■2004年5月13日発行号

▼ヘンシンした外交防衛委員長( 5月 7日)

前々回のメルマガで、本会議場でのスピーチが早口過ぎると書いたのは、実は山本一太外交防衛委員長のことであった。その後、本会議場で改めて委員長報告のスピーチを山本委員長が行ったが、今度は見違えるばかりに落ち着いていた。まだ少し小走りの癖も若干残っていたが、多分に山本氏の照れ隠しだと思う。これは決して見苦しいものではなく、むしろ微笑ましい類のものであったろう。

もう2度と早口のスピーチを山本氏はすることはないだろう。有能な若手政治家だから、じっくり大きく育っていってもらいたいと思ってのことだったのだが、直ちに私のチョットきつい、野次という形の短い提案を採り入れてくれたのは、私にも心地良いものであったし、誰からもこのスタイルの変更は、好感をもって受け入れられた。

降壇の時、私が拍手したら、周りの民主党議員も同調してくれて、与党席からは「オッ〜」という驚きの声が揚がっていた。与野党超えて、変身(心)した委員長への賛意のざわめきだったと私は思う。


▼田中一村展を観て( 5月 9日)

東京大丸デパートで4月28日から5月9日まで開かれているという情報を得たので、直ぐにでも行きたいと思っていたら、結局、時間がとれず最終日にようやく行くことができた。

50才で奄美に渡り、そのままこの島で生涯の幕を閉じた不遇の画家、一村を初めて知ったのは、俳優 高倉健の著書からであった。一村の生き方にも興味を持ち、一村を書いた本を購入し読んだら、是非とも本物の絵を見てみたいという思いが募ってきた。奄美の一村記念館に個人で行こうと思っていた矢先、たまたま予算委員会の視察で島を訪れる事になったので、その合間に行くことを探ってみたが、前後の個人的日程には無理があったし、当日が休館日であったりで訪問が叶わなかった。

最終日ということもあり来場者が多く、ゆっくり1つ1つの作品を鑑賞するという訳にはいかなかったが、奄美の自然を描いた代表的な作品も何点か眼の当たりにすることができた。繊細で大胆、伸びやかで気難しそうな筆使いは、私のイメージしている一村と一致していた。弟を支え続けた、端麗な一村の顔立ちに勝る実姉の、美しい容貌がビデオで流されていたが、薄幸に見える2人の姉弟の生涯は、暮らし向きは赤貧洗うが如きものでも、心の内は天命を全うした満ち足りたものだったろうと思う。


▼菅代表の辞任( 5月11日)

時期が遅かったと私は思う。もう少し早い表明であったら、小泉内閣を倒せたという人もいる程だが、この際、私は菅さんには、とにかくも心から「お疲れ様でした」と言わせて頂きたい。菅代表と私の年金未納発表が全く同じタイミングだったのは、偶然の一致だが、お互い不徳の致すところで、改めて国民の皆様にはお詫び申し上げたい。

辞任に至るまでの菅代表の行動の是非は置くとして、私は別の角度から嫌みや皮肉ではなく、菅さんのエネルギーの強さに改めて驚嘆した。衆院当選までに3度の落選を経験してきた菅さんの、選挙戦に挑む時の気迫が半端でない事を、私は党首選の時に知った。鳩山さんと最初に戦った時、「私は鳩山さんです」と申し上げても、何度も直接、投票依頼のお電話を頂いた。そして、党首選の当日早朝、会場のホテルに泊まっていた私の部屋に、令夫人からご挨拶の名刺が差し込まれていた。そして、大会の会場入口でも、入場者1人1人と握手し、少し離れて入場する人達にも、眼で追いかけるように視線を投げかけていた。あの時、多くの人々がグラッと情を揺さぶられたのではないだろうか。

今回、針のムシロ状態の中で、自ら説明責任を果たそうと必死になってテレビ出演し続けた姿を見て、もちろん批判的な思いも多くの国民が抱かれたとは思うが、それでも自らの考えを説き続けた菅さんのエネルギーに私はある種の敬意を抱いた。


▼年金法案の行方( 5月12日)

衆議院議員の秘書をやってきた経験からも解るが、衆議院幹部は参議院側を軽視する空気があると、民主党の参議院議員間で、このところ話題になることが多い。

自民党は青木幹事長が実力者で、自民党参議院のほぼ全権を掌握して、総裁選等で影響力を行使しているので、わが党とは異なると言われている。わが党は、緩やかなグループはあるが、自民党のような派閥とは全く違うから、1人の権力者が会派を牛耳るといった様な事はあり得ないし、あるべきでもない。そこが、わが参議院会派の弱いところでもあるが、強いところでもある。

国会は政権奪取を巡り、与野党対立の場であるのだから、わが党は衆・参両院で今回の年金法案でも、もっと国会会期中、全般の戦いを戦略として練り上げるべきだったと思う。どうも私のように参議院に身を置く者の立場からは、衆議院は独自の戦術で自己完結して、それで良しとしているように見える。衆院幹部が、参院も含めた国会闘争全体のグランドデザインを、描いているようには思えないのだ。

だから3党合意案も参院での論戦を展望してのものとは言い難く、参議院わが会派のメンバーは、異口同音に戸惑いを隠していない。参院民主党の率直な空気は、怒りに満ちたものとなっている。


▼「バカの壁」養老孟司著を読んで( 5月13日)

『“常識”と思っていることも、結構、間違いがありますよ』と言った意味の本だと思う。著者の主張に、読みながら度々、頭の中では反論が浮かんできて、空想の中では著者と論争しているような錯覚に陥ったのが、我ながらおもしろかった。

そんなに難しい内容の本ではないので、頭の体操にはちょうど良い本だと思う。