滞させることなく、やるべきことをしっかりと実行しながら、国民の負託にこたえてまいります。それこそが政権を担う責任感であると考えております。
年金記録問題についてお尋ねがありました。
基礎年金番号に統合されていない五千万件の年金記録につきましては、今後一年間で被保険者及び年金受給者の記録との突き合わせを行い、同一人の可能性がある方にはその旨と各人の加入履歴をお知らせをし、年金記録の確認をしていただくこととしております。なお、その際には適切なシステム開発を行うこと等により、定員の合理化を図りながらも着実に実施をしてまいります。こうした方法を始めとして、年金記録の統合を進めるとともに、国民の皆様には社会保険庁への積極的な問い合わせをお願いしていくことにより万全を期してまいります。
なお、年金記録の訂正は、年金の裁定時に加え、年金相談など様々な機会をとらえて行われることから、それを人数として把握はしておりませんが、年金記録相談の特別強化体制において昨年末までに御本人の証拠書類により記録の訂正を行った件数は五十五件と聞いております。
いずれにいたしましても、政府としては、国民の視点に立って、できる限り速やかに、かつ行うべきことはすべて行い、責任を持って国民の不安の解消に最善を尽くしてまいります。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
〔国務大臣柳澤伯夫君登壇、拍手〕
●国務大臣(柳澤伯夫君)
山根議員にお答え申し上げます。
最初に、年金記録の未統合の問題の経緯等についてお尋ねがありました。
基礎年金番号に統合されていない年金記録が残っておりますのは、平成九年にすべての制度を通じて一元的に記録を管理するため基礎年金番号を導入することといたしましたが、その際、現に受給しているかあるいは加入している国民年金、厚生年金、船員保険及び共済組合の記号番号に基礎年金番号を付番いたしました。このため、転職などをする間に過去に加入していた年金の記号番号がそのまま残存し、その後、統合の努力をいたしましたが、今なお五千万件の記号番号が未統合となっているものであります。
この間、十年間の期間が経過しているにもかかわらず、このように統合の進捗状況がはかばかしくないことについては、当初の制度設計の詰めが不十分であったこととともに、年金事業を運営する当局として大きな責任があると考えております。
この上は、総理の御指示に従い、今後一年間で五千万件の記録と年金受給者、被保険者の方すべての記録との名寄せを完了させた上で、該当する可能性がある方々に対して、各人の加入履歴をお送りをし確認を求めることにより、記録の統合に全力を傾けてまいります。
次に、社会保険庁の保有する記録と市町村の保有する記録との突合についてのお尋ねがございました。
市町村が国民年金保険料の収納業務を行っていた時期に備え付けていた国民年金被保険者名簿は、国民年金法に基づき社会保険庁が保管する国民年金原簿とは異なり、市町村が収納業務を遂行するに当たって納付状況を管理するための当座の帳簿として備え付けていたものでございます。
平成十四年四月、国民年金保険料の収納業務が社会保険庁に移管されたことに伴いその用途が廃止され、市町村に国民年金被保険者名簿の保存、管理の義務がなくなりました。そのため、その後、各市町村の判断によりこれを廃棄したところもあると承知をいたしております。
今回、未統合記録の把握の徹底のためオンライン記録の確認を行うこととしておりますが、これは必ずしも市町村の国民年金被保険者名簿と突合する必要があるものではなく、基本は、社会保険庁のマイクロフィルムや紙台帳との突合を行い、補完的に市町村の国民年金被保険者名簿と突合するものであります。現在、市町村には国民年金被保険者名簿の保存をお願いし、補完資料としてできる限り利用させていただくことといたしております。
保険料の納付に関する記録や証拠がない場合の取扱いについてお尋ねがありました。
政府としての基本的な姿勢は、領収書等がない場合であっても、まじめに保険料を払っていた方々の気持ちに立って、お話を丁寧にお伺いしながら、様々な資料に基づいて納付があったと認められる場合には記録の訂正を行うという姿勢で臨むことであります。
このため、年金記録の訂正の可否の判断に当たっては、社会保険庁だけの判断によるのではなく、外部の有識者等から成る第三者委員会を設置し、そこで御本人の申立てを十分に酌み取っていただいた上で公正な判断が行われる仕組みを設け、適切な対応を期することといたしております。現在、こうした趣旨を踏まえて、具体的な委員の人選や個別の事案について検討していただく際の手続等の詳細について検討を進めており、今月中に第三者委員会を設置いたしたいと考えております。
次に、時効特例法案についてのお尋ねがありました。
年金記録の訂正に伴って年金額が増額された場合、消滅時効により五年以上さかのぼっては給付することができないという問題がございます。この消滅時効を行政側が主張することについては、その主張が信義則に反して許されない場合もあるが、それは極めて例外的というのが判例の考え方であり、行政上の運用だけで多くの方の権利回復を図ることは難しいのでございます。
この問題の解決は、国民生活にとって大きな影響があり、特に年金受給者には高齢者の方が多いことから、緊急を要する課題であります。このため、今般、こうした事情を総合的に勘案し、与党が特別の立法措置を講ずるとの決断をされたものと承知しており、その内容については、政府といたしましても、必要な協力をいたしたところでございます。
次に、非公務員型の公法人の性格についてのお尋ねがありました。
第一に、日本年金機構と国会との関係については、その業務等について、厚生労働大臣が直接的に管理運営責任を負うため、引き続き国会の監視を受けることに変わりがありません。
第二は、機構から業務委託先に対する天下りについて、幹部職員に早期退職勧奨の慣行がある中央省庁とは異なり、まじめに働く職員はそれぞれの能力に応じて定年まで勤務できるようにすることによって、機構が押し付け的な天下りをする必要がないこととなると考えております。また、機構の発注契約について、競争入札や企画競争入札を原則とし、その業務の透明性を高めることにより、不明朗な天下りの土壌が生じないこととなると考えております。
第三に、機構の職員の給与総額につきましては、国からの交付金が国の予算で決められることから、その時点における公務員の給与水準などを参照しながら、適正に算定するものと考えております。
このようなことから、非公務員型の公法人になることで改革に逆行になるとの批判は当たらないと考えております。
年金保険料の無駄遣いがなくならないのではないかとのお尋ねがありました。
政府におきましては、平成十六年三月の与党合意を踏まえ、年金保険料は、年金給付及び年金給付に関連する年金相談等の事業費や事務費以外には充てないという考え方で対処いたしております。
今回の法案では、御批判のあった「必要な施設をすることができる。」旨の規定を廃止した上で、事業の範囲を限定し、年金相談、年金教育及び広報、情報提供など、真に必要なものを法案に限定的に列挙をいたしております。これにより、厚生年金会館等の施設は今後造られないことが法律上も明らかになっております。
また、年金事務費のうち、適用、徴収、給付など保険事業の運営に直接かかわる経費は年金給付と密接不可分なコストであり、受益と負担の明確化という観点からも、保険料を充てることとするものであります。これは、他の公的保険や諸外国の例から見ても妥当なものと考えます。
重要なことは無駄遣いをしないことであり、毎年度の予算を精査するとともに、調達に当たっても調達委員会により厳格な審査を行うなど、無駄の排除を徹底してまいります。また、今後、年金保険料の使途が国民の目に常に明らかになるように、ホームページで予算を公表してまいります。
日本年金機構の設立後における年金記録の調査、救済に関する責任についてのお尋ねがありました。
日本年金機構の設立後におきましても、国が公的年金の財政責任、管理運営責任を担うこととなっております。したがいまして、今回の年金記録問題への対応については、機構の設立後においても国が責任を持って対処する考えであり、機構設立により幕引きを図るなどということは毛頭考えておりません。
国民年金保険料の未納者に対する国民健康保険の短期被保険者証の発行についてのお尋ねがございました。
国民健康保険の短期被保険者証は、通常の被保険者証と比較して何ら受診の際のサービスが異なるものではなく、有効期間の短い被保険者証の発行を通じて市町村が保険料未納者との接触の機会を増やし、市町村の窓口で保険料納付などを直接働き掛けることを目的として設けられたものでございます。
今回の措置は、このような国民健康保険の短期被保険者証の機能に着目し、これと同様に、国民年金保険料の未納者に対しても市町村が接触して保険料納付を直接働き掛け、又は免除の案内により年金受給権の確保につなげることを目的として実施するものであります。したがいまして、今般の措置が国民健康保険の保険料の納付に影響を及ぼすことではないと考えております。
最後に、年金制度の持続可能性についてのお尋ねがありました。
年金制度につきましては、平成十六年の制度改正におきまして、長期的な給付と負担の均衡を確保し、制度を持続可能なものとするための見直しを行ったところでございます。また、本年二月に発表した暫定試算では、昨年末に公表された新人口推計の中位推計や近年の経済動向を織り込むと、全体として年金財政が好転しており、最終的な所得代替率は五一・六%と見通されたところでございます。
なお、年金記録の問題については、総理の御指示に基づき、政府、与党一体となって包括的かつ徹底的な対応を行い、国民の年金事業運営に対する信頼の回復を確保してまいる決意でございます。
年金財政につきましては、法律の規定に基づき、平成二十一年度までにしっかりと正規の財政検証を行うなど、国民の老後生活等の安心の確保に最善を尽くしてまいります。
以上でございます。(拍手)
〔国務大臣渡辺喜美君登壇、拍手〕
●国務大臣(渡辺喜美君)
歴代幹部職員の責任問題についてのお尋ねがございました。
今回の改革で最も重要なことの一つは、かつての社会保険庁に見られたような無駄遣いは絶対にさせないということであります。そのための取組を徹底し、社会保険庁を抜本的に改革することにより、責任を果たすべきだと考えております。
また、総理も答弁申し上げているとおり、社会保険庁の年金記録問題については、基礎年金番号導入に当たっての設計段階から今日に至るまで、社会保険庁長官を含め、すべての関係者には大きな責任があると考えております。そこで、この問題に関する有識者から成る委員会を設けると承知しており、その場においてしっかりした調査、検証を行っていくことが重要であります。そして、具体的な責任の取り方の一例として、自主的な退職金の返納についても言及をいたしました。まずは、有識者委員会において事実関係を精査することが前提になると考えております。
次に、社会保険庁職員の雇用についてのお尋ねでございます。
私は、総理の指示により、日本年金機構の業務委託の推進と職員の採用に関する基本計画を定める際の学識経験者からの意見聴取について担当することになっております。様々なしがらみにとらわれることなく、国民の目線で、公的年金に対する国民の信頼を回復するため全力で取り組んでまいります。
次に、日本年金機構設立に際しての社会保険庁の職員の雇用についてのお尋ねでございます。私は、直接の所管ではございませんがお答えいたします。
まず、職員の引継ぎ規定を設けるかどうかについては、国家公務員法との関係の問題ではなく、政策判断の問題であります。本法案の制度設計に当たり、厚生労働大臣が適切に判断されたものと理解しております。また、具体の職員の採用に関しては、日本年金機構の設立委員が職員採用審査会の意見を聴いて、厳正な審査の上、決定する仕組みとなっております。新組織の職員としてふさわしくない者が、そのまま漫然と採用されることはないと考えております。
累次の国会決議との整合性についての御指摘は、どの決議を念頭に置かれているのか直ちに判然とはいたしませんが、社会保険庁職員の雇用については、国家公務員法や判例を踏まえ、任命権者である社会保険庁長官が適切に対応されるべきものと承知をいたしております。(拍手)
〔国務大臣尾身幸次君登壇、拍手〕
●国務大臣(尾身幸次君)
山根議員からの御質問にお答えいたします。
民主党の歳入庁構想案についてのお尋ねがありました。
国民年金は、滞納額が平均約二十万円と少額多数の債権であり、自主的な納付に結び付けることが基本であります。他方、国税は一千万円超の滞納が滞納額全体の約六割を占めており、大口悪質な案件に重点を置いて対応をしているところであります。また、自営業者等の国民年金第一号被保険者約二千二百万人のうち、所得税を申告している者は約三百五十万人にとどまっております。したがいまして、全体として見れば国民年金と国税の徴収対象は大きく異なっていることを御理解いただきたいと考えております。こうしたことから、民主党の歳入庁構想案では、収納率の向上や徴収の効率化に必ずしもつながらないと考えております。
さらに、政府といたしましては、民主党案は様々な問題が生じた社会保険庁を公務員組織のまま温存するということにつながりかねないという問題があると考えております。
政府の社会保険庁改革法案におきましては、新たに非公務員型の新法人を設立いたします。さらに、総理の御指示を踏まえ、特に悪質な滞納者については、厚生労働大臣から委託を受けて国税庁が強制徴収を行う道も開かれているところであります。(拍手)
●山根隆治君
実は私、川越の古市場というところに住んでいるんですけれども、私の家から直線で四百メートルほどのところで大深度掘削泉というのがいわゆる掘り当てられて、私も自転車ですぐ二分ぐらいで行けますので時折行かせていただいて非常に有り難いなというふうな思いを持っていたんですけれども、この温泉法を質疑させていただくということについて少し勉強させていただいたら、本当にこんなにいい思いしていいんだろうかというふうなちょっと思いがいろいろとしてまいりまして、様々な今思いが去来をするわけでありますけれども。
大臣の先般の本法案に対する提案理由の説明聞かせていただき、そして改めて読ませていただきました。その中で、大臣の衆参両院での説明を読んで、少しお尋ねしたいことがわきました。それは、「我が国は豊富な温泉資源に恵まれていますが、その資源には限りがあるため、持続可能な利用を進める必要があります。」というところであります。何の変哲もないお言葉のようでありますけれども、この限りがあるということ、この有限性ということについての概念というのはどういうふうに受け取ったらよろしいのでしょうか。
●国務大臣(若林正俊君)
御指摘ございました。元々、地球資源というのはいずれも有限のものだという認識を基本的に持っているわけでございまして、石油にしましてもあるいはガスにいたしましても、さらに言えば水資源もそうですし、さらに食料資源というのもやはり有限のものだと思います。
この温泉資源について有限と申し上げましたのは、特定の地域について自然にわいてくるようなものから、あるいは掘削をして掘り当てて、そこからそれを湧出させるというような様々な方法があるわけですが、いずれにしても地下のマグマから出てきた温度を受けた地下水が、それを受けて、地下水がたまっているところあるいは流れているところ、それを通じてそれを人為的に吸引する、あるいは自然に出てくる、圧力で自然に出てくるというようなものですから、いずれにしても限りがあることは明らかだと考えております。
当然、地上に降った雨などが浸透していって地下水になる。地下水になってその下から温められたものがまた温泉としてそれが利用可能であるといったような循環はあるわけですけれども、それにしても、限度を超えて掘り出してしまうとこれはやはり枯渇をしていく。あるいは、それが少なくなってきて周りから地下水がどんどん入ってくると温度が下がってきてしまうわけですね。その限りにおいて、やはり量には限りがありますから、その限度を超えて過剰にこれを利用するというようなことになると質的な変化あるいは枯渇も免れないということがあるという、そういう認識をしているわけでございまして、持続可能な利用を進めていくということがやはり温泉資源の利用には大事なんだという趣旨で申し述べたことでございます。
●山根隆治君
それじゃ、大臣にとってこの地球上における無限の概念というのはどのようなものでしょうか。
●国務大臣(若林正俊君)
専門家でないから分かりませんけれども、無限というのは私はないんじゃないかと、こういうふうに思っておりますけれども。空気にしましても、空気を組成している、その組成の変化が起こってくるという意味で、今あるような状況というのは無限にあるというわけではないんで、汚染されていけば空気もその機能が違ってくるという意味で、今までは空気だとか、更に言えばそのちょっと前までは水だとか、そういうのは天からもらい水で無限のような認識を持っていた時代はあったと思いますけれども、今やそれらもすべて地球を取り巻く自然環境の中で出てきた、発生してきている資源でありまして、遠く広く考えますと、それらもみんな限りがあるものと、そういう認識で大事にしていかなきゃいけないということがあると私は思っております。
●山根隆治君
異論があるわけではないのですけれども、有限、無限の概念というものがかなり私はやっぱり環境行政に大きな影響を与えるということで、すべてが有限という概念を強く押し出すと、そこに様々な問題がある。
つまり私は、私たちが無限という言葉を使っている場合の概念というのは、大気圏内における地球という一つの大きな生命体の中ではすべて、総体としてはすべての物質も目に触れる森羅万象やっぱり有限ということは言えるかと思うんです。しかし、私たちが無限ということを使う場合に、今お話、大臣ありましたように、一つの循環されている、システムとして循環されているものについては私はやはり有限ということの概念、一般の概念とやっぱりちょっと違うものがある。そこにやっぱり循環という物の考え方、見方というものを何らかの形で表現していく必要があるのではないか。つまり、有限、有限ということになると、私たちが温泉につかっていても、それは大事にするという、そういうメンタルな面での大切さというのはあるけれども、何かそこに私の心の中で、このような温泉につかっていることの、まあ罪悪感とは言いませんけれども、申し訳なさみたいなもの、そういうものを、肩身が狭くいい思いをしてしまうというふうなこともあり得なくはない。私は、そこのところで環境行政、様々な規制をどういうふうに加えていくかというふうなことばかりに走るということさえも私はその有限の概念から起こりやすいということを危惧し、問題提起する意味で有限、無限の話を今お尋ねをしたということでございます。
それでは次に、条文のひとつ解釈についてお尋ねを少しずつしていきたいと思います。
まず、法律案の要綱に沿ってお尋ねをさせていただきたいと思いますけれども、第二の承継規定の新設についてでございますけれども、土地の掘削等の許可を受けた者である法人又は個人について、合併、相続等の場合における地位の承継ができることとするということがわざわざ盛り込まれているわけでありますけれども、これを法文として書いているということは、今までの法律の中では様々な支障があったからこのような規定というものを新たに新設をしたということになると思うんですけれども、実際にはどのようなやっぱり支障があったのかについてお尋ねをいたしたいと思います。
●政府参考人(冨岡悟君)
承継規定につきましては、会社の合併とか、それから個人の場合の相続があった場合に、事業内容に変更がないにもかかわらず申請書作成や手数料の負担を再度行わせる、こういったことに対する都道府県の担当の方からの疑問、こういったことから、手続の簡素化といった観点からの許可の承継規定を設けるべきとの意見、こういったものが寄せられておりました。このような意見を踏まえまして、許可手続を再度行うことによります事業者と都道府県の負担を軽減し、行政手続を簡素化するために今回提案しているものでございます。
●山根隆治君
各都道府県からそういうようなお話があったからということの御説明でございますが、それでは、それらの事例といいましょうか、問題になった事例というのはどれぐらいあったんでしょうか。
●政府参考人(冨岡悟君)
都道府県が許可しております制度でございますので、具体的な何件あったとかそういったような数については私ども把握しておりませんけれども、具体的には、法人合併の際に承継規定がなかったので手続的に時間が掛からざるを得なかったとか、それから個人の場合に、父親が亡くなった後に娘さんがその権利を承継する場合に再度の申請をしなければならなかったわけでございますが、相続を受けた際に現に泊まり客がいる、そういったことから営業に支障を来さないために継続が必要であったわけでございますが、そういったことから、県としても継続するためになかなか事務的に苦労されていたといった事案を承っております。
●山根隆治君
私、質問をすればするほど私の方が何か悪いことを申し上げるみたいに思うんですけれども、これはいいことなんで、全然反対じゃないんですよ。
ただ、県からいろいろな御意見があったからということで、それでは、パブリックコメントもやられたでしょうし、県からもいろんな意見があって、しかもわざわざこういう法律をやはり変えてでもやっていこうとすることについての根拠というのをしっかりとやはり示してもらいたいということで件数のことをやっぱりお伺いをしたわけなんですね。ですから、今ちょっと件数が把握されていないというのは意外な気がしたし、ちょっとそれはどうなのかというふうな思いがいたしますけれども、その辺のところをしっかりした情報収集なりというものを、やっぱり数字でカウントすべきものはして、わざわざ法律まで変えてまでやるわけですから、そこのところはやはりしっかり今後こうした法律を提案するときには御説明できるようにしていっていただきたいということを要望しておきたいと思います。
次に、第三の掲示項目の追加についてでありますけれども、「施設内に掲示する事項として、入浴又は飲用上必要な情報として環境省令で定めるものを追加すること。」ということでございますけれども、これはどのようなことを想定されているんでしょうか。
●政府参考人(冨岡悟君)
温泉を利用される方からのニーズが多様化している、こういった状況の中で、利用する温泉の具体的でできるだけ正確な情報を得たいというニーズは増大してきているものと考えております。こういった状況に対応しましてこの法律改正案を提案しているわけでございますが、現時点では具体的に掲示項目の追加を予定しているものはございませんけれども、現行の規定では読み切れないニーズが今後発生してくるものと考えております。
そういうことで、そういった場合に迅速かつ適切な情報提供を図ることができるよう措置するためにこの法律改正案を提案しているものでございます。
●山根隆治君
審議会の答申等もありまして、専門家の御意見、答申書を私読みましたけれども、その答申書にないものもいろいろ議論の中であったと思うんですね。ですから、こういうことは考えられるという想定があるからこそ書いている。つまり、何が起きるか分からないから、一応、逃げといいましょうか、安全装置として書いたということじゃないんだろうと思うんですね。想定できるものは何ですかということをお尋ねしています。
●政府参考人(冨岡悟君)
専門家の方々の議論、それから温泉をめぐりますいろんな議論の中で要望が強いと申しましょうか、そういった観点から想定できるものとしては、掘削深度、それから自噴、動力、自噴か動力でくみ上げているかどうかといった別、それから最近比較的要望がありますのは加水の程度といったもの、こういったものなどが今後議論されてくるのではないかと考えております。
●山根隆治君
次に行きます。
第六の附則でありますけど、附則の三ですが、「この法律の施行後五年を経過した場合において、新法の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、新法の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。」ということでございますが、この場合の必要な措置というのは法改正ということを想定されているんでしょうか。
●政府参考人(冨岡悟君)
規制の新設に当たりまして、一定期間経過後に見直しを行うこととし、法律にその旨の条項を盛り込むことにつきましては、これは政府の方針として閣議で決定されているところでございます。今回の法改正案にあります定期的な温泉成分分析の義務付けにつきましても、これに該当しますので、五年間の運用状況を踏まえて見直しを行うこととしたものでございます。
この規定による検討の際には、法改正が必要となるような事項も含めまして、幅広く見直しを行うこととなるものと考えております。
●山根隆治君
それでは、次に質問を移らせていただきます。
温泉の成分の分析については、源泉の表示ということをされているわけでありますけれども、これは一般の利用者にとってはなかなか実感として分かりづらい部分もあるかと思うんですね。したがって、私は浴槽のやはりお湯がどのような成分が含まれているのかということにも国民の関心は高いと思うわけでありますけれども、この浴槽のお湯でなく、源泉を分析した表示ということの義務付けということになっていることについての説明を求めたいと思います。
●政府参考人(冨岡悟君)
温泉成分の掲示は、入浴者の健康保護等を目的として行うものでございますので、成分分析は温泉の利用場所において行うことを原則としております。なお、この場合の温泉の利用場所とは、入浴している状態の浴槽そのものではなく、浴槽への注ぎ口や貯水タンクを指すものでございます。
そういうことから、掲示されている成分と実際の浴槽そのものの成分が異なるという指摘があることは承知いたしております。しかし、浴槽の成分は、入浴する方の利用状況、どれだけの人が利用されるとか、いろんなことによりまして変化する、変動するものでございます。そういうことで、浴槽の成分を安定的なものとして正確に表すものとは必ずしも言えないという面があろうかと思います。
したがいまして、比較的変動が少ない浴槽への注ぎ口等の成分を表示し、浴槽の成分を変化させ得る行為、例えば加水とか消毒とか循環ろ過をしている、こういった旨を掲示させる。こういうことによりまして、浴槽の成分につきましても適切な情報を提供できる仕組みに今なっているものと考えております。
●山根隆治君
例えば、温泉に行きますと、こういう体の病気に効くとか、効能がずっと書いてあるわけですね。この質問をするに当たって、そのこともちょっとお調べ事前にいただいておりますけれども、医療法上全くそういうことは問題ないということでありますけれども。それはあくまでも、やっぱり源泉を前提としての効能だろうと思うんですね。しかし、お湯につかる利用者にとっては、源泉ではなく浴槽の中にあるそのままの成分がどうなのかということを知りたい、あるいは効果があるかどうかということの一つの問題点も私はあると思うんですね。そこに少し違いが出てくる。
したがって、私は、源泉の分析、そして浴槽の成分の分析というものもやっぱり表示すべきだろうと思うんですね。つまり二つ、二種類を表示するということであれば問題ないだろうと思うんです。様々な条件によって変化するということを今お話ございましたけれども、成分も変化してくるというお話ございましたけれども、ある一定の条件を設定して、利用者がまだ入らない時間帯であるとか、一定のやはり条件の中でどうだったということは、浴槽の中の成分を分析してそれを表示する、それに基づいて病気に対してのいろいろな効能がこれだけこういうものがあるということが書かれるのが私は妥当だろうと思うんですが、その点いかがでしょうか。
●政府参考人(冨岡悟君)
先生御指摘の二種類の表示をしてはどうかという御提案につきまして、確かにいろんなその情報提供を丁寧にするということ自体は利用者にとって好ましい状況が生じてくる、一般的にはそういうことも多いかと思われます。
ただ、これを制度上義務付けるといった場合には、やはり浴槽で割と客観的に皆さんが御納得いただけるような基準をどうするかとか、それから実際に表示する方の状況と申しましょうか、それなりにまたいろんなコストも掛かりますし、また何ですか、その努力と申しましょうか、そういったことも必要になりますので、そういったことをいろいろ勘案して考える必要があろうかと思いますが、サービスの質の向上として、こういったできるだけ丁寧な情報提供に手掛ける、任意で手掛けるといったことについては、それはそのサービスの向上としての意味があるものと考えております。
●山根隆治君
国の方針として打ち出すということよりも、それは任意にということの今お話だったと思うんですけれども、これはパブリックコメントなんかでそうした意見というのはなかったんですか。
●政府参考人(冨岡悟君)
パブリックコメントの中ではかなりいろんなたくさんの実は意見が寄せられておりましたが、そういった中に先生御指摘の浴槽でという御提案もございました。
そういうことで、我々、たくさん寄せられている中でいろいろ検討した上で、また中環審の先生方の最終的な全体の方向として、現在の、先ほど申し上げましたような方式、国として義務付ける方式としてはそういった方向というふうなものが出されたものでございます。
●山根隆治君
私は実は積極的な意味でちょっと御質問をイメージとしているんですけれども、日本で「温泉療法」という本が書かれたことがありました。これはもう四十年以上前の話なんですけれども、やはり温泉を積極的に医療ということに活用していこうという考え方がかなり学者の間でも強くなってきた時期であったわけですけれども。
私は統合医療という問題というものに取り組んできておりますけれども、残念ながら厚生労働省の方では今年の予算というのが前年度よりもちょっと下回るぐらいの予算になってしまったということはございますけれども、私は、温泉の効用というものを少しデータを蓄積して、それを科学的に分析をして、国民に温泉と医療というもののかかわり、効能というものをやはり大きく強くPRしていくべきじゃないかと、こういうふうに実は思っているわけでございまして、漠然として例えば玉川温泉ががんにいいとかというのは、民間ではすごく広がった話でありますけれども、それやはり科学的なデータを蓄積して国民に強くアピールしていくということが非常に必要だと思うんですが、そのデータの蓄積についての御努力というのはいかがでしょうか。
●政府参考人(冨岡悟君)
環境省におきましては、温泉につきましては、昔から湯治という言葉にありますように、健康に効果があるということでございまして、ただ、その効果そのものにつきましては例えば必ずしも、成分そのものから直接的にくるといったものもあると思われますけれども、そのほかに物理的に熱い熱の刺激、それから圧力の刺激、それから転地療養と申しましょうか、いい環境の下で療養することによる効果、そういったことが総合的に重なり合わせまして健康にいいのではないかと、そういうふうに一般的に考えておりますし、私どもも考えております。
そういった中で、具体的な効能と申しましょうか適応症につきまして私ども情報を蓄積するために、温泉気候医学会という温泉療法に大変関心を持っているお医者さんを中心とする学会がございまして、そういったところに委託いたしまして、そういった内外の文献を整理してもらうとかいろんな調査をしてもらう、そのようなことを委託しておりまして、そういった結果に基づきまして必要な情報提供を行ってまいりたいと、そのように考えております。
●山根隆治君
少し時間がもうなくなりまして、最後の質問になりますのでほかに移らせていただきますけれども、大臣にお尋ねをいたします。
大深度掘削泉などの流行といいましょうか、によりまして、既存の国民保養温泉地も様々な経済的な影響も十分受けているということが予測できるわけでありますけれども、今後、この国民保養温泉地の振興策というのを私は国としてもしっかりやっぱり考えていかなくてはいけないだろうと。温泉従事者といいますか、それにより生計を立てている人の数というのは相当数に私も上るというふうに考えられるわけでございまして、特に国民保養温泉地の振興策についてどのようにこれから考えていかれるのか、お尋ねをいたしたいと思います。
●国務大臣(若林正俊君)
古来から、温泉というのは地域の住民にとっては憩いの場であったり、あるいは治療の場であったり、それぞれの温泉の特有の評価というのが伝わってきておりまして、それに新しい温泉も加わって各地で温泉が非常に多く利用されるようになっているということだと思います。
私は長野県なんですが、温泉地の多いところでございます。もう温泉の出ない市町村がないほど温泉が非常にありますが、その中でもやはり委員がおっしゃられました国民保養温泉といったような健全な、そして長く親しみを持たれてきた温泉地もかなりございます。
こういう温泉地の振興というのは、やはり地域ぐるみでその信用を保持するための環境を整えていくというようなことが必要ですし、また、差別化といいますか、あの温泉とこの温泉はこういうことで違うんだという特徴を工夫しながら、リピーター、繰り返し利用できるような工夫をそれぞれが凝らしているのが実情であろうかと思います。
そういう意味では、それぞれが持っている特色をどうしてどのような形で情報発信していくか、そういうことが非常に大事な、振興上大事なことではないかというふうに考えておりまして、環境省としては、このようなそれぞれの地域ぐるみで考えられる魅力を高めるための創意工夫について広く全国にこれを紹介をしていく、そして自然との触れ合いができるような周辺整備を図って、それらの環境とともどもにこの温泉地が健全な保養地としても評価され利用されるというふうに進めていくことが大事であり、そのような活動について支援を講じてまいりたいと、このように考えております。
●山根隆治君
終わります。