■2003年12月11日発行号

▼欧州事情視察 その1(12月 5日)

去る11月23日から12月1日まで政策研究フォーラムの調査団の一員として、欧州へ飛んだ。イギリスの労働組合 ナショナルセンターであるTUC、そして労働党政権のシンクタンクともいわれるIPPR、ベルギーではEU本部を訪問した。

メンバーは学者3名、労組である連合傘下の組合役員7名、そして私の11名である。政策研究フォーラムは、その前身である民主社会主義研究会議以来、その思想研究と啓蒙を目的として設立されたものだが、昨年は、激動する世界情勢の中で、新しい改革理念研究と福祉研究の為に、イギリス、スウェーデン、ドイツ、デンマークへ調査団を派遣している。既に理念、福祉研究それぞれの報告書がまとめられ、内外から高い評価を博している。

今回の訪欧は、それらの成果のまとめとして、どう具体的な政策として提言し得るかを探るための調査であった。報告書は年明け早々にもまとめられるが、ここでは私なりの視点でのレポートをしてみたいと思う。

予算の関係もあり、添乗員無しの訪欧だったが、労組幹部の鎌滝博雄氏にその役割を担ってもらった訳だが、プロ顔負けの活躍であった事を、この際、先ずご報告しておきたい。63才とは思えぬタフネスぶりであり、視察先での段取りなど、交渉に当たっては粘り強く、不確かな英語力をものともしていなかった。現地の人々が氏の英語を理解できないことをむしろ、恥じているように見せる程の泰然さには、舌を巻かざるを得なかった。(つづく)
                         

▼今年の選挙で考えたあれこれ<2>(12月 6日)

一般市民の方の中には、“政治好き”と言われる人々がいるが、大別すると、政策論議の好きな人、政治家の人物評価の好きな人、そして選挙好きの人、とがいる。このうち選挙好きの人々は、行動力があり、選挙となると眼の色が変わってきてギラギラしてくる。政治家にとって1番有り難いのは、やはりこうした人々で、自身の政治生命も、これらの方々によって支えられている。仕事を投げ出し、寝食を忘れて夢中になって、活動してくれる人を何人持てるかが、当落の分かれ目にもなる。

実は政治家自身も同じように大別する事ができる。選挙は避けられない宿命なのだが、選挙活動があまり得手でない議員も決して少なくはない。わが党県連では従来、選挙となると表立って、メラメラと燃えて闘っていたのが上田さん(現知事)で、私の参院選の時も、先頭に立ってご支援頂いたが、半端なエネルギーではなかった。

駅頭活動でも執らわれがあって、ビラを配る時はもちろん、演説中でも1人ずつじっと眼を合わせるようにと、私にもアドバイスしてくれたものだ。私自身も20才からビラ配りを始め、選挙活動に携わってきた経験から、実は違う手法で自信を持ってはいるのだが、その時は候補者として、上田流を素直に受け入れることにした。上田さんの徹底した、日常活動や選挙運動は、そう誰にでも真似できるものではないが、始発から終電まで駅頭に立ち尽くすといった運動への情熱は、政治家としてのあるレベルを超えたもので、感動の領域に達していた。


▼テニス大会での惨敗(12月 8日)

前日、私自身は1時間ほど練習を久々にして試合に挑んだが、わが「ベテランズ」は9連敗の惨敗に終わった。昨年は日没で6連敗だったが、今年は更に黒星を3つ重ねたことになる。71才、70才、63才、62才、38才、そして私55才と平均年齢は60才で、昨年よりかなり若返った。38才の青年はテニスクラブ・オーナーの長男で、6〜7年前に少しやっていたが、それ以来のテニスで、まだこの3ヶ月前にやり始めたばかりだ。

昨年の私は本当にひどい状態で、足を引っ張ってばかりだったので落ち込んだが、今年はそれなりにできた気がする。しかし、市大会に出場してくる人の技量は、私達のそれを遙かに超えていた事は明らかで、その日の調子云々、という問題ではないだろう。

反省会と称して杯を傾けたが、この時はもう皆、意気軒昂で「来年こそは…」と誓い合った。しかし、私が戯れに「又、来年も『来年こそは』と誓い合うんでしょうね」と言ったら大笑いとなった。ついでに「最後は『来世こそは』という事になるんでしょうかね」と話したら哄笑は止まらなくなった。


▼今年の選挙で考えたあれこれ<3>(12月 9日)

選挙技術というのは限りないもので、私もそれなりに工夫して幾つかオリジナルな術も持ち、他人からパクられてきたものもある。もう20年程前になるが、大宮市議選に挑んだ新人候補の事務所に専従で入り、後に名古屋市会議員ともなったある参謀から、「何か当選の為の新しい知恵はないものだろうか」と相談を受けた事があった。私は多分10秒程考え、即座に「地元民の声を吸収するという形で、アンケートを全戸に持参し、それを回収してみたらどうか」と提案した。

すぐに答えられたのは、自分自身の市議選の反省に立って、やってみたかった事の1つに考えていた方法だったからだ。それから、全くの新人が立候補する場合、同志の地元対策として何人もの人が、この手法を採り入れていた。この他、オリジナルなものが幾つかあるが、ここでは種々、支障もあるので割愛しておきたい。

しかし、器材づくりや活動方法、組織運営など、多くの人が積み上げてきた形を、大抵は私自身も盗んできた。今年、行われた統一地方選から知事選、参院補欠選挙を通じても又、新たな手法を私は学ぶことができた。特に、いわゆる選挙プロなる人々が展開する運動は、私には新鮮で、刺激的に映った。このグループの人達は、いわゆる無党派、浮動票対策としていくつものメニューを持っている。保守的な村部では通じないが、都市部に於いては極めて有効な手法が用意されているのだ。

そして、多くの選挙好きのボランティアが集まってくるので、今迄になかったアイデアも次々と生まれたり、様々な手法は常時、改良され、進化されているのではないか。“選挙プロ”と聞いただけで、当初、生理的拒否反応も覚えたが、思い直しクールに眼を凝らして、多くを学べたのは幸いだった。


▼テニスクラブの老犬(12月10日)

すっかり見かけなくなった老犬のロブのことを尋ねたら、受付兼コーチをしている女性から、「この頃はボケが進んで、(ちょっと離れたオーナーの)家に入りきり」だと聞いた。マルチーズ系の小型雑種犬であるこの犬は、クラブハウスの主(ぬし)的な存在であった。クラブハウス内はもちろん、コート7面を擁する広い敷地の中を、鎖を付けずに自由気ままに駆けずり回っていた。テニス愛好者ならお解り頂けたと思うが、ボールをポーンと高く上げて相手コートの後方に落とす技をロブというが、これがこの小型犬の名前の由来だ。

家にいても、1年程前に入り込んできた鉄太郎という若い猫に、最近では苛められてもいて、辛い思いをしているのだそうだ。下(シモ)の方も自覚がなく垂れ流し状態で、敷居などちょっとした段差にもズッコケているらしい。年齢を聞くと、18才というから、人間でいえば90才はとうに越えているのだろう。

わが家も18〜19才まで生きた猫を飼っていたことがあったが、老いに至らず死に至り、老醜を見せることはなかったので、テニスクラブの老犬ロブのような、下の事や、方向感覚が崩れ、帰宅不能となる程の動物のボケ状況というのは、実感がない。そう長くはない余命だろうが、痛み、苦しみを受けずに天寿を全うしてもらいたいと思う。もし有るのだとすれば、死の恐怖からも解放されるよう祈りたい。