■2004年11月4日発行号

▼新潟中越地震(10月30日)

昨日まで普通に暮らしていた人々の急逝や、家屋の損失というのは、家族や近親者にとり捉えようのない現実で、とても信じ難い悪夢のようなものだろう。しかし日々の移ろいの中で、肌に錐を突つくように、時が残酷な事実を、残された者に少しずつ大きな声で告げていくことになるのだろう。そして喪失感で心に空洞が生まれ、次に待ち受けているのは、自分の置かれている“暮らし”の大幅な変更に対する対応という実務だ。今まで多くの人々が意識することも無く過ごしてきた、社会や国家との関わりを弥が上にも認識されることになるだろう。

私たちの国・日本が被災者の皆さんにどのように映るのかは、国民や政治、行政のこれからの動きに関わってくる事だが、初動期に於ける国民の多くの人々の被災地に対する思いや動きは、私は暖かいものだったように思う。私が今、置かれている立場で言えば、地震発生時、鳩山由紀夫民主党・元代表が偶さか新潟におられ、即刻現地の状況を克明に党本部や役員に報告され、それを受け党は迅速に支援体制をひく事ができた。「食糧が全く不足している」との第1報を私は受け、党県連として11区総支部長の八木昭次さん、12区総支部からは本田平直代議士事務所でスタッフ数名を出してもらい、地震発生の翌日には食糧・水・紙オムツなどを購入し準備を整え、翌々日の未明に彼らに埼玉を出発してもらった。現地がどのような状況かも解らず、余震の恐れもあり、送り出した立場からは心配もあったが、無事、小千谷市役所に物品を届けることができた。その後も引き続き、県連からは各国会議員の秘書さんを送り込んでもらったり、街頭カンパなどの活動を続けている。

オリンピックで国民の心が1つになったように、新潟だけでなく台風による被災も含め、災害に於いて今、日本は1つになっているように思う。


▼牛の救出(11月 1日)

山古志村の牛を救出したとのテレビ報道で、アレッと思うことがあった。救出ではなく、移送ではないのか。熊が里に下りてきて、人が仕掛けた罠に引っ掛かり身動きできなくなった時、麻酔銃で一時的に眠らせ山へ返す場合は、熊は自由の身になるのだから、“救出”が適切な表現だろう。しかし、いずれ人の食用に供されるこの牛の場合、“救出”の言葉は、どこかに後ろめたさ故の隠蔽があって、牛の立場からは「綺麗事を言わないで欲しい」という気持ちではないのか。

考えたくもない見たくもない現実は数限りなくあるが、食用牛の場合、“救出”ではなく、“移送”としっかり表現して、他生物の犠牲の上に今、自分達が在るという関わりに感謝の念を持つ機会とすれば、それで良いのではないか。何も知らない子ども達に今から酷い現実を教えることもないが、嘘をつくこともないだろう。


▼30年前のクイズ番組(11月 2日)

参議院の国際問題調査会で、私が民主党の筆頭理事となり、自民党は山東昭子さんが就任した。今後、3年間に亘り何を調査するか、今、議論しているところだが、世界の中の日本の在り様が模索されることになる。第1ラウンドとして、理事それぞれが私見を述べたが、そう大きな隔たりがあるように思えなかった。

山東さんは、「日米関係のこれからを」といった主旨の発言だったが、かなり巨視的に日本を捉えているように思った。選挙で何期も重ねられている山東さんは、もう“芸能タレント”ではなく、政治家としての見識が、当然だろうが私などはとても追い付かない一定のレベルをとうに超えられている。

会議の始まる前に、30年前頃、芸能人としてテレビのクイズ番組に出演されていた時のことを聞いてみた。博識で、いつも高得点されていたので、秘訣を伺った。特別な事はなかったが、季節に因んだ質問もあったので、自分なりに予測して勉強していたとのことだった。

但し、出演者には1問だけ答えを事前に教えてくれるのだそうだが、ゲストの中には、上がってしまってその問いにも答え損ねた人も多かったという。毎回のようにクイズ女王になってしまうので、ある女優さんが出演した時、答えを全部どうやらスタッフが教えていた節があったのだそうだ。それは、アメリカ第○代大統領は誰か、という質問だったが、全く歴史的には無名の人にも拘わらず、その女優さんが見事?にその大統領の名を答えたという。逆に一般常識の範疇にある問いに、覚えた答えを失念したのか、とんでもない答えをしていたことで、疑念が生じたのだそうだ。

山東さんは調査会のテーマを決める議論の中で、かつて私が持っていたイメージ通りの博識ぶりを十分に発揮していた。そして、竹を割ったような気性の持ち主とお見受けし、「先生の血液型は?」と聞いてみたら、「O型です」と笑って答えられた。


▼ブッシュ大統領の勝利(11月 4日)

イラク問題では明らかに誤りを犯している人だが、自分の心の中ではホッとした思いがある。ケネディよりもニクソンやレーガンが好きという個人的な私の好みもあるが、民主党、共和党にとらわれずとも、アメリカの政治家では比較的、共和党の大統領に好きな人が多い。

今回の選挙で言えば、ブッシュ大統領が好きという訳ではないが、ケリー氏が当選したら、日本の立場からは、対中国や北朝鮮外交に大きな影響が出てきようし、経済面での日本への攻勢も予測され、国益を考えれば大局的にはやはりブッシュ大統領の再選は喜ばしい気がする。

自民党内には、ケリー氏が勝てば小泉降ろしの狼煙を上げると息巻いていた人もいたという。矮小な話だが、民主党的には新しい自民党の総裁が国民の期待感をもって迎えられるよりも、人気が低下した小泉さんと勝負した方が有利、というのが私の期待と読みだ。