第6の柱―財政構造改革
  「安心の社会」と「活力ある経済」を創造するための「強い財政」を構築します。
 財政破綻は、社会的弱者に最も大きな影響を与え、さらに経済状況を悪化させ、国民生活そのものを破綻させます。このような事態を回避し、必要な人に必要なサービスを継続的に提供する「安心の社会」と「活力ある経済」を構築することが、民主党の改革政策の基本理念です。
 その上で、「橋本改革」(橋本内閣ですすめられた財政改革)のような一律的な削減ではなく、「官から民へ」「国から地方へ」を実現する構造改革を進める中で、歳出の効率化を大胆に行うことを基本原則としています。また現在の行政の「単年度使い切り主義」「省庁の縦割り」等の構造が歳出を肥大させる圧力になっています。そこでこの行政のあり方を見直し、外部委託、民営化、PFI(民間資金活用)等を導入し、また支出の節約を評価する制度を創設し、行政の仕組みの中に効率を高めるシステムを埋め込みます。
 我が国の財政状況は極めて危険な状態にありますが、既得権益に縛られ、税金を自らの選挙対策に使う現在の与党は、改革の先送りを繰り返すばかりです。この最大の被害者は国民です。民主党は、財政を持続可能な状態に回復させるために、政権をとったその日から財政構造改革に全力で取り組みます。
1.5年後に基礎的収支の均衡を実現します。







〜歳出の見直しを徹底〜

 財政構造改革は、その取り組みが遅れるほど実現を困難にします。そこで民主党は、経済状況を勘案しながら、取り組み開始から原則5年後に基礎的収支(プライマリー・バランス=公債費を除いた歳出と、公債発行による収入を除いた歳入についての財政収支)の均衡を達成することを目標とし、そのために以下のような見直しを行います。但し「安心の社会」「活力ある経済」の創造のために必要な政策分野については、重点化をすすめます。また収入確保策として、国有財産売却、公営競技収入の配分の再検討などをすすめます。

●不要不急な事業の中止を含めた見直し、入札制度改革等によるコスト削減の実現により、5年間で公共事業関係経費を3割削減します。特にダム事業・農業関係公共事業については、全面的な見直しを行います。

●天下りの温床となっている特殊法人のあり方を、廃止・民営化を含めて根本的に見直し、これらに対する出資金、補助金等を削減します。また、公益法人についても同様の見直しを行います。

●年金については基礎年金に対する国庫負担割合を高める一方で、歳入庁構想の検討等をすすめ、間接経費の削減を実現します。

●医療保険、介護保険については提供するサービスを充実させる一方で、間接経費の削減、健康促進策拡充による高齢者医療費の抑制、在宅介護拡充による負担軽減等をすすめます。また国立病院は政策医療を担う一部の病院を除き、原則民営化します。

●地方への税源移譲、「一括交付金」の創設、地方交付税制度の見直しにより、自治体財政の自立性を高めます。また地方自治体の行政改革を支援することによって、国の財政負担を軽減します。

●我が国を取り巻く状況の変化に対応する中で、自衛官定数や正面装備の見直しに積極的に取り組みます。

●ODAならびに各種拠出金、分担金のむだを省き、ハードからソフトへの転換をすすめる中で、総額を削減します。

●複雑で非効率となっている中小企業支援策を、中小零細企業者が使いやすく簡素なものへと改め、予算の効率執行をすすめます。

●エネルギー安全保障を確保しつつ、原油の自主開発、備蓄等のエネルギー政策について見直し、資金の有効活用をすすめます。

●教育の分権化に伴う財源の地方移譲により、義務教育費国庫負担制度、国立学校のあり方の見直しをすすめます。

●農業関係の歳出構造を見直し、環境保全や所得政策に政策の重点をシフトします。

●地方分権や行政の効率化、民営化の推進などにより、国家公務員定数の削減をすすめ、行政経費を大幅に削減します。

2.行政に民間の手法を導入します。
〜行政経費の効率化を推進〜

 対前年度増分主義、縦割り主義等によって行政経費を常に硬直化・肥大化させる現在の行政のあり方を根本から見直し、民間企業のノウハウを可能な限り行政に取り入れる「ニュー・パブリック・マネージメント(公共部門の効率化や透明性の向上のために導入される民間企業的な新しい行政管理手法)」を大胆に導入します。これはイギリスなどで成功した行政改革の手法で、具体的には現在の行政を民営化、外部委託、PFI等の形で民間に開放することです。こうして行政経費の効率化を常に模索するシステムを組み入れます。さらに地方分権の推進等、行政の構造そのものを改革することで財政状況の改善を実現します。
3.会計制度の透明化・簡素化を推進します。
〜国民が直接財政状況を監視できる環境を実現〜

 財政構造改革を実現するには、国民の理解と協力が不可欠です。そこであまりにも複雑で、普通の市民には理解不能となっている現在の会計制度を抜本的に改めます。具体的には以下の施策に取り組みます。

●国のバランスシートを、特殊法人等の周辺部分を含めて、わかりやすく、継続的に公開します。

●「財政透明化法」を制定し、国民にわかりやすい形で、財政の情報公開をすすめます。

●国の財政をわかりにくくしている特別会計制度等の抜本的な改革をすすめます。

●「縦割り」「建設国債と赤字国債の区分」等弊害の目立つ会計制度を改めます。

●実効ある「政策評価制度」を義務づけます。

●国会に「行政監視院(日本版GAO)」を設置します。

以上のような改革を通じて、国の会計制度の透明性を高めることによって、国民が直接財政状況を監視できる環境を整えま
す。
4.安易な補正予算を禁止します。
〜緊急の事態に限定〜 

 政府与党は、景気対策と称して毎年のように安易に補正予算を編成してきました。しかしこの補正予算は財政危機を深刻化するばかりで、一向に景気浮揚効果は見えてきません。民主党は法律の定める原則に戻り、大規模自然災害、金融危機等国家的な必要性のない限り、補正予算を編成しないことを原則とします。また財政構造改革は、景気に対して柔軟な姿勢で実施していきますが、経済対策は主として規制緩和等の制度改革で対応し、公共事業バラマキは行いません。
 現在の政府与党の中には、自分たちが財政状況を悪化させた責任を忘れ、インフレや日銀の国債引き受けによって、財政を維持しようとする主張があります。しかし、これらは国民生活を直接破滅させるものであり、民主党はこのような選択は行いません。
5.透明で公平な税制を確立します。
〜まずは信頼の再生から〜

 収入の確保について最も重要なのは、国の最大の収入源である税制に対して、国民の信用を高めることです。そのためにはまず消費税に代表される税の滞納に対する強力な防止策を講じます。また消費税については、簡易課税制度や免税点の見直し、インボイスの導入等の制度改革を通じて、信頼性を高めていきます。さらに「納税者番号制度」の導入等による総合課税化を進めることによって、透明で公平な税制を確立していきます。

〜国有財産も有効活用〜

 巨額な借金残高による金利や償還の負担を軽減するために、国の持っているNTT株や民営化する特殊法人の株、遊休土地等を売却し、また情報化社会の到来によって価値の高まってきた周波数割当の入札実施等を行うなど積極的な収入確保策を推進します。


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