■2002年02月07日発行号

▼田中外相の功罪( 2月 3日)

菅直人(現)民主党幹事長がいなければ、永久に薬害エイズの真実が明らかにされなかったのと同じように、田中外相がいなければ、外務省の一連の不祥事もここまで明らかにされることはなかった。野上事務次官が「外相と差し違えても組織(外務省)を守る」と言ったとの新聞報道は、「外務省の闇をこれ以上、明らかにさせない」といった意味に受け取った人が多いのではないだろうか。

他省庁から外務省に出向して在外日本大使館に勤務していた私の友知人は異口同音に外務省の閉鎖性を指摘する。特にODA(政府開発援助)が大きくなってからは、一層、不透明感が強い、との指摘がある。NGOの不参加問題の背景には、ODA関連の情報をベールに包んでおきたいという外務省や、自民党の一部議員の思惑が見え隠れしているように思えてならない。田中外相だったからこそ、歯に衣着せず、タブーに切り込んでいけたのだろう。今回の更迭劇で言った言わないの議論では、私は双方に少しずつ嘘があると思うが、外務省の恥部にメスを入れてきた田中外相の蛮勇を率直に評価しておきたいと思う。

しかし、外相としての資質については私は疑問だ。参議院の予算委員会で何度か外相の答弁を目の当たりにしたが、勉強不足の感は拭いきれない。確かに米国に長く留学していただけに英語力はあるが、語学力が政治家としての力に直結するものではない。田中角栄という天才・政治家の一人娘としての地位は居心地の良いものに違いなかった筈だし、彼女が政治家となった後も「田中角栄の娘」という看板は、盾にも武器にもなっていたことは確かだ。だからこそ、彼女の常軌を逸した放言や行動も大目に見られてきた。

わがままに育った良家の子女がそのまま大人になって大臣にまで登りつめてしまったことは、彼女にとって、あるいは、日本国にとって幸いであったのか、不幸であったのか、難しいところだ。


▼「民主主義とは何なのか」長谷川三千子著( 2月 4日)

力作だとは思うが、教科書を読みこなすような思いで読んだ。


▼沖縄のこれから( 2月 5日)

沖縄振興特別措置法案が今国会に提出され、沖縄の様々な支援策が盛り込まれているが、経済自立への根本策は提示されていない。
本土復帰前から何度か沖縄へ行ったが、亜熱帯気候の温暖なこの土地は私には時間がゆっくりと流れている、という感覚がある。
大都市圏での喧噪の中で生産性を競うような事業は、この県には不似合いのように思う。流行歌の「島唄」を聞いて心が救われたよう
な思いを私自身持ったことがあるが、日本人の心が癒しを渇望している今、この地には何かを与えてくれそうな神秘がある。

私の個人的な情緒を表現しても詮の無い事だが、具体的な政策提言としては新規立法で「カジノ」を沖縄に認めてはどうかと思う。
大田昌秀前知事に私的に提言してみたら、「県民感情としては、合意形成は難しいのではないか」と言っておられたが、沖縄県内でも様々な動きがあるのは確か、とのこと。健全な娯楽としてのイメージを、国民・沖縄県民の間で認知されるかどうかが大きな鍵となるが国際的なニーズもあるのではないか。

もう一つは、砂糖黍(きび)の活用である。今、都市圏のガソリンスタンドにガイアックスが販売されている。これはガソリンに代替できるエネルギーで、糖から作られており、クリーンエネルギーとして注目されているもの。車の走行エネルギーとしての活用で沖縄の砂糖黍は一躍、脚光を浴びるに違いない。


▼参議院の勉強会( 2月 6日)

国際問題に関する調査会(参院)で、2人の学者から話を聞いて勉強させてもらった。
今回は「東アジア経済の現状と展望について」であったが、政策研究大学の大野健一教授は小泉改革の手法についておもしろい指摘をされていた。1つは、外圧を利用していないこと。2つに、棄てるべき施策を持ち続けてしまっている、というもの。
詳細な説明は無かったが言おうとされていることは、解るような気がした。

先般、和紙を使った絵画展へ足を運び斯界の実態を色々聞いてみたが、芸術の世界でも新しいものへの拒否反応は強く、海外から認め
られてからでなくては、受け入れられないらしい。
日本の風土としか言いようがない。


▼「特殊法人民営化」猪瀬直樹著( 2月 7日)

テレビで小気味の良い発言が印象的な人だったが、国会質疑等で本書を参考にさせてもらえそうだ。



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