山根隆治君
 おはようございます。今日は二時間の時間ございますので、じっくりお尋ねをさせていただきたいというふうに思います。

 この法案、様々な読み方もできるわけでございますけれども、やはり一九八〇年代後半のバブルというものの影響を圧倒的に受けた予算の編成であり、こうした所得税法の改正ということは圧倒的な影響を受けているものだろうというふうに思っております。

 そこで、私は、当時、八〇年代の後半、日本じゅうが少し狂っていたところがあります。金融業界もそうでございまして、例えば富士銀行では全預金者を債務者にせよというふうな通達を各支店に出して、そして日銀の定例考査の中でこれを見付けて撤回させるというふうなことがございました。住友と富士の当時のライバル関係からいってこうした行き過ぎたこともあり得るかなというふうな思いが今いたすわけでございますけれども、しかし、これはもう住友と富士だけの問題ではなくて、各都市銀行、地方銀行含めて踊っていた時期だったんだろうというふうに思います。

 一橋大学の篠原名誉教授は、過去三百年間というのを振り返って、世界でこうしたバブルがあったところで、日本のこのバブルというのがどれぐらいの規模だったかということで研究されていて、六番目のバブルだったんだというふうな、それぐらいの規模だったということを主張されておられました。

 いずれにいたしましても、このバブルというものは一体何だったのかということをしっかりとやはり検証して、後世にメッセージとして伝えていくということが私は非常に大事だろうというふうに思っております。

 そこで、お二人の大臣に、このバブルがなぜ起きて、だれが仕掛けて、あるいは仕掛けなかったのか、自然発生的なものであったのか、そして収束したその背景には何があったのか、そしてその影響が今後どういうふうに及ぼされていくのか等の問題についてお二人の所見をじっくり聞かせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

国務大臣(谷垣禎一君)
 大変現状をどう見るかということにもかかわる大きな最近の日本の歴史的な認識をお問い掛けで、大変きちっとしたお答えができるかどうか内心じくじたるものがあるんでありますが、当時を振り返って、八〇年代後半を振り返ってみますと、企業収益なんかはどんどん良くなっていると。それから、東京のオフィス事情などは大変活況を呈して、経済の基礎的な条件というのはまず非常に良かったということがあったんだと思います。

 そういうことが続きますといろんな期待が膨らんでまいりまして、いわゆる財テクとかあるいは地上げという言葉に象徴されるように、次々と、何というんでしょうか、値上がり期待を持って自己増殖的な、投機的な行動が続いていくということがございまして、それが経済全体を、日本経済の持っているいわゆるファンダメンタルズと乖離したバブル状況を作り出していった。その中には、今お触れになりましたいろんな、そういう投機期待の人だけではなく、それを支えるいろんな経済セクターのいろんな行動があったんだろうと思います。

 こういったバブル状況がなぜ一転してつぶれるかということになりますと、当時のいわゆる総量規制であるとか、あるいは九〇年代初頭になっての、金利を引き下げていく、こういうことがバブル状況を一挙につぶしていくようなことになりました。

 今日から振り返ってみますと、当時の政策手法というものがどういう意味を持っていたのか、どういうプラス・マイナスがあったのかというのは私どもとしても十分に検証しなければならないことだなと思っておりますが、そういう、何というんでしょうか、全体の政策のトーンも、全体の経済を支える基調も転換に転じたとなりますと、今までの期待が一遍にしぼんでしまって、いわゆる需給バランスも崩れて、資産価格は更に下落して、バブルが、何というんでしょうか、破裂するというような状況になったんではないかと思います。

 このバブル経済がじゃ何を残したかといいますと、経済のパフォーマンス等、非常にある意味ではプラスになった面もなかったとは言いませんけれども、異常な土地値上がりなどで、要するに所得の格差とか不公平感、勤労に基づかない、何というんでしょうか、ぬれ手でアワの利益を得る者が出てくると。そういうような、非常に社会に不公平感、ゆがみも生じたと思いますし、それから、オフィスビルの建設であるとかリゾートの建設といったようなものも、何というんでしょうか、実力を超えた投資がどんどんなされていって、そういったことは恐らく資源配分の、何というか、ゆがみというようなことにもなっていったんじゃないかなと、こういうふうに思います。

 そして、このバブルの崩壊は、結局、不良資産、不良債権というものを増加させて、それが今に至るまで及ぶいろいろな意味での足かせ手かせになっているのではないかと思います。バランスシートをどう改善していくかというようなことをめぐって、この十数年延々我々が苦しんできたというようなことになってまいりました。

 それで、どういうことがそこから得られる教訓かということになりますと、いったんバブルが発生して、それが崩壊するということになりますと、そのコストは、今申しましたように、この十数年間いろんなことで我々も苦しんできまして、物すごく国民的に大きなコストになってきている。したがって、私どもも、我々のこの非常に血のにじむ経験でありますから、先ほど申しましたような、これは民間セクターのいろんな言わば思惑的な動き、投機的な動き、利益を求める動きがあったと思いますが、同時にそのとき発動した政策というようなものが十分妥当なものであったのかどうかと。これは今のいろんな状況が分かっている中で批判するだけでは済まないところもあると思いますが、十分検証して、我々の後世の、何というんでしょうか、糧にしなければならないというふうに思いますし、そういうことを踏まえて十分今後の経済運営というものに意を用いていく必要もあるのかなと。それで、バブル発生を未然に防ぐというようなことにやはり今後の我々の共通の、何というんでしょうか、理解というものを作っていかなければならないんではないかなと。これが今に残された第一の教訓ではないかと思います。

 それから、第二の問題点と申しますのは、これも今に残ることだと思いますけれども、バブル崩壊の過程で投資家の損失が随分大きくなっていったわけですが、その背景に、何というんでしょうか、リスクを十分に認識しないままに、自分の体力、力というものを超えた、何というんでしょうか、リスクを意識しないで実際上リスクのある行動に踏み込んでいったということがあるのではないかと思います。

 ですから、今後、個人であれ企業であれ、やはりリスクというものを十分に意識した、何というんでしょうか、経済行動と申しますか、活動というものはやはり求められるし、そういうようなものが十分、何というんでしょうか、意識され、理解できる、そういうような環境を作っていくということも今後の日本の経済社会の設計に当たって大変大事なのではないかというようなことを思います。

 いずれにせよ、まだ私どももその遺産と申しますか、その傷に苦しんでいる最中でございますので、十分客観的に見られないところもあろうかと思いますが、粗々の感じを申し上げますとこういうようなことでございます。

 ちょっと訂正させていただきます。
 どうも、私、九〇年代の金利引下げと申し上げたようですが、金利引上げの間違いでございますので、訂正させていただきます。

国務大臣(竹中平蔵君)
 非常に大きな問題でございまして、昨夜問題をいただきましたときから、これは大変な御質問だというふうに思っております。

 今、谷垣大臣が非常にきちっと御説明されたことと基本的に私は全く同じ問題意識を持っております。

 八五年にプラザ合意があって円が高くなって、そのとき大変だというふうに日本経済は思われた。しかし、そのプラザ合意を乗り切ることによって日本の経済に対して、非常に自信は深まりましたし、海外からの評価も高まった。そうした中で、正に谷垣大臣おっしゃったキーワードは、ファンダメンタルズから離れた過大な収益期待、過大な成長期待が形成されてきたということだと思います。

 もちろん、その中で、それぞれの経済主体がやはり今から思えばもう少しいろんなことができたのではないかというような細かいことがいろいろ重なってきたというふうに考えております。例えば、海外からの進出で東京の土地が高くなる、東京の土地が高くなるからもっともっと高くなるだろうという期待が形成されていった。そこにかねてからあった土地神話が重なって、とりわけ土地資産においてこのような異常な現象が見られてしまった。また、金融面で、資産の値段でありますから、どれだけ収益を生むかということと、正に今の割引率がどれだけかということが影響するわけでありますけれども、この間、八〇年代の後半は、気が付いてみるとマネーサプライは一〇%年間増えていたわけで、そうした金融要因も結果的にはこれを加速したということだと思います。

 こうしたことで、今ようやく専門家の間でもそのときのメカニズムに対する解明を少しずつ進めているところだと思いますが、例えば金融要因に関して言うならば、これは大阪大学の小川一夫教授が大変興味深いことを言っておられるわけですけれども、やはり銀行の貸出し行動が土地担保に根差していた、その土地の価格が上がったことによってその土地担保に根差した融資を結果的に拡大、増やすという形になって、これが資産の投資行動に少なからぬ影響を与えた、そういう面も、側面もやはり振り返ればあったのだと思っております。

 しかし、これがある時点で急速に期待修正を迫られる。そのきっかけになったのが直接的には例の総量規制だというふうに言われているわけですが、実はその点でもまだ分からないところがたくさんあって、総量規制を始めてから土地の値段が下がり始めるまで結構時間を要しております。そういうときの人々の期待行動がどのようなものであったのかというのはなかなかまだよく分かりませんし、何よりも、バブル崩壊というふうに言いますけれども、株価のピークが一九八九年の十二月で、土地が下がり始めたのはそれから一年半とか二年後でございますから、その間の経緯についても我々は更にいろんなことをここから学び取っていかなければいけないものがあるのだと思っております。

 そうした中で、グローバル化、グローバル化が進むことによって世界じゅうの要素価格が一気に均等化するというような動きを速める、IT化によってその技術の体系が変わる、そうしたことに対して、単にいわゆる期待が形成されたというところに日本の経済はこういう面でむしろ弱さがあるんではないだろうかというまた逆の期待も働いてバブル崩壊に拍車を掛けたということなのだと思っております。

 その意味では、教訓に関しましても、これはもう谷垣大臣おっしゃったとおりで、一度やはりそのファンダメンタルズの均衡から少し離れると、経済が上に行ったり下に行ったりすると、それを戻すのは大変なことなんだと。これはよくインフレとかデフレとかを元に戻すときにサクリファイスレシオという言葉が使われる、犠牲比率という言葉が使われることがあるんですけれども、一度乖離してしまうと元へ戻すのにその何倍もの逆のことをしなければいけなくなる。それだけやはり経済の運営というのは日々日々その時点でしっかりと対応していかなければいけないものであるという教訓であろうかと思います。
 非常に大きな問題で、とても短時間で言い尽くせたとは思っておりませんが、そのような基本的な問題意識を持っているところでございます。

山根隆治君
 ありがとうございました。
 このことで議論をするつもりなくて、お伺いして、そこから次に法案の内容について進もうと思ったんですが、ちょっとお二人のお話の中で、やはり私の意識としては少し物足りなかったところがありますので、それをあえて、あえて言われなかったのかも分かりませんけれども、だれが、なぜというところが少し触れられていなかったような気がいたします。

 様々な見方、いろいろな情報がありますので、何をもって真実かというのは分からないんですけれども、これは日本がバブル景気というものを作らされたと。逆に、日本、今のお話、内政的なお話なわけで、実際には、やっぱり国際経済戦略、金融戦略の中に私巻き込まれて、その戦略に負けたというふうな見方も指摘をされるわけで、そうした部分でのお話が、なぜ、だれがというのはなかったんですが、それについてあえて触れなかったのか、あるいは新しく何か御答弁あれば聞かせていただきます、その部分だけでも。

国務大臣(谷垣禎一君)
 いろいろ国際、当時のあれだけのプラザ合意とか大きなことがあったわけでございますから、一挙に、二百幾らから一挙に百円台に入っていく、それがどんどん続いて七十九円まで行ったこともございますが、それだけ大きな為替の変化というのは、これは当然日本経済に大きな変化を来さざるを得ない。

 これが今委員のおっしゃった、だれが、どう意図してということは、ちょっと私の知り得たといいますか、私が認識している範囲ではなかなかその委員の問題、どういう問題意識をお持ちかということもよく分かりませんが、十分お答えできるようなものはございません。

 ただ、あの大きな為替の変動に対応していくのは大変なことであったと思いますし、その何というんでしょうか、ショックというものも吸収する過程で、やはり十分コントロールできないことが起こってきたんだなというふうに現在は認識しております。

国務大臣(竹中平蔵君)
 山根委員の御指摘は、恐らく八〇年代の後半によく言われた国際協調、政策協調ですね、政策協調というのは、元をたどれば恐らく、一九八〇年代のレーガノミックスでアメリカの不均衡が拡大したと。その双子の赤字を解消させる努力、アメリカも必要だけれども国際的にも協調しなければいけない。日本及びヨーロッパの国々はできるだけ内需を拡大して、場合によっては財政を使って内需を拡大して、同時に金融を緩和するという政策について合意があった。そういう側面は一つの流れとしてはあったんだと思います。

 この場合は、しかしだれがということになるとなかなか難しくて、正に協調という側面があったということと、それは一九八五年のプラザ合意、八七年のルーブル合意、その辺りまでは非常にそういう側面もあったかと思いますが、八〇年代の終盤、バブルが本格化したときにどのような国際的な議論がなされたということについては、これはまたいろんな御意見があるところなのではないかと思います。側面としては、国際的な側面も委員御指摘のとおりにあったということは否定できないと思います。

山根隆治君
 これ以上議論するつもりございませんが、大変まとめてお話をいただきまして、ありがとうございました。

 なぜこういうふうなことを議論しないのに聞いたかというと、やはり議事録にしっかりと残しておきたいというふうな思いがありましたので、今この時点での担当大臣の見解はこうだったということが後世に明らかにしておきたいというふうな思いで実はこういう質問をさせていただきました。

 第二次大戦、日米戦争終わって吉田内閣のときに、吉田総理が、なぜ日米戦争まで突き進んだのか、日本が戦争に突き進んでいったのかということを当時の若手外務官僚の人たちに研究調査しろ、検証しろという指示を実は出されたわけでございまして、それが外交文書、二〇〇三年に外務省の方で開示された、公表されたということが実はございました。

 お役所の方々、官僚の皆さんはやはり無謬ということがいつも前提となっているから過去の過ちというものをなかなか認めない、あるいはそれを内部批判するということはまずないということがあるんですけれども、しかしこうしたバブルの問題であると、経済で言えばバブルの問題、それから第二次大戦に参入していってしまった、そういうことというのはもうとてつもない大きな出来事でありましたから、これはもうしっかりと歴史的にやはり検証をしていくという作業が私は非常に大事だろうというふうに思っているわけでございます。

 吉田総理の場合には、強力な個性、指導力で当時不安に思っていた若手官僚のしりをたたいて、それぞれどんな意見でもいいから、どんな調査でもいいからということを、思う存分調査させて、それを当時は公表されなかったけれども、まとめられたというのは、非常に今読んでも意味のある、内容のあるものになっているわけで、是非大臣も、当時の責任者ということではございませんけれども、このバブルというのは一体何だったかというのを国際的な環境の中で、特にプラザ合意というのが非常に大きなターニングポイントになっているわけですから、その辺のところを国際的な視野も含めて若手の官僚の皆さんに私的に研究させて、そして後から本当に歴史に残るような資料として是非残していただきたいと、そういうふうなことを思うわけです。その点について、今しますという答えもお二方できないかも分かりませんけれども、何か考え方あれば。

国務大臣(谷垣禎一君)
 委員からこの御質問をいただくということになって過去の国会の議事録を調べてみますと、宮澤大蔵大臣が、これはいつでしたか、平成十年にお答えをされている。やはりこのプラザ合意の後の過程から話されて、当時プラザ合意、その後の、そのプラザ合意のときは竹下大蔵大臣でしたが、その後大蔵大臣になりまして、非常に苦闘された、反省を込めて答弁をしておられる議事録を拝見いたしました。

 私どもも、やはりそういう過去のやってきた行政、政策、こういうものは今後も十分研究していかなきゃならないと思っておりますし、特にアメリカのグリーンスパンさんが大変日本のこのバブル、それからバブル崩壊の過程を詳しく研究をされたと伺っております。それで、現在のアメリカの政策、金融政策の運営にも日本のことを念頭に置いていろいろ考えておられるということを伺っておりまして、アメリカでそういうことをなさっているなら我々も当然自分たちの過去の行動を検証しなきゃならぬと、こういうふうに私は考えております。

山根隆治君
 少しこのことで時間を取り過ぎましたけれども、本来これは、こうした長期的な国家戦略等はこの本院で、参議院でやはり十分論議してまとめ上げていくというのが参議院の意義にもなるんだろうというふうな思いもありまして、少し触れさせていただきました。

 さて、本法案でございますが、特に所得税の法案、改正案でございますけれども、これの伏線としては税制調査会の答申がありました。私も読ませていただいたんですけれども、この税制調査会の在り方、これは事前に私調べていたということで何か隠し玉が、ネタがあってお伺いするんじゃないんで、伸び伸びと御答弁いただけると思うんですけれども。

 この税制調査会がこういう形でまとめられる、そのまとめ方というのは、素案というのはお役人が作られて、それから委員の方々が直されるということに、手を入れられるというような形で作っていくのか、議論というものを官僚の皆さんがまとめられて、そしてそれを積み上げていくという手法、どのような手法を取っているのか、ちょっと簡単に御説明いただけますか。

政府参考人(大武健一郎君)
 お答えさせていただきます。
 政府税制調査会は本来的には総理の諮問を受けて答申をするという作業ですから、基本的にはその諮問に対して中長期的視点から継続的に審議をしていただいています。例えば、今でも基礎問題小委員会あるいは金融小委員会等々やっていただいているわけです。その場では、じゃ、まとめるときどうかといいますと、こういうものにつきましては出た意見を箇条書にいたしまして、それを委員の方々に言わば加筆といいますか、見ていただいてまとめていくという作業になります。その意味では、諮問が基本にあるものですからある程度議論していただくテーマはこちらが選びますけれども、中身としてはそれぞれの先生方が発言したことを網羅的に書いていただく。ただ、最終的に、今の石先生の代になって特になんですが、いわゆる少数意見というのは別冊にいたしておりまして、まとめるときは主たるものを、その中から多い意見をまとめていくという作業をしていくということでございます。これがいわゆる中期答申の考え方でございます。

 それから、あと年度答申というのは実は期間がかなり限られる中で、特に去年、今回の答申などは、実は先生方の選任が九月以降にありまして、そこから、十月から実質的には議論する。しかも、ある意味では年度答申という意味で十一月中にはまとめるというのが通常ありましたので、非常に限られた時間であります。そういう中では特にテーマを、言ってみれば我々の方からこういう御議論が今出ているからということで御議論いただく部分もありますが、ただ、あくまでもそこは出た議論を箇条、言わば列挙して、そこに人の名前は入れてありませんけれども、それをつないで最終的には石先生がおまとめになっていただく、責任として。で、基礎小委というのを開いて、その中でまとめていくという作業になるのかと存じます。

山根隆治君
 私、その辺の実際の現場というのはよく分からないんですけれども、やはりお役人がしっかり、有能な方ばかりですから、まとめ上げられた間違いないものだというふうに思いますけれども、その税制調査会のメンバーの方も恐らく学者の方は物を書くのにたけておられる方が多いだろうと思います。

 私、昨年、実はある政治団体の主宰するミッションに参加をしまして、その報告書、ヨーロッパ視察したんですけれども、を作り上げるときに一緒に参加、事務局が作るのではなくて、実際に参加した学者が物を書いて、そして私たちがそれをチェックするという作業をしました。そうしますと、やはり今までと全く違った、かなり文面に幅の広さというか、伸びやかさができた報告書になったなというふうに我ながら思っているわけでございますけれども、この税制調査会においてもやはり物を書くことにたけた方たくさんおられるので、そうした手法というものを取った方が逆に本当のその思いというものが表現されるんじゃないかというふうにも思わないではないんですが、この点についてはいかがでしょうか。

政府参考人(大武健一郎君)
 お答えさせていただきます。
 いわゆる最終的な答申というのは、やはり総会メンバー全員の言わば合意を取り付けるたぐいのものでございますので、そういう意味では一人の方だけの意思で書いたものというわけにはなかなか多分いかなくて、全委員の発言録の、ボキボキと我々言葉では言うんですが、それを列挙させていただいて、それをつなげ、加筆、削除していくのは先生方、特に石先生始めとした主要な方がまとめられるということになるんですが、やっぱり発言の言わば記録、そこからやっぱりやりませんと総会としての意思の統一にはならないものですから、そんな形でやらさせていただいて、ただ、各委員会あるいは基礎小委などのようなときは、特に学者の先生はレポートを出されまして、それで御自身の意見を開陳するというような形で進められますから、今言われた意味でいえば、そうしたものも先生方は必ず学会誌とか、そういうのに出されていきますので、ある意味では公表されていくようになるんだろうと存じます。

山根隆治君
 どんな資料を先生方に出すか、そして役人の、事務方の皆さんがどんな発言をして会議をリードするかということによってかなりやっぱり影響を、小さな発言でも大きな影響出るわけですから、その辺のところは十分に、委員の方々が伸び伸びと自分の思いを表現できる、できて一つの形にできるように是非御配慮をその点はいただきたいというところでとどめさせていただきたいというふうに思っております。

 実は、昨日、我が党の大塚議員が谷垣大臣に近いうちに総理になられるかもしれない大臣というふうなお話がございました。ただ、一つだけちょっと条件が大塚さん抜けていたと思うんですけれども、自民党政権が続けばということでございますけれども。

 それはさておきまして、実は私たちも政権をねらっていこうという政党でございます。ほかの党の皆さんからはまだ早いとか、いろんな御批判もあるのはあえて承知した上でお話しさせていただくんですけれども。そして、私たちも各部会があって、毎朝のように八時から勉強会をして、そして政策を積み上げて法案化していくという作業もずっとしてきて、これでもう五年になりますけれども、官僚出身の方もおられるし、私たちも相当努力してやってきています。そういうようなことからして、この所得税法の一部改正する法律案については、これは事務方の作業というのはどれぐらいの人数で、どれぐらいの時間掛けてやるものなんですか、政府の場合には。

政府参考人(大武健一郎君)
 今回おまとめして出させていただいている税制改正法案そのものは実は三百ページ余になっております。これ自体は今先生がお話しになられたようにずっと長い仕事の流れの中でやっておりまして、特に夏以降は、各省庁からの要望を受けて、要望の内容のヒアリング、部内での検討、それから先ほど先生もお話のあった政府税制調査会における審議、それからさらには与党における税制調査会の審議、さらには峰崎先生など会長をしておられる民主党の税調等々、お呼びいただく中で作業を進めてきている。

 その意味で、今、法案そのものということになりますと、これは、近年はあるべき税制に向けてということで、多岐にわたる改正事項、今回の法律も実は九本ぐらい法律が関連しているわけでございますが、そういう意味で非常に多岐になってきて、しかも十四年度に連結納税制度が導入されたこともありまして、非常にボリュームになっております。

 そういう意味で、作業も非常に煩雑になっておりまして、今年の場合ですと、昨年十二月十七日から、本年二月三日に法案自体は出させていただいたんですけれども、その一か月半の間に数十名の職員が今申し上げました三百ページ余の法案作成で日夜やらせていただいている。それから、実はこれだけではありませんで、政令、省令がやはり更にそれを超える分量の言わば審議をさせて作らせていただいている、そういう状況であります。

山根隆治君
 私たちが政権を担ったときの参考のお話に十分聞かせていただきまして、大変ありがとうございました。
それで、この法案によりまして税収の増減というのはどのようなことになりましょうか。

政府参考人(大武健一郎君)
 今回の十六年度税制改正におきます国税収入への影響につきましては、トータルで申しますと、初年度は九十億円の減収、そして平年度では千六百八十億円の減収になるというふうに見込んでおります。ただ、一方で、住宅ローン減税の見直しとか、あるいは欠損金の繰越期間の延長等の減収、他方でやはり年金税制の見直し、企業関係租税特別措置の見直しによる増収という、それぞれ増減があって、トータルとしては今申し上げたような数字になっているということでございます。

山根隆治君
 個人にとっての見方、法人にとっての見方でそれぞれ分かれるところです。これは後ほど議論をさせていただきたいというふうに思います。

 昨日、この本委員会で、大塚議員だったかと思いますけれども、内閣府試算による経済見通し、それから財務省試算による見通し、その問題を取り上げられたわけでございますけれども、やはり、これはなぜなのかと、数字の違いは、ギャップは何なのかという御質問がございまして、それぞれお二方から、大臣から、両大臣からお答えをいただいたわけでございますけれども、しかし、これは国民の側から見ると、非常に政府への不信感というか、信頼度の低落ということをもたらしかねないものだろうというふうに思います。

 ですから、私は、将来的にはやはりこうした見通しというのは政府の責任において一本化して示していくということが極めてやっぱり大事だろうというふうに思うんですけれども、この点についてはいかがでしょうか。

国務大臣(谷垣禎一君)
 昨日も大塚委員の御質問に少し考えてみたいということを申し上げたわけですが、この二つの試算は、そのそれぞれの目的とするところ、位置付けあるいはその前提とか手法にも違いがございますので、私はそれぞれ意味はあるんだろうと思っているわけです。

 それで、私どものやっておりますのは、もうこれ昔から予算委員会の審議のときにお出しするものでございますから、私がこう言うとちょっといかぬのかもしれませんが、どちらかというと、腹の底にあるねらいは、日本の財政はこんなに大変なんだよということを主張するために作られてきたような面が、私、財務省にいないときはそういうものとして受け止めてきたという面がございまして、やっぱりそれなりのそのときの蓄積がありますから、そういう連続性の中で見ていただくという意味はあるんだろうと思います。

 しかし、他方、竹中大臣のところでおやりいただいているものは、やはり一種、どういう政策的努力をなすべきかということを踏まえてモデルを作ってやっていただくわけですから、それはそれでまた別な意味があるというふうに思いますが、ただ、この二つ両方同時にお出ししますと、その違いは何だというようなところにどうしたって議論が行きます。そうすると、より大きなところになかなか議論が行きにくいのかなというような気もしないでもないんです。こう言うと大変失礼ですが、ずっと今年議論伺って、そういう気がしないこともございません。

 したがいまして、我々としてはこの国会の、今度の国会でのいろんな御議論も踏まえてどうするかということは内部で少し議論をしてみたいと、昨日そんなつもりで申し上げました。

山根隆治君
 竹中大臣、いいですか。

国務大臣(竹中平蔵君)
 今、谷垣大臣の御答弁のとおりだと私も思っております。分かりにくいという御批判は確かに、分かりにくいという批判はよく理解できるところでございます。

 同時に、情報量は多ければ多いほどいいという方も中には実はいらっしゃいます。そこはどのように考えていったらいいのか。しかし、やはり同じ場に違う冊子で、違う活字で、違う文体で出てきて、これは紛らわしいなという、その御批判は分かるところだと思います。前提が違うんだからということですけれども、それであるならば、出し方についても、少し前提が、こう置き換えればケースAとケースBでこうなるとか、そういうやり方もあるのかなとか、いろいろ最近ちょっと考え始めておりますので、谷垣大臣とよく御相談をしながら、御批判にできるだけおこたえできる方法を探りたいと思います。

山根隆治君
 今までの積み重ねがあるわけですから、そう一朝一夕に変えるのも大変だというお立場も分かりますけれども、やはりこれは国民の目から見てというのを物差しに是非していただきたいというふうに思います。

 ですから、その前提、計算の前提が何なのか、そしてそのプロセスというものを私は明らかにしながら一本化すると、して提示するということが極めて大事だろうというふうに思います。

 それと、もう一つは民間の知恵というものもやっぱり少し導入すべきだと。つまり、いろんな各界各層の方々から、有識者の方に見ていただいて、それを、場合によっては、どんな形になるかは別として、チェックしていくというふうなことも、やはり見通しについては客観性がより私は深まるというふうに思うんですが、この点についてはいかがですか。

国務大臣(竹中平蔵君
  御指摘は誠に私もそのように思います。内閣府では、見通しということだけではありませんけれども、今の政策、構造改革そのものにつきまして、外部の有識者に評価をしていだたくというシステムを既に持っております。
   〔委員長退席、理事大塚耕平君着席〕
 そうした中に、見通しのような問題、よりいわゆるモニタリングになじむような問題につきましては今後とも積極的に是非御評価をいただけるように工夫をしたいと思います。

山根隆治君
 この点について分かりました。
 竹中大臣がお時間の関係もございますので、少し先を急ぎます。

 今の景気、少し、一月の月例報告の中では少し明かりが見えるというふうな表現だったでしょうか。景気の基調判断は「着実に回復している。」と、こういうふうに表現をされております。
 今現在の日本の景気、どのように竹中大臣見られますか。

国務大臣(竹中平蔵君)
 月例報告で使わさせていただいた表現そのままでございます。それが一番適切な表現だと思っております。「景気は、設備投資と輸出に支えられ、着実な回復を続けている。」、これが基調でございますけれども、先行きについては、世界経済が回復する中で、日本の景気回復が続くと見込まれますけれども、一方で為替レートなどの動きには留意する必要がある。

 より政策的な観点からは、マクロ的に出始めた良い動きをいかにして地域、中小企業、家計、国民生活にいかに浸透させていくことができるか、この点が極めて重要であると思っております。

山根隆治君
 輸出と設備投資に支えられてと。輸出については、アメリカ、中国というのが非常に大きいでしょうし、しかしこの先行きというものがどういうふうに見られるのか。あるいはまた、設備投資についても、この設備投資の範囲というのは減価償却費の中の限界の中での話のように思えるわけですが、この点についていかがですか。

国務大臣(竹中平蔵君)
 先行きについて、御指摘のような点は十分見なければいけないと思っております。アメリカ、中国が大変重要だと、全く同感、私もそのように思います。

 アメリカにつきましては、専門機関の予測の言わば集計値でありますブルーチップ・コンセンサスの調査というのがあって、それによれば、今年も安定して四%ないしは四%を少し上回る成長が続くだろうと。これは専門家の平均値でそのように見られておりますので、基本的にはそのような線を想定しておりますが、引き続き、しかし幾つかの点でしっかりと見ていかなければいけないというふうに思います。

 設備投資については伸び率等々高いわけでございますけれども、御指摘のように、じゃ、それが外部からの資金調達に結び付いているのかというと、基本的には内部留保の中で、キャッシュフローの中でいろんなことをやろうというのは、当然、財務リストラとの観点から続いておりますし、設備投資の中の新規投資と更新投資という観点から見ても、これまで後れていた更新投資に非常に大きなウエートがあって、もちろん新規の拡張投資もありますけれども、そこに非常に積極的に結び付いているということでもない。一部には、外に出た企業をプラントの中に戻そうという前向きの動きも見られておりますので、そういった動きが広がるように是非注視をしていきたいと思っているところです。

山根隆治君
 小泉総理と一緒になって進められております構造改革でございますけれども、この景気の回復と構造改革のかかわりというのは、具体的にはどのような産業の分野、あるいはどのようなかかわりの中で構造改革の成果があったというふうに思われるのか。あるいは、いや、私はそんなこと言っていません、構造改革の成果はこれからですということなんでしょうか。

国務大臣(竹中平蔵君)
 国会の冒頭の経済演説の中でも、私自身の考え方、少し申し述べさせていただいておりますけれども、もちろん、経済が良くなるというのは民間の経済活動が活発化することでありますから、民間がしっかりと経営強化をされて、経営改革をした成果であるというのが基本でございます。しかし、その上で、政府はやはりそうした政策環境を作るということに責任がありますし、そうした面で、今少しずつでありますけれども、果たせつつある点はあると考えております。

 第一に申し上げたいのは、やはり不良債権の処理が着実に進んでいて、不良債権残高が十四年三月期に比べて十五年九月期は三五%減少した。そういったもろもろのことも反映して、この三月期には金融危機というような言葉もマスコミのヘッドラインから消えて、金融の土壌、基盤がやはり以前に比べればしっかりしてきたというのは、経済活動全体を支え、さらには心理的な状況を改善する大きな要因になっているんであろうというふうに考えております。

 さらに、企業再編関係の法制の整備というのが、この間、非常に進んだと思っております。企業がしっかりとしていると申し上げましたけれども、例えば日本の場合、なかなか日本ではなじまないと言われていたMアンドAがこの五年間で二・五倍に増加をしております。そして、MアンドAを行った企業の収益率がそうでない企業に比べて圧倒的に高いと、そういうところが引っ張っているという事実がございます。こうしたことの背景には、企業の様々な制度、これは連結納税もそうでありますし、持ち株会社の制度等々もそうでありますし、様々な企業再生の仕組みもそうでありますけれども、そういうところがじわじわと効いてきているのではないだろうかと考えております。

 あと、減税等々、規制改革、特区等々、申し上げたいことございますけれども、基本的にはそういう点が効果を現し始めているのではないだろうか、その意味では芽が出つつあるのではないだろうかという認識を持って、これを更に拡大していきたいと思っているところでございます。

山根隆治君
 大企業、不良債権処理によって、それを克服して収益を上げてきて、非常に明るい見通しが出ていますけれども、逆に言うと、不良債権処理によって建設業であるとかサービス業であるとかというのは淘汰がどんどんされていって、それが非常に末端に経済の回復感というのがなくて、絶望的なまだ状況が一つあるということがあります。
   〔理事大塚耕平君退席、委員長着席〕
 それからもう一つは、企業がどうやって立ち直ってきたかというと、労働者の、やはり勤労者の犠牲の上、つまり、いろんな統計もございますけれども、リストラの効果ということで収益を上げているという実態があるわけですね。

 あるいは、地方ということを見てみますと、もう地方でも非常に疲弊をしているところが圧倒的に多いわけでございますけれども、これも、ある意味では公共投資というものが打ち切られたり、極端な打切りというふうなことになって疲弊しているというふうな状況等が一方であるわけですけれども、これらについてどういうふうに見られるか、そしてその改善策というのはどのようにこれから更に取られようとするのでしょうか。

国務大臣(竹中平蔵君)
 委員御指摘の点は、どれも大変重要な問題だと思います。構造改革を進めなければいけない、不良債権を処理を進めなければいけないというのは、これは民主党も大変強いそういう御方針だと思いますが、その中でのショックというものを吸収していけるようなしっかりとしたシステムを作っていかなければいけないと思います。

 建設業に言及されましたけれども、基本的にはセーフティーネットの融資、セーフティーネットの保証等々の、正に基盤の安全網をしっかりと整備していくというのが政策上の重要な対応であります。同時に、建設業、農業というのはこれまでの地方を支えてきた基幹産業でありますので、地域再生本部の中でこの地方の基幹産業の再生強化というのを非常に大きな目標に掲げて諸施策を実施しているところでございます。

 地域については、さらには、いわゆる行政サービスをアウトソーシングする、観光に象徴されるような新規の産業をしっかりと個性に合わせて起こしていただく、そのための仕組みも今一生懸命整備をしているところであります。
 リストラの問題もお触れになられました。この問題は大変難しい問題だと思います。企業は、リストラをしないと企業そのものが生き残れないという状況がありますので、場合によってはやはりリストラもして、企業の基盤をしっかりさせることが雇用基盤をしっかりと守ることにもつながる。幸いにしてといいますか、今年の春闘の中で、今までそうしたことを、努力を続けてきた企業が今度はしっかりとボーナス、これはまあ一時金であるからどうのこうのという御批判もあるかもしれませんが、それを労働者に還元するという動きがはっきりと出てまいりました。やはり企業はしっかりと稼いで、しっかりと給料を支払うというのが重要なことだと思いますので、そういう動きを是非伸ばしていっていただきたい、そういう環境を整備したいというふうに考えております。

山根隆治君
 大臣、お時間が迫ってきましたんで、これ最後に、竹中大臣への質問は最後になるかと思いますけれども、あるべき税制ということで、法人を優遇して、そして個人に負担が行っているという、そういう答申であり、実際に今年度の提案されている予算、そしてこの法案の中でも個人に重くのし掛かっているという部分があろうかと思います。この法案の中でも、初年度では三百五十億円の負担、そして平年度では百五十億円の負担、重圧というものが個人にかぶせられてきているということでございます。それは当面のこととしてそういうことが言えるわけですが、一番国民が、国民、ある種の決意というか、覚悟というのはずっと持ってきているんですけれども、一番やはり不満なのは、将来がどうも見えてこないということだろうと思います。税制についても個人の負担というのはどこまでおっかぶせられるんだろうかという、そうした不安が非常にあるわけでございまして、その点について、竹中大臣は個人負担の将来像ということについてはどのようにお考えになりますか。

国務大臣(竹中平蔵君)
 個人の、具体的には家計に対して大きな税負担を課すことによって、それが家計の心理を更に押し下げて、経済に悪い影響を与えるのではないだろうか、そうした問題に対しては常に、常に注意を払わなければいけない問題だと思っております。我々内閣府としては、そうしたことが生じないように、正に先ほどの、将来にわたって政策の前提をある程度置いた上で、それが家計が耐えられるのかと、日本経済全体がそれを負担できるのかということをシミュレーションをして、確認をしていっているわけでございます。

 明確な数字的な、将来にわたっての数字的なことを税についてのみ申し上げるのはなかなか難しいのでございますけれども、例えば十六年度における影響に関して言いますと、これは配偶者の特別控除、上乗せ分の廃止は、規模でいうと多分、これ大きくて〇・五兆円ぐらいなのだと思います。そうしたことを足し合わせて、五百兆円のGDPに対するインパクトというのをモデルを含めて試算しているわけでございますけれども、これはGDPに対する影響は恐らく〇・一%、〇・二%。これは確かに家計に対して負担を求めるものではございますけれども、そのことによって経済が大きなダメージを受けるということは避けることができるであろうと。しかし、何らかの形でこれだけ膨れ上がった赤字を減らすという意味では、経済に対して少し、歳出の削減なのか、それか、負担なのかという形で御負担をいただいて減らさざるを得ませんので、先ほどのバブルのときにもございましたけれども、できるだけその均衡から大きく離れないような努力を積み重ねていかなければいけないと。そのような一環として今回の税制についてもトータルなプランが出されているというふうに認識をしております。

山根隆治君
 竹中大臣については私の方からはこれ結構なので、委員長の方でお取り扱いください。

委員長(平野貞夫君)
 どうぞ。

山根隆治君
 それでは同じ質問、谷垣大臣にさせていただきます。個人負担の。

国務大臣(谷垣禎一君)
 昨日も峰崎委員の御議論の中にあったと思いますが、ジニ係数等がだんだん大きくなってきているではないかという御指摘がありました。
 私どもはやっぱりその格差が開いていくというようなことも常によく見ていかなきゃいけないと、これはもう竹中大臣がおっしゃったとおりだと思いますけれども、やはり、昨日も申しましたけれども、国際的に比較をいたしますと、日本はまだまだそういう意味でのジニ係数も低い中に入りますし、トップの所得を得ておられる方と下位の所得を得ておられる方の格差という面でも、昨日は何か五百三十一倍と、ちょっと数字ははっきり記憶しておりませんが、そういうような格差があるというようなお話もありましたけれども、日本はそういう状況にはまだ至っていないし、それがまた日本に適するとも私は思いません。

 そこで、今年、この数年の税制改正をとらえて、企業にはいろんな配慮があるけれども、個人、家計にはある意味で圧迫のあるような形を取っているのではないかという御趣旨だったと思いますが、まず、これも委員会の議論の中で繰り返し申し上げたことでございますけれども、累次にわたって減税を実施してまいりまして、個人所得課税の税負担水準というのは主要国と比べた場合極めて低い水準にあるということはまず申し上げなければならないことだと思います。

 それから、こうした中で、近年においても個人を対象とする減税措置を講じて持続的な経済社会の活性化を図ろうということで、十五年改正でも、世代間の資産移転の円滑化ということが消費や投資等の活性化に資するのではないかということで、相続税、贈与税の一体化とか税率の引下げをやりましたし、貯蓄から投資への後押しをするということで金融・証券税制の軽減、簡素化等を行いました。

 それから、十六年度改正におきましては、景気動向と住宅政策、両方を見ながら、計画的な持家取得はやはり支援する必要があるということで住宅ローン減税を見直した上で延長するということをしておりますし、土地活性化ということも考えまして、土地譲渡益課税の税率を引き下げると。そのほか、身近な投資商品を更に利用しやすくするというようなこと、いろいろ手掛けてきているわけでございます。

 今後の課題といたしましては、大きな課題といたしましては、所得税なども、やはり基幹税の持っている役割というのは、やはり所得再分配という役割が大きいと思いますが、いろいろな課税ベースが小さくなっていったりなんかしている中でなかなかそういった、本来、税が果たすべき役割がどうかという議論がございます。そういう辺りをやっぱり十分に見ながら、委員の問題意識にもきちっとお答えできるような議論を積み重ねていく必要があると思っております。

山根隆治君
 せっかくの御答弁でございますが、やはり国民の感覚としては、酒税が上がって、たばこ税が上がって、配偶者特別控除の上乗せ部分も廃止になったりということで、これらはすべて恒久的に増税される部分がどんどんメジロ押しになってくるんじゃないかと、そういう非常に不安が今あるわけでございまして、いろいろとるる今御答弁いただきましたけれども、是非、そうした不安感を払拭していただけるような税制というものを是非お考えをいただきたいというふうに思っております。

 通告外でございますけれども、その税制の、三年ごとに税調、税制調査会のメンバーの方々は替わる。そして、それぞれ答申を得て、当面の年度の、当該年度の予算にそれを反映していくというふうなことをずっと繰り返してきておられるわけでございまして、やはり日本の社会構造がこれだけ激変をしている中で本当の税制というのはどういうふうにあるべきかというのは、今年度の答申も少し読まさせていただきましたけれども、もっとやっぱり根本的なところを、メスが入り切っていないというふうな感を否めないわけでございまして、これはもう三年ごとにメンバーが替わるという、そのメンバーの方々ではなくて、日本のやはり税制そのものを抜本的にどう変えていくのか、時代に合ったものにしていくのかというのをもっと本格的なやはり論議を深く広くして、そしてこれからの日本の税制というものを新たな形にすべきだと思うんですが、この点についてはいかがですか。

国務大臣(谷垣禎一君)
 現在の政府税調ですが、去年十月の総理からの諮問を踏まえまして、あるべき税制と言っておりますが、今、正に委員がおっしゃったように、我が国の経済社会の変化や、それから我々の就業や暮らしの在り方、こういうような変化を踏まえてどうあるべきかということを議論していただこうということで、私も、一月十六日に政府税調総会がございましたんですが、与党税制改正大綱を踏まえて、個人所得課税とかあるいは消費税を中心にあるべき税制の具体化に向けた審議をお願いいたしまして、かなりこれは、表面的なことだけで議論をしてはやはりいかぬのだと思います。

 先ほどちょっと申しましたが、生活の在り方、就業の在り方、産業の在り方、そういうものを踏まえた根本的な議論をしていただくようにお願いしたところでございますので、是非、今後も政府税調の議論も私も見守り、時によっては参加しと、是非委員のおっしゃったような方向で深い議論をしていただきたいと、こう思っているわけでございます。

山根隆治君
 是非お願いしたいと思います。もうびほう策ではどうにもならないところに来ているわけですから、税制そのものの骨格、スケルトンそのものをやっぱり変えていくというところにももう来ているというふうに思います。それは、もう雇用の形態も変わってきたし、教育も大きく曲がり角に立っていますし、もう本当に夫婦の間から、間というか、そういうことももういろいろとかかわってきますけれども、すべてがもう変化しているわけです。それに対応したやっぱり税制というのも骨組みからやっぱり変えていくという覚悟で是非御努力をいただきたいというふうに思います。

 それから、先ほど大臣の方からお話ございました所得格差の問題について、昨日も御議論が当委員会でもございました。改めて、この実態というのをどのように御認識になっていらっしゃいますか。

国務大臣(谷垣禎一君)
 昨日はジニ係数ということで議論になったわけですが、まだこういうものを見ましても諸外国に比べて相対的に低い、先進国に比べて相対的にその差は低いというふうに考えておりますし、先ほども申しましたように、所得水準の最上位グループと最下位グループを比較してみても、その差はまだまだ小さいのではないかというふうに考えておりますが、よく注意をして見ていきたいという気持ちも併せて持っております。

山根隆治君
 低いといっても、今現在というか、どの時点かによっても時々刻々もう変わっているという状況がありますよね。三千万の所得の方々、かなり増えてきているし、そして低所得に落ち込んでいる人たちもかなり出てくる。つまり、雇用状況によってもう非常に、今流動性が非常に高くなっているわけでして、この格差というのは大変な広がりがあるんで、外国に比べてそうでもないという何年も前の資料を見ても、これはもう仕方がないと思うんですね。

 これ、私が持っているのは二〇〇〇年まででございますけれども、これでも、日本もやはりスウェーデンやベルギーやドイツよりも上に行っていますし、もっと格差のあるところでは、アメリカ、オーストラリア、フランス、カナダというところがありますけれども、全世界がここに出ているわけじゃないし、統計がそこまで取れる国は全部じゃないですけれども、先進国の中でも日本がかなりこの格差というのは広がってきている、こういう認識をちょっと持っていただかないと、私はちょっと大変なことになるんだろうということをあえて御指摘をさせていただきたいと思います。

 今お持ちの資料で、日本がまだまだ大丈夫だという根拠は何ですか。

国務大臣(谷垣禎一君)
 これは所得のジニ係数の国際比較、私の今手元にございますのはOECDが二〇〇二年に作ったペーパーでございますけれども、これはもっとも九〇年代の、八〇年代、九〇年代という比較の資料でございますので、委員のおっしゃるように、ちょっと最近のフォローをしないといけないと思っておりますが、それを見ますと、日本が、九〇年代、〇・二六〇、フランスが〇・二七八、ドイツが〇・二八二、イギリスが〇・三二四、アメリカが〇・三四四というふうになってきているという資料が手元にございます。

山根隆治君
 やっぱりさすが政府ですね。私、二〇〇〇年までのしか持っていなかったので、二年間新しいので。

 しかし、もっと非常に流動性が高いということは是非御認識いただいて、この日本という国のありようというのが、今までは中流意識を皆持って、そして所得もかなり平均化していた時代がずっと長く続いてきたわけですね。その所得の格差というのがかなり出てきた。これは是認されるわけでしょうか。これからの国づくりということを大臣というお立場で考えたときに、これを是認していくのか、ほっておかれるのか、それとも所得の均衡ということをやっぱり考えて施策としていくのか、この辺の判断はどうなんですか。

国務大臣(谷垣禎一君)
 これは、特に税制で考えますと、いろんな税制の機能に着目して考えなきゃいけないので一概に言うことはできないと思うんですが、先ほど竹中大臣の景気の見方の御答弁、私は共感するところが多いんですが、私の言葉で申しますと、トップランナーはかなりのスピードで走ることができるようになってきたと。それで、トップランナーがある程度のスピードで走ってもらわないと日本の元気も出てこないんだと思いますが、もちろんトップランナーばかりになれば、それはそんな有り難いことはありませんが、そうでないものですから、二周、周回遅れの方なんかはなかなかスピードが出ないような状況がありまして、それを全員がすぐトップランナーにというわけにはいきませんけれども、何とかそれが遅れないようにしていくという工夫はいろんなところでしなければいけない、こう思っております。

山根隆治君
 抽象論としてはそういうことで分かりますけれども、具体的な数値的な目標というか、日本の社会はこうあるべきだということで、ジニ係数はこのぐらいにすべきだというふうな目標設定というのはできないんですか。そういうふうな哲学はお持ちじゃないんですか。

国務大臣(谷垣禎一君)
 ジニ係数という形で具体的に今持っているわけではありませんけれども、例えば税で申し上げれば、あるべき税制という中で、先ほども申しましたように、就業の在り方とか、そういうものも、それから例えば昨日も相続税で若干議論をさせていただきましたけれども、フロー重視の社会からストック重視の社会に移っていくと、どういうことを例えば相続税でも考えて、そこにどの程度所得の再分配の機能を持たせるかというようなことは、そういう社会の変化を見据えて議論をしていかなきゃいけないと思っております。

山根隆治君
 少しジグザグした議論になると思うんですけれども、やはり中高年それから若年の世代の人たちにもろにこの日本の経済状況というのはしわ寄せが行っているということが一つ言えると思いますね。

 それは、若い方々の就職率の低下、フリーターが今四百十七万でしたかね、おられる。そして、中高年の方々も、今までですと大企業と零細中小企業との差ということで社会的な背景としては説明できたんですけれども、今、もうもっと複雑になっていて、そうしたことではなくて、やっぱり地方と都市という問題もありますし、それから年齢的な部分で説明がむしろ付くようになってきている。つまり、リストラに遭ったとか、それから出向扱いになるとか、そうした雇用の形態がもろに起きてきて、これはもう大企業、中小企業問わずそういうふうなことが起きてきて、そこで所得の格差というものが大きく広がっているというふうな実態が実はあるわけでございまして、これをどういうふうに考えていったらいいのか。

 この日本の税制そのものもそうですけれども、どんどんどんどん、一千四百兆ある個人資産というものをどう活用していくかというふうなことが一つあるかと思いますけれども、この資産もどんどんどんどん目減りしていっているという状態ですね。

 フリーターの方のちょっと資料として持っていますけれども、なかなか社員になりたくてもなれないという方が七割ぐらいおられるということではございますけれども、例えば一九九八年に大学を卒業した人が正社員になっていないということになりますと、生涯賃金というのは約二億九千万という数字が出ていますけれども、これが既にもう千六百万円稼げなかった、こういうことになるわけです。このことは貯蓄形成ということでも非常に大きな影響というのを私は起こす。これは日本にとって、これからの経済の運営にとってもう本当に喫緊に解決しなくちゃいけない問題だというふうなことになるわけでございまして、その辺の是非御認識をいただきたいというふうに思っております。

 フリーターが正社員になれないで生じる所得損失額というのは年間十二兆円になるというふうな計算もあるわけでして、こうした状況というものをもうほっておけないような部分がありますので、税収ということからしても少し考えていただきたいと思いますが、この点についての御見解、担当大臣ということじゃないですけれども、税ということから考えて、御感想聞かせてください。

国務大臣(谷垣禎一君)
 今おっしゃったようなことは、税収の面でも、例えば源泉徴収で入ってくる税収が思うように伸びないというようなところに現れてきているのではないかというふうに思いますので、直接その税だけで今のフリーターの問題なんかは解決できるわけではありませんけれども、私どもとしても大きな関心を持たざるを得ないことだろうと思います。

 これは厚生労働省の方でもいろんな形で考えていただいておりますけれども、雇用者、雇用する側のいろいろな制度の問題もあろうかと思いますが、雇用される側の方もいろいろな、教育あるいは意識の改革、いろんなことを考えていただかなければいけないのではないかというふうに思います。

山根隆治君
 文部科学省の関係、教育の問題について少し触れさせていただきたいと思います。
 こうした所得の格差というのが教育に与えている影響というのは非常に大きなものが今あろうかと思います。学歴社会というものがいけないんだというふうな御議論もありますけれども、しかし、実際には就職等では、履歴書等ではその学歴、最終学歴というものを書かなくてはいけない。前の遠山文部大臣のとき、私、文部科学委員会で最終学歴という言葉をなくしたらどうか、直近学歴にした方が生涯教育というのに貢献するんじゃないかという議論もいたしましたけれども、いずれにしても、そうした項目がある以上、だれしもが、九割が今高校には行っていますけれども、大学に行かせたいという思いが親としてはあろうかと思います。

 教育費の負担というのが、これは一気に低所得者の家庭にしわ寄せが比率的に行くというふうな実態があります。
 ある統計によりますと、小学校三、四年生のときの成績というのが大学までずっと実はつながっているんだという、そういう統計があるという話を聞きました。これは秘書からの話なんで余り信憑性がないんですけれども。そういうことを言っちゃいけませんね、秘書も聞いていますから。そういうことを私は真実そうかなと思って聞いているんですけれども。

 それと、もう一つの統計では、皆さんも東京大学出られた方多いと思いますけれども、東京大学に入学する子供を持つ親の家庭というのは、平均の収入よりも年収にして五百万円多いと。これは民間の調査機関での統計でございます。そういうことがある。依然としてそういうふうな状態が続いていて、学校教育だけではもうにっちもさっちもいかない。塾に行かす、習い事をさせる、そういうことで、教育費を捻出をしていかなくてはいけない、こういう状態がございます。
 文部科学省として、財務省としては、その税制の面でどう、こうした不公平というか、憂慮すべき事態というのを税制面でどう考えるかということになりますけれども、文部科学省としては私の言った認識には同意をされるかどうか、そしてこの事態というのをどういうふうに考えるか、見解をまず文部科学省の方からお聞かせください。──私の方でちょっと事務的なミスをいたしました。
 それでは、谷垣大臣から。

副大臣(石井啓一君)
 教育費負担が極めて重たいと、これに対する税制上の措置は講じられないかということかと存じます。
 私は文部科学省ではございませんけれども、今は、この教育の支援あるいは子育て支援というのは、例えば奨学金の拡充ですとか、あるいは児童手当の拡充ですとか、そういう歳出面での支援というのがここ数年は充実をしてきていると思います。

 その一方で、じゃ、税制上の措置はどうかということでございますけれども、教育費も生活費の一部でございますので、それを、教育費だけを取り上げて税制上の支援をやることはそもそもいかがなものかというのもございますし、また、その所得の格差が開いているということでございますけれども、税制上の支援ということになりますと、むしろ所得の高い方の方がより大きな支援を得られる、こういう面もございますんで、いかがなものかという指摘もございます。
 そういった面考えますと、税制上の支援はむしろ適当ではないんじゃないかなと、こういうふうに考えております。

山根隆治君
 私も質問をしながら考えながら、税ということで考えた場合には非常に難しさがあるかなというふうな思いも実はいたしました。逆にもっと格差が広がるという、単純に取り扱うとそういうところもあるのかなというふうな思いも実はいたしました。

 しかし、逆に、じゃ、塾であるとか事業者に対してのやっぱり税の措置ということでも考えられるわけでございまして、その辺のところは少し複雑な措置になろうかと思いますけれども、少し研究していただく余地はあろうかと思いますので、是非その点については研究を深めていただきたいということを、この点についてはお願いをいたしておきたいというふうに思います。

 文部科学省がおられれば、そういった手当て的なところ、補助とか、そういうような形で支援をするということは可能かなというふうに思っておりましたけれども、今日は財務省ということでございますからそこにはちょっと触れ切れませんけれども、そんな思いがあるということは是非御理解をいただきまして、今後、研究ということで検討ということを是非お願いしたいと思いますけれども、それも駄目ですか。

副大臣(石井啓一君)
 例えば人的控除ということがあり得るわけですけれども、これは政府税調の昨年の七月の中期答申の中でも、少子化の進展に対し、社会保障制度との関連にも配慮しながら、次世代の担い手である子供の扶養へ配慮することも考慮すべきであると、こんな御指摘もございまして、今後、財務省としましても個人所得課税の抜本的な見直しの中で議論をしていきたいと、こういうふうに考えております。

山根隆治君
 分かりました。是非お願いいたします。
 少し前後いたしますけれども、雇用の問題にもう一度戻らせていただきたい。雇用関係の問題でございますけれども。

 アメリカではジョブロス・リカバリーという言葉がはやっております。日本でこうした雇用減少の回復という訳に一応なっていますけれども、こうしたこと、景気が回復今しつつある、竹中さん、私と見解違いますけれども、景気が回復するとして、雇用というものに直結していかないんじゃないかという思いがしてなりません。

 つまり、雇用形態がもう変わってきていますから、フリーター、それから派遣会社からの人を雇うショックアブソーバーということをもう超えて、最初からそういう雇用形態というものを望む企業が多いという中では、景気が回復しても、それが本当に雇用に直結するかというのが非常に不安があるわけでございますけれども、この点についての考え方について、直接の担当ということには少し外れるかも分かりませんけれども、税収ということの意識の中で大臣の方からお答えいただけますか。これ、大臣でしたかね。

政府参考人(大武健一郎君)
 今、先生が認識されました実は雇用の問題というか、あるいは家族の在り方とか、正に今政府税調の基礎問題小委員会の中で専門家の方あるいは実務家の方を入れて勉強させていただいています。確かに、先生が言われますように、非常な勢いでフリーター化、あるいはどちらかというと、何というんでしょうか、一人親方というか、本来従業員である方を委託契約で言ってみれば個人事業者にしちゃうというような形も広がってきているようでございます。

 そういう意味で、先ほど大臣が答弁されましたとおり、いわゆる我々の世界でいうと、源泉所得税が徐々に崩壊している部分があるんじゃないかという思いもございまして、この辺りどうしていくかという思いがございます。
 そういう、言ってみれば雇用というものについての勉強をしておりまして、ただ、一つには、専門家の方々の御意見ですと、事業主の方の要望だけでない部分がある。すなわち、企業自体が永続というか、右肩上がりが望めなくなってきている。自分の人生設計が立たないものですから、むしろ、学生の側からむしろフリーターを望むというような形態も実はかなり見られてきておりまして、そういう意味では、どういう、言わば働くということについてのトレーニングとそれから期待、そういうものを作るか、そういうのをむしろ基礎的なところも勉強させていただいて、税で受けるとすればそれはどういうことができるかと、正に今勉強させていただいている状況でございます。

山根隆治君
 厚生労働省、おいでいただいていますので、この辺のところについて見解聞かせていただけますか。

政府参考人(青木豊君)
 お話ありましたように、アメリカでは、景気回復しても、ジョブレス・リカバリーとか、あるいは果てはジョブロス・リカバリーではないかというようなことも言われておりますけれども、私ども、労働という面から、こういったフリーターを始めとしますいわゆる非正規雇用の人たち、今答弁にもありましたように、パート、アルバイトだけでなく、派遣労働者あるいは今出てまいりましたような企業内の請負というようなこともどんどん出てきておりますけれども、そういった人たちについて、やはり大変急増しておりますので、正面からとらえていろんな対策を打っていかなければいけないだろうと思っております。

 とりわけフリーターにつきましては、四百十七万人というお話もありましたが、私どもは若干定義が違いますので二百九万人という数でとらえておりますけれども、若い人たちがパート、アルバイトを中心として仕事を選び、現実にしているということでありますけれども、こういった傾向は、一つには働き方に対する価値観が多様化しているということもございますし、また社会、経済社会を取り巻く環境というものも随分変化してまいりましたので、労使サイド、両方のサイドから多様な働き方を求めるニーズがあるということが一つあるだろうと思いますし、一方で、そういった状態がどんどんどんどん進んでまいりましてフリーターと言われるような人たちが非常に多くなってまいりますと、それは、フリーターと言われる御本人にとっても、当面する所得も含め、あるいは将来においても技能等々が蓄積されなかったりする、それから将来に対するそういう意味での安定した雇用の場を期待しにくいというようなことがありますので、大変深刻な問題ということで考えております。

 私どもとしては、そういった多様な働き方を求めるニーズというものがありますので、こういったことに対する環境整備を一方でいたしますと同時に、こういったフリーターと言われるような人たちが着実に安定した雇用の場が欲しいというような人たちが多いわけでございますので、そういったことに向けて少し努力をしなくちゃいけないということで考えていまして、例えば教育段階から職場につながるような、各段階において一貫して意識の啓発等でありますとか教育でありますとか、そういったことを進めていこうということであります。

 特に、とりわけコンサルティングなどを綿密にしまして、個別の対応というものもきちんとしていこうというふうに思っておりますし、そういう意味では、各都道府県において地域におきます自治体や産業界や労働界、教育界、こういったものも総合的に少し協力してやってもらおうということで政策を進めておりますし、あるいはまた実際に働く場を経験してもらうということも極めて意識の改革といいますか、意識の向上には大変役立つことであろうと思っていますし、そういうことでトライアル雇用といいますか、事業主の方にも御協力を願いまして、そういったトライアル雇用をいたしましたり、あるいは教育についても、能力開発につきましても企業で働くことを少し取り入れて、両面から一遍にやれるような施策も講じていきたいということで現在進めているところでございます。

山根隆治君
 事実の把握なんですけれども、フリーターの方、私の持っている資料だと四百十七万で今二百何万と、その規定の仕方によって随分違っているなと思います。

 いずれにしても、そういう傾向があるわけでございますけれども、そうした方々はフリーターであることを望んでいる方もおられるし、本当は正規の社員として雇用されたいというふうに思っておられる方が多いのか、この辺のところが、どうもいろいろな数字が世の中に出ていて、少しどういうふうな認識を持っていいのか分からないんですけれども、厚生労働省としてはどのように把握されていますか、そうしたフリーターの方の意識というのは。

政府参考人(青木豊君)
 ちょっと今手元に資料がありませんけれども、やむを得ずフリーターを選んでいるという方もございますし、ちょっと、二〇〇一年の意識調査でありますけれども、いわゆるモラトリアム型ということで、ちょっとしばらくの間フリーターをやってみようかということだと思いますが、自分に合う仕事を見付けるためにフリーターをやっているとか、あるいは何となくやっているんだというような方が四七%でございます。それから、正社員の場がなかったということでやむを得ずフリーターをやっているという、やむを得ず型というふうに言っていますが、これが三九%ということであります。そのほか、仕事以外にしたいことがあるということで、当面今それをやるためにいろんなところで経験を積んだり、あるいはそういう仕事が現に出てくるまで別途自分で勉強しながら取りあえずフリーターをやっているというような、夢追求型と言っていますけれども、これが一四%ということであろうかと思います。

 そういう意味では、こういった人たちは言わば三つに分けて考えているということでございます。

山根隆治君
 非常に微妙な数字ですね。
 しかし、本当に年齢が重なってくればフリーターであることのやっぱり不安とか、それから結婚ということを前にしてくるとそれが、フリーターであることが障害になるというふうなことが当然予測されるわけでございまして、その辺をある程度、実態そうだからといってそのまま実態に即した社会づくりをするということもちょっといかがなものかなというふうな思いがいたすわけでございます。やはり雇用の場というものをどう提供していくかということも国として考えなくてはいけない。

 そうすれば、当然、経済産業省おられると思いますけれども、お伺いしたいんですけれども、事業所の海外に移転するというふうな問題、最近はどういうふうになっているのか。Uターン現象も若干出てきているというふうな話も聞きますけれども、その実態がどういうふうになっているのか。あるいはそれを抑制する措置というものを取られようとしているのか。その辺のところを、考え方をひとつ聞かせていただきたいというふうに思います。

 そして、もう一つ、時間もだんだんなくなってきまして、改めて厚生労働省に伺いたいと思いますけれども、職業訓練の教育ということについては、今の時代のニーズに合った教育というのをどのように行っているのか、お尋ねをしておきたいと思います。

政府参考人(齋藤浩君)
 御説明申し上げます。
 先生御指摘のとおり、近年、海外における我が国の製造業の生産拠点は拡大傾向が依然として続いております。よく海外生産比率というものを我々は用いるわけでございますが、それが二〇〇一年では一六・七%と。これは前の年の一四・六%に対しまして、かなり上昇しているということでございます。

 このような海外生産の進展というものが国内の経済にどういう影響を与えるかということにつきましては、詳細は省略させていただきますが、もちろん先生御承知のとおり、功罪両面があるわけでございます。したがいまして、一律にこれを容認する、あるいは一律にこれを止めるんだという、そういう政策的な判断というのはいたしかねるわけでございます。
 ただ、御指摘のように、雇用を含めた生産基盤が海外に移転してしまって、国内の生産活動、産業活動が低調になってしまうんではないか、大丈夫かという御懸念は当然出てまいるわけでございます。したがいまして、我々として、それを指をくわえてといいますか、放置するということでは、政策的対応をしているわけではございません。基本的には、我が国の経済の活力を維持して、拡大をしていくにはどうしたらいいかということで、私どもは三つの視点からやっております。

 一つは、やはり海外移転というのは安い労働力コストを求めております。したがいまして、それに対抗できるということになりますと、国内生産をかなり高付加価値のものにしていくということが必要になります。その観点から、政府全体といたしまして、バイオとかナノテクノロジー、環境、エネルギー、ITなど重点分野を決めまして、そこに重点的に研究開発投資をするための支援を行うなどのことをやっております。

 第二が、企業が国内生産拠点を維持してもらう、あるいは新設をしてもらうと。今先生御指摘いただきましたように、最近は中国から日本に重要なコアの部分の生産拠点を戻す動きなぞも出ておりますが、そのためにはやはり事業環境を良くするということが必要になってまいります。これもいろんなことをやっておりますが、一例だけ申し上げますと、研究開発に対する投資あるいはITに対する投資につきまして、例えばそれぞれ六千億円という大規模な減税を実施するなど、あるいは国内で創業がしやすいようにということで、一円企業に代表されますような最低資本金特例というものを実施して、できるだけ国内で企業を作ってもらうというようなことをやってございます。

 それから、第三番目の視点といたしましては、出ていくばかりではまずいわけでございまして、外国から日本に入っていただくということも重要でございます。外国企業の対日投資を促進する、これによりまして海外との適切な国際分業というものが進めば日本の競争力にもつながるわけでございます。このために、対日投資、実は非常に低調でございますので、これを五年後に何とか倍増させたいという具体的な目標を今持ちまして、その拡大のために積極的に取り組んでいるところでございます。

 以上のような各般の政策によりまして、もちろん、経済、企業活動がグローバル化している下ではございますが、我が国の経済活力の維持をし、また拡大をしていくということに努めてまいりたいと考えております。

政府参考人(上村隆史君)
 公共職業訓練についてでございますけれども、離職者等に対して必要な技能を付与するということで行っておりますけれども、先生からお話がありましたように、産業構造の変化や急速な技術革新等、経済社会の状況に的確に対応して就職につながる訓練を行うということが正に基本だというふうに思っております。そのため、ハローワークにおきます求人の動向、あるいは事業主、その団体からのヒアリング、あるいは各都道府県等の施策、そういったところを踏まえまして、地域における人材のニーズを把握した上で、訓練のコースそれからカリキュラム等につきまして随時見直しを実施する。あるいは民間教育訓練機関等への委託訓練を積極的に活用させていただきまして、専門学校などのほか、大学、NPOあるいは求人事業主等におきまして人材ニーズに応じた多様な内容の訓練を実施するということに努めておるところでございます。

 それから、こうした取組によりまして、介護やIT分野等の今後雇用創出が見込まれる分野の訓練、これらについても積極的に取り組んでいきたいというふうに思っております。
 それから、なお、フリーターの話が、議論先ほど出ましたけれども、統括官の方からも話がありましたが、来年度からでございますけれども、フリーター等の若年者を対象に企業内における実習と一体となりました教育訓練を行うということで、いわゆる日本版デュアルシステムと言っておりますが、これを実施することとしており、若年者の職業能力開発についても推進していきたいというふうに思っております。

山根隆治君
 少し、ちょっと時間も迫ってきたので、一遍にまた二つ、厚生労働省と経済産業省にお聞きしたいんですけれども、今の御答弁で対日投資を五年で倍にするということですが、これは規模的には今がどうで、五倍になるとどうなるんでしょうか。それと、海外との比較、内容についてちょっとお尋ねをいたします。

 それから、厚生労働省について、職業訓練、時代に合ったということですか、今風で一番これはフィットしている訓練だというふうに自慢できるものがあったらちょっと言ってください。

政府参考人(齋藤浩君)
 対日直接投資でございますが、基準年として、目標でございますが、まず基準年を定めておりまして、平成十三年末、日本円で六兆六千億、六・六兆円でございます。この一年間で、十四年末には九・四兆円ということで、かなりそういう意味では努力の結果増えてきております。

 最終目標は、したがいましてそれを倍増ということになりますと、十三・二兆円というものを目標にしております。
 ただ、これが高いか低いかということに関して申し上げますと、正直言いまして、欧米各国に比べますと極めて低いそれでも水準にとどまらざるを得ないという状況でございますので、更に努力を重ねていく必要があろうかと考えております。

政府参考人(上村隆史君)
 就職率が高いというようなことで、ヒットしているということで申し上げるといたしますと、例えば介護系ですと介護・福祉サービスの点、それからサービス系でいいますとビルメンテナンスとかビル管理、販売実務ですとか、これは公共職業能力開発施設の中での訓練についての就職率を今見て申し上げておるんですが、それから金属加工、製造系ですと金属加工、機械設計ですとか、そういったところが就職率が高いというか、先生のお話でいうとヒットしているというか、ところだというふうに思います。

山根隆治君
 はい、分かりました。余り追っ掛けていくとちょっと時間がなくなっちゃいますので。
 経済産業省の方でこれから是非対日投資というものを、五倍もいいですけれども、もっと大きく増やして、日本の雇用というものも逆に雇用の概念が変わるぐらいに、たくさんの勤労者がそこで吸収されるように措置、是非していただきたいと思います。いろいろな日本文化のオリジナルな部分がある我が国でございますから、いろんな支障とか何かというのもあれば、それを除去するために是非御努力いただいて、開かれた国であること、当然でございますけれども、進出もしやすいというふうなイメージを是非作っていただきたいと思います。

 それでは続きまして、個人向けの国債の購入の問題についてお尋ねをさせていただきたいと思います。

 本会議でも御質問させていただきましたけれども、政府も予算を相当つぎ込んで、芸能人の方を出してPRされて、非常に成果が出ているというふうな話を聞いております。これは今何のために本腰を入れて個人向けの国債というところに力を入れられておられるのか。そしてその実績は、本会議でも一応御答弁いただきましたけれども、改めてどのようなものになっているのか、お尋ねをいたします。

政府参考人(牧野治郎君)
 お答えをいたします。
 個人向け国債をどういう考え方で発行しているかという御質問でございますが、現在、御承知のように、大量の国債発行が続いておりますが、その中で、国債の安定的な消化を確保して国債市場の安定を図るという観点からは、国債の保有者層の多様化を図っていくことが極めて重要だというように考えております。

 こうしたことから、個人向け国債は保有者層の多様化に資するという、そういう一環としまして、現状、個人の保有割合というのは非常に低くとどまっておりますので、個人による国債保有の促進を図るということで平成十五年三月から導入をしたわけでございます。
 これまで発行しました第五回債までの発行総額でございますが、約三兆三千五百六億円ということになっております。

山根隆治君
 占める割合が低いからということでございますけれども、この根拠といえば外国との比較だろうというふうに思います。アメリカと日本では、日本が二・五%、アメリカが八・一%ということでございますけれども、これはどの辺のところまで増やしていくという数値目標を教えてください。

政府参考人(牧野治郎君)
 個人向け国債の発行に当たりましては、個人等の国債保有比率について特に数値目標を設けているというわけではございません。

 ただ、先生おっしゃいましたように、諸外国の国債の個人保有比率を見ますと、日本が二・四%であるのに対しまして、米国、英国、ドイツ、これは民間の非営利団体も若干入っておりますが、それにいたしましても、アメリカで一三・八%、英国で九・六%、ドイツで一七・七%ということですから、日本より相当高い水準の個人保有がなされておりますから、こういう諸外国の水準というのも、決して目標というわけではございませんが、一つの目安として念頭に置きながら個人国債の普及に努めてまいりたいと考えております。

山根隆治君
 ある見方からすると、個人の資産というのをそうしたリスクのないものに投資させるということで、日本の経済の活性化ということを考えると、やっぱりリスクマネーということで、経済の活性化というものにそれを振り向けるというふうな考え方もある。それには逆行するわけですけれども、この点についてはどのように考えますか。

政府参考人(牧野治郎君)
 お答えいたします。
 ただいま国債、個人向け国債がリスクマネーではないかという御質問でございましたが、一般的には金利水準が変動いたしますと国債の価格というのは変動するわけでございますが、現在販売しております個人向け国債は、まず変動金利制にしておりまして、中途換金時においてもその額面の金額を基本的には確保できるという仕組みを取っておりますので、先生の御心配は当たらないかと考えております。

山根隆治君
 ちょっと質問の、取り違えておられたと思うんですけれども、リスクマネーだと言っているんじゃなくて、リスクがないということの前提でお話をしていまして、個人の金融資産というのはリスクマネーの供給としてのやっぱり役割が期待されているわけですから、これに逆行するんじゃないか、この点についてどう考えるかということをお尋ねしたんです。

政府参考人(牧野治郎君)
 国債につきましては、通常の国債は金利が上昇しますと価格が下落するという意味でそういうリスクを含んでおります。ですから、そういう国債も個人には窓口販売を通じて買っていただける仕組みになっております。

 ただ、個人の方にはいろんな選好がございますから、やはりリスクを最小限にしたいという方もいらっしゃいますので、そういう方々に対しましては元本の保証のある現在の個人向け国債を買っていただいていると、そういうことでございます。

山根隆治君
 少し、ちょっと話がうまくかみ合っていないんですけれども、どなたでも、ちょっと御答弁、ほかにちょっと私の言っていることで、大臣。

国務大臣(谷垣禎一君)
 私どもは国債を発行して安定的に消化しなければなりませんから、やっぱりそのためには、安定的に消化していくためには引受手の多様化というのはどうしても避けて通れないと思います。

 他方、委員の御関心のように、もっとリスクマネーを提供していかなければ日本経済の活性化に結び付かないではないかという御批判が、今そういう御批判をいただいたんだと思いますが、これは確かに大きな流れとしてはそうでございますから、我々も貯蓄から投資へというような形を始めとして、いろんな形でそういう工夫をしていることも事実でございますが、他方、やはりたくさん、いろんな、個人の方にはやはり安定した資産なり投資対象が欲しいという方がいらっしゃるのもこれまた事実でございますから、私は、これはちょっと委員の問題関心に正面からお答えしていないかなと思いながら答弁しているわけでございますが、やはりそういうニーズも確実にやっぱりありますので、ある程度それにおこたえすることも必要なんじゃないかと考えております。

山根隆治君
 何年物が一番人気なんですか。

政府参考人(牧野治郎君)
 何年物が一番人気があるかというのは、個人国債の中ででございますか。個人国債は十年物で変動金利で元本保証で御希望の時期に換金できるという仕組みになっておりますので、それが人気があるということでございます。

山根隆治君
 分かりました。
 個人向けの国債については、これは金利が上がっていったときにどうなるんだろうかというふうな思いもありますので、どの辺まで期待をして、信頼寄せていて、期待していっていいのかというちょっと危うさも感じないわけではありません。それから、郵貯も民営化されてきますと、その流れがどこに行くのかということも、いろいろな不確定というか、流動性が見られるところでございますから、いろんな思いもございます。

 しかし、少し時間もたちましたので、次に移らせていただきたいと思っております。
 景気の浮揚には、従来言われていたのは、住宅建設が非常に大きな影響があるというふうに言われておりました。今でも私自身はそういうふうに思っております。つまり、すそ野が非常に広いわけですから、様々な産業への効果が大きいということでございます。

 今日国土交通省来ておられると思うんですけれども、今、時代の変化で、求められるやっぱり住宅というのもかなり変わってきております。もう既に、一九七八年でしたでしょうか、一世帯一住宅というのはもうクリアしていますから、かなり供給はある意味で過剰になっている。しかし、その過剰の具合というのはどのぐらいがいいのかということについては諸説ございますけれども、まあ一割ぐらいそうした余剰のものがあった方がいいんだという意見が多いようにも思います。

 私も、これからセカンドハウスの時代になっていったり、あるいは、私も地方自治体の議員の出身ですから地方のことがすぐ頭に浮かびますけれども、大体三十坪の敷地に家を建てるというふうな想定の中でそれぞれの行政の指導が行われております。

 私は、これからは、日本の国土というのはヨーロッパと違って山間部が多いですから平野面積は少ないということはあるけれども、しかしそれでもこれから人口が少子化になっていくということから考えていくと、東京はともかくとしましても、大都市近郊等では私はやはり三百三十平米、百坪の土地の中で住居を構えるというふうな時代に今もうなってきているというふうに思っております。

 それから、少子化ですから、子供も、家をそれ譲って、そして自分は離れを作ってそこで老夫婦住むと、そういうふうなパターンがこれから大きくなってくるように思うわけでございますけれども、そうしたことでは、非常に住宅政策というのは極めて今大事な時期、時代に掛かっていると思いますけれども、住宅政策についてこれからの展望、ちょっとお聞かせください。

政府参考人(小神正志君)
 お答え申し上げます。
 今、先生からも住宅についての御指摘、いろいろいただきましたけれども、住宅は、よく衣食住と、こういうふうに言われますように、国民が生活する上で非常に基礎的なといいますか、重要な基盤だというふうに考えておりますし、また多くの国民が快適な住生活を望んでいるということも事実でございます。

 今これから、住宅のストックといいますか、世帯数を超えているのも御指摘のとおりでございますけれども、元々我が国の住宅の質という面で見ますと、かつてのウサギ小屋というような状態にはなっておりませんけれども、欧米と比べますとまだまだ見劣りがするというような状態にもあります。

 また、人口がそろそろピークを迎えるわけでございますけれども、世帯の数につきましてはまだ今後十年ほど伸びていくというような見通しがあります。そういった中で、特にいわゆる第二次ベビーブーマー、団塊ジュニアとも言われていますけれども、これが約一千万人ぐらい今おられます。こういった階層がこれから実は住宅を取得する時期に差し掛かっておりますので、そういった面では、住宅の新たな取得のニーズというものはまだまだ高いものがあるというふうに考えております。

 一方で、これからやはり住宅のストックをきちっと有効活用していこうということは環境問題等々からも極めて重要な課題でありますので、国土交通省といたしましては、そういった新規の住宅の支援、これを税制ですとか金融の面で支援いただくことが重要であると同時に、集合住宅流通市場を整備するとか、あるいは住宅の履歴についてもきちっと分かるような、適切な維持管理ができるような仕組みを整備するとか、そういった各般の施策を推進していく必要があるというふうに考えております。

山根隆治君
 住宅政策取り上げるのは、私、国会で二回目なんですが、いつも最後の方に取り上げるのでちょっと消化不良いつも起こしているんで、今度じっくり議論の場を自分で設定して議論させていただきたいと思いますので、またそのときに譲りたいと思います。税制上のいろいろな措置についても、例えば中古住宅であるとかバリアフリー化の問題であるとかあるいは二世帯住宅だとかというふうなことでのやっぱり税制上の措置ということもありますので、これらについても是非御研究をいただきまして措置していただけるようにお願いをしたいというふうに思います。

 それでは最後、あと一問質問させていただきたいと思います。
 実は、私も口にしたことはございませんが、ドラフトワンというビールがあって、非常にこれ売れているということでございます。先般、私、予算委員会の委員でございますが、予算委員会で奄美大島行ったときに、奄美が返還になったときに許されたことで、黒糖しょうちゅうというのがありまして、非常においしいお酒でございまして、林委員も思い出されて今おられると思いますけれども。

 このお酒については、酒税については非常に、発泡酒に課税するかどうかで議論があったときにいろいろな、巷間、うわさというかが、話がございました。
 なぜ上げるのかということで、売れてきたから税を簡単に掛けたんじゃないかというふうなことが実はございましたし、大手のビールのメーカーが四社ございますけれども、そのうちの二社が発泡酒を発行したけれども、そこに掛けるというのは税の均衡性ということで問題があるんではないかということで四社全部出そろったところで掛けたとか、これはうわさですから分かりませんけれども、そういうかまびすしい議論がございました。
 売れてくれば掛けるのか。何か基準があるんですか、課税するとき、税率上げるときも。

政府参考人(大武健一郎君)
 お答えさせていただきます。
 ただいま先生からたまたま出ました黒糖しょうちゅうの話で取りますと、御記憶にあると思うんですが、スコッチウイスキーとしょうちゅうの税率格差というのが日英間の大きな課題になって、結果的には、しょうちゅう、ウイスキーは同じ蒸留酒ではないか、したがって同じものには同じ税率でないとおかしいんじゃないか、同じ蒸留酒間のバランスを取れということで、かなりサッチャーさんからの強い要望もあって、結果的には、かなり年数は掛けましたけれども、デ・ミニミスの範囲内で同じ税率にしていったわけでございます。

 同じように、やはり税の中立性ということになると、蒸留酒、醸造酒、いろいろ酒類としては分かれるんで、これは違うものという認識になっているんですが、同じ、ビールと同じような類似のものであるなら、それはやっぱり同種同等のものには同様の負担というのがやっぱり同じ考え方だと、これが消費課税の基本的考え方だということにまず立っているわけなんでございます。

 ただ、そうはいいましても、それが果たして同種同等であるかというところの理解がいろいろありまして、やはりその意味では、その生産、消費の動向ですとか、さらには、もちろん原料、製法、性質を踏まえた上で、そうした動向を踏まえ、あるいは消費者の受け止め方、飲まれ方なども見守った上で判断をする。

 今、先生のお話ありました実はビールと発泡酒というのは平成六年に基本的にはスタートいたしまして、その後平成十三年ぐらいまでもうずっと推移を見ましたが、実はビールと発泡酒を足しましたその全体の数量自体はほぼ七百万キロリットルということで横ばいでございます。要は、同じ七百万キロリットルの中からビールから発泡酒へシフトしたということが実は課税の実態として明らかになってきた。

 そういう意味では、やはり同種同等のものはやはり同じような税率に近づけなきゃいけないんじゃないか、それが四分の一ほど格差を縮小する、なぜ四分の一か、もちろんあります。それぞれのやはり製品として我々から見ますと、これ特にプロの、作っている方からいえば、かなり技術開発力というものも発泡酒にはあったんだろうと思います。そういうことを加味して、四分の一で格差是正を取りあえず止めて、言わば少しでも近づけたというのが実態でありまして、今先生の御下問でありますれば、やはり同種同等の下には同様の負担という消費課税の基本的考え方の下で、各酒類の製法、品質あるいは消費者の受け止め方など、酒類の生産、消費の実態を踏まえて、酒類間の税負担の均衡、それからさらには、やはりこういう物資でございますので、財政物資としてその時々の財政事情にも留意しながら検討をしていくと、こういうことなんだと存じます。

山根隆治君
 本当にいかようにも取れる名答弁だと思いますので、実際の運用の中でどうにでもされちゃうなというふうに、よく考えて聞いていたので、そういうふうに思いました。

 私、別にビールメーカーから選挙でも何もお世話になっているということはないんで、特定のこと名前言っちゃってよかったのかと思いますけれども、このドラフトワンについても研究開発を始めてから四年余りたったということで、エンドウたんぱく質を使用した新製法により作られたものだと。こういうことでございまして、企業努力、一つの商品を世に出すまでには相当な時間とエネルギーとやっぱり予算を費やしているわけでございまして、その辺のやっぱり評価というのを少ししてあげなくちゃいけないんじゃないかというふうに思います。そういう意味で、今、その評価もしているから税率を四分の一の、四分の一という数字、今頭に残っていますけれども、そんなふうなお話も聞かせていただきました。

 しかし、今の御答弁の中でどうもよく分からないのは、飲まれ方にもよるというふうなお話でございましたけれども、飲まれ方というのは、例えばオンザロックだとかなんか、そういう意味合いじゃなくて、量のことなんでしょうか、ちょっとそのことを。

政府参考人(大武健一郎君)
 基本的には、先ほど申し上げたように、ビールと発泡酒で申し上げれば、結局代替しただけであって、新規に言わばその分が別のものとして認識されて飲まれるものではないということが実績からも明らかになってきていますので、そういう意味で発泡酒とビールについてはそういう格差是正の方向へ少し動かしていただいた。

 今、先生のお話にございましたエンドウ豆使ったこのドラフトワンというのはまだ出て間もないんで、今でも、十六年の販売目標というのをお聞きすると、一、二月でまだ二万三千キロリットル、十二万キロリットル目標と言っておられまして、全体の六、七百万というキロリットルの中ではごくわずかのものでありまして、これがどういう飲まれ方をしていくのか、そういう意味で見ていくということで、別にかんをするとか、そういう話ではありません。

山根隆治君
 分かりました。そうしますと、今のお話をそのまま伺いますと、総量が、日本人の飲むビールの総量が大体もう前提として決まっていて、ビールのたぐいのものであると、それが移動するかどうかということだけで見るということですね。いや、数字的なお話ではそういうふうなこと、私にはそういうふうに今受け取れました。

 日本人の好みが変わった場合どうなのか、人口が減っていった場合どうなのか、嗜好が変わっていった場合にどうなのか、時代の変遷があったらどうなのかということで、先ほどの御答弁のように、トータルの数字が、それの中では一つの枠の中で移動したにすぎないからそこに課税をするというのは、少し、余りにちょっと、論理性があるような御答弁だけれども、よく考えると論理性ないんじゃないですか。

政府参考人(大武健一郎君)
 お答えさせていただきます。
 舌足らずだったかもしれませんが、ビールと発泡酒に関しても基本的には原料、製法、性質というものをやはり考えさせていただいて、それが同じようなものかどうか。先ほどお話ししたしょうちゅうとウイスキーというのが、言わば我々からは違うものだとかなりイギリスには主張したわけですけれども、ヨーロッパの人たちからすれば、それは同じ蒸留酒という範疇であって、作り方が同じではないかということから、スコッチと、しょうちゅうの中じゃ麦も芋も米もあるので原料も違うじゃないかという主張ももちろんしたわけですが、世界的な基準からは、飲まれ方としても同じだというようなことで、同じものとしての判断に立たざるを得なかった、WTOの中で判断されたわけです。ですから、そういう意味ではビールと発泡酒も、何も飲まれ方だけを取り上げているわけじゃございません。

 ただ、あえて申し上げれば、そうした消費動向というものもやはり同じものかどうかというのは、これは味にかかわることなものですから、果たしてどういう受け止め方をされているかという一つの例としてシフトしなかったということを申しました。
 ただ、先生の御下問のとおり、嗜好が変わってきているものですから、今しょうちゅうが非常に売れておりまして、ビールすら徐々に伸び悩んでいる。一方的に実は日本の酒税の七割はビールに掛かる、ビール、発泡酒に掛かるものなんでございますが、今は専らしょうちゅうが非常に売れていて、日本酒も、ビールも含めて、ある意味では伸び悩んでいるという実態かと思います。

 先生言われるとおり、食生活の一環の中で消費されておりますので、それらの嗜好があるという意味では、別にそれだけを取って議論しているつもりではありません。

山根隆治君
 しょうちゅうのことを言うと、本当は奄美でごちそうになったものについても、もうしょうちゅうは前年比一七〇%の売上げだと言っていましたね。非常に大きな売上げになっているというふうに思いますが、今スコッチウイスキーの話されましたけれども、あれはもう政治で、ちょっと、私ももうあのときには地方にいてというか、在野でしたけれども、政治で決着したというふうなイメージでしたね。ですから、あれは非常に私も印象に残っております。

 そうしますと、この発泡酒の部分については、先ほどの御答弁、私が受け取っていた御答弁とはちょっと違って、総合的にいろいろと判断をする、こういうふうなことでの御答弁というふうに受け取ってよろしいかと思うんですけれども、受け取らせていただきたいと思うんですけれども、やはり国民の嗜好というものはどんどん変わってきている、そしてそういう中で国民の心を逆なでするような、そういうような課税ということについては少し配慮していただかないと、みんなぎくしゃくしてきていますから、潤いのある社会づくりのためにはひとつ是非、アルコールについては穏やかな判断をひとつ是非していただきたいということを申し上げまして、最後に大臣の感想を求めて、終わりたいと思います。

国務大臣(谷垣禎一君)
 なかなか嗜好にかかわり、生活形態にかかわるものですから、なかなか御議論も多様だし、判断も難しいなと思いますが、よく目を見開いて判断をするようにいたしたいと思います。私も、こういう技術革新で、ドラフトワンとか、いろいろ出ているのを後学のために早速試してみたいと思っております。