
更新日付 2009.06.19
●山根隆治君
民主党の山根でございます。
まず、ちょっと通告外で恐縮でございますけれども、昨日の夕刊と今日の朝刊に報道されておりました、トンネルじん肺の原告団と国との和解についての報道がございましたけれども、これについて大臣、何か御感想ありましたら。いろいろな訴訟問題等、環境省もかかわっておられることが多かったわけでありますけれども、この国との和解についての御感想が何かあれば一言お述べいただければと思います。
●国務大臣(若林正俊君)
直接の環境省所管の事業にかかわるものでございませんけれども、今委員が御指摘になりましたように、このじん肺問題は、この被害を受けた方と国及びその関係者との間に長い訴訟が係属されておりまして、その訴訟の過程で多くの方がお亡くなりになる、そしてこの訴訟の係属によって苦痛を続けられた方々が大勢いらっしゃるわけでございまして、そういう状況の中でこのたび国と原告団との間で和解に至ったということは大変喜ばしいことだというふうに評価をいたしておりまして、訴訟の場面ではそれぞれの責任の所在をめぐって激しい意見の対立、論争があるわけでございますが、この被害を受けられた方々もそれぞれがいろんな立場の違いを持っておられますけれども、共通の問題として国の責任というものをどのように認識するか。これも突き詰めるといろんな議論があるわけでございますけれども、今申し上げたように長い間このことで苦しみ続けてこられた原告の立場というものを国としても認識した上での和解の成立だという意味で、この和解は歓迎すべきものだと考えているところでございます。
●山根隆治君
通告外で恐縮でございました。
今、大野先生が議員としての最後の御質疑ということでのお話を聞きまして、少し詰まるものもございました。その御議論をちょっと聞いていて、これも細かしい話ではないので、基本的なところでございますので、通告をこれもちょっとしてなかったんですけれども、ちょっと御感想といいますかお考えを聞かせていただきたいと思うんですけれども。
今御報告のありましたハイリゲンダムのサミットで、安倍総理が二〇五〇年までに半減をしたいというふうなお話が、排出について現状から半減したいというふうなことを述べられて、国際的な注目を浴びてほかの国々の御理解、共感も得たと、こういうことでございますけれども、ふと疑問が思い浮かんだんでありますけれども、半減ということの意味は何なんでしょうか。
●国務大臣(若林正俊君)
地球温暖化を止めなきゃいかぬ、ストップしなきゃいけないというのが基本でございます。今の状況を見ますと、温室効果ガス、特にCO2については自然の吸収源というのがあります。吸収源の一番大きいのは海でございます、海面から吸収する。それから森林です。これらの吸収する量が三十二億トン余という、プラスマイナスありますけれども、それが吸収量なんですね。ところが、排出はどうだということになりますと、年々蓄積される排出量が増えてまいりまして、これも七十一億トンプラスマイナスというようなことで倍以上になっているわけであります。
この温暖化を止めるためには、排出されている量を少なくとも吸収量まで落とさないことには止まらないわけですね。ですから、削減をしていくときに長期的に見てその吸収量とイコールになるところまで抑え、削減していかなきゃいかぬという、そういう考え方に基づきまして、それをざくっと言いますと、これは現状から、分かりやすく言えば、みんなの理解として言えば、半分にするということがなければ温暖化は止まらないね、温暖化を止めるためには半分にしようじゃないかと、こういうことを世界の共通の認識にしたい、共有したいという意味で提案を申し上げているわけでございまして、正確に言いますと、このIPCCの予測もこれ数字でございますからいろいろ幅があるんですね。いつのときを起点にするかというのはそれぞれいろんな議論があるんですけれども、分かりやすく言えば、今我々が生活をしている地球の中で排出している量と想定されるものを少なくとも半減しないと吸収量に見合ったところまで行かないという意味で半減を提唱したということでございます。
●山根隆治君
そうしますと、半減という数字には科学的な根拠はないということでいいんでしょうか。
●国務大臣(若林正俊君)
正に科学的な根拠だと私は思うんですけれども、IPCCが予測を報告をしておりますように、その吸収量というのがあるわけですね。これはもう海の中の生物諸活動などを通じて炭酸ガスを吸収していくという、これがどのぐらいの量あるかというようなこと、正に科学的な知識、分析の結果から出てくるわけですね。森林がやはりどのぐらいの炭酸ガスなどを吸収しているかというのも、これ全世界の森林面積を想定をし、その森林の吸収する量というものを推定して吸収量というのは出しているわけですね。しかし、世界全体ですから統計的には誤差があります。非常に幅があるという意味で限界があるんですけれども、大ざっぱにいきますと先ほど申し上げたような数字になるわけですね。
じゃ、排出量はどうかといえば、これは石炭とか石油とかその他の、例えばツンドラ地帯で発生してくる、これが解けてくるとメタンが発生するとか、様々な温室効果ガスがあるわけですけれども、そういう排出量というようなものを各国の状況を積み上げながら推定をしてきておるわけです。
しかし、これやはり地球の自然の大きな営みの中でありますから、ある幅があるという意味で、そういう意味では幅のある話の中をつないでどのくらいかということですから、科学的根拠に基づきながらみんなが理解できる、共通に理解できる、つまり対立もあるわけですよね、考え方の違いが、科学的根拠の主張の仕方が。その共通の部分をお互いに共有していきたいという意味で半減、少なくとも半減という提案をしたということでございます。
●山根隆治君
例えば、半減ではなくて五五%だ、六〇%だということもあり得たわけですね。しかし、今の大臣のお話、御答弁聞くと、やはり何かレトリックといいましょうか、そうした象徴的な数値としてやっぱり挙げられたのかなという気はしたんですね。
もう古典的なレポートですけれども、ローマ・クラブの報告などはかなり世界じゅうの学者がいろいろな科学的なデータを分析して、そしてレポートにまとめた。それへのいろんな当時から批判も、科学的な面からの批判ということもございましたけれども、一応すばらしい歴史的なレポートに当時なっていたと思うんですね。
この五〇%削減というのも、分かりやすくすっきりするということで、何か大根をばさっと切ったようなそういうさっぱり感というのはあるんですけれども、科学的に五五だとか六〇ということじゃなくて、五〇というのは一つの象徴的な数字、分かりやすいというかメンタルな部分に訴える、訴えやすいということが強かったという理解でよろしいんでしょうか。そのことがいけないと言っているんじゃなくて、そういう理解でいいかということを申し上げているんです。
●国務大臣(若林正俊君)
先ほど科学的根拠がないとおっしゃられたものですから、そうではありませんと。
それで、IPCCの推定を申し上げますと、これは世界の科学者六百人ほどが集まり、日本の科学者もこの中にメンバーに入りまして相当大きな貢献をしているわけでございます。そのIPCCの第四次報告では、排出量を七十二プラスマイナス三億トンというふうに想定しています。吸収量については三十一億プラスマイナス十一億トンという幅を持って出しているわけでございます。
しかし、このIPCCの報告とは別に、いや、もっと吸収量が多いんだという主張をしている国もありますし、そういう科学者もいるわけですね、個別に見ますと。だから、IPCCのものだけが絶対にこれで共通の認識が得られているとも言い切れない。
そういう意味で、ある幅のあるそれぞれの科学者あるいはそれぞれの国の主張というようなものを共通にどこでこの認識を共有するかというふうに考えまして、このハイリゲンダム・サミットのときにも、EUとカナダと、そして日本の主張をベースにしたわけですが、少なくとも半減というのは、それじゃ、少なくともってどのくらいなのかということもあります。そこはそういう主張をまとめていく中で、お互いにこれだと共通の認識が得られるだろうという意味で半減、少なくとも半減という言い方をしたということでございます。
それなりに科学的な主張に幅があるということの中で共通の点をお互いが共有をするために認識を提案をしたと。これもその方向に向かって検討するということになっておりまして、結論を得るにはなおなお議論のあるところだと思います。
●山根隆治君
大臣の御答弁で背景と大体の風景が見えた気がいたします。
しかし、もう一つあれと思う疑問は、そうすると、数値の話でありますから少し細かしくなりますけれども、京都議定書で定められた期間というのがあって、二〇一二年、それを待たずに現状の半減というふうな表現をされているわけでありますけれども、ここは少し丁寧に二〇一二年の時点を踏まえてというふうなことではなかったところについてはどのような解釈をしたらよろしいのでしょうか。
●国務大臣(若林正俊君)
この半減というのは実は二〇五〇年という長期の目標に対してどういう目標設定をするかということでございます。
お話の京都議定書は、二〇〇八年から二〇一二年までの期間をどのような形で、これは先進国だけですけど、地球全体がどうなるかということについてはそこでは明らかにしていないんですね。その参加した二十七か国の先進国について言うと、少なくとも一九九〇年比で五%減らそうと、先進国で。その中で日本は六%、EUは八%、そして離脱をしましたけどアメリカは七%ということを協議で決めたということでありまして、そういう二〇一二年までの期間の何%削減するかという手法として基準年を一九九〇年に置いたということでございます。
今度の長期計画は、五十年先ですから、そういう長期の先をどこを起点にしてというふうに、今言いましたように、少なくとも半減という程度の幅の中で言っていますから、今の時点というのはそれじゃ幾らなんだと。今というのはいつかというと、IPCCの報告だと、二〇〇〇年から二〇〇五年までで幾らというのはIPCCで推定したものがあるんですけれども、じゃ、それを固定して世界共通の認識が得られるかというと、それにはまだ異論を持っている方もいます。いますから、だから数字を挙げて幾らということは、その起点についても申し上げなかったと。
しかし、いろんな議論があるけれども、現状においてこうだろうと思われるもの、数字は明らかにされていませんけど、幅があるものから少なくとも半減というふうに表現をしたわけでありまして、京都議定書とのかかわり合いは直接は意識しておりません。
●山根隆治君
御説明はよく分かりましたけれども、やはりちょっと私の疑問にはまだすっきりとした御答弁でなかったと思いますけれども、マクロの話ばかりしていても時間もございますので、少し進めさせていただきたいと思います。
私は、アスベストの問題についてお尋ねをさせていただきたいと思っております。
実は私、埼玉県の選出の議員でございまして、建設労働者の方々で組織する建設埼玉というところがございます。ここでいろいろな調査をされ、いろんな日常活動の中、調査をされておられるわけでございますけれども、その調査結果の中で、建設労働者の五十代から六十代の方々の生活習慣病の検診などで多数の粉じん、石綿による検診結果で多数の健康障害が出ているという資料を実は私いただきまして、今後も発症の可能性というのは非常に高いと思われるわけでございますけれども、今後の、私、埼玉県の一例を申し上げたわけでありますけれども、アスベストの被害の状況予測についてはどのようにお考えになられるのか、お尋ねをいたします。
●政府参考人(上田博三君)
今後の被害の予測ということでございますけれども、一説に言われておりますのは、アスベストが我が国で輸入をされて使用されてからその輸入量、使用量がピークになるまでの期間がございまして、そのピークの期間から大体三十年ないし五十年ぐらいの間にこの被害のピークが来るんだろうということでございますので、ちょっとまだ予想については十分推定ができない状況でございますけれども、まだこれから被害者の方は増えるんではないかというふうに考えているところでございます。
なお、現在のところ、私どもとしては、救済法に基づいて適正なる、また迅速なる認定を進めているところでございます。
●山根隆治君
なかなか試算ができない、まだできていないということでございますけれども、ある組織での試算ですと、胸膜中皮腫の死亡者数について、今後三十年間で約五万八千八百人、四十年間では十万三千人になり、二〇三〇年から三四年の五年間で死亡者数のピークを迎えると、こうした予測を出しているところもございます。
冒頭申し上げましたように、五十代、六十代の労働者の方々に対する補償や処遇について、それなりに適切にというふうなことでもございましたけれども、具体的にこういった相当多くの被害者の方々が予測されるわけでございまして、こうした予測、ある程度は国としても想定をされておられると思うんですけれども、石綿の救済法での補償ということの内容についてどのようなことをお考えになっておられるのか、もう少し詳しくお尋ねをしたいと思います。
●政府参考人(上田博三君)
石綿による健康被害の被害者の方々に対しましては、石綿健康被害救済法に基づきまして、昨年三月から申請等の受付を開始されまして、独立行政法人環境再生保全機構が申請等を受け付けまして、医学的判定が必要なものについて、中央環境審議会の専門家による審議を経て、機構が認定を行っております。
現状でございますけれども、本年五月末時点までに千九百件の申請を受け付けまして、九百十三件が認定、それから施行前死亡者に係る特別遺族弔慰金等につきましては、二千二百六十四件の請求を受け付けまして、うち千六百七十二件が認定をされております。認定の対象疾病といたしましては、いわゆる中皮腫と石綿に起因する肺がんということで、現在認定の対象としているところであります。
今後、こういうことにつきましても、附帯決議にございますように今後五年間の見直し期間がございますので、そういう中で様々な情報を収集をし、制度について検討を進めていきたいというふうに考えているところでございます。
●山根隆治君
アスベストについて、日本及び主要国での製造、使用に関する状況はどのようになっているか、お答えをいただきたいと思います。
●政府参考人(小野晃君)
アスベストの製造、使用の規制状況について、諸外国、我が国の経緯も含めまして少し御説明をさしていただきたいと思います。
製造、使用等の禁止につきましては、クロシドライト、これはいわゆる青石綿、それからアモサイト、茶石綿につきまして、我が国は一九九五年に禁止をいたしました。
このクロシドライトにつきましては、それまでも行政指導等によりまして既に一九八九年の段階で使用の実態がなくなっているということを確認をいたしております。ドイツが一九八六年、それからフランスが一九八八年に禁止措置を講じていたわけでございますけれども、これら両国では依然使用の実態があったということを考えますと、我が国として実態面でこれらの国に後れは取っていないというふうに考えております。
それから、アモサイト、茶石綿につきましては、ドイツが一九九三年、それからフランス、一九九四年に禁止をしております。我が国は先ほど申し上げましたように一九九五年でございますので、禁止の時期には大差がないというふうに考えております。
これまでも我が国として、その時々の知見に応じて必要な規制は講じてきております。ちょうど昨年、平成十八年に我が国が白石綿も含めまして全面禁止にいたしました。EUではその前年、平成十七年、二〇〇五年に使用等が全面禁止をされていると、こういう状況でございます。
●山根隆治君
先に進みます。
二〇〇五年、フランス上院の報告書によれば、フランスでは今後二十年から二十五年以内に六万人から十万人がアスベストにより死亡する可能性があり、その責任は産業界の強い影響を受けて禁止措置を遅らせた政府にあると、こうされたわけでございますけれども、我が国の場合、こうしたフランスの例を持ち出すまでもなく、重々いろいろな責任についての御認識もあるかと思うんですけれども、日本政府の責任についてはどのようにお考えになっておられますか。
●政府参考人(小野晃君)
お答えを申し上げます。
先ほども御説明いたしましたように、厚生労働省といたしましては、これまでもそれぞれの時点において、当時の科学的知見に応じて必要な規制等の対応を行ってきたというふうに考えておりまして、実態面も含めて対応に遅れはないというふうに考えております。
一昨年、政府としての検証、この間のアスベスト対策についての検証報告をさしていただきましたけれども、その中でも触れられておりますけれども、現時点で予防的アプローチが国際的に認知された現状から見ますると、生命、身体に係る法令上の禁止措置については世界的な動向を見ながら実施するという考慮が十分なされたとは言えないという面があるものの、いわゆる不作為等についてはないというふうに私どもも考えております。
今後とも、このアスベストによる労働者の健康障害を防止するため、昨年全面禁止の措置をとりましたけれども、この全面禁止措置の遵守の徹底を図りますとともに、これから今まで使われましたアスベスト等の建築物の解体等も増えてまいります、こういう面での暴露防止対策につきましてその徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。
●山根隆治君
今、御答弁にありましたように、建築物の解体に伴ってアスベスト廃棄物の大量排出ということが十分予測されるわけでございますけれども、この最終処分場というのは全国的には充足されているということになるのか、不足しているのか、お尋ねいたします。
●政府参考人(由田秀人君)
アスベストに係ります特別管理廃棄物として現在取り扱っておるものに関しましては、最終処分場に関しまして、現状の収集におけるこん包等、処分におけます溶融処理、あるいは耐水性材料での二重こん包等の措置を行って所定の場所に最終処分を行うという点につきましては、最終処分場につきまして特段不足しておる状況ではないという認識でございます。
●山根隆治君
特段不足していないということでございますけれども、それはいかがなものかなというふうな思いが実はいたしております。
相当の私は廃棄物、アスベスト廃棄物の大量排出ということで、本当にそれが全国的にも、トータルでは満たされていても、例えば大都市圏等ではその最終処分場の建設あるいは更なる増設ということについては、住民意識の問題もございましてなかなか思うように進まないという場面がこれから出てきはしないかということを私自身は心配をいたしているところでございます。
私も埼玉県の県議会の議員もしていたことがございまして、様々な地域の方々の御意見等も、お話も聞かせていただいたことがあるんですけれども、国が方針を少し変えまして、例えば一つの県の中で排出したものは県の中で処分するということが一つの原則としてもあろうかと思うんですけれども、前提があろうかと思うんですけれども、しかし、現実にはなかなか、量が多くなった場合には近隣の他県の協力を得ているというところもあるわけでございまして、実は埼玉県もそのような状況に一つなっているわけでありますけれども、そしてお隣のこれ群馬県の処分場をお借りをしたりするというところが、実は事情が埼玉県もあるわけでございますけれども、そうしますと、事業者は、排出事業者自身が持ち込むわけでございまして、その他県の担当者と直接に事前協議を行う必要があるということで、それを遵守多くの方はしておられるわけでありますけれども、この事前協議の手続が非常に煩雑で、処分コストの増大などがありまして、人によってはどうも不法投棄を心配する向きもかなりあるわけでありますけれども、こうした不法投棄の可能性、現状についての御認識というものはどのようなものをお持ちなのか、お尋ねをいたします。
●政府参考人(由田秀人君)
不法投棄に関しましては、かなり、平成九年の廃棄物処理法の改正におきまして、個人では一千万、法人で一億円、あるいはその後の改正によりまして懲役も五年と大幅に強化いたしておりまして、不法投棄、厳重な、断固として不法投棄を許さずという立場を取っておりますが、今御指摘のように、自治体の事前協議制というものが極端に行政指導等によって行われます場合には、そのリスクというものが高まる可能性というものはございます。
そのような観点から、環境省としましては、従来より、事前協議制度によりまして産業廃棄物の処理が怠りましたり不法投棄の不適正処理が生じる事態を招くことがないよう、このような指導を見直すように指導をしてきたところであります。昨年九月にも、各自治体に対しまして搬入抑制をすることなく円滑な処理の確保に留意すべき旨の通知を発しまして、この旨も周知を図っているところでございます。
●山根隆治君
しかし、大都市圏のいろいろなところで起こっている現実としては、山の中に不法投棄が後を絶たないという状況もまだ実はあるというふうに私自身思っております。
これは、卵か鶏がどちらが先かという話もありますけれども、例えば駐車違反なんかもそうですよね。非常に迷惑駐車だからといって罰則をどんどん厳しくして駐車をなくすということがありますけれども、しかしなかなか思うようにいかない。しかし、だんだん解決していった場合にどういうことになっているかというと、大体、民間の駐車場がどんどん増えていったりすると、そこに入れるということで駐車違反がなくなる、これがやっぱり現実だろうと思うし、素直なところだろうと思うんですね。
ですから、私は、この産廃、特にアスベスト建材の問題についても同じようなもので、幾ら罰則を強化しても、それはもう巧妙に不法投棄するというふうなことというのはなかなかなくならないんだろうというふうに思っております。やはり各四十七都道府県それぞれに私は最終処分場が十分充足されているという状態をつくらないと、根本的な解決は難しかろうというふうに思っております。
しかし、今お話ししましたように、大都市圏では必ずしもそれぞれの自治体ごとに最終処分場を充足させるということは、これからなかなかやっぱり困難になってくる場面も私は出てくるように思えてならないわけでございます。PCBの廃棄物の処理では、首都圏では一都三県での処理施設の配備ということで決められているわけでありますけれども、このアスベストの最終処置についても、私は広域処理というものがこれから現実的に検討されるべき課題だろうというふうに思っているわけでございまして、これにはやはり国の強力なバックアップ体制というものがないと、それぞれの各県にその処置をゆだねるということについては非常に現実的にやはり私は無理がある、負担が大きいというふうに思えてなりません。費用の問題、そして住民の皆さんとの協議ということも当然あるわけで、理解ということもあるわけですから、そうした非常に大きな負担ということがあるわけでございますので、国の広域処理ということについてもう少し前向きな検討が今必要な時期に来ていると思うんでありますけれども、この点についての御見解をお聞かせいただきたいと思います。
●国務大臣(若林正俊君)
委員がいろいろと御心配になられ、処分場が不十分であるために、規制を免れるために不法投棄が増えるんじゃないか、不法投棄の心配があるんではないか、自治体だけに任せていていいんだろうかと、PCBにおきますような広域的なその処理体制といったようなものを考えるべきじゃないかと、こういう御意見であろうかと受け止めているわけでございます。
実は、この石綿の廃棄物の円滑な処理体制を確保するために、昨年の二月に廃棄物処理法を改正をさせていただきました。それで、この廃棄物処理法の改正によりまして、新たに溶融などによって石綿の被害がその後も拡散することがないような処理方法によります石綿廃棄物の無害化処理につきましては、環境大臣が認定をいたしますと、民間の事業者ですけれども、認定いたしますと、もう都道府県の設置許可などを不要として、そこに持ち込んでもいいというような昨年の法律改正をお願いをし、成立を見ているところでございまして、この制度を有効に活用をして、大臣認定によります無害化処理の施設を促進を図っていくというようなことで、円滑で適正な石綿廃棄物の処理が確保されるように努めていかなければならない、こんな問題のとらえ方をしているところでございます。
●山根隆治君
いずれにいたしましても、私は、やはり各都道府県の実情に応じて、建築廃材でアスベスト処理ということが本当に大変な問題をこれから引き起こすことは間違いありませんので、適切な、やはり各都道府県の現状に応じた、実態に応じた措置というものを国として何ができるか模索を是非していただきたいというふうに思いますので、最後にもう一度、重なりますが、御決意のほどをお聞かせください。
●国務大臣(若林正俊君)
ただいま申し上げましたように、このアスベストの処理につきまして、その処理後の事故が発生するようなことがないように、昨年の成立を見ました法律に基づいて、大臣の認定に係る施設を整備をするように勧奨し、指導をし、そしてこれらの石綿の廃棄物処理が適正に行われますようにきっちりと指導してまいりたい、このように考えております。
●山根隆治君
それでは、ハイリゲンダム・サミットでの話に少し戻らせていただきたいと思うんですけれども、報道されたところによりますと、カナダが京都議定書の削減目標達成を事実上断念したというふうな報道があるわけでございますけれども、我が国としてもカナダについてはこうした認識を持っているのかどうか、お尋ねします。
●国務大臣(若林正俊君)
努力をしないということではないと受け止めております。いろいろ努力しても、この京都議定書の第一約束期間中に約束をした削減は困難な状況になったという認識をカナダが示されたものと考えております。
我が国については、もう委員御承知のように、本来来年から始まるわけですけれども、始まる前の事前の努力というものを重ねてきたわけですが、減るどころか、実は先般確定値見ましたら、二〇〇五年で七・八%増という結果になっているわけですね。そういう意味ではカナダと同じようになかなかこの達成は困難だという事情にあるわけですが、決して、ギブアップをし、これは困難だから無理だなというような認識は持っておりませんで、今年中にこの全体の見直しを今仕掛けております。
それぞれの排出源ごとに京都議定書の目標達成計画の細部にわたって、中央環境審議会、産業構造審議会の合同、あるいはそれぞれの審議会でヒアリングをかなり精力的に続けてまいっておりまして、先般中間的な取りまとめをしていただいたところでありますが、政府におきましてもそれら関係者との協議を重ねてまいっております。そして、今年中に更にこの京都議定書の目標達成計画の達成が確実になるような措置について、これを強化し、拡充を図り、必要があれば制度的な対応も含めまして、今年度中に新しい見直し後の体制でこの目標達成を確実なものにしたいと考えております。
当然のことながら、来年は日本が議長国を務めるわけでございまして、議長国たる日本が第一約束期間の約束が守れないというようなことでは世界に対して、次の二〇一三年以降の説得をする立場でございますけれども、誠に説得力のない立場になってしまうわけでありますから、何としてもこうやっていけば達成できるんだという見通しを明確にしたいと、こう思っております。
●山根隆治君
日本は頑張るんだと、こういう決意の表明もいただいたわけでありますけれども、今お話ありましたように京都議定書の目標達成計画を見直すということでございますけれども、いろんな見直し方があるんだろうと思いますけれども、当然、釈迦に説法ですけれども、排出削減ということが一つある、そして植林等による二酸化炭素の吸収促進ということがある、そしてもう一つはクリーン開発メカニズム等の措置があるということでございますけれども、どこに重点を置いて見直しをされようとされているのか。もうここまでの時点に来れば、私は排出権取引というところに重点を置かざるを得ないんではないかというふうに思いがいたしますけれども、目標を達成するための重点というものをどこに置かれようとしているのか、お尋ねをいたします。
●政府参考人(南川秀樹君)
御指摘の見直しでございます。
まず、需要の削減でございます。これにつきましては、産業あるいは業務、家庭、いろいろございますけれども、やはりその排出が増えております。想定よりもはるかに増えておりますのはオフィスなどの業務部門、それから家庭部門でございます。これにつきまして非常に対策が遅れていることもございますので、この辺りの需要減ということを最大限進めなくてはいけないというふうに考えているところでございます。
それから、森林吸収につきましては、三・八%ということで想定して補正予算も付けていただいておりますので、何とかこれを達成したいと思っております。
それから、CDMなどの京都メカニズムでございますけれども、これにつきましては、あくまでその様々な対策を取った後に必要なことについて補完的に使うということが原則でございまして、私どもこの原則はきちんと守りたいと思っております。そういったことから一・六%ということを見込んでおりまして、政府による購入は一・六%と見込んでおるところでございまして、これについて特段これを増やそうという見解は今のところ持っておりません。ただ、これ自身がうまく、安く効率的なことはかなり大変難しゅうございますので、私どもとしては、国民の皆さんに納得いただけるようなリーズナブルな購入を進めていきたいというふうに考えております。
●山根隆治君
国内的に、東京都も非常に今いろいろな施策を展開して、全国の注目も浴びているところでございますけれども、温暖化排出量が相当程度高い事業所を対象にして五か年の削減計画を求めたりして都内の事業所に対しておられるということでございますし、排出量取引という制度についてもこれから行っていくというふうな方針を東京都は出されているわけでありますが、これについての評価はどのようになされておられるのでしょうか。
●政府参考人(南川秀樹君)
地方公共団体、中でも東京都は、しばらく前からでございますが、熱心に対策に取り組まれております。
それで、具体的に、大型事業者につきましては、その需要を減らすための指導ということをされておるところでございます。また、先般発表されました計画によりますと、来年度に条例を策定するということを考えておるようでございまして、その中では、大規模事業者あるいは大規模ビルについて排出権取引も含めた制度化を考えたいと、またそれ以外のビルについても具体的なかなり規制に近い指導といったことも導入したいということで検討を進めるということでございます。
私ども、大変この東京都の動きにつきましては注目をしておりますし、またその実施内容についても東京都から話を聞いているところでございます。
●山根隆治君
環境省も今年度から自主参加型国内排出権取引制度に参加する企業団体を公表をされたという新聞報道がございます。今までの、この制度が発足をしましてから成立した売買というのはどの程度になっているのでしょうか。
●政府参考人(南川秀樹君)
こ の制度は自主的な取引制度でございますけれども、平成十七年度から始めております。各年度に参加した企業が三年間でその削減まで至る、あるいは取引を行うということで、三年で一度締めるということにしております。
第一期の事業に参加した社が三十一社、十八年度から参加した社が五十八社、第三期、十九年度からが六十二社ということでございます。第一期事業につきましては今年度で締めるわけでございまして、これまでのところ三十一社の中で四件ほどの取引が成立をいたしております。
●山根隆治君
非常に数としては少ない数、数字だと思うんですけれども、今後もこの程度のものにとどまりそうなんでしょうか。見通しはいかがでしょうか。
●政府参考人(南川秀樹君)
多いか少ないか、ベースが三十一でございますので判断難しゅうございますけれども、第一期に開始された参加者につきましては今年度にその排出量の確定を行います。したがいまして、過不足が明らかになってまいりますので、その中で足らないところは余ったところから買ってくるという取引がこれから増えてくるというふうに考えております。
●山根隆治君
次に、環境省は環境会計ガイドラインに基づき環境会計を促しておられますけれども、環境会計の開示状況がどのように今なっているのか、現状についてお尋ねをいたします。
●政府参考人(西尾哲茂君)
御指摘の環境会計は、企業等がその事業活動における環境保全のためのコストとその活動により得られた効果を認識して可能な限り定量的に測定、公表するという仕組みでございまして、環境省では、平成十二年に環境会計ガイドラインを作成いたしました。それを具体的に進めるために、翌年、環境報告書ガイドラインの中に位置付けまして、企業における環境会計の自主的な導入の促進に努めているところでございますけれども、その環境会計の導入状況でございます。
毎年、上場企業と従業員数五百人以上の企業を対象に、環境にやさしい企業行動調査ということを行っております。平成十七年におきまして環境会計を導入している企業数は、二千六百九十一社のうち七百九十社ということでございまして、三割に達しております。調査開始以来年々増加傾向でございまして、今後とも、この環境報告書の取組を促進する中でこの環境会計の導入の促進にも努めてまいりたいと思っております。
●山根隆治君
企業からの評判、評価はどうですか。
●政府参考人(西尾哲茂君)
環境報告書の取組自体は進んできておりますし、その中での重要な手法として環境会計は着実に定着しているんじゃないかと思っております。
●山根隆治君
その効果、社会的な評価、効果、企業にとっての社会的な評価、評判、そういうものはどうですかということを伺っています。
●国務大臣(若林正俊君)
私は、この環境会計というのは非常に評価をいたしております。これは、やはり将来のリスクというものを投資家が十分承知しておく必要がある、その意味で環境会計を通じて開示をしていくわけでございます。その意味で、このことは一般の企業者に対する環境についての認識、これを高めていくという意味合いもありまして、非常に大きな効果を持つものと期待をいたしておりますが、実際のこの導入状況を見てみますと、上場企業と非上場企業と、こういうふうに分けてみますと、上場企業については、平成十三年度はこれを導入しておりますのが二三・一%でございましたが、平成十七年度では三七・五%と割合が高まってきております。それだけやはり株式市場を通じての企業評価という点を企業側も認識しなければ、企業の株主、一般投資家からの評価が得られないという認識が高まってきた結果だと思います。
非上場の会社について見ますと、これは一定規模以上なんですけれども、平成十三年で一二%でございます。つまり、上場企業の半分ぐらいであります。その後も余り伸びませんで、平成十七年で二二・七%ということでございます。
非上場ですから株主が閉鎖的な中にいるという意味で、それだけ認識がまだ十分じゃないと思いますが、少なくとも上場して一般の投資家から資金を集める企業については、これは有価証券報告書その他でどのような開示の仕方をするかということを今検討してもらっておりますけれども、そういうことを通じて今の環境会計というものを更に推進をしていくべきだと、こう考えております。
●山根隆治君
将来、義務化するお考えはあるんでしょうか。
●政府参考人(西尾哲茂君)
現在、環境省で進めております環境会計、これは環境報告書の中の一環ということで進めておりまして、この環境報告書を進めるというのは企業が自ら環境配慮に取り組むということでございますから、企業の自主取組という枠でやっております。したがいまして、これはひとつ自主取組という枠で進めていきたい。
ただ、今義務化はどうかというお話でございました。これだけでいいのかということはございます。近年、大臣からも御指摘がございましたように、環境と投資、金融ということは非常に大事になってきています。投資家の目にとったときにどういう環境情報の提供が必要なのかという議論がございます。これにつきましては、これから、そもそもどのような環境情報をどういう形で提供するというような、投資家のニーズに本当に合うのか、あるいはそれがどれだけ現実的で可能なのかということにつきましてきちんと把握する必要がございますので、今年からその辺につきましての把握のための調査をやりたいというふうに思っております。
●山根隆治君
終わります。
