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●山根隆治君 総理、十月五日の予算委員会のときに、あなた御欠席だったんですけれども、二日目ですからもう御出席の予定はなかったんですが、欠席裁判のような形になって恐縮であったんですけれども、当日新聞に、私の大好きなモリコーネ・ミュージック、小泉純一郎選曲、そして監修という、ごらんになっていらっしゃると思うんですけれども、私はあの日、官房長官に、少し総理としては軽々しくはないかという趣旨のお尋ねをし、御伝言をお願いしたんですが、当時、御欠席でございましたので、今機会がございますので、釈明があれば、お答えいただけますか。 ●内閣総理大臣(小泉純一郎君) 何かそのような質問があったという報告は受けております。 私は、このエンニオ・モリコーネという、映画音楽、作曲家で有名な方ですが、大好きなんですよ。そこで、このような選曲をして監修して、多くの人に聴いていただければ、ああ、いい音楽だなと思っていただけるんじゃないかということで、このお話があったとき、喜んで引き受けました。 モリコーネといえば、「ニュー・シネマ・パラダイス」とか、「海の上のピアニスト」とか、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」、あるいは「ミッション」、「荒野の用心棒」、「夕陽のガンマン」、「ウエスタン」、もう、もう見ている人はたくさんいると思いますよ。ああ、あれがモリコーネの音楽かと。そのもういいところばっかり取ったCDですから、六十分ぐらい、是非聴いてくださいよ。ああ、いい選曲をしたなと、心いやされる、美しい哀愁に満ちたメロディーだなと、いいものを作ってくれたといって、必ず喜んで聴いていただけるCDだと思っております。 ●山根隆治君 私も昨晩、じっくり聴かせていただきました。よろしいんじゃないでしょうか、内容は。 ただ、私が問題にするのは、先ほど来の御議論の中で民のことは民にと言われている、しかし、あなたは、立法、司法、行政、昔でいうと武士の階層にあるあなた、そのトップにある最高権力者、その方が一民間企業の広告塔になっているということに問題はないか、そのことをお尋ねしているんです。これは、郵政の民営化法案についても同じことが言える。あなたの今までの御答弁とやっていらっしゃることが違うんじゃないか。その疑問に対してお答えください。 ●内閣総理大臣(小泉純一郎君) 一民間企業の広告塔というよりも、美しいいい音楽なら多くの人に聴いてもらいたいという、その気持ちの方が大きいんですよ。別に宣伝しているというよりもね。ああ、音楽というものは心をいやされますよと、仕事ばかりじゃなくて、たまには音楽の中に安らぎを見いだしてくださいという気持ちの方が強いんです。 ●山根隆治君 私、実は十代後半から政治運動やってきたんですけれども、そのとき所属した政党の党学校というのがありまして、答えに窮したときには擦れ違い問答をする、つまり聞かれていることで全然違うことをしゃべるという、そういう訓練したことがあるんですよ。ですから、もう今総理のお答え聞いていると本当理想的な答弁、嫌みで言っているんですけれども、やはり私がお尋ねしていることを全く答えていらっしゃらないですね。 昭和天皇のお名前出すのもちょっとはばかられるところがありますけれども、非常に大相撲がお好きでしたけれども、ひいきの力士さんの名前、とうとう終生明かされなかったということがございまして、私は、やはりこうした皇室の姿勢というか、沈黙すべきは沈黙するということも非常に大事だろうというふうに思うんですね。 私は、そうしたことでは少し総理として自重をしていただかないだろうかと。これ二曲目だそうですね、二つ目の企画だそうですよね。その前プレスリーをやっていらっしゃる。御自分の個人の趣味と、そしてそれを公の現職の総理という立場でこうしたものに加担するというか、一方の立場に立って広告塔になるということは今後は是非慎んでいただきたいと思いますが、最後にあればコメントください。 ●内閣総理大臣(小泉純一郎君) 物によって考えます。 ●山根隆治君 郵政の民営化法案については、総理は何度かメルマガでその内容、自分の思いというのを書かれていらっしゃるんですけれども、このメルマガは総理自身がお書きになっていらっしゃるんですか。 ●内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私が自ら書く場合もあるし、口述ですね、こういうことを書こうと、そして秘書官が手伝ってくれて書く場合も、両方あります。 ●山根隆治君 私自身も週に一遍発信して、毎日メルマガを書いているんですね。総理も週に一遍たしか発信をされて、大変な多忙の中でよく続けていらっしゃるなというふうな思いがいたします。 そのメルマガを読ませて、まあ全部読んでいるわけじゃないんですけれども、いただいて、いろいろなものを感じるところがございます。小泉総理は、小泉政権になってから、自民党をぶっつぶすというふうな発言も象徴的にあったように、いろいろなものを壊されてきた。しかし、壊していけないものも壊したり毀損したというところもあったんだろうと思うんです。 一つ、私、他党のことで恐縮でありますけれども、小泉総理は派閥を、派閥政治をなくすということをおっしゃっておられました。そして、実際に一番勢力が大きかった旧田中派、今非常に壊滅状態で、大変失礼ですけれども、関係者がいたら、非常に厳しい環境であるということは新聞報道で聞かされております。しかし、その結果、総理の所属する森派が最大の派閥になったということあります。 あるいはまた、この法案について申し上げれば、民のことは民にということで、官の大きさというものをできるだけ縮小しようと、こういうことで努力をされている。その方向については決して間違っていないと思うんです。しかし、実際には、この法案そのものは多くの優良な、有能な官僚の皆さんによって書かれたり、あるいは作られたり、資料を集められたりしたんだろうというふうに思います。私は、この法案を見ても、百項目を超えるところが官僚にゆだねられているというふうな、行政にゆだねられているという項目等があるということも承知をいたしているわけでありますけれども、官僚支配の構図というものはなかなかまだ変わっていないということをあえて指摘せざるを得ません。 郵政の民営化法案は改革の本丸だというふうに言われてきましたけれども、本丸の意味というものは、長年総理が、議員になってからすぐ、あるいはそれ以前にでしょうか、郵政民営化をしたいという長年の夢、その最終的なところがこの郵政民営化ということの本丸なのか。あるいは、この郵政の民営化することによって日本を大きく、このてことして変えられる、だから本丸と言っていらっしゃるのか、どちらでしょうか。 ●内閣総理大臣(小泉純一郎君) 郵政民営化は改革の本丸だということは、この郵政民営化の改革を実現すれば多くの改革に弾みが付くと。現に、この郵政民営化は郵政省だけの改革、郵便局だけの改革じゃないんです。役人がやらなくてもいい仕事を民間に任せようと。そして特殊法人、この郵貯、簡保の資金がなかったら特殊法人の活動できないんですから、その根を断ち切らなきゃいかぬと。無駄な、国民の金をできるだけ使わないようにしようと。ほとんどの改革につながってくるからこそ本丸であると。これができないでどんな改革ができるのかということであって、だからこそ、私が総理になる前は全政党この問題を課題にしていなかった、反対していた。だから私は、今でも私が総理大臣でなかったらこの郵政民営化はできなかっただろうと今でも思っています。それがようやくできる段階に来たと。多くの国民の支持に有り難いなと。この支持の重要さを認識して、できるだけいい民営化会社として将来発展できるようにしていくのが大事だなと思っております。 もとより、改革に終わりはありません。これからも就任以来目指してきた改革を軌道に乗せるよう全力を尽くしていくのが私の責務だと思っております。 ●山根隆治君 改革、いろいろな改革を積み重ねていって、その先にある我が日本国の形というものはどんなものでありましょうか。先ほど、竹中大臣に少し、少子高齢化等いろいろなこれからの課題について話されて、小さな政府であるとかいろんな御答弁ございましたけれども、もうちょっと具体的に日本の国家像というのを表現していただけますか、総理。 ●内閣総理大臣(小泉純一郎君) 大事なことは、平和なうちに国民が創意工夫を発揮しながら安心して暮らすことのできる社会、これが大きな目標であります。 日本は、戦後、敗戦を契機に二度と戦争を起こしてはいけないという中で、多くの国の支援を受けながら、また、多くの国民の自らの努力によって今日まで経済大国と言われるような豊かな社会になってまいりましたけれども、その中でもまだまだやるべきことはたくさんある。改革すべきことはたくさんある。要は、平和なうちに自由な安心した暮らしができるような社会をつくることが政治で一番大事なことではないでしょうか。 ●山根隆治君 抽象的なことでの今お話だったと思うんですけれども、具体的に、総理は小さな政府をつくるということを度々言われるんですけれども、この小さな政府という内容はどのようなものになりましょうか。私なりに申し上げさせていただければ、例えば予算の面、それから公務員の数、そして権限といったところで、その大きさを測ることができるのではないかという思いがいたしますけれども、総理のおっしゃる小さな政府というのは、どういう具体的にはイメージですか。 ●内閣総理大臣(小泉純一郎君) できるだけ税負担の少ない国と簡素で効率的な政府をつくると、公務員の数においても税負担の比率においてもできるだけ少なくしていく、そして、なおかつ国民が安心して豊かに生活していける、それが目的であって、そのために簡素で効率的な政府をつくらなきゃならない。いわゆる小さな政府を目指していくということだと思います。 ●山根隆治君 そうしますと、小さな政府は小さな国とは違うんですか。同じなんですか。 ●内閣総理大臣(小泉純一郎君) 小さな国というのは、人口が少ないとか面積が少ないとか、いろいろな定義があるでしょう。日本は面積の面においては小さいけれども、経済大国と言われるような国際社会の中でも大きな役割を果たしておるということからいえば、小さな国とは言えない。これからもそれぞれの国は、人口が多いから大きな国だという面もあるかもしれませんが、私は、人口だけでも面積でもない、ほかの分野で大きな役割を果たしている国も、これから将来果たす国も出てくると、そういう国を小さな国と呼ぶとは言えないと思いますね。 ●山根隆治君 一九五五年に自民党が結党されましたね。そのときの政策綱領では日本国憲法を制定するんだという、改憲するということで、非常に高揚感に満ちた綱領がありました、短いですけれども。一九六〇年には民主社会党が結党されて、具体的に、福祉国家というものをつくっていくんだ、そして国民の生活は中流階級化させていく、結果の平等ではなく機会の平等というものを与えるということを具体的に明示して、国家のイメージというのを出したんですね。 今の御答弁を聞いていても、人口でもない、面積でもない、それはそうですね。アメリカとの関係において、そして周辺諸国、ロシアの最近の動き、中国との関係、インドの台頭、そういう中で我が国はコンパクトな小さな国にしていくというイメージでいるのか。それとも、これからもやはり経済大国として確固たる国際的な地位を占めるのか。そして、あるいは海洋国家として新しい国家像というものをつくっていく。そういう高揚感のある国家像というのは、総理はお見せになる私は必要があると思うんですね。今の御答弁からは、これからの日本がどうあるべきか、どのようにしていくかというのが見付からない。 来年の九月までもう任期が少ないということでございますけれども、しかし、総理は自分の後継者をこれから自民党総裁選挙の中で決められる。こういう自分の思いがある、これを継承してくれ、そのときに、当面の目先の国家公務員の定数の問題であるとか医療の問題であるとか、そうした重要な政策課題もたくさんあるけれども、国家をこういうふうにつくってもらいたい、それをバトンタッチすべきではないんでしょうか。 ●内閣総理大臣(小泉純一郎君) 将来、引き続き平和で安定した国にしていく、国民が自由なうちに安心した暮らしができるような社会にする、これが目標であって、公務員の削減とか、あるいは税制改革とか社会保障制度改革とか、地方にできることは地方に、三位一体の改革というものについてはそのための手段です。総論はだれでも言えるんですけれども、各論になると反対が多いと。これをやっていかなきゃならないのがやっぱり政治、政党、政権政党の責任だと思っております。 ●山根隆治君 イメージを出すことだと思うんですね。例えば、福祉国家といった場合には北欧というものがあるじゃないか、あるいはイギリスがあるじゃないか、そういうイメージを国民がその言葉で出せるんですね。今の総理のお言葉からは、日本の将来というのは小泉総理はこういうふうに考えていらっしゃるということがなかなか私は出てこないんだろうというふうに思いますね。 そういう意味で、まだ、急なお話ですから、事前にも申し上げてなかったのでお言葉がまだまとまってないんだろうと思いますけれども、是非そうした要素も込めて後継者については、自民党の中の話でありますけれども、要素に入れてお考えをこの際いただきたいと思います。 総理が、先ほど申し上げましたように、壊すべきものと壊してはいけないものをごっちゃ混ぜにしてしまったという話を私先ほどさせていただきましたけれども、今度の郵政解散と総理は称されましたけれども、そして実際の選挙をやられて、その経過の中で私は日本の文化、今まで伝統としてはぐくまれてきた文化というものが少し傷付きやしなかったかと、そんな思いがいたします。 例えば、これも自民党の皆さんのことで恐縮でありますけれども、自民党のこの法案に対する反対派の方々に対する措置というものを見ていても、本当に非情だなという思いがいたしましたよね。今回の法案でも、私は恐らく、先ほど世耕さん言われたけれども、十五項目附帯決議が参議院で前回付いたわけですよね。本来だと、多分、小泉さんは情の部分もある、こうした音楽も聴いていらっしゃるし、情の部分もあるので、恐らくこの附帯決議の中から幾つかは法案の中に盛り込まれていくんではないか、そしてそれなりに配慮をされるのかなというふうに思っていたんですけれども、全くそういうことはなかった。これはもう本当にすさまじいまでの、私はもう政界における排擠というものは付き物だろうと思いますけれども、ここまで徹底されているというのは本当に見事と思う反面、過去のそれぞれの実績あるいは貢献というものを一顧だにしないその姿勢というものに本当に、私はもう寒い思いも実はいたしました。 あるいはまた、今回民主党を批判するについて労組を随分批判されて、労働組合のイメージというのが本当に、長く築いてきた国民との間の労働組合のイメージ、信頼というものを傷付けられてしまったという思いが非常にしているまじめな組合の方、たくさん実はいらっしゃるわけですね。まだ今ほどでない政府が、北方領土の返還運動では非常に腰が引けている、そしてマスコミの応援もないと。そんなときに、毎年根室の納沙布岬で集会を開いて、北方領土の返還運動をずっとやってきたんですね。これは組織的に大変な時間もお金も汗も掛かりましたけれども、労働組合がずっと今連合の人たちがやってこられたんです。あるいはまた、アフリカでも、もう飢餓状態にある子供たちにミルクを送る運動というものを長く、五十五の産別が連合にありますけれども、そうした産別の皆さんが長くやっていらっしゃったということがある。そして、阪神・淡路大震災のときには、実に五万人の連合の組合員の皆さんが被災地に赴いて、そして救援活動をしたということがあるんですね。 そうしたことで、私は、個人では本当に思いの届かない社会的な弱者の声というものを政治に届けるために労働組合本当に汗水垂らしてきた、それが今回の選挙を通じてあなたの批判によって本当に傷付いてしまったということは非常に残念がっておられるわけでありますね。 そこで、お伺いをいたしたいんですけれども、池田内閣以来の、書類は行っていますか、キャッチフレーズ、内閣ができたときのキャッチフレーズ。例えば、池田内閣のときは寛容と忍耐、佐藤内閣は寛容と調和、三木内閣は対話と協調等々、鈴木内閣で和の政治等々、非常に日本の文化、伝統的な価値観、農耕社会ならではのこうした優れた哲学というものがこのフレーズの中に出てきているんでございますけれども、一体、小泉総理の胸奥の中にあるもの、胸奥にあるもの、胸の中にある政治哲学というのはどんなものなんでしょうか。マッキャベリ、御存じだと思いますけれども、そのイズムというものを信奉されておられるのか、どのような基本的な政治哲学を持っているのか、御説明をいただきたいと思います。 ●内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、労働組合のことをお話しされましたけれども、山根議員は。連合の大会にもつい最近出席して、皆さんと協力していきましょうと、また、御支援をいただきましてありがとうございますと感謝の言葉を述べたんですよ。決して労働組合を批判しているわけじゃございません。これからの改革についても労働組合の皆さんの御協力も必要だという話を申し上げてきたんです。何か御自分の党の党首とちょっと混同されているのではないかと思いますが。私は、労働組合も、そして経営者も公務員の皆さんも、そして一般有権者の皆さんも、そういう方々の支持なくして改革はできないと、一たび総理大臣になれば一部の階層の代表ではないと、国民全体の利益を考えるのが総理大臣の責任だと、そういう話をしてきた、その気持ちには変わりありません。 政治の要諦は私は信用だと思いますね。信頼だと思います。信なくば立たず。この四年数か月、多くの国民が小泉内閣に信をおいて、今回の総選挙におきましても多数の議席を与えていただいた。この信頼を大事にして、改革なくして成長なし、そして日本を平和で自由で安定した暮らしができるような国にしていきたいと思います。そのために改革が必要だと思っております。 ●山根隆治君 改革なくして成長なし、官から民へ。私、埼玉県で衆議院選挙のお手伝いといいましょうか、ある重責を担わせていただいたんですけれども、選挙中、テレビの報道を見ていて、総理は横に手を広げて振れば振るほど、十万票ずつぐらい何か持っていかれているような、そんなふうな思いが実はして見ていたことがあるんですね。本当に幻想というか、それ振りまかれるのがうまい。アジテーターとして本当天才的なやっぱり才能を持っていらっしゃる。上に掲げてこうやったときも二十万票ぐらいなくなっているかなと、そんなふうな思いで私テレビ見ておりました。改革という言葉は本当に魔力があると思います。 実は、フランス革命のときに、ロラン夫人という人が断頭台に乗って、そして最後の残した言葉があります。自由よ、なんじの名の下で何と多くの罪が犯されたことかというのがある。これはもう有名な言葉ですが、本当に今、改革という言葉によって随分大きなものが、多くのものが失われてきた、あるいは傷付いたというふうな思いが私自身はしてならないんですね。 しかし、本当にあなたのすばらしいジェスチャーによって今回私たちも負けた。内容も政策もあなた訴えていらっしゃいましたけれども、そして最後の改革という、もう今、平野さんからもいろいろな議論がございましたけれども、これという、一つ取るとすると、これから望まれる改革は何でしょうか。 ●内閣総理大臣(小泉純一郎君) 改革に終わりはないんです。金融にしても、税制にしても、歳出にしても、規制にしても、改革をしていかなきゃならないことたくさんあります。最後のこれ一つだという改革、これはもうあらゆる改革を進めていかなきゃならない、改革には終わりはないと。そして、日本を今後とも平和で安定した自由精神が発揮される、そのような生活ができるような国にしていかなきゃならない、その手段です、改革は。そういう意味において、私は改革に終わりはないと思っております。 ●山根隆治君 それでは、具体的な法案の中身について竹中さんにお尋ねをいたします。 ATMから、例えば今お金がどうしても緊急に一万円必要だという場合に、普通の都市銀行に行って一万円下ろすということになると、銀行にもよりますが、下ろし方によりますけれども、百五円手数料が大体取られるということになっていますね。ところが、サラ金に口座を持っていると、これが一日だと、ただであったり、あるいは八円取られるということなんですね。そうすると、都市銀行を使うよりもサラ金に口座を持っていた方が有利になる。具体的に言葉を換えれば、自分のお金を引き出すのにはお金を百円も百五円も取られるけれども、しかし、サラ金で下ろした場合にはただ。つまりサラ金というのは人の金、人の金を下ろすのにただなのに自分の金下ろすのにお金が取られるというのが実際今ありますよね。そして、こういうふうな利用の仕方を若者は随分しているということがあるんです。 今度、郵政公社で現在はATMからお金引き出す場合には、これ無料ですね。しかし、これが将来的には民営化されると有料になるであろうということを御答弁として出ているわけですけれども、こうした実情というもの、例えばフランスであるとかスイスはATMからの引き出しというのは無料になっていますね。国際的にはいろいろな事例もあるんだろうと思いますけれども、この点について、もう一度私は検討を加えて無料化というもの、この制度というものを引き継ぐべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。 ●国務大臣(竹中平蔵君) 民営化されれば有料になるというような、ちょっと私自身はそういう答弁はしておらないと思うんでございますけれども、これ民間において現実に、今利用者のニーズに応じた様々な商品、サービスが提供されていると思います。例えば、民間銀行ですけど、大多数の銀行は、これは口座維持に関しての手数料でありますけれども、これは無料の預金口座を大部分の、大多数の銀行が提供しておりますし、今直接お尋ねのありましたATMの手数料に関しても、これは無料の銀行、日本でもございます。御指摘のとおり、外国等々では、アメリカ等々でもそういう銀行がむしろ極めて多いというふうに認識をしております。 公社の手数料よりも、したがって今でも民間で安いものがあると、物によってはですね、認識をしておりますので、これは民間の創意工夫の中でやはり様々なサービスを提供していっていただく、それが結局消費者の利便につながるということではないかと思います。とりわけ、今の郵政は小口預金者を大切にして地域密着型のサービスに強みのある銀行になるわけでございますから、そうした点、消費者にとっては引き続き大変使い勝手のいいというか、利便性の高いサービスを提供してもらえるというふうに思っております。 ●山根隆治君 次に、一番このユニバーサルサービスの問題というのが論議の対象と今日までなってきたわけでございますけれども、郵便局の設置基準についての規定、このことについてはもう再三再四御答弁もいただいております。 しかし、最後の最後、最終的には、これは経営判断によるということになると理解を私はするわけでございますけれども、経営判断の中でどうしてもAという島のBという郵便局だけはここは廃止せざるを得ない、様々な今御答弁、先ほど来あった経過を踏まえて、なおそうした廃止をしようということになった場合に地域の住民は非常に困る、利便性等生活の中で大変困るということで、これを何とか存置してほしいという強い要望を持ったときに、ぎりぎりのところではどんな解決になりますか。 ●国務大臣(竹中平蔵君) ぎりぎりのところという限定してのお尋ねでございますんで、制度全体の説明はもう繰り返しをいたしませんが、まずAという島のこのある支店と、この島が例えば離島振興法等々の対象になるということであるならば、これは過疎地でございますので、これは現に存する郵便局ネットワークは維持されるということになろうかと思います。 そういう島ではない島ということでございますれば、これは住民にとって本当に必要であるならば、これは地域貢献の基金も使ってでも是非残してもらいたいと地方の要望としてしっかりと声を上げていただいて、そしてその声を含めて地域貢献計画をしっかりと作りますので、そういう中で基金の活用も含めて、本当に必要な、住民にとって本当に不可欠なものは、金融サービスは地域サービスとして維持されていく、これはもう十分に可能でございます。 ●山根隆治君 可能ですけれども絶対ではないということだと思うんですね。しつこく聞きますけれども、これはもう真剣な、深刻な問題が地域にございますので、最終的にはこれは行政訴訟を起こしてでも守るというふうなことになるんでしょうか、地域の住民にとっては。どうしても話をしても訴えても聞いてもらえないという場合には、罰則規定はあるようで適用にならないですよね。罰則規定を含めて御答弁いただけますか。 ●国務大臣(竹中平蔵君) これは先ほども申し上げましたように、地域の声をしっかり聞かなければいけないと、そういう義務はあるわけです。その義務を果たしていない、地域の声を聞いていない、正当な理由もないのに本当に必要なサービスを提供していないということでございますれば、これは総務省が、これは特殊会社に対して総務省、総務大臣が一般監督の権限を持っておりますので、その中でこれはもう、正にこれは行政の責任において対処をしていくということになります。 ●山根隆治君 行政の責任で対処をしていくということで、絶対性というのはそれでも確保されないというところに一抹の不安を感じます。本当にもう少し、与党の方での附帯決議でありましたけれども、いろいろな十五項目にわたる中で幾つかをやはりその中に入れ込んでやっていくという措置があればなというふうな思いもいたしましたけれども、これはもう私どもが出したものでもありませんから致し方ないんですけれども、そうした非常に不安というものもあるということは是非重々御承知おきをいただきまして、善処方お願いいたしたいと思います。 それでは、郵便貯金の残高、簡易生命保険資金の現状、この金額というものは先ほど御答弁がもう既にあったかと思うんですけれども、来年、平成十九年の九月三十日の契約した分については、これ基準日として政府保証というものが付くぎりぎりの期日だろうと思うんですね。そうすると、私は、駆け込みで相当なお客さんが殺到するということになって増えやしないかというふうに思います。そして、その増えることによって、一時的にせよ、官から民へということが止まって官への肥大した金額というもの、お金というものが流れるということになりはしないかという心配があるわけでありますけれども、この点についてはいかがですか。 ●国務大臣(竹中平蔵君) 御承知のように、郵貯の限度一千万円でございます。実は、民営化された後も、御承知のように今度は預金保険機構に入っていただきますので、預金保険でしっかりとカバーされる形で一千万円のその預金というのは保証されるわけでございます。 そのような意味からいきますと、いわゆる今委員御指摘のような、急にあしたから不利になるから今日駆け込もうと、そのようなメカニズムは、これは働かないだろうというふうに思っております。 繰り返しになりますが、民営化された後も預金保険機構に入るという形でその一千万円までの小口預金は保護されますので、そのような意味で、決して不安が広がると、不利になると、そのようなことはないということでございます。 ●山根隆治君 いや、逆のことを申し上げたんで、今の御答弁の中盤のところでの御答弁なんですね。つまり、駆け込みで口座をたくさんつくったり、あるいは入れ込む人たちがたくさん出るのではないか、それを、今御答弁ではそういうことはちょっと考えられないというふうなお話ですけれども、やはり市場に任せるわけですから、市場に任せるというか、もう自由にさせるわけですから、有利な方にお金が流れるのは当然なんじゃないですか。 ●国務大臣(竹中平蔵君) ちょっと意味がうまく取れていないかもしれないんですが、有利であるというのは、公社の間は有利で民営化になると預金者にとっては不利になると、そのような御指摘かというふうにお伺いしましたが、今申し上げましたように、民営化された後もこれ預金保険が適用されますので、つまりその一千万円までの預金というのは保護されるわけですね。消費者から見ると、その意味では保護されていると、その預金額が保護されているということには何ら変わりはないわけで、その意味で、決して不利になる、あしたから不利になると、だから今日口座をつくって駆け込みということにはならないであろうというふうに申し上げているわけでございます。 ●山根隆治君 少し話が食い違っているところがございます。現在の政府保証が付いている金融商品があるわけですね。近い将来にこれがなくなる。しかし、ある基準日というのは、今回の場合十九年の九月三十日ですね、これまでに契約した分については、契約期間の間はまだ政府保証が付くということになるわけですね。そうなると、その金融商品を政府保証があるうちに契約しようというふうな思いというのになっていくのではないかということでございまして、そうした政府保証が付くうちに加入しようという人が殺到しやしないかということを申し上げている。 ●国務大臣(竹中平蔵君) ちょっと同じような答えになって恐縮なんでございますが、確かに政府保証が付いております。そして、それは十年の定額預金だったらずっと十年間政府の保証が付きます。しかし、民営化された後も、今度は政府が保証するわけではありませんが、預金保険機構が保証するということになりますので、消費者から見ますと、預金者から見ますとそれが大きく変わるとはちょっと想定されないのではないだろうかということを繰り返し申し上げているわけでございます。 ●山根隆治君 これ認識の違いですから、そういうふうに想定していないということですから、そういうこともあり得るというのは、これはもう見解の違いで、これはもう穴埋まらないところですけれども、私はそういうおそれをまず指摘をしておきたいと思います。 時間もあと少々でございますので進みます。 日本郵政公社の監査法人というのは今どこがされていらっしゃるんでしょうか。 ●国務大臣(麻生太郎君) 郵政公社の方がおられませんので私の方から。中央青山監査法人だと記憶します。 ●山根隆治君 中央青山監査法人は公認会計士が粉飾決算に加担したということで逮捕されたという、逮捕者が出たというところでございます。足利銀行のときもいろいろな議論がこの法人に対してはされていたり、あるいは山一証券のときもそういうふうなことがございました。 この際、総務大臣は、会計監査人にふさわしくない非行があったときには解任することができるという権限が総務大臣に与えられていらっしゃるんですけれども、この青山法人について今後どのような指導をされていくのか、郵政公社が民営化された後のことも展望してお答えをいただければと思います。 ●国務大臣(麻生太郎君) 十月の三日に、三日の日にカネボウの粉飾決算に関与ということで関係者が東京地方検察庁に起訴をされたという事実は承知をいたしております。したがいまして、起訴をされましたカネボウ関係者、約四名だと記憶しますが、郵政公社の会計監査にこの四人がかかわっていたかどうかが最大の問題だと思っておりましたけれども、私どもの得た、調べた話ではそのようなことはないということでありましたので、私どもとしては、今後の対応ということが御質問なんだと思いますが、公判の行方やら何やらよく見た上で、今この場でどうのこうのとすぐ言える話でもないと思いますので、今後の動向を見守った上で対応をいたしたいと考えております。 ●山根隆治君 時間の関係もございますので、少し、あと何点かお伺いをいたしたいと思いましたけれども、もうあと一分というところでございます。 外務職員の配属先についてはどのような扱いになるんでしょうか。郵便貯金の外務員が現在八千二百六十三名、簡易保険の外務員が二万五千六百二十七名というふうに承知をいたしておりますけれども、これは郵便局の職員になるのか、郵便貯金銀行やあるいは郵便保険会社の職員になるのか、この点だけ最後にお尋ねをしておきたいと思います。 ●国務大臣(竹中平蔵君) これまでいろんな民営化の議論を進めてくるに当たって、郵政民営化の基本方針、昨年作っておりますけれども、この基本方針におきましては、郵便貯金銀行及び郵便保険会社の窓口業務でありますとか集金の業務ですね、そういう業務は窓口ネットワーク会社に委託するというふうにされております関係で、日本郵政公社の貯金外務員及び保険外務員については、基本的に郵便局会社に帰属することになるものと考えております。 ただし、その具体的な職員の帰属先につきましては、これから民営化の具体的な作業の中で主務大臣が作成をいたします基本計画に従って、この新会社の経営陣となります経営委員会がその承継計画を定めることになっておりますので、この今おっしゃった方々の帰属につきましても承継計画においてきちっと定められていくことになると考えております。 ●山根隆治君 終わります。 |