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■2002年11月28日発行号
▼大臣が隣の席に(11月21日)
各大臣も委員会に所属しているが、実際に委員会に委員として出席することはない、と思っていた。ところが文教科学委員会に扇千景国土交通大臣が出席し、私の隣の席に着席した。思わず「どうしたんですか」と大臣に聞いたら、「参議院はこういう事があるのよ。今(国土交通)委員会が終わったので来たのよ」と言われる。私は更に「それでは、大臣が大臣に質問することができるんですか」と聞いたら、「できるわよ」と答えてくれた。しかし、国会は前例がものを言うところだから実際には難しいとは思うが。
▼海外視察報告(6・最終)(11月23日)
▽イギリス訪問
中東4ヶ国の訪問を終え、航路の関係でイギリスに立ち寄り、私には2度目の訪英となった。
政府高官との会談はセットされていなかったが、折角の機会だったので入国管理事務所へ出向き、大陸からの不法移民に対する出入国管理の現状と対策について勉強させてもらった。イギリスには、年間1億人の入国者がいて、財政的にも人を増やせないので、組織改革と技術力で対応していくのだという。不法入国に対する罰則強化も効果を上げているようだ。ロー・リスクの人々へのチェックは、眼の網膜をチェックするシステムを導入して対応し、ハイ・リスクの人々へのチェックは、更に顔の骨格を認識させるシステム(機械)で対応するようになったという。日本への導入も効果のあるものなら検討すべきだろう。私も今、決算委員会の委員になっているので、国会で論議する場面も出てくるだろうから、頑張ってみたいと思う。
宿泊したロンドンのホテルは、宿泊費は高いが、設備内容は中東4ヶ国と比べいささか劣るものであった。浴室やトイレも狭く、使い勝手はお世辞にも他国のホテルと比べて良かったとは言えない。シャワーは固定こそされていないが、放水の範囲が狭い。しかし、である。頑固なまでの重厚感が、おそらく100年は超えているであろう調度品などによって醸し出されているのである。無駄を省いた大人の国のイメージは、私の脳裡にしっかり根付いてしまった。
日本の長期化する経済低成長を考えると、イギリスからは暮らし方で学ぶべき多くのことがありそうだ。私は初めての訪米の時も帰国してから、オレゴン州セーレム市で家屋の前に仕切りも設けず公道まで放り投げるように庭を横たえた様を見て、拙宅の駐車場にあった結界を意識して設けた柵を取り外したことがあった。帰国してから女房には「イギリス人を見習って、シンプルにシンプルに」と言っているが、少しずつ我が家もシンプルに本気で変えていこうと思う。
私達がロンドンに到着した翌日だったろうか、ブレア首相はイラク問題でアメリカへ飛んでブッシュ大統領と会談した。会談の詳細は報道されていないが、もしかしたら日本で報道されている内容と現実的なイギリスの狙いは違っているのかもしれない。ブレアは本当にイラク攻撃を無条件で支持しているのだろうか。ブレアは若いが、労働党内で種々の苦労を重ねてきたなかなかの苦労人だと聞いている。イギリス内での報道には、実はブッシュの高揚感を諌めるための訪米だったとの見方もある。アメリカがモンロー主義(内向き)に陥らず、国際協調をも保たせるために腐心しているのだとすると、日本の立場とも重なるものがあるのかもしれない。アメリカが世界の出来事に関与しなくなれば、世界は間違いなく紛争が多発し混迷する。アメリカが国連などを通じた世界との協調を無視するようなことになれば、長期的にはアメリカも衰退を避けられないだろうし、世界が緊迫する。ブレアの本音を聞いてみたい。イギリスと日本では対米について同じ悩みを持つ者同士かもしれない。英国との連携は実は驚く程、重要なのではないか。(了)
<付記>外務省への批判が厳しい中だが、訪問した国々の日本大使館、総領事館の方々には、各国の首脳・有力者等との会談を設定して頂くなど大変お世話になり、心より謝意を表したい。又、参議院事務局として同行した高塚・大蔵両氏のフットワークの良さにも深く感謝したい。
▼故郷(11月24日)
小中学校で同級生だった、もう亡くなってしまった友人のお兄さんから、地元の現職区議の区政報告会に出席して欲しいとの依頼を受けての帰郷だった。予定開始時間より1時間も早く着いてしまったので、会場近辺を散策したが、25才まで生まれ育った私の町は昔の面影もすっかり無くなりかけていて、神社仏閣だけが一里塚のように、思い出の中にある昔の町の在処(ありか)を教えてくれる僅かな手掛かりとなっていた。
母校の豊島区立高南小学校の門をくぐり、記憶喪失した者が自己の存在を確認するかのように、必死に40年を超える過去の時空につながる証を探したが、建造物からは何物も見つけることはできなかった。唯一、校門をくぐると樹齢80年程になる幹の太い1本の桜木が、当時の記憶を甦らせてくれた。昭和30年4月の入学式当日は快晴だった。満開だった桜の花が、明るい陽差しで透き通るほど、桃色というより白く輝いていたことをはっきり憶えている。母が掲示板に張り出されたクラス分けの表示から私の名前を見つけ出すより早く、先に来ていた友達が「3組でリュウちゃんと一緒だよ」と言ってきた。私は一人っ子として育ってきたし、早生まれでとても母の手を離れていられる程、自立できていなかったので、この友人の早熟ぶりは羨ましかった。後にこの友人とは6年生の時、校庭で大ゲンカをして、校内放送で咎められる程、全校生徒が取り囲む中での華々しい格闘だったが、私の人生にとり、これが最後の取っ組み合いのケンカとなった。
区政報告会は、私が川越市議選に初挑戦した時と同じ情況で、友知人ゼロから勝ち上がってきた、現職1期の議員で菅前幹事長に私淑している豊島区議の藤本きんじさんの、地元での来春に向けた立ち上げといった意味合いの集会だった。豊島区高田は私の出身地だったので、私に会いたいと言って永年、母とも親交の深かったおばさん達がたくさん来てくれていた。もう皆が80才を超えていて、ほとんどが未亡人だったが、何故かやたらと皆元気だった。懇親会で乾杯の音頭をとったおばさんはこう挨拶を切り出した。「今日、来てくれたリュウちゃんは、私がおんぶしたり、おしめを取り替えたりしてきました。」私はただ顔を赤らめ、頭を垂れるしかなかった。宴会が始まり飲み物をついで回らせてもらったが、知り合いのおばさん達からは、私の知らない母のことをたくさん語ってもらえ、応援に行っているのか、母を偲ぶ会なのか解らない有り様だったが、私にとっては望外に亡き母の若き日々を知る機会を得られたことで、楽しいひとときであった。
▼教育改革の蠢動(11月25日)
学校教育法の改正により大学院がガラリと変わってくる。これで大学が変わり、高校が変わり、中学・小学校が変わらざるを得なくなるだろう。明春、開設される専門職大学院は、先ず法科大学院からスタートする。この院生から将来7〜8割の司法試験合格者を輩出する見通しだという。今ある、大学の法学部の将来は読み切れないが、大学間の過当競争は避けられないだろう。その後、様々な専門職のコースがつくられてくることになる。行政、公衆衛生など多岐に亘りそうだが詳細は定かではなく、文部科学省の構想も未だ固まりきっておらず、見切り発車の感は否めない。しかし、賽は投げられ、学校教育はこれで大きく変わる。
先般、文教科学委員会で参考人として、鳥居泰彦氏、伊藤文雄氏、市川昭午氏3名の先生方が出席され、それぞれの立場で、在るべき教育像を率直に語られたが、私には新鮮で共鳴するところが多かった。特に、わが国の教育の舵取り役ともいえる中央教育審議会の会長の立場を持つ鳥居先生の見識には眼を見張らされた。私は慧眼の士ではないが、委員会での論議を目の当たりにして「この人なら」という思いを持てた。
詳細は
http://www.sangiin.go.jp/japanese/frame/joho2.htm
をご覧頂けば分かるが、「教育改革は国家戦略」「人文科学も産学官の連携が大切」「この10〜20年かけて漸く各省の国家試験が大学のカリキュラムに合わせるようになってきた」といった発言は、この先生のスケールの大きさを表していたように思う。立教大学の元総長で美濃部元都知事と選挙で戦った松下正寿先生の姿にどこか似ていて・・・。
▼「釈迦」瀬戸内寂聴著を読んで(11月27日)
著者はきっと遠藤周作の力作「イエスの生涯」を意識していたのではないだろうか。この書は多くの日本人が持っていたキリスト像を大きく塗り替える程の衝撃的なもので、私自身のキリスト観も根底から変えさせられたものだ。完全無欠で手の届かない人を、我々の悩みや苦しみを同じ次元で理解できる身近な存在としてのキリストとして、時に弱々しくも描き、その事で遠藤周作夫人も長年通い慣れた教会に於いてさえ、信者からの射るような視線に傷ついたと自身の著した本の中で書かれていた。その後、バチカンで「イエスの生涯」が評価され表彰されもして又、周りの信者の態度が一変することになるのだが、それほどまでに信者や異教徒の心を大きく揺さぶり続けた名作だった。
瀬戸内さんはそのことを知っていた筈で、意識しない訳はなかったろうと思う。本書で書かれた説話の多くは仏典等で、私も知悉していたものだが、著者の眼を通しての理解は、時々、独自のものも散見することができる。現代では釈尊の秘書ともいえる侍者という役割を担ったアーナンダを一人称で書くという手法は、アーナンダを通して釈尊を描くこととなり、釈尊への著者の尼僧としての謙虚さを、一歩引くことで表しているように思う。本書はアーナンダの心の内を描くことに成功しているが、釈尊の心の内はどうだろうか。
☆★☆ 2002 政経クリスマスパーティー のご案内 ☆★☆
◇日 時 平成14年12月13日(金) 受付17:30-
◇第1部 講演会 18:00-19:00
仕事に役立つ「個性心理学講演」/弦本 將裕氏
◇第2部 懇親会 19:00-21:00
◇会 場 川越東武ホテル (川越市脇田町29-1)
◇会 費 20,000円
▽どなたでもご出席頂けます。
▽第1部にはあの動物占いでお馴染みの弦本氏をお招きします。
▽第2部では、山根りゅうじの国会活動のご報告をさせて頂き
ます。
▽参加ご希望の方、お問い合わせは 山根 隆治 川越事務所
(TEL049-230-1350)までお気軽にご連絡下さい。
▽この催しは政治資金規正法第8条の2に規定する政治資金パ
ーティーです。
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