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■2004年11月18日発行号
▼総理の乱暴な答弁(11月11日)
党首討論で、小泉総理の答弁ぶりがちょっとひどさに加速度が加わってきたように思う。イラク問題で、自衛隊の活動地域は非戦闘地域だけと法律で限定していることから、非戦闘地域の定義を質した岡田代表に対して、“自衛隊が行っている地域”という迷答弁を超えて、もう無責任極まりない表現を使った。岡田代表もここまでの答弁は想定をしていなかったのか、追及の言葉を失っていた。これからの党首討論での想定問答は、普通の総理を前提とせず、小泉さんだからこその発言を想定して考えなければならないだろう。
渡部恒三元衆院副議長が、「ああいった答弁は、一時代前なら、国会は1ヶ月位止まっていた」と語っておられたが、緊張感の欠けた不用意な発言だったと思う。まさか総理も本位ではないだろうが、そのままに受け取ったら、総理自身がシビリアンコントロールを放棄したものと言うことができるし、行政府の長として、法による国の統治を自らが放擲したことになる。
私は総理や党首という立場にある人は、パーティーや業界との懇談、いわゆる世間のお付き合いといった余分な仕事は極力、避けるべきだと思う。時間を作り、読書したり、思索したり、瞑想したりといった時をできるだけ持つように心掛けるべきでないのか。そこから品性や器、知性が輝き始めてくるような気がする。立場や考えの違いを超えた聞き応え、見応えのある党首討論は議会の権威を一気に高めていくだろうと思う。
▼すごいドアマン(11月12日)
国会に1番近いであろうキャピトル東急ホテルのドアマンの教育はすごいと思った。私など駆け出しの政治家の名前と顔までしっかり憶えているのだ。以前にも車を降りた時、名前を付けて挨拶されたのだが、逆に私の聞き違いくらいに思っていたら、今日、はっきりとタクシーから降りた時、「山根センセイいらっしゃいませ。会場は○○です。」と言われた。私がどこに行くのかも、たくさんの会場から目星を付け、しっかりチェックしていた。ということは、多分、国会議員約700人全員の顔と名前を頭の中にたたき込んでいるのだと思う。
このホテルは会合でもちろん幾度となく食事しているが、自分が主催した催しは1度もない。それなのに、である。過当競争による生き残りを懸けた営業努力の表れだと思うが、わたし的には素直に嬉しかった。赤坂の安い穴場は幾つか見つけているが、キャピトル東急での食事は高いに相違ない。私には不似合いでも、清水の舞台から飛び降りるつもりで1度位、使わなくては、という気がしてきた。
▼アジアの民主化を推進する議員連盟(11月15日)
共産主義国家など、全体主義的傾向の強い国々で、国民の人権が著しく侵されている。冷戦時代、容共的・親共的立場に立って自由主義諸国の中に残されている人権問題に焦点を当て、反体制運動の一環として人権運動を行ってきた人々が今、共産主義国家などでの人権問題について、ほとんど沈黙を決め込んでいる。
法輪功活動をしていた日本人妻である金子容子さんが、中国政府に拘束された。私は同志と一緒に彼女を解放するための汗を流してきた。事態は好転し金子さんは釈放されたが、これで中国の人権問題が全て解決された訳ではないだろう。
アジア各国で問題が発生する度に議連を立ち上げるのでは、時間も要し、政治的行動としてタイミングがずれることもある。人権問題につき受け皿だけは常設しておく必要を感じていたので、牧野聖修先生と相談して、漸く議連を立ち上げさせて頂くことができた。
去る11日、静岡県立大学の高木桂蔵先生をお招きして、最初の会合を持たせて頂いたところ、17人の国会議員、代理出席14人の参加となり、代表に牧野先生、私が事務局長を仰せつかり、先ずは好スタートを切ることができた。ご協力頂いた各位に感謝の意を表します。
▼第3回 日朝実務者協議(11月16日)
今日、拉致議連に外務省の藪中局長等を呼んで、協議の内容につき説明を求めた。既にマスコミ報道にもある通りの内容だったが、私からは藪中さんに、時間の関係もあり1点だけ質問した。特に今後の外交交渉に支障を生じることもないので、書かせて頂くことにする。
それは、物的証拠は何点だったかということであった。レポートには、
・横田めぐみさんの遺骨とされるもの
・交通事故調書
・拉致の責任者2名の裁判記録の一部の写し
・その他 関係資料
と書かれており、“その他”がどれ位の量となったのか関心を持ったので聞いた訳だが、「全部含めて10数点程」とのことであった。
安否不明者8名は全員死亡との回答を裏付ける物的証拠が僅か10数点というのは、北朝鮮側のあまりにずさんな調査を象徴するような量でしかない。日本からは警察庁の専門家など19名で乗り込んだ交渉だったから、先方の説明や証拠品をこれからじっくり精査した上で、その信憑性を改めてチェックすることになるが、今日の報告の印象からは、“嘘の上塗り”の印象は免れないものであった。
▼党首討論の背景(11月17日)
今日、今国会で3回目の党首討論が行われた。原則として週1回行われるものだから、決して多い回数ではない。しかし、通常国会のような長い期間の国会でさえ、あまり開かれなくなってきている状況では、この国会での開催回数は順調という見方もできるかもしれない。しかし実はこれには裏があった。
日歯に端を発した政治と金の問題を、今臨時国会で徹底して議論しようと我々民主党は考え、予算委員会の開会を強く求めている。一方、自民党の方は予算委員会となれば6〜7時間という長時間の開会は免れず、野党の厳しい追及をできるだけ避けて、国民の注目を集めたくないという思いがある。そこで、45分程の追及で済む党首討論で妥協してきているという構図だ。
拉致やイラク、年金、景気の問題について、テレビを通じ国民注視の中でじっくり時間を掛けて論議できる予算委員会を逃げるのが、今、自民党にとって最優先の国会対策となっているように思えてならない。
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