■2003年11月14日発行号

▼応援弁士同士(11月 6日)

衆院選挙の応援で、お世話になっている大先輩からお声が掛かり、昨日、日程をやりくりして県外へ出た。往路の新幹線では知己の橋本聖子さんと出会い、復路では山本リンダさんと言葉を交わした。お互いに「選挙応援で大変ですね」と社交辞令で別れた。自民、公明、民主と党が違うのだが、まさか同じ選挙区で鉢合わせはないだろうなと思ってみたりした。ニコニコ笑って、後で非難合戦なんて嫌なものだ。

党幹部や著名人なら応援に入るだけで票も動くが、無名の私の役割は別のところにある筈で、そこのところを見定めなければ、かえって迷惑を掛けることになりかねない。演説会場に入る前には、選挙状況や言ってはいけないタブーや、期待されている演説内容をしっかりチェックしたつもりだ。

多少とも応援に入らせて頂いたところは、やはり何としても勝ってもらいたい、という思いになるものだ。


▼忙中の閑(11月 7日)

大宮から京都へ向かう新幹線に乗車するのに、浦和から乗り継ぎが上手く行き過ぎて、大宮で時間に40分もの有余ができてしまった。書店にでも立ち寄ろうと思ってLUMINE(デパート)に入ったが、動線が複雑で辿り着くことができず、いきなり屋上の入口に出てしまった。昇降機も見つからず歩いて昇っていったので身体が汗ばみ、涼を求めるように、そのまま屋上のドアーを開けたが、今の季節では寒風の筈なのに、私の体感では心地よい涼風だった。

2〜3才の幼児を、もう長く使った形跡のないステージの上で走り回らせている主婦や談笑する女子高生、そして暮らしの困窮からか身なりが崩れ、ベンチに身を横たえている高齢者等を少し見るだけで、人影はまばらだった。むやみにだだっ広いコンクリート敷きの空間は、選挙戦の最中の繁忙な渦中でゆっくりと時間の流れている異次元の世界だった。眼下にある商店街の喧噪が届かないではなかったが、辺りにはある種の静寂があった。

私はあたかも許可なく偶然に立ち入ってしまった闖入者のような錯覚に自ら陥り、そっと中程にある木製のベンチに、目立たぬように静かに腰を下ろした。既得権者のように存在感を暗黙のうちに示そうとしている数少ない屋上人の眼が、一斉に私に注がれた。幼稚園の入園試験で面接を受ける内気な幼児のように、私はうつむいて視線を落としそうになったが、グッとこらえて大仰にベンチの背もたれに大きく腕を掛けて空を仰いだ。そのうち人々の視線も私から離れ、私の存在もその場の空気に馴染んでいった。

ベンチから少し離れたところに、10メートル幅もある解放されたような階段が横たわっているが、黒光りするきっと若いに違いないエネルギッシュなカラスが、ピョンピョンと一段ずつそのステップを飛んでいた。やがて7〜8段ほどしかない最上階まで昇り終えると踊り場に至り、次に直角に右に曲がる階段を、今度は脇の手摺りに飛び移って横っ飛びにカラスは昇り始めた。餌などをついばむ目的もないようで、唯々、遊び続けているカラスを、私は飽きることなくずっと見続けて時を過ごした。


▼様々な桃太郎(11月 8日)

選挙戦で標旗を立てて15人程でマイクを持ち、候補者をアッピールして繁華街を行進することを桃太郎という。市議選などでは、大抵最終日に行うものだが、国政選挙では長期なので、何度でも行う候補者が多い。法定ビラを配り、ハンドマイクで呼び掛け、その後をタスキ掛けの候補者が歩くという形が多いが、陣営によっては様々なバリエーションが試みられている。その工夫が参謀の腕の見せどころといったところだろう。

昨日、義理があり、どうしても応援に入らなければならなかった県外のある候補者のところでは、西陣織で有名な西陣での桃太郎を、行進する全員が着物姿で歩くのだという。一泊して見てみたい気もしたが、とても許される状況でないのでトンボ帰りした。

おそらく全国各地で様々な桃太郎があるのだろう。私などはもう36年も選挙に関わってきたが、今でも選挙の度に新たな発見があって、多くを学ばせてもらっている。人間の知恵からは限りないアイデアが生まれ出てくるものだ。選挙運動にマンネリはない。あるとすれば知的怠惰の結果にしか過ぎない。


▼選挙モードからの切り換え(11月11日)

ずっと続いた選挙モードをギアチェンジして、日常の活動に戻すのに2〜3日ぶらっと旅でもしようと思っていたが、どうもそれも叶わなくなってしまった。選挙中は見る夢も選挙に関わるものばかりで、私が切腹しなければならない事態になって、慌てて死の恐怖と戦っている夢を見たりもした。腹を切るのは痛くて残酷だから、一気に介錯してもらった方が楽ではないかと考えたり、平常の心の中ではとても死を受け入れられないから、テンションをどんどん上げて死のモードへ持っていかなくては、と夢の中で焦ってみたりしていた。

ところが、選挙が終わった途端、わが家の犬や猫が夢の中に登場してきて、盛んに遊びたがっている。猫の方は、結構、我慢強く、遠くから私を見つめて「ニャ〜ニャ〜」と鳴くだけだが、犬の方は眼が合うとすぐに抱きついてくるのだ。これは極めて現実と違わない日常の状況なのだが、夢の中では、どうした訳か、私が愛犬と結婚することになってしまったのだ。私は混乱して様々なことを考え始めていた。いくら大好きな犬でも犬は犬、当然、セックスレス夫婦となる訳で、一方的に自分が世話をするだけの結婚ではないのか、そうなると今迄と何も違いがないのではないか、クールだった猫が今度は嫉妬しないだろうか・・・等々、実に下らないことを夢の中で苦悩したものだ。

今、私の足下に外出から帰ってきたばかりの愛猫ピッピが、自ら体中を舐めて毛繕いしている。そして愛犬レオは、散歩帰りの疲れから寝息をたてて眠っている。そういえばレオもピッピもオスの犬猫なのだ。


▼海外視察へ(11月12日)

11月23日から12月1日まで、イギリス、ベルギー、フランスを訪問する。訪欧は4度目ということもあり、浮いた気分は全くないが、視察先がイギリス労働党、労組のナショナルセンターであるTUC、EU本部なので、知りたいこと聞きたいことがたくさんあって、それが楽しみだ。

政策研究フォーラム調査団の一員として参加することになったが、学者、労組幹部、政治家という団構成となっていて、政治家以外との海外は私にとって初めての経験だ。多分、知的な刺激もたくさんあるだろうし、調査の成果は来年の通常国会に即、生かせるような気がする。費用は個人負担も半分程あって、国費(税金)とは一切、関わらないので、その点でも気軽だ。

次々回のメルマガは、留守になるので、私の選挙雑感を少しまとめて書かせて頂き、特別号とさせて頂こうと思っている。


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