第3の柱-社会保障改革
    年金を充実して、医療・介護をみんなで分かち合う社会保障制度をつくります。
   

 年金・医療・介護など社会保障に対する不安は、将来不安の中心であり政治不信の大きな原因です。21世紀の少子高齢社会に対応できる社会保障制度を確立するには、若年世代を中心に渦巻く年金不信を払拭することが最優先です。
 民主党は、年金や生活保護その他の低所得者対策などの所得保障を国の責任でしっかり行います。その上で、医療は都道府県、介護等は市町村と、より身近な地域に分権化し、保険料・一部自己負担などは国民みんなで分かち合う総合的な社会保障制度を確立します。

    1.基礎年金の税方式化を進めます。
 

〜最低限の年金は、国の責任で〜

 現在、基礎年金の財源は2/3が保険料、残り1/3が国庫負担(税)となっていますが、2004年までの間に保険料を税に切り替え「全額税方式」に移行します。これにより、逆進性の強い国民年金の定額保険料(月額13,300円)は不要となり、「年金空洞化」が解消されて順次すべての国民に現行水準(月額67,017円)の年金が保障されます。また、被用者年金では厚生年金保険料が17.35%(労使折半)から約4%の引き下げになります。
 保険料に代わる財源については、行財政改革の進展を踏まえつつ、いくつかの試算を策定して国民的議論をすすめることとします。
 また、全額税方式に移行する以前であっても、公共事業費などムダな歳出削減により、国庫負担を1/3から1/2への引き上げに取り組みます。
 なお、無年金障害者の問題は、基礎年金の税方式化が成熟すれば解消しますが、それまでの対策として福祉的措置を講じます。
    2.厚生年金支給水準を維持します。
   

〜勤労者の年金支給額を確保〜

 勤労者の厚生年金は、基礎年金と合算して現役時代の月収の6割程度という現行の水準を守ります。基礎年金の税方式化に加え、高齢在職者の年金額の調整、モデル年金をもらうための拠出期間の延長、年金積立金の活用などの工夫によって、保険料率を現在以上に引き上げることなく支給水準を維持します。また、支給開始年齢のさらなる延長は行いません。
3階部分の企業年金については、受給権保護のための方策を講じます。
    3.「3時間待ちの3分間診療」を解消します。
   

〜効率的な医療と質の高い医療を両立〜

 医療提供機関を、その役割に応じて、「病院」「専門医」「家庭医」の3つに明確に区分し直します。「家庭医」は、内科、外科、小児科など幅広い研修にもとづき、普通の軽い疾病に対応するとともに、必要な場合には病院や専門医を紹介する窓口となります。
 「病院」「専門医」は、重度・高度の医療提供を重点とします。現在の日本の病院は、病床数が人口比で欧米の2倍に達しているにもかかわらず、入院患者1人当りの職員数は半分以下となっており、このことも起因して平均入院日数は倍以上というのが実態です。こうしたヒューマンパワーの不足が看護職員などの過重労働を生み、医療事故多発の一因にもなっています。質の高い医療を可能にするために、病院の設置基準と診療報酬を大幅に改訂し、病床あたりの医師・看護婦等の数を現在の倍以上にすることで治療効果を飛躍的に向上させ、病床数や平均入院日数を半減させます。
 こうした医療体制の整備により、まずは待たずに診察を受けられる身近な「家庭医」に相談し、必要があると診断された場合には「病院」「専門医」の高度な治療を受けるという仕組みが明確になり、患者にとって便利であるだけでなく、ムダな医療コストを省き、医療費の増大に歯止めをかけることが可能になります。
 また、併せて無医地区の解消や救急医療体制等の整備を進め、国民が安心と信頼を持てる医療制度への抜本改革を推進します。

    4.老人医療に、ムダづかいチェック体制を組み込みます。
   

〜高齢者医療制度を改善〜

現在の「老人保健制度」は、全国一本で、チェックのためのシステムも競争も存在しないため、薬漬け・検査漬けに加えて、「社会的入院」の温床となっています。そこで現行制度を廃止し、それぞれの現役時代に加入していた保険制度でOB・OGの老後の医療を支える制度に改めます。その際、各保険者によって、加入者の年齢構成が違うなどの不公平が生じないよう、これを調整するシステムを設けます。
 また、高齢者にも保険料負担と利用時の定率1割負担を求めることで、コスト意識に基づく患者本人によるチェックも促します。この場合、現在の生活保護制度のほかに医療費補助制度や貸付制度を新設することで、低所得者に配慮します。
 以上の制度改革に取り組むと同時に、健康相談や健康教育、健康診査など疾病予防・健康づくりもあわせて進め、高齢者医療の効率的な運営につなげます。
 患者・家族のニーズに応えることを可能にする介護基盤の充実を前提として、高コストの老人病員は介護施設に転換を促し、「社会的入院」をゼロにします。

    5.薬漬け・検査漬けを防ぎ、財政破綻を防ぎます。
   

〜医療における保険者機能を強化〜

医療保険の財政が破綻に瀕しているのは、高齢化の進展だけではなく、医療費の水増請求や薬漬け・検査漬けをチェックできていないことも原因となっています。本来、こうしたチェックは、健康保険組合や、国民健康保険を所管する市町村など保険者の役割ですが、現実にはそのための体制も、また必要な権限も不十分です。
そこで、現行の診療報酬体系の改革と併せて、診療報酬請求の内容をチェックしやすいように、コンピューター化を義務付けるとともに、患者・被保険者の立場から医療機関の評価や情報開示を行うことや、診療明細領収書の発行を医療機関に働きかけることなど、保険者としての機能を強化します。さらに当面、高齢者医療を現役時代の医療保険に継続して加入する仕組みに改めた上で、中長期的には、小さすぎる国民健康保険については合併で、全国一本の政府管掌健康保険については分割で、いずれも都道府県を単位に再編し、組合健康保険は適正規模への統合・再編をすすめ、保険者としての役割をきちんと果たせるようにします。各保険加入者の年齢構成などの違いによる財政格差について制度間の財政調整を検討します。
また、カルテの開示や、診療費明細書の発行義務化などを盛り込んだ「患者の権利法」を制定して、十分な説明と患者自身の納得に基づいた医療を確立し、患者自身によるチェックと医療機関の選択を可能にします。

    6.介護基盤の整備を最優先で進めます。
    〜より良い介護保険制度の確立〜

介護保険は導入されましたが、その基盤整備が不十分なままではさまざまな矛盾が噴出します。財政の厳しい状況ではあっても、介護サービスの充実は地域に雇用を生み、地域の活性化を実現する効果をもたらします。また、介護基盤の整備は土木型公共事業に比べて約2倍の経済・雇用効果が期待できるとの指摘もあります。
こうした前提に立って、民主党は、財政支出の中で、介護基盤整備を最優先ですすめます。とくに、在宅介護を推進するため、ホームヘルパーやケアマネージャーの増員や質の改善、グループホームや宅老所の増設などを速やかに行います。
 また、要介護認定の正確化や家事援助と身体介護の区分見直し、低所得高齢者に対する支援措置、ホームヘルパーやケアマネージャーの待遇改善、苦情処理の円滑化、オンブズパーソンの設置など、現場で明らかになった問題点に速やかに対応する体制を整備します。



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