8.経済・産業
   
不良債権処理を促進して健全な金融システムを再生。厳格な責任追及によりモラル・ハザードは許しません。
   

 日本経済は、自民党中心の政権による旧い経済構造を温存する救済策と公共事業のバラマキ、さらには構造改革の遅れによって長期の景気低迷に陥っています。これでは新しい成長経済を実現することは望めません。これからは、IT(情報通信)、環境・リサイクル、バイオ、新エネルギー、福祉医療、介護、教育、旅行・レジャー、健康などの先端産業やサービス産業とそれらを支える諸産業を中心とした新しい経済への移行を促進していかなければなりません。
 民主党は、規制改革やIT革命を加速させ、介護・医療・福祉などの社会サービス基盤の整備などに思い切った支援策を講じます。新しい成長分野の担い手であるベンチャー企業、中小企業の元気が出るよう支援策を充実します。また、「ものづくり基本法」の実効性を確保しながら、日本経済の基礎を支えてきた、ものづくりをはじめとする地場産業の発展にも力を注いでいきます。科学技術分野への投資を重点化するとともに、知的財産権を保護・強化し、産業競争力を高めます

   

1.戦略的規制改革を断行し、公正透明な競争を促進します。

 

〜規制改革の徹底で経済構造改革を推進〜

 すべての経済的規制を時限性とします。仮にそうした規制を延長する場合は、その理由を行政が明らかにする責任を義務づける「規制サンセット法」を制定します。社会的規制に関しては、基準を明確化し透明化をすすめます。
 従来型公共事業に代わって、これからの成長と雇用増が望めるIT(情報通信)、環境・リサイクル、バイオ、福祉、教育文化などの分野で、民間投資を誘発するための戦略的規制改革を優先的に実施します。
 自由な経済活動を保障する大前提として、公正な取引ルールや時価評価による企業会計基準を確立し、透明性の確保を促進します。あいまいで不透明な商慣行や不公正取引を是正し、「独占禁止法」の実効性を促進するために、独禁法の抜本的改正に取り組み、公正取引委員会事務局の審査部門を充実します。あわせて、罰則の適用など下請代金支払遅延等防止法の改正に取り組み、下請中小企業が親企業の優越的な地位の濫用による不利益を被らないよう法整備を進めます。
   

2.中小企業のIT革命推進を支援します。

 

〜インターネットを通じた中小企業政策の情報収集・申請手続きの確立〜

  ものづくり産業とITの融合化を支援し、新時代にマッチした製造業を育成します。そのため、ものづくりに携わる熟練技能者が保有する技能の客観化・マニュアル化・デジタル化を促進します。中小企業支援に関するインターネット上の統一画面(ポータルサイト)を構築し、中小企業者が商工会議所や商工会などのインターネットの画面を検索して、国・地方の補助金や政府系金融機関の貸付制度等の申請等が行えるように、環境を整備します。
 Eコマース(インターネットを通じた商取引)を促進するため、中小企業のシステムづくりなどに関する税制・金融等の支援措置を講じます。Eコマース導入に関する専門家の派遣、小規模事業者等の個別企業情報及び特産品等の地域情報の受発信を促進するための支援策を講じます。
 インターネットを通じた職業紹介事業を促進し、人材流動化をさらに促進します。その上で、就職する場としての中小企業の魅力を紹介するホームページやデータベースの構築につとめ、ITを活用して企業と若者・専門家などが連絡を取り合うことを促進し、中小企業に人材が集まるような環境整備を進めます。中小企業経営者等を対象としたITセミナー開催などを促進します。業務アプリケーションソフトウェアの開発事業や新たな情報技術に対応したソフトウェア開発等のための調査事業等を支援します。
    3.中小「起業」を応援します。「廃業」対策よりも「開業」支援に重点を置きます。
   

〜「女性起業家優先枠」の設置〜

 ニュービジネス、ベンチャー企業の創業を支援するため、創業5年以内の中小ベンチャー法人について、法人課税を減免します。また、これらの企業の直接金融による資金調達を円滑にするため、エンジェル(中小ベンチャー企業に投資する個人投資家)税制を拡充します。増加試験研究費に関する税額控除制度を恒久税制に改めます。
 女性起業家についてのデータベースを作成し、常時、女性起業家に関する情報を確認できるシステムを政府が構築し、民間団体への支援などにより女性起業家の育成に努めます。政府調達において、女性起業家へ一定比率が割り当てられることを促進する制度を創設します。公的金融機関の融資において、「女性起業家優先枠」を創設します。
 中小企業の後継者を育成するために、税制を見直し、事業承継の円滑化をはかります。
    4.まちの中小事業者にとって有益な金融機関を育成します。
   

〜個人保証の要らない事業者ローンの実現〜

 中小企業向けの資本市場や債券市場を創設して直接金融の比率を高めるとともに、担保や保証など銀行に有利な現行の取引慣行を改めさせることにより、中小企業や個人事業主への資金供給を円滑にします。政府系金融機関を見直し、中小企業経営、信用評価を専門業務とする特別の調査・評価機関の設置を検討します。また、地域に根ざした金融機関が経営者の人物評価、事業内容、企業の計画性や将来性をしっかり評価し、地元の中小企業に積極的な融資を行う、有益な金融機関になるよう環境を整備します。借り手の責任ばかりでなく、貸し手の責任を明確にし、事業者がむやみに貸し渋りに合わないためのセーフティーネットを確立します。
 中小事業者向けに担保(土地)至上主義を廃止し、個人保証の要らない事業者ローンを実現します。まず政府系金融機関から個人保証を廃止します。
   

5.「商住一体のまちづくり」「道楽都市づくり」を進めます。

 

〜1Fは商店街・2F以上は居住ゾーンの住宅建設促進〜

 商業施設と住宅が結びついた「商住一体のまちづくり」を進めます。商店街を中心とした福祉コミュニティーの再構築のために、1階を商店街、2階以上を高齢者向けケア付き公的賃貸住宅とした「シルバーハウジング」の建設を促進します。住宅と一体形の商業施設を普及させるため、融資については住宅金融なみの優遇策を講じます。都心回帰の高齢者のニーズに対応し、高齢者がまちに出て楽しめる「道楽都市づくり」を進めます。商店街と高齢者住宅を結びつけることで、商店街は高齢者たちの知恵と経験が得られ、高齢者たちには雇用機会が得られます。又、介護保険の導入に伴う在宅介護対象者への住宅供給を促進します。さらに、子どもを預けてゆっくり買物ができるように、商店街における託児所等の設置が円滑に行えるよう支援策を講じます。
 優秀な技術やアイディアを持ちながら、実行に移す場所がないばかりに、それらを生かせない経営者や起業家のために、ハローワーク等に情報コーナーを設置します。空き店舗・入居希望者等の情報を公開し、SOHO(在宅勤務を含めた小規模オフィスでの勤務形態など脱組織型の就労形態)なども活用し、商店街の空き店舗や空き地の活性化を図ります。商業施設の中に行政の窓口を設置することを促進します。駐車場・駐輪場整備の支援策を拡充するなど、消費者が気軽に商店街に出かけられる環境を整備します。高齢者や障害者などが安心して行動できる「フリー」(電柱のない)のまちづくりを進め、都市景観の向上、災害に強い都市づくり、情報通信基盤整備の推進に資するためにも、電線の地中化埋設等を促進します。
    6.知的創造力活性化のための包括的な政策を樹立します。
   

〜特許法改正、裁判所の知的財産権紛争処理能力の強化〜

 わが国の経済活動の進展には、わが国の企業や研究機関、そして国民全体の知的創造力を活性化することが不可欠であるとの認識に立ち、知的創造力活性化のための包括的・統合的な政策を樹立します。その主な内容は、優秀かつ有用な知的創造活動を支援するための税制や補助金制度の創設、特許権・著作権等の知的財産権の進展に的確に対応するための特許法の改正・特許審査体制の強化、TLO(技術移転機関)の活動の更なる活性化、日本版バイドール法の見直し、初等・中等教育における知的創造力の涵養、文・理二元的な教育体系の見直し、裁判所の知的財産権紛争処理能力と処理体制の強化――などの具体策を盛り込みます。
   

7.先端研究分野への重点支援に取り組みます。

 

〜科学技術力強化により産業競争力を向上〜

 21世紀の産業の鍵を握るヒトゲノム(人間の全遺伝情報)、イネゲノム(稲の全遺伝情報)、IT(情報通信)、ナノテクノロジー(微細技術)、新エネルギー等の先端分野への研究開発投資を積極的に行い、国際競争力をより強くします。産学官の連携強化を図り、すぐれた技術や方法の発見・開発を促進します。
 知的財産権の創造に重要な役割を果たすTLOによる大学からの技術移転を促進します。また、特許開発の活性化を促すため特許流通アドバイザーなどによる特許流通の支援策を強化します。
 また、中小企業などISO認証取得に要する費用助成制度等を拡充します。

    8.自由で多角的な貿易体制の強化。
   

〜WTOの新ラウンド交渉の早期立上げ・アンチダンピング措置の強化〜

 民主党は、自由で多角的な貿易体制を強化し、WTOの機能を更に充実させる立場に立ちます。包括的アジェンダを含むWTOの新ラウンド交渉の早期立ち上げをめざし、そのために日本がリーダーシップを発揮するよう努めます。
日本を含めたアジア経済の活性化を期して、自由化によるわが国の市場開放および輸入拡大を進めつつ、通商政策の新たな柱として、情報開示を進めながら自由貿易協定に積極的に対応していきます。
アンチダンピング措置等の貿易制限的な措置が恣意的に発動されないよう規律強化を求めていきます。また、急激な輸入自由化等により深刻な影響を蒙る場合には、WTO協定で認められる範囲内で、TSG(繊維セーフガード)をはじめとするセーフガードが十分に機能するよう、発動手続きの弾力化などに努めます。


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