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●山根隆治君 私も経済産業委員会で初めての質問になるんですが、まず大臣に、日本の経済の現況、どのような御認識を持っておられるか、お伺いさせていただきたいと思うんです。 いろいろな経済指標を見ると、非常に好転をしているという数値等もたくさんございます。これ、昨日配られた資料なんですけれども、八月の景気動向指数、速報値ですが、一致指数というのが八八・九%にもう既になりまして、景気判断の分かれ目となる五〇%を二か月ぶりに上回った、こういうことが昨日配られた資料に出ておりました。こうした状況をどのように御認識なさっているか、まずその点、お尋ねいたしたいと思います。 ●国務大臣(中川昭一君) 今、山根先生御指摘のように、政府といたしましては、いわゆる昨年の年末、今年の初めぐらいから景気が上向きになりつつある。その後、春ごろ、いわゆる踊り場という言葉が使われておりました。踊り場というのは、ちょっと一服という意味だろうというふうに思いますけれども、そしてまた夏ごろから景気が回復していると。 その要素というのは、主に企業部門が引っ張っていると。企業部門が引っ張ることによって、それが個人の方に行きつつあると。雇用状況も、失業率、ピーク五・五であったものが今四%の前半ぐらいまで下がってきていると。それから、収入ですね、個人の、これも上向きの方向に入っていると。いわゆる非正規雇用と言われているものから正規雇用の方に、これは多分二〇〇七年問題というものも関係しているんだと思いますけれども、正規雇用の方に今少しずつまた戻りつつあるというのが全体の状況だというふうに認識をしておりまして、現時点においては、景気は引き続き全体としては個人部門にもいい方向に影響しつつ回復している傾向にあるというふうに理解をしております。まあ一番端的な指標は、株価でありますとか長期金利でありますとかいったものもいい方向を示しているのではないかというふうに思います。 ただ、私は、景気回復とそういう、トレンドとしてはそうですけれども、忘れてならないのはデフレ状態からまだ脱却していないという一番の土台のところ、これがデフレからの脱却だということがはっきりと宣言しないうちは、まあトレンドとしてはそうであっても、景気が良くなっているというふうに胸を張って言える状況にないというふうに私はマクロとして考えております。 経済産業省は、そういうマクロのことではなくて、むしろ個別の業種、あるいはまた地域経済、あるいはまたとりわけ日本の大宗を占めます中小企業、個人商店といったところをきめ細かく見なければならない役所でございますので、そういう観点からは、業種によってばらつきはございますし、私や東北地方のような、北海道や東北地方といった、地域によっては大変なばらつきがあると。それから、中小企業、零細企業は、総じて大企業そしてまた中堅企業よりも悪いという状況でございます。製造業よりもサービス業の方が悪いとか、そういう意味でいろんな観点から、ばらつきがございますので、経済産業省といたしましては、まだまだ本当に手放しでいい方向に進んでいるという状況ではございませんで、これからもそういうまだ良くない地域、業種、中小企業が早く景気が良くなったなという実感が持てるように、我々としても注意深く情報を把握し、また打てるべき対策を取っていかなければならないというふうに考えております。 ●山根隆治君 基本的な認識につきましては、大臣と共通して私自身も持っております。今、株価の話もございましたけれども、小泉内閣発足当時にだんだん近づいているということ等もございました。私たちは、やはり株価というのは将来の経済というものを見て上下するわけですから、そういう意味では、じゃ今、将来性は今ないんじゃないかということを、幾らいろんなことを竹中大臣が言われても、我々は政策論争のときにそれを否定する根拠として株価の話もよくしたことがあったんですが、それも少し回復してきたと。 ただ、私はやはり、そうはいっても、今大臣自身もお話をされていましたように、私も、確かなものにはなってない、そういう踊り場だということの意味というのはよく理解しにくいんです、日銀も政府も同じような表現をいたしておりますけれども。しかし、政府のそうした表現というのを、景気のこれからというのを見たときに、いつも短期間で軌道修正をして表現を少しずつ変えていくというふうなことが今までずっと行われてきた。そのたびに国民の政府への信頼というものが経済に対しては失われてきたというのが今日までの私は姿じゃないかということでは、共通したものが今あるような気がいたしました。 特に、二〇〇七年問題に触れられて、私自身も二〇〇七年問題の当事者といいますか、団塊の世代の人間でありますけれども、技術の移譲であるとかそういうことも、たくさんな、いろいろな問題というのは確かにあるわけでございまして、やはり景気が回復したという実感というのは、数値的に見ると企業は非常にいいものが産業によって、例えばITであるとか自動車産業だとかありますけれども、産業間の格差、それから個人の所得の格差等、様々な今問題があるので、本当に景気が回復基調にあるという政府の発言と一般の国民の認識にはかなりな私はもう乖離がある。国民が本当にひとしく、ああそうだなというふうな実感を持つのには私はまだまだ予断を許さない状況だと思うんですけれども、大臣の見通しとして、本当に国民がひとしく、ああ景気が良くなったというふうな実感を持てるのではないかという期間、どれぐらい先でそうした思いが持てるように大臣の立場では思われますか。 ●国務大臣(中川昭一君) どうも私はプロでもございませんし、またこういう立場で、当たるも八卦当たらぬも八卦みたいな答弁は控えなければならないと思っております。 ただ、ごく短期的に見ますと、先ほど申し上げた方が適切だったかもしれませんけれども、短期的な不安要因は、一つは石油の問題がございます。これから冬場に向かってとりわけ心配しなければなりません。それからもう一つは、外需が引っ張っていた、つまりアメリカ、そしてお隣の中国等々が引っ張っていたわけでありますけれども、それがどちらかというと設備投資と内需の方に、とりわけ個人消費が少しずつ良くなってきていると、GDPの六割を占める個人消費が良くなってきているという状況もいい方向の作用にあるということで、私は、データとしては正直言ってまだら模様だろうというふうに思っております。 アメリカがどういうふうになっていくのかと、とりわけあのハリケーンの影響でありますとか、あるいはまた中国が一体どういうふうになっていくのかということ。あるいはまた、午前中も御議論のありました東南アジア、あるいはお隣の韓国が日本以上に石油の影響を受けているという状況がどういうふうにそれらの国々の経済に影響していくのかといったような不安定要因もございます。 本当の意味で景気回復を実感、これはもう引締めに入っていかなければならないぐらいの議論が出てくるというのは、これは私は本当によく分かりませんので、むしろ必要であれば事務的なデータをもう少し詳しく説明させますけれども。 日本の株価、最高値を付けたのが三万八千九百十五円だったと記憶しておりますけれども、あれはちょっと、いわゆるバブルという、まあとんでもない時代の数字でございますけれども、やはり日本が株が今上昇している原因の一つは、やっぱり外国投資家の買いが増えていると。ということは、日本経済は将来に向かってもいいし、それから現時点で割安感があると。つまり、もっともっと上がるのではないかという期待感があるということを考えますと、私は総じて、不安定要因もございますけれども、やっぱり国内外のプロの目は、やっぱり日本経済は名実ともにいい方向に行くであろうし、また今行きつつあるという認識だろうと思います。 いつかと言われると、私にはそれに答えるだけの知識もございませんので、できるだけ早くそうなってもらいたいなということを期待をしながらということにとどめさせていただきたいと思います。 ●山根隆治君 余りこうした大きな話で時間を取るのもなんだと思うんですけれども、やっぱり一番根本的なところの認識の問題ですからお尋ねをしているんですけれども、今お話ございましたようにアメリカ、中国、その牽引力というのは大したもんだと思いますし、それをどういうふうに見ていくかということで経済の予測というのは大きく変わってくるんだろうと思うんです。 ただ、やっぱりアメリカも、富める人たちがどんどん富んで、そして消費を引っ張っていったということがございます。そして、低賃金の人たちはそのまま賃金を抑えるということでありますので、これが国内のいろいろな行為によってそうした低所得の方々の賃金のアップというふうなことになってくると、これはインフレというふうな懸念もありましょう。 そしてまた、中国ということからしてみても、中国のやはり経済もかなり目標というのはいつもあそこの国は大きいところに置いていて、二〇〇〇年のベースにして二〇一〇年にはGDPを一人当たり倍にするとか、そういう非常に大きな目標を掲げているんですけれども、これは社会基盤の整備等が必ずしも確かなものでない中国にあって、水の問題、公害の問題等々ございますけれども、そうした中で石油の問題も日本とのいろんなぶつかりというのがございますけれども、そうした非常に不安定要因がある中では、本当に日本の経済、まだまだ予断を許さないというふうな思いをしております。 ところで、今お話しさせていただいております中で、伺っている中で、やっぱり産業の格差というのがありますね。IT産業、それからまあ自動車産業、そのほかの産業との格差、これについての認識。あるいはまた経済産業省として、これは特に経済的な施策として何か手を打っていくのか。それとも、民間は民間として任せていくのか。その格差についてはどのような認識をお持ちなのか、お尋ねします。 ●国務大臣(中川昭一君) 時代によって日本経済を牽引する産業というのは当然変わってくるわけでありますけれども、最近ここ数年は、今まで旧来型の、ある意味では衰退産業と言われていた重厚長大と言われている部分の産業が極めて今元気がいい、原動力になっている。例えば鉄鋼、あるいはまた造船、あるいはまた家電もそうなのかもしれません。いわゆるIT型とかソフト型というものではない製造業といったものが日本を引っ張っております。 もちろん、コンテンツなんかも日本は大事でありますけれども、そういうものづくり、製造業、技術、そしてその根本にある人間力と、こういったものが、資源がない、また決して大きくないところに大勢の人間が住んでいる日本が生きていく上で極めて大事なことだろうと。常に競争に勝ち抜いていかなければならないということで、昨年、新産業創造戦略という形で、日本の産業がこれから世界の中でトップランナーとして頑張っていく分野というものを幾つか例示をさせていただいたわけでございます。情報家電であるとか燃料電池であるとかコンテンツであるとかと、あともう一個何だっけ、ロボットとかですね。 しかし、別にそれだけ頑張れと、あとはどうでもいいんだということじゃなくて、地域に大事な産業、あるいはもっと言えば伝統的な技の世界とかそういったもの。そして今年の新産業戦略二〇〇五においては、そういった例えば世界のトップの第何世代のテレビを支えている部材産業、周辺産業、金型、溶接、こういったところ。実はこの多くは中小企業でございますから、そういう中小企業が頑張っていけるような経営、あるいはまた人材、技術といったものをつくっていこうというのが、先ほど当委員会が始まる前に渡辺先生から御指摘がありましたけれども、来年度の重点は何だという御指摘が、これは開会前でございますから、まあ雑談といいましょうか、不規則発言と言うと失礼かもしれませんけれども、の話でございましたけれども、来年度の経済産業省の大きな目標の一つは、そういった日本の一番大事な部分を支えるそういう中小企業が主に担っております部品、材料、そしてまた、きめ細かな日本ならではの技術といったものを更に強化していくことが、どんな川下分野にも対応できるような部分を強化していこうということによってやっていくということで、今例示的に四つの分野挙げましたけれども、ほかの分野はどうでもいいということじゃなくて、土台の分野をきちっとつくっていけばどのようにでも対応できるのではないかということで取り組んでいきたいというふうに考えております。 ●山根隆治君 是非そういう御努力もお願いをいたしたいと思いますが。 日本の経済の回復の背景には、やっぱし労働者の、勤労者の私は犠牲、それが大きいところがある。つまり、具体的には、今まで戦後の日本が手を付けなかったリストラといいますか、人を動かすことによって企業の体質改善をするということに一気に走ってきました。その陰ではやはり随分泣いている勤労者も多いわけでございます。 先ほど大臣の御答弁を聞いていますと、勤労者の所得もだんだん上がってきているというふうなお話もございましたけれども、しかし最近、直近の資料を見ますと、例えば八月の全国勤労者世帯の実収入が四十五万九千九百九十四円ということで、前年比に比べて二・八%下がっていて、二か月続いて下がっているというふうな数字も実は今、昨日入ったんですけれども。そういうことからしまして、実際のやはり収入というものは、私はまだまだ回復していない、むしろ減っているんだと、そういう傾向にあるというふうな認識持っているんですが、その点はちょっと基本的なところで認識が違うようなんですが、いかがですか。 ●国務大臣(中川昭一君) 先ほど私が申し上げたかったことは、可処分所得が若干増加傾向に移りつつあるというつもりで申し上げたんで、もしも間違った言い方をしたとすれば訂正をさせていただきたいと思いますが、いずれにしても、御指摘のように、仮に所得なり可処分所得が増えたとしても、将来に対する不安であるとか、あるいはまた先ほどの石油関連商品等々の影響だとかを考えて買い控えとかなんとかということ、つまりそれは個人消費に直結する問題でございます。いずれにしても、御指摘のように、収入がどんどんどんどん好景気のときのように増えているという認識は私も持っておりません。ただ、どんどん減っているという状況から可処分所得がいい方向に転換しつつあるという認識を持っているという意味で先ほど答弁をさせていただいたわけで、もしも言い間違いがあったら訂正させていただきたいと思います。 ●山根隆治君 議論が勤労者の方に行きましたので、御通知してありました内容と少し、若干変わってくるかも分かりませんけれども、やはり日本もアメリカと同じように私はかなり二極化と、産業の二極化もそうですけれども、個人の、勤労者の二極化ということも実際には広がってきている。つまり、ジニ係数も、OECDと比べても我が国のジニ係数というのはかなり高いところに来てしまっている。つまり、御承知のように、フリーターであるとかニートだという人たちが非常に増えてきているわけですね。それは、日本のやはり産業構造そのものが大きく根底から変わってきて、それに労働者がしわ寄せが行っているというふうなことだろうと思うんです。ですから、アメリカのように、富める人はどんどん富んできて、そして所得の少ない人はどんどんどんどん少なくなっていくと、こういう二極化が実はあるというふうなところが非常に大きな問題として私はあるんだろうというふうに思っているんですね。 もう正社員と非正社員との所得の格差というのは、生涯ということで見ると、片っ方が正社員の場合、二億何千万、そして非社員で一生を終わるということになると、それこそもう六千万くらいと。もうその差というのは四分の一ぐらい、四倍くらいにもう開いてくるということで、非常に日本の根本的な問題としてこれが大きな問題が波及していくということを私予想しているんですけれども、その辺の問題についての御認識はありますか。 ●国務大臣(中川昭一君) たしかバブルのときはフリーターというのは、何というか、格好いいといいましょうか、むしろそっちの方がいいんだみたいな雰囲気があったわけでありますけれども。今御指摘のように、失業をされている方々、それからいわゆる非正規の方々、そしてまたニートとか、いろんなそういう方々が大きな、これは経済活動にとっても大きな問題となっておりますし、それからやっぱり、先ほど申し上げたように、日本の競争力の根源は人材でございますから、そういう意味で若い方々が意欲を持って社会に出ていけない、あるいは意欲はあるけれども社会に出ていってもうまくいかないといった問題も大きな問題として認識をしていかなければならないと思います。 去年、アメリカで産業競争力レポート、パルミザーノ・レポートというものが出まして、それなんかを読みましても、やっぱり競争力、アメリカが競争に勝ち抜くのは、やっぱり若いときの人材育成であるということが強く指摘されておりまして、大学、大学院でどういうふうにしたらいいのか、研究開発をどういうふうにしていったらいいのかというレポートが出ておりました。日本でも同じように当てはまっていくと思います。 ですから、働いている人、あるいはまた働いていない社会に出た人、その前のいわゆる学生とか、社会に出る前の段階でどういうふうにその人たち一人一人に力を付けてもらうか、あるいはまた意欲を持ってもらうか。 意欲を持ってもらうということは、そのチャンスがなければ駄目なわけですから、そういう意味で、これは私どもだけではなくて各省今取り組んで、文科省なんかも取り組んでいるようでありますけれども、学生時代にいろんな体験をする、希望をしていろんな職場体験をするとか、あるいはまた職場に入ってもいろんなところでまた勉強をし直しをするということが大事だということで、去年、先生方にいろいろと御指導をいただきまして、人材投資促進税制というものを導入をさしていただいて、特に中小企業に重点を置いた形で企業の人材力の強化のための投資減税をスタートをさしていただいたところでございますし、やっぱりこれからももっともっときめ細かい人材力、人間力強化のためのいろんな施策というもの、あるいはまた意欲といえば本人のもう内的な問題になってしまうかもしれませんけれども、それにお役に立てるような施策、決して強制的なものにはすべきでないと思いますけれども、そんなところもこれからの、さっきの二〇〇七年問題以降の日本を考えたときには、単に若い人だけではなくて、先輩方にもまた大いに経験とまた力を発揮をしていただく、そしてまたその意欲を生かしていただくというような社会構造になればいいなと。 これはもう、それ以上は強制というところ、どこまでがいいなという、どこまでが強制で、どこからがそうなればいいなという、またその境目もなかなか難しいのかもしれませんけれども、そんなような経済構造、社会構造というものも視野に入れていかなければいけないのではないかというふうに考えております。 ●山根隆治君 大臣の話を聞いているといろんなことを議論したくなるので、ほかにどんどんどんどん用意したものと外れていってしまうちょっと今危険を感じているんですけれども。 今非常に問題なのは、若い人の話ずっとされましたけれども、若い人も専門職と技術職の人間というのはどんどんどんどん求められて足らなくなっている。しかし、軽労働というか単純作業というか、そういう労働者は余りぎみだと、こういうふうな時代になっているわけですよね。そして、高齢者ということから考えても、高齢者も若いとき、高齢者と言うとあれですが、三十五過ぎてフリーターになっている人があと五年、十年たっていくとどんどんどんどん正社員になる確率というのが下がっていって可能性が少なくなっている、こういう問題ですよね。 そうすると、もうフリーターやっていてある程度、まあ収入がぎりぎりのところで食べていければいいというふうに思っていたところが、ところが仕事がなくなってということになると、嫌気が差して、あるいは自信喪失して、それがニートになっていくと。そういう非常に悪循環があるわけで、そこをどう断ち切っていくか、あるいは抜本的にやっぱり解決をしていくかというのが今大きな問題、雇用をめぐっての問題として私はあると思うんですね。ここのところをしっかりさせないと、社会の不安定度というのが非常に増しますし、確かなやはり経済の回復というのはなかなか、人が安定しなければ日本の経済の本格的な立ち直りというのは私はあり得ないだろうと、こんなふうに思っております。 こうして議論をすると時間がたちますので、ちょっと予約じゃなくて御通告をしておりましたところにまた返らせていただきたいと思いますけれども、経済の本当の回復策ということは、働いている人というのも大事ですけれども、自動車産業も非常にすそ野が広くて、何万という部品で成り立っているというふうに言われております。 もう一つ、やはり経済波及効果が私は高いのは住宅産業だろうと思うんですね。これはまた、もう家を建てるというだけじゃなくて、そこから家具も新しく換えたりテレビも換えたり、いろいろなものが新しく購入するということでのその経済への波及効果は昔から高いというふうに言われてきております。 その建設業、特に住宅建設にかかわる経済波及効果についてはどのような認識をお持ちでございましょうか。 ●政府参考人(和泉洋人君) お答え申し上げます。 御指摘のとおり、住宅建設は建設資材等の住宅関連産業が多岐にわたり、そのすそ野が広いことから経済波及効果は大きく、いわゆる生産誘発効果、これは約一・九倍と推計されております。具体的には、住宅投資には木材、鋼材、ガラス等の生産資材に加え、関連の機械、エネルギー輸送等を含め幅広い産業に対する生産誘発効果があり、住宅投資額年額十八・七兆円、GDPの約三・七%に達しますが、生産誘発効果額を含めますと合計で約三十六・〇兆円、GDP比約七・二%になります。 このほか、今先生御指摘のように、入居に際しまして家具とか家電製品などの耐久消費財等の購入が期待できますので、そういった意味で住宅建設は極めて経済波及効果の大きな産業だと認識しております。 ●山根隆治君 GDPの構成比で見ますと、この住宅産業というのもほかのところに比べて少しやはりまた落ちてきているんですね、不動産は結構上がってきていますけれども。この辺のところが少し私自身は、いま一歩、国の施策としてやはり住宅産業というものの育成を私は考えていく必要があるんだろうというふうに思います。 大きな国の流れということから見てみると、少子化ということで、例えば西暦三〇三〇年には日本の人口がゼロになるというふうな統計、試算もございますけれども、少子化になっていくとそれだけ住宅の着工件数も少なくなる、こういうふうなことはあります。 ただ、その耐久性というか、そういうことからすると、日本の住宅の耐久率といいましょうか、使えるのはやっぱり三十数年、それからアメリカが四十数年、ヨーロッパ五十年、六十年というところもございますけれども、そうした問題がありますし、そしてまた、ロシアなんかでは、ダーチャといいましたかね、ある年配になると地方に行ってそこで農業を営んでゆっくり暮らす、これが国民に広く行われている生活のパターンですけれども、日本でも団塊の世代の人たちがそうした傾向、かなり志向というものを持って今きているように思うわけですね。そうすると、それを第二のハウス、セカンドハウスというふうなことで、ヨーロッパのような住宅需要というのが起きてくるという可能性もあります。あるいはまた、一人頭の、住宅の中での一人当たりの面積というものを考えると、まだまだ日本は小さいというふうなこともあります。 そういうことで、私は潜在的な需要というものは相当あるんだろうというふうに認識しているんですけれども、国の施策としてその辺を見越したところの住宅政策というものはどんなふうに今なっているのか、簡単にひとつお答えください。 ●政府参考人(和泉洋人君) 簡単にということなので。 今の御指摘のとおり、戸数だけで見れば、今の住宅数は五千四百万戸で世帯数が四千七百万でございますから、戸数は十分なんでございますが、今先生御指摘のように、耐久性の面とか耐震性の面、あるいはバリアフリー、あるいは省エネルギー、こういった面ではまだまだ不十分でございます。 そういった意味で、国としまして、そういった観点からの住宅の質の向上について、税制、融資等含めて質の向上に全面的に取り組む必要があると、こう認識しております。 ●山根隆治君 認識は分かったんですけれども、対策というか、もうちょっと、短くと言ったから省かれたんでしょうけれども、こういうふうな政策というものを出していくんだと、施策をやっていくんだというのをもうちょっとお聞きしたいんですが。 ●政府参考人(和泉洋人君) 済みません。 じゃ、幾つか具体的に御紹介しますると、住宅の取得についての支援するために、住宅ローン減税制度と、こういったものを講じてございますし、加えて、住宅金融公庫を今証券化支援スキームに改めてございますが、そういったスキームの中でも、省エネルギー性能や耐久性能やバリアフリー性能が高い住宅につきましては金利を下げるといったことを通じまして質の誘導をいろいろと行っているということでございます。 加えて、ストックについても、この特別国会に耐震改修促進法の改正案を提出させていただいておりまして、現在、約四千七百万戸の住宅のうちの二五%、千百五十万戸が耐震上不十分である、こういったものにつきまして、特別国会に耐震改修法の改正案を提出させていただきまして、加えて、それに関する税制面あるいは予算面での要求をさせていただいて、いわゆるストックの質の引上げにつきましてもそういった観点から努力をさせていただいていると。 こういった個々の分野の施策につきまして総合的に今後展開してまいりたいと、こう考えている次第でございます。 ●山根隆治君 特定建築物の耐震性ということでの試算というものを承知いたしているんですけれども、その経済波及効果というものはどのような試算をされておりますか。 ●政府参考人(和泉洋人君) 耐震改修も住宅建設の一部でございますので、これから御説明しますることは、耐震改修法の改正等が将来通りまして、その施策に従って耐震改修を進めた場合の見通しと申しますか私どもの期待でございますけれども、耐震改修の工事の促進につきましては、政府としましては、東海地震、東南海・南海地震等の死者数とか経済被害を今後十年間で半減させると、こういった目標を今年の三月の中央防災会議で決めさせていただきました。 こういったことを実現する観点から、今後十年間で住宅及び今先生の御指摘の病院、百貨店等の特定建築物の耐震化率を、今七五%でございますが、これを九〇%まで少なくとも引き上げたいと、こういった目標でございます。そのためには、住宅の耐震改修は年間十万から十五万戸、特定建築物については年間三千棟程度の耐震改修が求められます。その経済効果としましては、生産誘発効果を含めまして、住宅については年額で三千五百億から五千億程度、特定建築物につきましては年額約六千億円弱と、こう推計しているところでございます。 ●山根隆治君 是非それらも積極的にやって、経済への波及効果広げてもらいたいと思うんですけれども。 耐震性ということになると、一九九四年以来、アメリカが日本に対日要望を出すと、予算要望を出しているということは、私もほかの委員会、郵政などで指摘させていただいたことがあるんですが、実は阪神・淡路の大震災の後に建築基準法が強化されるかと思ったら逆なことがあって、それは規制の緩和という大方針、それはアメリカの要望に沿ったものかどうか分かりませんけれども、そんなふうなことがあったというちょっと記憶を今思い出しましたけれども、是非日本国民のための政策というものをしっかりやって、経済への波及効果というのもそれはもう是非意識してやっていっていただきたいということを、この点については要望して終わらせていただきたいと思います。 次に、今ここの部屋の設定温度もございますけれども、二十八度ということになっておるんだと思うんですけれども、クールビズですね、非常に私たちもクールビズの受け取り方、党内でもいろいろな議論がありました。私は保守的なので、やはりネクタイはちゃんとしていた方がいいとか上着もそのままでいいんじゃないかというごく少数派ではあったんですけれども、このクールビズの経済効果というのはどのようなものだったんでしょうか。 ●政府参考人(広瀬哲樹君) クールビズの経済効果について御質問がございました。 経済効果につきましては、クールビズの実施が経済全体に与える影響、これにつきまして統計が十分整備されておりません。こういった観点から、定量的にお答えするのは非常に難しいかと思います。ただ、一般的には、シャツでございますとか、先生御指摘のようなネクタイに対する効果、ジャケット等ございます。増えるものを考えますと、夏用のシャツでございますとか夏用のジャケット、それからズボンといったものがございます。他方、減少するものとしましては、従来買っておりましたようなサマースーツでございますとかネクタイといったものが販売減となると考えられます。 業界統計あるいは家計調査などを見ますと、確かにクールビズの効果が現れておりまして、クールビズに関連します品目につきまして、販売あるいは購入増ということが示されております。具体的には、日本百貨店協会の調査によりますと、紳士服全体の売上げ、これが今年六月から八月にかけまして、合計で前年比二・三%増でございます。もう一方の購買統計でございますけれども、家計調査、勤労者世帯では、クールビスに関係します品目を見ますと、同じく六―八月期でございますけれども、前年比七・八と増えております。このように、クールビズに関しましては、商品の売上げ、購入等が増えていることは事実でございます。 クールビズ導入の意義ということからしますと、オフィス等で冷房設定温度が引き上げられますし、またこういったものが浸透していきますと、中長期的には、省エネルギーを通じまして省エネ、それから現在ございますような原油高におきます輸入代金の削減といったような長期的な効果も期待できるんではないかと考えております。 ●山根隆治君 ちなみに、これは経済効果でやっているということではなかったかと思うんですけれども、基本的な理念をちょっとおさらいで言っていただけます。 ●政府参考人(小林光君) クールビズでございますけれども、これは地球環境を守るために一人一人ができる行動をしていこうということでございまして、数年来、この国民部門、民生部門といいますか御家庭、そしてビルでございますが、ここにおきますところの対策の遅れということが大変問題になっておりまして、そういうところに対策を促していくための一つの方法として、この四月の、今年の四月の二十八日ですが、閣議決定をさしていただきました、午前中にも出ました京都議定書目標達成計画において国民的な運動をしていくということが定められておりますが、それに沿って起こしたものでございます。 クールビズだけがその国民的な運動でございませんで、チーム・マイナス六%、京都議定書の削減目標の数字を使って、みんなが一緒になって、そして地球とつながるような暮らしをしてその削減をしていこうと、こういう訴え掛けの下で、例えばもったいないバッグといいますか、買物バッグを使い捨てにしないとか、そういうことも含めましていろんな運動をしておりますが、その一つがクールビズということでございます。 おかげさまで、呼び掛けに対しまして、初めてのことでございますけれども、企業のアンケートによりますと、六〇%ぐらいの企業が実施をされ、また実際に冷房設定温度を高くしている企業も四〇%に上ったということでございます。ネクタイを外すと体感温度として二度ぐらい涼しく感じるというふうに言われておりますけれども、そういったことを受けての措置だったのではないかということで、それが正面の効果と私ども考えております。 ●山根隆治君 マイナスはどんなことがあったんですか。 ●政府参考人(小林光君) マイナスといいますか、私ども打って一丸となってこれをやっておりましたものですから、私、例えば冷房車両でも、例えば控え目冷房とか乗ったりいたしまして、おかげさまで、そういう意味でいいますと特段のマイナスは感じてはおりませんでした。 ただ、アンケート等によりますと、やはりお客様の商売をされている方が失礼に当たるのでやりにくかった、あるいは会社の上司の方が賛同してくれなかったので社内で少し、何というんですか、やりにくかったというような声はアンケートとしては寄せられてございます。 ●山根隆治君 役所の中で、温度設定が二十八度で非常に苦しくて能率が下がって頭の回転が衰えたとか、そういうことはないんですか。 ●政府参考人(小林光君) 実際の冷房といいますのは、体感温度は実際には気温だけではございませんで、例えば扇風機を使う方とかそういうふうな形で、先ほど申し上げましたように体感温度の方を下げて、恐らく、頭の働きは個人的な問題もあろうかと思いますけれども、皆さん努力をされたのではないかというふうに承知をしております。 ●山根隆治君 国会、テレビで国会中継しているときに、ネクタイがないというのはどうだろうか、だらしないとかいろんなものがあったんですね。国会は、例えば本会議場も高いからなかなか二十八度にならなくて、うちの理事が非常にチェックが厳しくてなかなか、二十八度ということじゃなくて、もっと涼しいところでやらせていただいたんですけれども。 やはり権威というもの、権威と服装というか、そういうものも、私たち、どういうものかなという感じは非常に中にいて思いましたけれどもね。「衣服哲学」という西洋の哲学書がありましたけれども、王様はなぜ王様かというと、服装が王様だから王様だという、そういう論理に帰結する哲学書があるんですけれども。 それはさておきまして、今後もクールビズやっていかれるというふうなことだと思うんですけれども、様々な問題点というのを是非整理しておいていただいて、また議論に供していただきたいというふうに思います。 それでは、一つ、今、地方自治体、全国市長会から要望書も出ている生活保護費の負担金の問題、国庫負担の割合の引下げについて断固反対だと、非常に強い今、声が、要望書が出ているんです。 この点についてちょっとお尋ねをさせていただきたいと思うんですけれども、どういうことが問題かというと、やはり今、国が四分の三負担をして、そしてそれを今度変えて、もっと市町村にそれを、負担を押し付けようと、そういうふうな動きだというふうに承知を、認識をしているんですけれども、今、市町村の財政も非常に、市の財政厳しいと、地方自治体厳しいという中で、もしそのことを実施されると大変なことになる。もうどうしてもやらざるを得ないのであれば、もっと厳格に生活保護の規定等について、やはりもう少し厳格性というものを持たなくてはいけないんじゃないかと、こういう議論が、実は要望も私のところに届いております。 それはどういうことかというと、やはりその生活保護費をめぐって暴力団に絡んだ問題があるんじゃないかというような御指摘等でございますけれども、これらの事例について、警察の方、今日お見えになっていただいていると思いますけれども、事例あればお聞かせください。 ●政府参考人(和田康敬君) 生活保護にかかわりました暴力団の事案でございますけれども、例えば、収入が一定以上あるのにこれを秘して生活保護費を不正受給をしたという詐欺事案でございますとか、あるいは生活保護の受給に絡んで担当の職員の方に因縁を付けまして暴行を働くと、そういった公務執行妨害事案、こういった事案がございます。 こういった事案につきまして、それぞれ関係の地方自治体と連携をして厳正な取締りを行っておるところでございます。 ●山根隆治君 自治体の首長さんからは、非常に職員を、そうした疑いのあるところに話しに行ったり事情聴取に行ったりするのに非常に職員の安全ということからすると不安が大きいんだということで、こうした点について是非国会で取り上げてほしいと、意見を言ってほしいというふうな御要望、私実はいただきました。本当に職員も、それはだれしも、職務で行くわけですけれども、非常に恐怖を覚えていく。そういうふうな場合に、例えば警察官が同行をする、あるいは周りのパトロールする、いろんな手だてがあるかと思うんですけれども、現実的にはやり得る方法というのはどんなことで市町村に協力できるんでしょうか。 ●政府参考人(和田康敬君) 生活保護に絡んで担当の職員の方が調査に行かれる場合の我々として取り得る方法というのは幾つかございます。 一つは、もちろんそういう対応についてのアドバイスを、こういう形でやったらいい、あるいはこういう形でやるといろいろとトラブルが起きるというようなこと、それについてのアドバイスもございますし、また仮に、非常に不法事案が起こる可能性があるという場合については、この事態の態様に応じて、必要によればそれに同行して、直近においてそういった調査をされる際に何かあればすぐに対応できるような態勢を取るということも可能であろうと思います。 それぞれの具体的な態様に応じて、我々としては支援できるものは支援をしていくという考えでおります。 ●山根隆治君 そうすると、具体的に市町村長からそういう要望があった場合には地元警察を窓口として対応していただけると、こういうことでよろしいんでしょうか。 ●政府参考人(和田康敬君) 所轄の警察署と対応していただければ結構だと思います。 それとは別のいろんな枠組みの中で、こういった生活保護以外の、現在、暴力団がいろいろ行政に対するいろんな行政対象暴力といったようなものがございまして、それについては各それぞれの自治体と管轄する警察署とで一定の協議の場というのを設けています。それから、それぞれの担当の市町村なりにそういったことを担当する責任者というものも選任をしていただいて一定期間ごとに講習をしたりしております。そういったパイプもございますし、いろんなチャンネルがあろうかと思いますが、基本的にはそういう対応については、所轄警察署の方で御相談いただければ対応できるかと思います。 ●山根隆治君 先ほど来の議論と少しかかわってくるんですけれども、フリーターの方とか、それからニートの方、意欲をなくした方々どんどん増えてきています。そういう方々がやはり生活保護世帯になっていくというふうなことがこれからどんどんどんどん増大していくんだと思うんですね。それから、やっぱり離婚率というのは非常に今高くなってきている。だんだん欧米並みになって、それはいいか悪いかというのをちょっと言うと支障がありますけれども、そういうことで非常に生活保護を受けられる方々増えてくる、あるいはもう一つの社会的な要因としては高齢者の方々が増えてくるということで、非常に生活保護世帯が増えてくる可能性が、激増することが想定されるんですね。 そうなってくると、こうした状況に乗じてやはり暴力団関係者がかかわりを持つというふうなことも懸念されるんですね。そうすると、相当のやっぱり件数が具体的に出てくるんだろうと思うんですね。警察でそうした事態というものを想定して、堪え得る人的な、量的、質的な体制というのは、それはどのように御認識になっていらっしゃるんでしょうか。 ●政府参考人(和田康敬君) 具体的にどのような事態が起こるかということ、なかなかちょっと想定はし難いわけでありますし、もちろん警察の体制も有限でございますから、いろんなことについて、すべて、いついかなるときにもすぐタイムリーにやってくれということになると、なかなかその期待に沿えない場合も多少あるかと思いますが、そういった事態の内容に応じて、やはり緊迫性がある、あるいはこれが非常に不法事案を招きかねない、そういったものについては優先的にそういった対応はしてまいりたいというふうに考えております。 ●山根隆治君 大変いい御答弁ありがとうございました。これを聞いた、後から議事録等で読まれた首長さん方は大変心強い思いをすると思うんで、本当にいい答弁いただきました。ありがとうございました。 それでは、最後に電源三法の交付金についてお尋ねをさせていただきたいと思います。 今、原子力発電所の稼働率はどういうふうになっていますでしょうか。 ●政府参考人(小平信因君) 最近時点の稼働率は全国平均で六十数%であったというふうに記憶をいたしております。 ●山根隆治君 現在、日本の原子力というのは非常に大きなウエートを占めておりまして、フランスほどではないですけれども、やはりもう三割を超えるエネルギー供給源ということで、非常に大きな、日本の経済の発展にとっても欠かせないものだというふうに認識を私もいたしているところでございますが、しかしこの数年、いろいろな不幸な事態、状況が現出をしまして、原子力発電所停止を、機能を停止しているというところも実はございました。衆議院の方でもいろいろな、様々な議論があったというふうに承知をいたしているんですけれども、そのときの交付金ですね、この交付金の意味合いというものはどのように認識をされているんでしょうか。 ●政府参考人(小平信因君) ただいま先生から御指摘ございましたように、エネルギー情勢大変厳しい中で、原子力発電、エネルギーの安定供給ということ、それから発電段階で二酸化炭素を排出しないということで地球環境問題の観点からも大変重要であるということで、この推進を従来から図ってきておるわけでございますけれども、何と申しましても、発電所の立地をいたします地域との共生を図るという観点から、地域の方々に御理解をいただくということで、地域の振興あるいは産業の振興というようなことを図りますために交付金をそれぞれの地域に交付をしていると、こういう位置付けでございます。 ●山根隆治君 その交付金の内訳、現在は、今日までどの程度のものが交付されてきているんでしょうか。 ●政府参考人(小平信因君) ただいま手元に数字を持っておりませんけれども、基本的には交付金は二つございまして、一つは立地の時点におきます交付金、それから稼働している運転期間において交付される交付金、この大きく分けますと二つから成り立っていると。交付先といたしましては市町村それから当該の県ということに、まあ道と県になると、こういうことでございます。 ●山根隆治君 要綱もできておりますし、様々な法的な縛りといいますか、枠というものはっきりしているんですけれども、その中で、稼働しているものに対して交付するということだろうかと思うんですけれども、しかし、現実には今日まで操業がストップしているところについても交付金が出されていたというふうに認識しているんですが、これは事実、間違いないんでしょうか。 ●政府参考人(小平信因君) 交付金の中で、電力移出県等交付金、それから長期発展対策交付金というのがございます。これ、それぞれ、まず電力移出県等交付金は、都道府県内に立地をする発電施設、これは原子力発電所以外のものも含むわけでございますけれども、その出力を基礎として算定をいたしました額、それから発電された発電電力量を基礎として算定した額を合わせました額を限度といたしまして交付金を交付しております。また、長期発展対策交付金につきましては、立地市町村内に立地をしております原子力発電施設の同じく出力を基礎といたしまして算定した額、それから発電電力量を基礎として算定をいたしました額等の合算額を交付限度額といたしまして、立地市町村に対して交付をいたしております。 ただいま先生の御指摘のございました、施設の運転が停止している場合にも交付をされているのかということでございますけれども、これにつきましては、安全性を確保するために発電所の運転を停止をしていると、そういう場合には、平常時と同じように運転をしたものというふうにみなしまして、交付金をただいま申し上げた額で算定をするという措置が講じられているわけでございます。これは、こうした場合の原子力発電所等の運転停止につきましては、立地地域には責任がなく、立地地域を不利に扱うべきではないという考え方に基づきましてそういう運用をしているということでございます。 ●山根隆治君 地域の方々の立場と、それぞれ立場が違うといろんな考え方があるんだろうと思うんですね。やはり、止まっているからといって、先般も何か議論が参議院の方であったようですけれども、必ずしも地域の方々のやっぱり安心とかということを保障していないじゃないかというふうなことがあって交付は続けるべきだという議論があったというふうなことも聞きましたけれども、いずれにしても、これ非常に根本的なやっぱり問題にもなりますので、今後十分検討されるというのが衆議院段階での御答弁かというふうに認識しておりますけれども、この点についてはそうした認識に変わらないということで理解してよろしいんでしょうか。 ●政府参考人(小平信因君) この件につきましては様々な御指摘あるいは御意見があるのは御指摘のとおりでございまして、また議会、国会の審議におきましても、こうした場合に交付金を支給、交付すべきではないという御指摘もいただいておるところでございますけれども、中でも特に、国が安全性を確認しました以降は、みなし交付金と申しておりますけれども、この制度を適用すべきでないという指摘もされているところでございまして、経済産業省といたしましては、国会等でのそうした御指摘も踏まえながら、より適切で有効な交付金の在り方につきまして引き続き検討しているところでございまして、それを踏まえまして適切に対応してまいりたいと考えております。 ●山根隆治君 終わります。 |