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■2002年12月5日発行号
▼国立施設の視察(11月28日)
特殊法人改革の審議が参議院 文教科学委員会でも始まったので、委員会視察で、国立スポーツ科学センターへ行った。一通りの視察・説明を受けた後、質問の機会が与えられたので、この施設の予算概要について聞いたが、総工費は270億円、年間の経費は22億円、人件費は4億5千万円という。市町村が、コミュニティーセンター等ちょっとした施設を造り維持する費用の約10倍であり、流石(さすが)に国立の施設だな、というのが地方議員を長くやってきた私の感想で、何でも直ぐに地方と比べる癖が私からは抜けない。
同僚議員の江本孟紀さん(元阪神タイガース ピッチャー)がおもしろい意見を述べていた。「科学トレーニングというのは万能ではない。プロ野球のピッチャーで200勝以上あげた人が、(腕を?)アイシングしていたという話を聞いたことがない。昔は皆、中3日で投げていたのに、(トレーナーが薄っぺらな)科学の知識を持ってきて選手を指導するから、記録が伸びなくなっている」と指摘していた。
そういえばある雑誌で、農学博士の小泉武夫さんが元東映フライヤーズの尾崎行雄投手のビデオを分析したら、163キロの球速だったと言っていた。西鉄ライオンズの稲尾和久投手も、強靱な肉体で昭和36年に130試合中78試合に登板し、42勝をあげた人だが、2人とも野菜や魚中心の質素な食事スタイルは最後まで変わらなかったという。そのことを思い出し、食事と運動選手の能力との関係データを、今からでも集積しておいたらどうかと、改めて私は提案してみたが、果たしてどこまで本気でやってもらえるだろうか。期待しておきたい。
あるトレーニングルームではアップテンポの音楽が軽快にBGMで流れていて、「練習効果がこれで上がっているのでしょうね」と脇にいた江本さんに言ったら、「そういえば私が現役の頃は、グランドに演歌が流れていた」という言葉にはビックリした。噫(ああ)ガンバレ、阪神タイガース!
▼美術館を視察して(11月30日)
国立近代美術館を先般視察した折、ある議員(以後A議員とする)が、庶民が身近に体感できる施設としてもっと工夫したらどうかと管理者に質問していた。どうもイメージとしては、一般国民の手になる作品の展示室を設けたり、陶芸のコーナーを設けて作品づくりの指導をしたりといった事のようだが、私はわが耳を疑った。世界中の名だたる美術館にそんなところはあるだろうか。莫大な予算を費やしてそんな事をやる為に、国立の美術館など存置する必要はない。国内外の第1級の作品を収集し展示することが、基本的に私は国立美術館の唯一の仕事だと思う。A議員は地方の美術館と国立美術館の役割分担をどう考えているのか、聞いてみたい気がする。管理者も役人だから丁寧に答えていたが、内心呆れていたろうと思う。
今日、今度は地元・川越市立美術館のオープニングに招かれたが、国会議員としてではなく、市議会議員当時、「市立美術館 基本構想検討委員会」の一員だったことからのお呼ばれだった。当時(平成4年)は、バブルがもうはじけて市財政も厳しい時代だったから、構想をまとめても本当に陽の目を見るのだろうかと委員同士で囁いていたものだった。あれから10年経って、漸く形となってきた事を率直に嬉しいと思う。
常設コーナーには、地元川越出身の著名な洋画家・相原求一郎先生の作品が寄贈され、展示されていたが、数多くの作品を一度に鑑賞させてもらうのは初めてだった。生前、直接、お目にかかることもあり、お人柄にも触れさせて頂いたが、穏やかなどこか白い印象を私は先生にずっと持ち続けていた。山の遠景、樹林、そして雪、海、土、雲、夕陽(決して朝ではないだろう)が相原作品に共通した画材だが、100号を超える全ての作品から私は、厳冬の中、禊ぎ払いをした後の洗われるような爽快感を受けることができた。作品を凝視していると冷気と霊気がきっと誰にでも伝わってくると思う。
式典前、小柄で眼がクリクリと大きな夫人にも久々にお会いし、目礼した。私のことは失念されたご様子だったが、7〜8年前、知人の紹介で訪問し、アトリエを見せて頂いた事もあった。もう還暦はとうに超えられている筈だが、夫人の白く無垢で少女のような空気は、今も変わることなく漂っている。まるでこの世のものではないかのように。
▼党の混乱(12月2日)
誰がどう仕掛けたか知らないが、新党を結成したところで、数年して又、同じ事が繰り返される事だろう。「大厦の倒るるは、一木の支えるところに非ず」という言葉があるが、この事態をじっくり見つめて、自分の選択を誤りないようにしたいと思う。人生、大きな節目での選択は、大義にのっとったものでないと結局、大きな過ちを犯すことになる。私はいやという程、友知人の失敗と成功を見せ付けられてきた。
党勢拡大の失敗の原因を直視せず、新党づくりなど目先を変える事で活路を見出すという手法は邪道だと私は思う。選挙の度ごとに所属する政党が変わらざるを得ないような政局は、まともではない。何かが狂っているとしかいえない。内部の自助努力を放棄して、国民に新党への期待感をあおり、戦っていくという手法は、もうそろそろ限界にきている。私は民主党のギリギリのアイデンティティーは、自民党に政権を取って代われる政党になる事なのだと思う。気に入ろうが、入らなかろうが、党の最高議決機関で決まったことについては、人事であれ何であれ、党員や議員はそれを守るのが民主主義のイロハである。このルールが確立されない限り、解党−>新党結成−>解党の連鎖は限りなく繰り返され、国民の政党不信は益々増幅されていくことだろう。
若手のテレビ出演も多く、そんな場で党の政策をPRすべきなのだが、マスコミの期待に便乗して、党内批判を繰り広げる一部若手議員が後を絶たなくなった。それが、「民主党はバラバラ」の印象を国民に植え付けてしまったのだ。多様性や自由な論議は政党にとって美徳なのだが、内で言うことと外で言うことの区別もつかない一部若手を増殖させたことは、取り返しのつかない失敗だった。もし、民主党の復活が可能なら、私は鳩山代表や菅前幹事長と近い世代の当選回数3回以上の中堅グループを大きく活用すべきだろうと思う。そうしたグループの人たちの失敗や成功、挫折や忍耐、涙や汗を見ることで、単に政策立案に止まらず、政治家としてのマナー、組織の一員としてのルール、先見性や忍耐力、人身掌握の力、他者を思いやる心、組織運営法等を若い人達が学んでくるのだと思う。
国民の民主党に対する不満の1つは、重厚感や情の欠如にあるのだと私は思う。同じ政策の提言をマスコミを通して行っても、人情味あふれる人の口から伝えられる政策であるなら、それは温みと共に伝わっていくに違いない。味のある政治家からの解り易いメッセージを国民は待っているのだと思う。包容力や深みのある豊かな人間から発せられる言葉には、強い伝播力があるのだ。
幕末の各藩も老壮青の微妙な人事構成の中で、若手の能力とエネルギーが程よく引き出され、閃光を各所で放ち、明治維新に大きな力を発揮してきた。しかし、一定の基盤を老壮で築いてからでないと、若手は組織の壊し方も創り方も学べないのではないだろうか。何が何やら解らず、思うようにならない苛立ちから党内批判を声高に叫び続ける人々は、いつの間にかブーメランのように自らを傷つけることになりはしないだろうか。自分が行ってきた言動や行為は必ず、それにふさわしい報いがあるという原理に気付くのには、人生に50年の歳月が必要なのかもしれない。国民の眼からは、若さが未熟さに映り始めていることを我々は感知すべきだろう。時の移ろいは速い。一部若手といわれる人々がいずれ中堅になり、ベテランとなった時、先の代表選で若手一本化迄の混乱した状況を省みて、その人達が本当に保身に走らず、真に若手を登用できるまでの人材になり得ようか。翻って、人格の向上を目指す者が、厄介で1番排除できないおぞましい人間の心は「嫉妬」なのだ。10年後、今の一部若手が将来の若手を嫉妬する心を抑える要諦は大義と忍耐でしかないのだが・・・。
時々刻々と状況が変わる中では、今、多くを書く事はできないが、現時点での私の思いを記すこととしました。
▼再び党の混乱(12月 3日)
今日、鳩山代表が両院議員総会で正式に辞意表明した。鳩山さんは、2つの武器を全く使うことなく、党内の一部勢力により倒されたといえるだろう。武器の1つは「党大会の決定」であった。「人気がないから辞めろ」の要求はあまりに理不尽なもので、党の最高議決機関の決定に従えない者こそが党を離れるべきで、怯(ひる)むことなく戦ってほしかったと思う。
第2の武器は、党内支持者群だ。鳩山さんは批判勢力にばかり眼が向き、味方の意見には形の上ではともかく、全く耳を傾けていなかったようだ。
ケンカにはそれを回避する方法もあれば、戦い方もある。そして、終戦の仕方もあったろうに、と無念な気がする。鳩山さんは私にとり恩人であり、徳のある方だから、改めて帝王学を身に付けられ復活されることを、私個人としては祈らずにいられない。
▼アロヨ・フィリピン大統領の演説(12月4日)
演説内容はマスコミ報道のとおりだが、大統領は議場(参議院)に強い印象を残した。側近やご家族が入場された後、1〜2分程度、間を置いてのご夫妻の来場だったので、先に入場された大統領に似たご令嬢があまりに若く、議場の我々にはまさか大統領ではないよね、といった面持ちで顔を見合わせてしまった。間もなく背筋をピンと伸ばし、堂々と入場した大統領を見て、「そうだよ、この人だよな」と妙な安堵感が議場に広がった。
愈々、女性大統領のスピーチが始まり、小さく円やかで端正な顔立ちからは想像もできぬほど太く、力強い声が、朗々と議場に響き渡った。ショートカットで7・3に分けられた黒髪の前頭部をおそらくはムースだろうか、こざっぱりと浮き上がらせている。そして、小さく柔らかな曲線を描いている白く広い額は、大統領の聡明さを際立たせていた。御国を偲ばせるように仕立てられた薄グリーンのスーツには、右胸よりも少し高く品良くブローチがとめられ、両耳のイヤリングが議場の天井から差し込んでくる太陽の光と共鳴するかのようにキラキラと輝いていた。
演説が終わり大統領が茶色の細いフレームのメガネを外すと、一斉に拍手が湧き起こった。暫くして拍手が当然のように鳴り止み、静寂が訪れたが、それでも尚、カーテンコールを待つように静かににこやかに立ちつくしている大統領に、再び万雷の拍手が湧き上がった。一瞬の静寂にたじろがずに、尚も大きな喝采を待つ心根の太さは、職責が創り上げた強靱な精神の力だろう。
☆★☆ 2002 政経クリスマスパーティー のご案内 ☆★☆
◇日 時 平成14年12月13日(金) 受付17:30-
◇第1部 講演会 18:00-19:00
仕事に役立つ「個性心理学講演」/弦本 將裕氏
◇第2部 懇親会 19:00-21:00
◇会 場 川越東武ホテル (川越市脇田町29-1)
◇会 費 20,000円
▽どなたでもご出席頂けます。
▽第1部にはあの動物占いでお馴染みの弦本氏をお招きします。
▽第2部では、山根りゅうじの国会活動のご報告をさせて頂き
ます。
▽参加ご希望の方、お問い合わせは 山根 隆治 川越事務所
(TEL049-230-1350)までお気軽にご連絡下さい。
▽この催しは政治資金規正法第8条の2に規定する政治資金パ
ーティーです。
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