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■2004年12月2日発行号
▼対中外交の難しさ(11月24日)
参議院 国際問題調査会で、“多極化時代の日本外交”を3年間、テーマとする事に決めた。初年度は、中国問題をとり上げることとなり、その第1回会議が開かれ、早稲田大学政経学部の毛利和子教授と中国人作家である莫 邦富(モー バンフ)氏の話を聞いたが、今迄、自分に無かった視点からの話もあって、随分勉強になった。今国会では時間もなく、この1回で終わる見通しだが、来年1月から始まる通常国会では相当の回数を開いて、有識者から話を聞かせてもらい、質問もできるので楽しみだ。
靖国神社、ODA、反日教育、領土、台湾問題等々、課題が多すぎる程だが、中国にとっても日本にとっても両国に横たわる厄介な問題に、いつまでも眼をつぶっている訳にはいかない。外務省の事なかれ主義から離れて、真の日中友好を築く第1歩のきっかけとこの調査会がなれれば、と思う。開会のタイミングや参考人の人選も、我々理事の大切な仕事となる。
※詳細(参議院 会議録)は
http://www.sangiin.go.jp/japanese/frame/joho2.htm
で公開されています。
▼上田知事の武部発言批判(11月25日)
北朝鮮への経済制裁は「ミサイルを的確に日本に撃ち込む態勢ができているので…」と慎重論を自民党の武部幹事長が態々発言した事を、上田埼玉県知事は的確に、「不見識である。何のための日米同盟か」と批判した。快哉を叫びたい。
小泉総理の側近は、とにかく“国交正常化”の手柄がとりたくて仕方ない、という印象だ。正常でない国との真の正常化などあり得ず、外交戦略としての国交を目指す、という程度の認識でないと、国際外交の舞台では、日本政府の北朝鮮外交は稚拙の謗りは免れないだろう。武部発言は予想した通りの発言だった。官邸からの要請だったろうと私は思う。
仮に、日本にミサイルを発射するような事になれば、一気に北朝鮮はアメリカによって完膚無きまでに叩かれることになる。その事を北朝鮮が解らなくはないだろう。アメリカがそのような行動をとらなければ、日本国民の防衛意識は極端なまでの転換を遂げることとなり、その事を1番恐れているのは中国であり、アメリカの北朝鮮攻撃は、中国も支持、又は黙認することになるだろう。そこまでのリスクを負って北朝鮮が日本へのミサイル攻撃をすることはない、と見るのが軍事的、政治的な常識ではないのか。
武部発言は小泉総理への追従であり、経済制裁措置を牽制するためのものであるとしか、私には考えられない。
▼康 仁徳(カン インドク)氏の北朝鮮観(11月26日)
党の拉致問題対策本部(鳩山由紀夫本部長)でお招きして講演して頂いた。康 仁徳氏は韓国の金大中政権下で、韓国中央情報部 北朝鮮局長を務められた方で、いわゆる太陽政策の実務にあたってこられた。氏は現在の韓国政権に対しては批判的で、北朝鮮に対しては、もっと毅然とした態度で接するべき、との主張だ。
51人にも及ぶ脱北者から直接、話を最近、聞いているという。北朝鮮の今と歴史、体質を知り抜いた人の話だから、具体的で迫力のある内容だった。差し障りがなく、象徴的だった話をご紹介させて頂く。卓球の国際試合で、南北統一チームを作る事で合意しておきながら、実務者協議を申し入れてもなしのつぶて。大会直前になって、これではチーム編成ができないと韓国が単独チームの編成をしようとすると、勃然と怒りだし、約束が違うと抗議してきたのだという。そして試合当日に統一チームを作ろうと改めて主張し、監督を勝手に北朝鮮から選び、副監督を韓国に当ててきたのだそうだ。
全体主義国家のやりそうな事である。つまり教訓としては、この国は、大筋の合意だけでは実務は進まないので、プロセスも交渉の時、詰めておかなければならない、という事だろう。
▼銀時計の人(12月 1日)
東大を首席で卒業した人には銀時計が贈られる、という話を聞いたことがあり、どんな時計なのかに興味があった。参議院のソバ屋さんで、民主党会派の江田五月議員会長と向かい合う席になったので、その事をさり気なく聞いてみた。江田さんは、社会党の書記長だった江田三郎先生のご子息だが、60年安保では、当時、東大で学生運動のリーダーをされていたと記憶している。
「いや、実際には、もらった人というのは聞いたことがない」と言われたので、野次馬根性で「先生も銀時計組と聞いたことがありましたが…」と続けたら、「確かに法学部では、オール優で取得した単位数も同じ学生がいて、同率首位となった」と話してくださった。
頭の良さというのは色々な要素があるのだろうが、少なくとも理解力や記憶力といった分野では、その年の“日本一 頭の良い人”と言うことができるかもしれない。江田会長はまさにその人であったということだろう。来る1月下旬に開かれる通常国会で大いに指導力を発揮して頂き、国会を盛り上げて頂くことになるに違いない。
私のように勉強が嫌いで、母から「お前も勉強すれば頭が良くなるんだよ」と言われ、『勉強してもできなかったら…』という恐怖心で子供時代を過ごした人間もいて、民主党参院会派は、色々な人材が配され多様性のある仕事師集団となっている。
▼月と犬と私(12月 2日)
深夜だったが天を見ると青空だった。たくさんの雲が低くまだらに浮かんでいて、ほぼ半月となって白く輝く月からの光の放射は、薄い雲を突き抜けていて、どこか清冽な感じだった。
犬と街路樹の落ち葉を踏みしめて歩く度に、カサッカサッという音が寒さを際立たせて、蕭々たる風景の中に自分が置かれていることを知らしめられた。思い直して天空をじっと凝視すると、夥しい星の煌めきを見ることができ、空の豊潤な景色が私の魂魄を清めてくれているのを覚えた。
以前、私は、月は地球の衛星であり主従の関係のように考えていた。潮の満ち引きだけに止まらない多くの影響を地球に与えているのだろう。が昨夜は、物理学的な関わりを超えたところで、どこか私は月に守られ、見つめられているような気がしてならなかった。「私は大いなる宇宙の中に生かされている」そんな感じだった。
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