|
●山根隆治君 衆議院の質疑が終わって、そして、今日午前中、お二方の質問を聞かせていただきまして、かなり用意していたものは重複した部分もございましたけれども、なるべく重複避けましてお尋ねしたいと思います。 我が党の理事の方からこのNEDO法に対する質疑について私が担当するということを聞かされましたときから、一体、この環境問題というものは、地球環境という私たちの認識というのはどこから来たんだろうかということを漠然と法案の資料や説明を受ける以前に考えてきました。 いろいろな考え方、見方があるかと思うんですけれども、私は、一部の天才的な人であれば、それはもう有史以来、何千年あるいは何億年前の人類もあるいは地球というものを意識して地球環境をあるいは考えたかも分かりませんけれども、しかし、今の時代ということで考えてみますと、地球そのものをやはり人類共通の惑星という認識で意識し始めたのは、私はやはり、広島に原爆が投下されて、そしてそこから世界連邦の発想が出てきて地球というものを考えるようになった、世界の平和というものを考えるようになったこと、あるいはまたスプートニクが宇宙に飛んで、そしてガガーリンが地球は青かったと、そういうふうな話がありました。そういうところからだんだん地球というものを私たち共通の掛け替えのない世界だというふうな認識が出てきたんだろうというふうに私自身は思っているわけであります。そして、地球の環境ということをそれぞれがみんな考え始めた、政治的に考えるというところまで至ったという気がいたしているわけであります。 そうした視点から京都の議定書ということを考えてみると、様々な感慨が浮かぶわけでもございますけれども、大臣はこの京都議定書に対する歴史的な評価というものをどのようにお持ちなのか、お尋ねをまずいたしておきたいと思います。 ●国務大臣(二階俊博君) 京都議定書、一九九七年でございますが、京都で開催されました気候変動枠組条約の第三回締結会議、COP3で採択され、十年近くに及ぶ制度の内容に関する検討を経て、昨年二月、京都議定書が発効したことは議員も御承知のとおりであります。 十年というのはあっという間に過ぎ去ったような感じでありますが、ようやく環境問題が舞台にのったといいますか、いろんな偏見もあり、理解が十分行き届いていない面もあったことは確かでありますが、今日、環境問題について多くの皆さんの御理解をいただいて、今この問題について国を挙げて取り組んでおると、こういう状況であろうと思います。 そして、先進国に対して温室効果ガスの具体的な削減目標を設定し、これに取り組むというのが議定書の主な点であります。 しかし、このように議定書では一応のことを取り決めておるわけでありますが、これに参加されない国、また参加しようとしない国、また低開発国というゆえをもってこれに加わっていない国などがあるわけでありますが、私は、京都議定書に加えて、先ほど来ずっと御意見のありますアメリカ、中国、インド、正に超大国であります。さらに、先般から、先ほども申し上げましたが、ブラジルのように大きな国土を有し、その国土の中でバイオエタノールを開発し、国の発展の基礎にしようと。したがって、それを他国に売り込む場合に必ず環境問題ということを表に掲げてお話をなさるわけでありますから、それならば、この地球温暖化の問題について、京都議定書に対してもっと深い御理解を示していただくことも大事でないかということを申し上げておるわけでございますが。 いずれにしましても、ようやくここまで進んできた。私は、人によってはまだこんなところかという御指摘もあろうと思いますが、私はよくぞここまで進んできたと、こういう思いをいたしております。その中から、あらゆる障害を乗り越えて、国民的理解の下に、正に政党政派を超えて超党派で取り組んでいくべき課題であるというふうに考えておる次第であります。 ●山根隆治君 ありがとうございました。 一九七二年にローマ・クラブから「成長の限界」が出されて、非常に衝撃的な本でございました。当時、私も直ちに求めて読んだものでありますけれども、結論は非常に分かりやすく明快なものでございました。成長のスピードを止めてでもやはりこの地球環境を守らなくてはいけないというふうな結論でありました。しかし、書かれている内容というのは、実はノーベル賞クラスの学者の先生方が書かれたものでありますから、かなり綿密にいろんな計算をして作られたものでございました。ただし、それも数年経ずして科学的にはどうなのかというふうな疑問もまた別の学者から、名のある学者からも指摘されたり批判もされたりいたしましたけれども、いずれにいたしましても衝撃的な本でございました。そこから私は地球環境というものはかなり意識が高まったというふうに認識を実はしておりました。 その後、ローマ・クラブでは、実は「限界を超えて 生きるための選択」、これは一九九二年であります。そして、さらにその先に「成長の限界 人類の選択」というもの、これ二〇〇四年に発表をいたしているわけでありまして、依然として世界の環境問題、人類の将来というものに警鐘を鳴らし続けているということで、かなり内外の評価というものもこのローマ・クラブに対しては今でもあるんだろうというふうに思っております。 実は、私の今事務所に来て仕事を手伝ってもらっている学生にこの問題を少しお話もしましたら、実は今学校で、教科書で環境問題の勉強をしているということで、ちょっとそれ昨日読んでみたんですけれども、環境問題というものが具体的に取り上げられるようになったのは一九三〇年代だと、その教科書にはそう書いてあったわけでございまして、相当以前から警鐘を鳴らす方もおられて、すばらしい方々、先駆者もおったんだなというふうな認識を持たせていただいたということが実はございました。 それはさておきまして、現状の問題点について具体的にお尋ねをいたしておきたいと思います。 まず、数値目標を達成した後の地球環境というものはどのようになってくるのかということについて実はお尋ねをいたしておきたいと思います。 政府間パネル、IPCC第三次評価報告書では、二一〇〇年には一九九〇年と比較して一・四度から五・八度気温が上昇して、水位は最大で八十八センチ上昇して、異常気象が増加すると、こういうふうな予測がされているわけでございまして、こうした危機意識の中で京都議定書というところに発展してきたわけでありますけれども、この議定書の数値目標が達成されたとすると、どう地球環境に好影響を与えるのか、あるいはほかの表現でも結構でございますけれども、どのような影響が出てくるのか、効果が出てくるのかについて、これは参考人でしょうか、御答弁をお願いいたします。 ●大臣政務官(小林温君) お答えいたします。 京都議定書によりますと、今委員御言及のとおり、削減目標が達成された場合、排出削減義務を負う先進国からのエネルギー起源の二酸化炭素の排出量は、二〇一〇年には二酸化炭素換算で九十三億トンになり、一九九〇年の世界全体の排出量二百十六億トンと比べて二%削減されることとなっています。一方で、途上国及び削減義務のない国からの排出量については二〇一〇年には二百十億トンになり、一九九〇年の百十八億トンから八〇%近く増加すると予測をされています。この結果、世界全体では一九九〇年比で四〇%以上増加し、三百三億トンになるというふうに見られております。 こうした数字を見ますと、地球規模で温室効果ガスの排出を削減するためには、主要排出国である米国や中国、インドなどの削減努力が必要であり、次期枠組みにおいてはこれら主要排出国が実効的な取組を行うようなものとすることが必要であるというふうに考えております。 ●山根隆治君 西暦二〇一三年以降について、どのように世界的にしていくのかということについてはこれから国際会議等を開いて決められていくということでございます。 この環境問題というのが二〇一三年にどうなっていくかというのは分かりませんけれども、しかし、いずれにいたしましても、この問題から目をつぶって世界の発展ということはあり得ないわけでございます。しかも、私たちの、これはもう三十年、五十年単位じゃなく、何百年、何千年単位でも考えなくてはいけないということでございますから、当然私たちの後世にも伝えていかなくてはいけない。具体的には、自分の子や孫にもいろいろな環境問題の認識というのを高めていかなくてはならないんだろうと思うんです。その際に、今の地球の将来というのはどうなるのかというのを、数字的なものよりも、具体的に私は子供たちにイメージさせる必要があるんだろうと思うんです。 例えば、世界的にどうなるのかということについては、植物、生物では、地球の全森林面積の三分の一で何らかの変化が起きるということが言われているところであります。また、あるいは食料の面でも、熱帯、亜熱帯では生産量が大幅に低下をして、最貧地域の飢餓の危険が非常に増大するということが言われている。あるいはまた、健康被害についても、マラリアの潜在的な流行地域では患者数が八千万人くらい、八千万件ぐらい増加するというふうなことも言われているということが実は具体的なイメージとして予測がされております。 日本ではどんなことが起きるかということで見ますと、例えば沿岸域におきましては、六十五センチの海面の上昇で日本全国の砂浜海岸の八割以上が浸食されるということに試算が出ております。あるいはまた、平均満潮位以下の土地、人口、資産の安全確保のため、堤防のかさ上げ等に十一兆円が必要だということも言われているわけでございまして、こうした問題というのを私は子供たちにしっかり伝えていくということが必要であると思うんですけれども、環境問題に対して文科省の方では、小中学生の時代から、時期からどのような教育というものを施されているのか、あるいはこれから更に加えて政策を取ろうとしているのか、お尋ねをいたします。 ●政府参考人(布村幸彦君) 義務教育段階における環境教育についてお答えいたします。 環境教育の推進を図るため、学校のカリキュラムの基準となります学習指導要領におきまして、社会科、理科などの各教科におきまして環境やエネルギーに関する内容の充実を図っているところでございます。 具体的に、小学校の理科では、自然環境を大切にする心や、より良い環境をつくろうとする態度の育成、また、中学校におきましては、地球環境について、酸性雨や地球温暖化の問題を取り上げて、生徒が調べ、追求する学習を取り上げるよう記述しているところでございます。また、各教科の学習と相まって、総合的な学習の時間におきまして、環境問題につきまして教科横断的に総合的に学習を深める、また体験的な活動も取り入れた取組を行っているところでございます。 それらに加えまして、文部科学省におきまして、国連の持続可能な開発のための教育の十年ということを踏まえながら環境教育を進めていくことが重要な課題と認識しておりまして、環境教育推進グリーンプランという名称で、優れた実践の促進、あるいは情報提供、そして教員の研修、NPOの方々の活用などの取組を総合的に進めているところでございます。また、子供たちの自然体験活動の充実も図り、さらに学校施設の面では、エコスクールパイロットモデル事業という形で、環境に配慮した学校の施設を環境教育にも生かすという取組を行っているところでございます。 御指摘のありましたように、今後とも引き続き学校における環境教育の一層の充実につながるよう努力を重ねてまいりたいと考えております。 ●山根隆治君 今は先生の口頭による教育、あるいは教科書、文字による教育であろうというふうに思うんですけども、私はその中に是非映像による教育というものを加えていただきたいと思うんです。 実は、先般、我が党の同僚議員の家西議員が、民主党の埼玉県連でパーティーがありまして、それが終わってからエイズについての勉強会というか講演をされまして、映像を使っての講演でございましたんで、非常に私も胸に来るものがございました。そういうことでは、例えば子供の喫煙、禁煙させる、禁煙といいますか、喫煙ということについても、これはやはり映像で見せるとその被害の恐ろしさというものを実感できるでありましょうし、そうしたことでのやっぱり映像の活用というのは是非学校教育の中に取り入れるべきだというふうに思います。 したがいまして、環境の問題につきましても私はしっかりと取り組んでいただいて、子供に将来の日本、将来の地球というものを映像から考えさせるということが必要だと思うんですけれども、こうした取組というのはなされる予定があるか、あるいは今現在ないとすると、これから取り組まれるかどうか、それらについてお尋ねをしておきます。 ●政府参考人(布村幸彦君) 今御指摘いただきました課題につきましては十分対応してまいりたいと思っております。 各学校で幅広い環境教育を取り組む際にも、先ほど触れさせていただきました体験的な活動ということで、本物の自然に触れながら、あるいは環境を実感しながらということを進めておりますが、なかなか、諸外国の部分につきましては、実際そういう各国のデータでありますとか映像というものをできるだけ活用して、各学校で子供たちの心に届くような環境教育ができるよう、その努力をより促してまいりたいと思います。 ●山根隆治君 是非お願いをしておきたいと思います。 次に、途上国排出量の予測とその対策について経済産業省の方でお尋ねをさせていただきたいと思います。 二酸化炭素の国別の排出量というのは、二〇〇二年の資料で、先進国の主なものとして書かれているものがここに私の手にございます。皆さんも当然、政府委員の方々もそうした資料はお持ちだろうと思うんですけれども、この京都の議定書の枠に入らないところの発展途上国の今後の排出量の現状と将来の予測、影響、それらについて改めてこの際お尋ねをいたしておきます。 ●政府参考人(肥塚雅博君) 途上国のエネルギー起源の二酸化炭素排出量でございますけれども、一九九〇年で六十五億トンでございますけれども、それから一一四%増加しまして、二〇一〇年には百三十九億トンになるというふうに予想がございます。世界全体の排出量、さっき政務官から申し上げました三百二億トンのうち、四六%を占めるという予測がございます。 ちょっと今のとベースが異なるんでございますけれども、別の資料によりますと、二〇二五年には途上国の排出量に占めるウエートは五一%、二〇五〇年になると六一%になるという見通しがございます。 一方で、京都議定書で削減義務を負う先進国の排出量が世界全体に占める割合は、一九九〇年には四五%ございましたけれども、二〇一〇年には三分の一以下になると。二〇二五年になると二四%、二〇五〇年には二〇%になっていくという見通しでございます。 したがいまして、京都議定書の次期枠組みについては、これら途上国を含む主要排出国の実効的な取組というのが必要だろうというふうに考えております。既にこれも議論がございましたけれども、先般の締約国会議で、米国、主要途上国を含むすべての参加国が参加する対話が開始されてございますけれども、楽観は許せませんけれども、この対話の場などを通じまして、すべての主要排出国が参加する国際交渉を早く始めるということを目指したいというふうに思っております。 それから、さらに、京都議定書を補完するものとしてのアジア太平洋パートナーシップといったような場を活用しまして、技術協力を軸とするような取組を進めていくということを考えています。 それから、さらに、ここで御審議いただいております京都メカニズムを通じたCDMのような活動を進めていくということも重要かというふうに考えております。 ●山根隆治君 この問題の第二問としてお尋ねしようと思っていたことを先に御答弁いただきましたんで、それはそれで結構でございますけれども。 視点を変えましてお尋ねいたしますと、実は十七年度の環境白書の中では、今後二〇一〇年にも開発途上国の排出量が先進国を上回る見込みだということで、環境省の統計、予測の方がこれかなりテンポが速いんではないかというふうな予測をしておるんですけど、この辺の整合性といいましょうか、特に、国内だけの問題ではなく、外国との様々な国際会議での交渉事にもあるわけで、その辺、政府として数値的なものについてはやはり統一した見通しなりを持っていかないとなかなか交渉もうまくいかないような場面も出てきたりするのではないかということでちょっと心配なので、その辺は、いろいろなそうした将来見通しというのは、各省庁間、政府間で調整はされているんでしょうか。 ●委員長(加納時男君) 両方から答えてもらいます。 まず最初に環境省小林地球環境局長、その後、経済産業省から答えてもらいます。 ●政府参考人(小林光君) 環境省でございます。 御指摘の部分でございますが、環境白書でございます。これは、私ども環境省の国立環境研究所の方でいろいろ計算させていただいたもので、若干そういう意味で途上国の排出量の増加のスピードというものを少し多く見積もっているという御指摘かと思います。 私ども、環境を守る立場で多少心配が過ぎるのかもしれませんけれども、こういったような認識を持っているということでございますが、いずれにいたしましても、最新の数字でこれはみんな見直していきたい、直していきたいというふうに考えておりますので、十分各省の調整さしていただきたいというふうに存じております。 ●委員長(加納時男君) 今の回答でいいかと思いますが、経済産業省、補足ありますか。──どうぞ。 ●政府参考人(肥塚雅博君) 一言だけ付け加えさしていただきますが、環境省ともよく長期見通しについても調整をしていきたいというふうに思います。 ただ、先ほど申し上げましたように、冒頭申し上げました数字はアメリカのDOEの数字を申し上げまして、それから次に申し上げました数字は俗にRITEと言っております研究所の長期見通しでございます。 経済見通しなり、いろんな見通しで変わってくるんでございますけれども、ただ、トレンドとして三割とか二割とかという数字であるということについては、ほぼ同じような見通しになっているというふうに思います。 ●山根隆治君 やはり、私、環境省の方が、日本で作られた予測ということではそちらの方を優先するべきだと思うんです。あとは権威付けの問題だと思いますので、是非、環境問題については、かなり考え過ぎだというふうなことはなくて、むしろそっちの方が当たっている場合もかなり多いので、その辺のところをちょっと整合性をこれから保って是非国際会議には臨んでいただきたいということをこの際要望させていただきたいというふうに思います。 さて、続きまして、アメリカのこの京都の議定書の離脱と復帰の可能性についてお尋ねをいたしておきたいと思います。 ブッシュ大統領が就任早々の二〇〇一年三月末には京都の議定書からの離脱ということを表明をされて、非常にショックを受けた方々も多かったと思うんですけれども、この真意と背景というものはどのようなものがあったというふうに御認識しておられるか、松副大臣にお尋ねをしておきたいと思います。 ●副大臣(松あきら君) 先生よく御存じのように、アメリカは世界の約四分の一、二三%の排出国であります。本当の意味の真意というところは分かりませんけれども、一応、自国経済への悪影響と途上国の削減義務への不参加ということを理由にして自分たちはこの議定書から離脱を表明したと。こんな理由でしたら正直言ってどの国だって言えることでありまして、我が国だって言いたいわというところが多いと思います。ですから、私、個人的にも憤慨をしているところでございますが、残念ながら、ブッシュ政権のこれまでの対応を見る限り、現時点で京都議定書に復帰する見通しは立っていないというのが現状であると思っております。 我が国といたしましては、米国に対して、締約国会議など、様々な場を活用して京都議定書に対する我が国の考え方を伝えて京都議定書への参加を促しているところでございますけれども、先ほど肥塚局長からもちょっと申し上げましたように、全排出国が参加をして将来について対話をするというこの会議が、残念ながらこれは今後の交渉に直接結び付くものではないですけれども、そういうふうにしていきたいとの思いで五月にボンで一回目が開かれます。 これも私は大きな第一歩ではないかなというふうに思っておりますし、先ほど、午前中の質疑の中で、二階大臣から、アメリカのポートマンUSTR代表と電話会議を行ったということで、京都議定書への参加を促したというふうに、大臣からもそういうお話ございましたように、ともかく引き続き我が国は努力をしてまいる所存でございます。 ●山根隆治君 是非、松大臣に頑張っていただきたい。私、野党ではありますけれども、やはり華やいだ人が激しい言葉できつく外国に、アメリカに対して物を言うということはかなりやっぱり違うと思うんですね。アメリカもライス国務長官もかなりな方でございますけれども、言うことはかなりきついことを言っていますんで、日本のライスというふうに表現していいかどうか分かりませんけども、是非、あらゆる場で積極的な御発言、怒りのお気持ちも是非ぶつけていただきたいというふうに思います。 ただ、アメリカも、それもブッシュ大統領はそういうふうな政策を取っておりますけども、最近の動きは変わっていますし、あるいはまたアメリカでも各州によって様々な動きが独自に実はあるわけでございまして、例えばニュージャージー州であるとか、あるいはニューハンプシャーといったところは積極的に州としての取組というものを行っているわけでありますし、また前大統領のクリントン大統領も、現政権をこの環境問題について批判をする、京都議定書に戻れというような演説をされたりしているということがありまして、必ずしもアメリカのすべての、多くの国民の声としてこうした京都の議定書離脱というものがあったのではないということでございますので、いろいろな折に、先ほど来大臣もお話、御発言、午前中の質疑でも答弁ございましたけれども、やはり日本に物を申すとき、何かの交渉事のときにはすべて環境問題を抜きにしては進まないというムードを是非つくっていただきたいということをお願いをいたしたいと思いますけれども、こうしたアメリカのいろいろな動きに対しての御認識について何か特別な御感想があれば聞かせてください。 ●政府参考人(小林光君) お答え申し上げます。 政府全体、また外務省を先頭にこういった米国への働き掛け等々してございます。今、副大臣の方から答弁申し上げましたように、成果が生まれているわけではございませんけれども、今委員御指摘のとおり、その後新しい動きも出てきております。 連邦政府でいいますと、ビンガマン・ドメニチ決議というのを、これ二〇〇五年の六月の決議でございますけれども、強制力のある制限とインセンティブをもたらす包括的かつ効果的な国家計画を制定すべきという決議が上院で行われてございます。そのほかいろんな決議案等々が提出をされておりまして、超党派でこういった温暖化対策を進めていこうという動きも出てきてございます。 それから、州レベルにおきましても、東部の諸州、そして西部の方でもカリフォルニア州始めまして、排出量取引をする、あるいは排ガス規制をする、こういったような新しい動きも進んできておりまして、決してアメリカの動きが、今御指摘のとおり、京都議定書には参加はいただいておりませんけれども、温室効果ガス削減について決して後ろ向きではない方向が見えてきているのではないか、楽観的かもしれませんがそう存じているところでございます。 ●委員長(加納時男君) あと、よろしゅうございますか。じゃ、済みません、二階経済産業大臣、お願いします。 ●国務大臣(二階俊博君) 先ほどもお答えの際に申し上げたんですが、アメリカのポートマンという、ごく最近までUSTRの代表をやっておりました有力者でありますが、明日朝から電話会談をする予定になっておりますので、この委員会での御質疑の様子等をしっかりとお伝えして、いずれ改めて環境問題で話し合う場をつくろうということを提案しておきたいと思っております。 ●山根隆治君 是非お願いをしておきたいと思います。 アメリカもいろいろな政治的な国内の状況、原油価格の高騰のこともありましたし、あるいはハリケーンの影響等もあって、やはり必ずしもブッシュ大統領の当初考えていたような空気というものは世論上形成されないという状況もありますので、是非それぞれのお立場の中でアメリカにもいろいろなメッセージというのもどんどんどんどん送り続けていただきたいということを、これ改めてお願いを申し上げておきたいと思います。 さて、それでは、日本の置かれている状況ということについては先ほど来いろいろな御議論が既に出ているわけでございますけれども、クレジットの取得による直接的な経費、これは実際いろいろな計算があると思いますけれども、どのぐらい掛かっていくか、今年度の予算もございましょうし、過去のもの、そしてこれからのもの、予算的な推移、これをどのようにとらえられているか、お尋ねします。 ●政府参考人(肥塚雅博君) 目標達成計画に沿いましてクレジットを取得するための予算といたしまして、十八年度予算におきまして百二十二億円を限度額とする国庫債務負担行為を計上しております。 それから、費用対効果を考えた場合に一定の前払が必要になるというようなこともございますので、各国とも前払を可能とするような仕組みを設けておりますけれども、我が国も、百二十二億円の内数として、十八年度中にも前払に対応するための五十四億円を措置していると。これは環境省と経済産業省に計上しております。 二〇〇五年のクレジット価格に関します世界銀行ですとか民間調査機関の調査結果によりますと、大体五・六三ドルとか五・九ドルとかいう価格が出ております。クレジット単価を五・九ドルと仮定いたしますと、百二十二億円は約千八百万トンに相当するということでございます。 議定書目標達成計画の一・六%ということになりますと一億トン分のクレジットを取得するということになりますけれども、先ほどの五・九ドルという昨年の価格を使いますと七百億円、それから世界銀行で二〇一〇年時点の予測がございますけれども、十一・四ドルという予測でございますが、これを使いますと千五百億円という試算になります。 いずれにいたしましても、十九年度以降も財政負担に配慮しながら、必要な量のクレジットを取得できるように取り組んでいきたいというふうに考えております。 ●山根隆治君 京都メカニズムのクレジットの取得ということでございますけれども、政府によるクレジットの取得にはいろいろな方法が実はあったかと思うんですね。一つには、政府による直接調達ということがあったかと思います。CDM・JIプロジェクトの入札制度等の活用ということでございます。あるいは今、先ほど来お話ございましたように、外部機関への委託ということでNEDOの方にこの法案のように委託をしていくというものがございます。そして、もう一つは、他国や民間企業等も出資する基金への一部出資ということも考えられたわけでございますけれども、今回、外部機関への委託ということに、選んだ理由というものはどのようなことになりましょうか。 ●政府参考人(肥塚雅博君) NEDOは、従来から新エネルギーとか省エネルギーに関する技術開発でございますとか海外への省エネルギープロジェクトの技術協力を行うということで、と同時にCDMとかJIの可能性調査、フィージビリティースタディーでございますとか途上国の京都メカニズムの実施体制の支援、他国に行ってCDMのマニュアルを作る、現地語でマニュアルを作るというようなことをやってきております。既に日本政府が承認しております四十六件のうち十四件がそういうNEDOがお手伝いをしてきた案件ということでございます。NEDOは、こういう事業を通じまして、京都メカニズムでございますとか省エネルギーに関する知見を有する人材が十分育成されてきているというふうに考えておりますし、海外のネットワークも築いてきているというふうに思っております。 クレジットの取得に際しましては、やっぱりいろんな意味のリスクがございまして、事業ができるかどうか、技術的な問題、それから制度的な問題というようなことがございまして、そういう意味で、政策の企画立案を担当する経済産業省や環境省が自ら実施するよりも、そういう専門的知見を有するNEDOに委託した方が効率的ではないかというふうに考えたのが理由でございます。 それで、今お話がございました、世銀等のファンドを使ったり、金融機関というものもございます。ただ、私ども、政府がクレジットを取得するに際しては、もちろん財政負担に配慮しながら必要な量のクレジットを確実に確保するということが一つでございますけれども、もう一点、地球規模での温暖化防止、あるいは途上国の持続可能な発展への貢献という視点が必要だと思っていますし、それからもう一つ付け加えさしていただきたいのは、政府によるクレジット取得というのは我が国の優れたいろんな省エネ技術を持つ我が国企業の海外展開に資することにもなると。そういうCDMとかJIの事業を通じまして我が国企業の技術を使っての海外展開ということになるというふうに考えておりまして、したがって外部の基金にお金を出してということではなくて、こうした考えを踏まえまして独自の取得制度を構築した方がいいというふうに考えたということでございます。 ●山根隆治君 NEDO、すばらしい組織だというふうな御発言でございますけれども、NEDOのいろいろな歴史もあったかと思います。今、陣容というのは、これからいろいろな事業を、この法案が成立いたしますと様々な負担というのが掛かってくるんですけれども、全体の陣容というのはどのようになってますか。 ●政府参考人(肥塚雅博君) NEDO全体の常勤職員は十八年四月時点で千五十名おります。エネルギー関係に携わっておりますのは大ざっぱに言って二百人弱ということだと思います。 それで、今のこれからのクレジットの取得体制をどうするかということでございますけれども、先ほど申し上げましたように、既に新エネルギーとか省エネルギーの技術開発でございますとか技術開発の協力をしてきておりますし、それからCDM・JI事業の事業可能性調査をやったり、それから京都メカニズムの相手国の制度支援、さっき申し上げましたCDMの制度を相手国にきちんと説明したりマニュアルを作ったりという作業をしているチームが既におります。これは大ざっぱに言いますと大体十人ぐらいいるんじゃないかというふうに思いますけれども。それで、NEDOがこのクレジット取得事業を行うに当たりまして、そういう意味では、率直に申し上げますけれども、新エネルギーとか省エネルギーに対する技術とかプロジェクトの知識は十分にあると思っております。 それから、制度面につきましても、実際申請をしたり、さっき申し上げましたように十数件携わっておりますので、相当の知識があると思っています。ただ、必要に応じまして財務面を含めたプロジェクト審査の専門家といった面を補強して万全の体制を築く必要があるんじゃないかというふうに思っています。したがいまして、従来からフィージビリティースタディーでございますとか相手国に対する支援をやってきたチームと合わせまして大体二十名ぐらいになるんじゃないかというふうに考えております。 ただ、独立行政法人でございますので、いろんなルールがございます。これは閣議決定も含めてでございますけれども、事業費は五%、十五年から十九年の中期目標の中で効率化する、それから人件費につきましても、昨年十二月の閣議決定を受けまして、五年間で五%、これはNEDOの場合は中期計画の期間が十九年度までなものですから、五分の二ということで二%でございますけれども、その削減義務が掛かっております。 私どもは、こういう業務を追加するに際しても効率化の中で対応しなきゃいかぬというふうに考えておりまして、今申し上げましたような事業費あるいは一般管理費、人件費の効率化というものも当然のことでございますけれども枠の中でやるということで、これによって全体としてのNEDOが大きく肥大化しないということは、そういうことでやりたいというふうに考えております。 ●山根隆治君 職員の方、千五十人ということですけれども、中央官庁から来られた方多いかと思うんです。その省庁別の人員というのは分かりますか。 ●政府参考人(肥塚雅博君 ちょっと若干古い数字で概数で申し訳ございませんが、千人で実は民間企業から来ておられる方が三百名弱おられます。それから、官庁からは八十名強、ちょっと概数で申し訳ございませんが、おります。現時点でそういうことでございます。現時点といいますか、これは三月の概数でございます。 ●山根隆治君 三百八十名の今数字いただいたんですが、全部で千五十名職員がいらっしゃるわけですね。あとはどんなような内訳なんですか。 ●政府参考人(肥塚雅博君) 基本的にはプロパー職員ですが、それ以外に申し上げますと、若干出向者ございますが、産業技術総合研究所でございますとか電力中央研究所でございますとか、そういう研究機関から出向してきておられる方がそれ以外におられます。あとはプロパーの職員でございます。 これは、基本的にNEDOは技術開発のプロジェクトを実施するということでございますので、かなりドクタークラスの方を採ったり、そういうプロジェクト管理、それから公募制の審査をやっておりますので、そういう専門家を、最近の採用におきましてはそういう人たちを重点的に採用してきております。 ●山根隆治君 役員の方は、いわゆる天下った方は何人いらっしゃるんでしょうか。何人中何人でしょうか。 ●政府参考人(肥塚雅博君) 役員の中の退職公務員は全体で十名の中の五名でございます。 ●山根隆治君 五名の方の出身官庁はどこですか。 ●政府参考人(肥塚雅博君) 経済産業省でございます。 ●山根隆治君 全部経済産業省でしょうか。 ●政府参考人(肥塚雅博君) はい、さようでございます。 ●山根隆治君 急なちょっと御質問だったので数字的なことで申し訳ないなという思いもありますけれども。 なぜ伺ったかといいますと、先ほど直嶋議員の質疑の中で、やはり国民の厳しい目がある中で、先ほどこのNEDOでも十二件ほど、随契ですか、の話でいろんな御指摘がございました。私、そのことを伺うつもりなかったんですけれども、千五十人の中の役員五名というふうなこと、あるいは官庁出身者八十名ということで、数字の多い少ないということではなく、やはりその内容が問題であるわけでございますから、この辺のところは国民の批判を受けないように是非しっかりとした体制にしておく必要があるということはもう御指摘をさせていただきたいと思うんです。 例えば、役員の方がやはりこれはもう週のうち一日か二日しか来ないとかというふうなことであったりしたり、あるいは法外な退職金があるとかというふうなことになると、これも非常に大きな問題になったり、国民の厳しい批判にさらされるわけですから、是非この辺のところは重々御留意をいただきたいというふうに思います。今日は法案の中身についてお尋ねいたしますので、この程度にこの点については収めさせていただきたいというふうに思います。 さらに、クレジットの購入の経費の負担割合なんですけれども、これは石油特会ということで今法案の中に書いてございますけれども、経産省の一般会計や環境省の一般会計にも振り分けたということで承知をいたしているわけでございますけれども、そのような認識でよろしいんでしょうか、事実関係。クレジット購入経費の負担割合です。 ●政府参考人(肥塚雅博君) さようでございます。経済産業省計上分が先ほど申し上げました五十四億でございますけれども、石特会計が二十四億、一般会計が四億、環境省分二十六億のうち石特会計二十二、一般会計四億ということでございます。 ●山根隆治君 それでは、続きましてクレジット購入経費の算出の根拠でございますけれども、先ほど来、百二十二億円の国庫債務負担行為ということで組んでおられるということでございますけれども、これは二〇〇八年から二〇一二年までの期間の購入を目指す、一億トンの購入量やクレジットの市場価格というものを踏まえてのものなのかどうか、その辺のところを含めてお尋ねいたします。 ●政府参考人(肥塚雅博君) 先ほど申し上げましたように、昨年度の価格が五・九ドル、それから世銀の二〇一〇年の調査でございますと十一・四ドルというような予測がございまして、そういうことを念頭に置きながら制度設計はしたつもりでございます。 ただ、将来の価格につきましては多分需給によるところが非常に多うございまして、我々としては価格の安定化を図るために供給を拡大させていくということにも努力していかなきゃいかぬというふうに考えておりまして、そういう意味ではCDMのフィージビリティースタディーに関する支援でございますとか相手国との話合いにおける環境整備、それからCDMのルールを改善していくというようなことで、世界全体としてのCDMの供給量を測るということも非常に重要だろうというふうに考えております。 ●山根隆治君 クレジットの価格高騰ということも予想されるわけでありますけれども、その場合の追加の措置、財源が必要な場合にはどのようにされるんでしょうか。 ●政府参考人(肥塚雅博君) 十九年度以降でございますけれども、財政状況の中で適切な額を私どもとしてお願いしていきたいというふうに考えております。 ●山根隆治君 我が国、非常に優れた省エネの技術等がございます。それを活用をしていくということで、優れたやっぱりエネルギー環境技術をこうした京都議定書の遂行というところで諸外国への我が国の環境技術の啓蒙ということも十分できるチャンスが多々あるわけでありますけれども、こうした視点での我が国のPRといいましょうか、我が国の技術立国としてのPRというものもその時々非常に必要性があるかと思います。この点についてはどのようにお考えでしょう。 ●政府参考人(肥塚雅博君) 先ほど申し上げましたように、従来からNEDOで途上国への省エネ技術協力というのをやってきておりまして、その際にクレジットを得ているものもございますけれども、そういうエネルギーの、環境エネルギーの技術協力をどんどん進めていきたいというふうに考えております。 それから、アジア太平洋パートナーシップという枠組みができておりますので、ここでセクターごとに鉄でございますとかセメントでございますとか、いろんなグループが出てきております。その中で鉄とセメントのワーキンググループでございますけれども、議長を日本が務めております。そういう機会も使ってできるだけ技術の移転というのが進んでいけばいいなというふうに考えています。 それから、さっき申し上げましたようにCDMとJIというものを、これは我が国企業の中では海外展開の一つのチャンスだというふうに考えておられる企業もございますので、そういった企業のお手伝いができればというふうに考えております。 ●山根隆治君 是非こうした機会を使ってこの環境問題のみならず、やっぱり産業ということからの広い視点でのPRということも是非協力してあげて、民間に対して協力していただきたいということをお願いを申し上げておきたいと思います。 さて、先ほど来の御答弁で、温室効果ガス、一九九〇年比での六%の削減目標というものに対するいろんな取組というのが御答弁の中でございました。これ、大臣、相当なこれはもう自信をお持ちだと、政府として、というふうな理解をしてよろしいんでしょうか。 ●国務大臣(二階俊博君) 私どもとしては必ず期待にこたえるということで頑張ってまいりたいと思います。 ●山根隆治君 是非頑張っていただきたいというふうに思います。それは御答弁として承っておきたいと思います。 プロジェクトの計画から排出権の獲得まで国連のCDMの理事会の承認が必要であるということで、その手続も相当程度掛かるのではないかということも言われているわけです。これについては、現状でどの程度の年数が掛かってくるというふうに御認識になっていらっしゃるのかどうか。人によってはやはり三年から五年掛かるということを言う方もおられます。そうなったらもう時間的にタイムリミットというふうなことにもなるわけですから、一般的にはこの辺のところについての御認識はいかがでしょうか。 ●政府参考人(肥塚雅博君) 先ほど申し上げましたように、CDM理事会で、事務局体制が不十分なこともあって、非常に時間が掛かるんじゃないか、あるいは複雑だという御議論がございました。 今の先生のお話の中で二つあろうかと思います。 一つは、今のいろんなCDMに関するルール、ルールといいますか、今までに決まっている中で遅れている部分があったかと思います。ただ、この点につきましては、昨年末の締約国会議で理事会の下のワーキンググループをつくる、それから事務局体制を強化するということをやりましたので、結構進んでいくんではないかというふうに思います。ちょっと私、三年というのはあれでありまして、去年の年末から今年にかけまして二けたであった承認件数が百数十、かなり伸びてきておりますので、そこは迅速化が少し進んでいるのかと。 ただ、もう一つ実は問題がございまして、今の登録されているプロジェクトは、やっぱりフロンとかメタンとかという削減がよく見えるやつはちゃんとルールができていると。ただ、鉄鋼ですとか、発電も含めてですけれども、通常の投資とどこが違うんだという議論をされるものもございまして、そういう意味では、そういうものにつきましてはむしろルールといいますか、そういう方法論を認めさせていくということを通じて認めさせていかないと、それは今先生のお話のように何年ということにもなりかねないところがございまして、そういうものについてはむしろプロジェクトを認めるといいますか、そこの省エネなんかを幅広く認めていくような仕掛けといいますか、ルールの方を改善していくという働き掛けを強めていきたいというふうに考えております。 ●山根隆治君 時間も迫ってまいりました。ちょっと先を急がせていただきたいと思います。 CO2を発生しないエネルギーということでは、国内外でだれしもが浮かべるのはやっぱり原子力発電ということだろうというふうに思っているところでございます。 この原子力発電、今我が国の電力量の三分の一は原子力発電によって賄われているわけでございますけれども、このクリーンなやっぱりエネルギーの原子力発電ということについて、これから我が国は少子化ということに向かってはおりますけれども、経済の発展というものもまだまだ目指さなくてはいけない。そういうことからして、エネルギー量の確保ということでは、原子力発電の占める比率というものは今三分の一をこれから超えていかざるを得ないだろうというふうに思うんですけど、政府の現在の計画では、聞くところによりますと、やっぱり四割ぐらいというところまで伺っているところでございますけれども、この見通し、そして最終的に原子力発電の比率というものをどの程度に持っていこうとされておられるのか、御答弁いただきたいと思います。 ●政府参考人(安達健祐君) 委員御指摘のとおり、京都議定書目標達成計画の目標を達成するためには、発電過程で二酸化炭素を排出せず、供給安定性にも優れました原子力発電の推進が極めて重要と認識してございます。 近年の原子力発電所の立地の状況につきましては、昨年一月に浜岡原子力発電所五号機、十二月に東通原子力発電所一号機、今年三月に志賀原子力発電所二号機がそれぞれ新たに営業運転を開始しております。これによりまして、五十五基の原子力発電所が現在稼働しているということでございます。また、泊発電所三号機、島根発電所三号機の二基が現在建設中でございまして、原子力立地は着実に推進、進展していると考えてございます。 経済産業省といたしましても、現在検討中の新・国家エネルギー戦略でも原子力発電を大きな柱の一つと位置付ける予定でございます。その中で、原子力発電は発電量の三割か四割程度か又はそれ以上という明確な目標とその実現に向けた取組を取りまとめたいと考えております。 今後とも、原子力発電の着実な推進に全力で取り組んでまいりたいと考えてございます。 ●山根隆治君 今、四割という、あるいは四割を超えるというふうなお話ございましたけれども、時間の設定的にはいつごろをめどとして考えているんでしょうか。経済発展等を考えた上ではどの程度のことを考えていますか。 ●政府参考人(安達健祐君) お答え申し上げます。 今、三割から四割又はそれ以上と言いましたのは、二〇三〇年ごろ我が国の商業用発電所はリプレースの時期になってまいります。そういうときにもこの目標をちゃんと達成したいというのが今の我々の考え方でございます。 ●山根隆治君 それには国民の理解も必要でありますし、そして政府のやはり支援対策というものは私は必要なんだろうと思います。 例えば、一つ、二〇〇二年や二〇〇三年度における温室効果ガスの排出量が増えたというのは、原子力発電の長期停止というのが実はあったということがあるわけでございまして、その辺の不安定な要因というものもあるわけでございますけれども、私はこうした際にもそれらが安定的に供給されるように政府の全面的なやはりバックアップというのが必要だろうというふうに思うわけであります。 原子力発電への投資が確保されるための投資環境というものも整備をするという決意というものが是非ないと非常に安定したものにならないわけでございますけれども、この辺のところについて様々な研究、検討がなされていると思いますけれども、安定供給、それのフォローアップということについての考え方を改めて聞かせてください。 ●政府参考人(安達健祐君) お答え申し上げます。 原子力発電の推進に当たりましては、安全の確保を大前提といたしまして、核燃料サイクルも含む原子力の推進に努めなきゃいけないと考えてございます。 このために、電力自由化の進展や需要の伸びが伸び悩む中での新増設を実現すること、二〇三〇年前後に想定される既設炉の大規模代替需要に備えた技術、人材の厚みの確保、軽水炉技術を前提とした核燃料サイクルの早期確立、放射性廃棄物対策の着実な推進、半永久的に自国産エネルギー源の確保を可能といたします高速増殖炉サイクルの実現、原子力発電の発展と核不拡散の両立に向けた国際的枠組みの構築など、多様な課題に対して今後戦略的に取り組んでいきたいと考えてございます。 ●山根隆治君 新エネルギーへの取組ということでは、今一番メジャーなのは、燃料電池それからまた太陽光発電というのが二つの大きな夢のあるプロジェクトだろうと思っておりますけれども、この現状、民間企業でも相当、先日も、私、ホンダの方に行きまして燃料電池の車、試乗させていただきまして、非常に感動したところもございましたけれども、政府としての取組、支援体制、これはいかがでありましょうか。時間もございませんので、太陽光発電も含めまして御答弁願います。 ●政府参考人(高原一郎君) お答え申し上げます。 まず、燃料電池でございますけれども、今委員御指摘の燃料電池車、自動車に加えまして、家庭用の定置用の燃料電池、あるいは、さらに最近は携帯用のノートパソコンだとか携帯電話にも用途が広がっていまして、いろんな用途の広がりを見せてございます。 ただ、依然として、まだその耐久性でございますとかあるいは経済性、非常にまだ高うございますので、これについて乗り越えるべき課題というのが大変多うございます。 経済産業省といたしましては、平成十八年度予算として三百四十億円ほど計上いたしまして、先ほどの例えば定置用の燃料電池でありましたらその製造コストを下げるための大規模な実証実験でございますとか、あるいは御指摘の燃料電池自動車につきましては実走行ですとか水素ステーションといったものをどういうふうに置いていくかといったような大規模な研究をしておりますし、また基礎研究も、これは相当の、センターなどを設けまして実施を図っております。これは、多分国際的に見ても相当我が国は、油断はできませんけれども、進んでおるというふうに理解をいたしております。 それから、太陽光発電でございますけれども、太陽光発電につきましては、平成十六年度末で、平成五年度に比べまして実に四十七倍の総設備量でございます。百十三万キロワットへの拡大がなされております。ただ、これにつきましてもまだコストが高うございますので、研究開発を促進いたしまして更に太陽光発電の普及というのを本格的に図っていきたいというふうに考えております。 以上でございます。 ●山根隆治君 民間で相当な設備投資をしているわけでございまして、こうした大きな日本の明日のクリーンなエネルギーというものについては、私は日本だけじゃなく世界に大きく貢献し得る研究だと思います、開発だと思いますけれども、やはり産官学、それぞれの場で協力し合って私はやっていかないと、民間だけにやっぱりゆだねるということではあってはならない。今、予算のお話、確かに国のやつがございましたけれども、まだまだ私はトータルには弱いというふうに気がいたしております。 政府の積極的な支援、そして大学等にも働き掛けて連携をして、是非有機的なかかわりの中で産官学で頑張っていただきたいというふうにも思っているわけですけれども、最後にその辺の決意、何か御所見あれば聞かせてください。 ●国務大臣(二階俊博君) ただいま議員御指摘のように、産官学の協力、協調体制が必要である。しかも、それはもっと横の連絡といいますか縦の連絡といいますか、お互いにスピード感を持って対応していかなくてはならないと。せっかく時代の先端を行こうとしておるわけでありますから、今までのようなテンポではなくて、もっと協調して発展できるような方向を見定めたい。特に今科学技術振興等におきまして政府も思い切った対応をやろうとしておるときでありますだけに、我々も関係省庁とよく連絡を取って、特に経済産業省としては産業界との連絡は常に密であるはずでありますから、そしてさらに、学の方の御協力もいただきながら対応してまいりたいと思っております。 特に、先ほどからお述べをいただいております原子力等の問題につきまして、私も、原子力の問題で今焦点になっております例えば福井県とか、あるいは青森県、佐賀県、それぞれ現場に赴いてまいりましたが、やはり地元の知事及び市町村長さんたちは、国の政策であるから、国のエネルギー政策であるだけに我々は懸命にそれを支えようとしておる、私はその言葉を聞きながら、国の責任が改めて大きいということを痛感しました。 安全が原子力においては何よりも重要でありますからその点をしっかりやることと、今御指摘いただきました新エネルギーの開発につきまして、併せて二正面で取り組んでいくと、こういう決意で頑張っていきたいと思っております。 |