山根隆治君
 まず、剰余金の処理の特例に関する法律案からお尋ねをいたしておきたいと思います。
 今大臣から御説明がございましたように、本法案は、歳入歳出の決算上の剰余金のうち二分の一を下らない金額について公債又は借入金の償還財源に充てなければならない、これの例外的な措置ということにその法律の目的があるわけでございますけれども、この中の、まず法文の解釈として、二分の一を下らないという表現、二分の一以上としていないということで昨今の法文との違和感を感じざるを得ませんが、これの背景についてはどのように考えるのか。

 そして、第二点といたしましては、昭和二十二年の四月から施行されて今日まで、この特例措置という、除外措置というものは何度行われてきたのか、お尋ねをいたします。

政府参考人(杉本和行君)
 先生御指摘のように、財政法六条は、各会計年度におきまして歳入歳出の決算の剰余金、純剰余金を生じた場合には、その二分の一を下らない金額を剰余金の生じた翌々年度までに公債又は借入金の償還に充てると、こういう規定を定めているところでございます。

 現行の規定は、戦前、国債整理基金特別会計法という法律がございまして、この法律におきまして剰余金の四分の一を下らざる金額を償還財源に充てることとされておりましたが、昭和二十二年の財政法の立法に当たりまして、公債の償還を確保するという趣旨から、財政法で剰余金の二分の一を下らない金額を償還財源に充てることとしたものでございます。すなわち、公債借入金の償還をより確実ならしめるという立法趣旨から、戦前の国債整理基金法の四分の一を下らざる金額というのを、その二分の一を下らない金額を充てるというふうに、より充実したというふうに考えております。

 それから、財政法六条、剰余金の処理状況でございますが、私ども手元にございます資料、平成になってからでございますが、平成で申しますと、二年、三年、六年、七年、八年、十年、十一年、十二年と剰余金が発生しておりますが、六年におきましては剰余金の処理の特例等に関する法律、十一年におきましても剰余金の処理の特例に関する法律、それから十二年、これにつきましても剰余金の特例の処理に関する法律、こういう法律を出させていただきまして、特例的な扱いをお願いしておるところでございます。

山根隆治君
 ちょっと、端的にお尋ねをしておりますので、短めにひとつ答弁をお願いしたいと思います。つまり、下らないという表現、二分の一以上ということとの違いがあるので、それが何か特別な意味があったのかということを伺ったわけですが、お答えいただいていません。

 それからもう一つ、例外措置ということでの御答弁ございましたけれども、しかし、これだけのやはり例外的な措置を特例という形で取ってきたということについては、むしろこの六条の一項の規定については非常にもう常態化しているということ、例外措置になっているのではないかというふうに私も考えざるを得ないわけでございまして、特例という、特例法という法律によって一方の財政法を否定するというか、特別な措置を取るということで、私は、財政法そのものの国民の畏敬の念というか、遵法精神というか、法律を尊重していこう、そういうような意識というものがこれで阻害されはしないかという思いを持つわけでございますけれども、大臣の見解を聞かせてください。

国務大臣(谷垣禎一君)
 財政法六条は、今主計局次長が御説明いたしましたように、公債の償還を確実ならしめるということで設けられた規定でございますから、現在でもこれだけ国債を発行しておりますときに、どうして公債の償還を確実にしていくかという意味で、現在においても我々これを基本として、これを念頭からなくしてしまうなんということはやっぱり私はいけないのではないかと思います。

 しかし、さはさりながら、今これだけ多数の国債を、多額の国債を発行せざるを残念ながら得ない状況でございます。それで、本則どおりやりますと、細かなところでは差はございますけれども、結局、そこに組み入れて、また公債を発行してという形にならざるを得ない。これは、大きな意味でいえば、たくさん発行してバランスを取っていくか、そこは発行しないでバランスを取っていくかということになるわけでございまして、これだけたくさん国債を発行しておりますときは国債の発行額を極力抑制していくということが必要ではないかと、こういう判断に立ちまして、本則は六条であるけれども、当面厳しい財政事情の下ではやむを得ずこういう特例をせざるを得ないということで、このような処置を講じているわけでございます。

山根隆治君
 話変わりますけれども、総理の今国会における施政方針演説については、大臣はどのように評価されていますか。

国務大臣(谷垣禎一君)
 施政方針、非常に幅広いことを触れておられますので、今のお問い掛けにどう答えたらいいかちょっと戸惑っているんですが、やはり総理の、財政に関して申し上げますと、やはり財政規律を維持するというのが、維持していくというのが総理のお考えの底流にやはり私はあるものだと考えて仕事に当たっております。

山根隆治君
 そうしますと、総理が財政のところで、「平成十五年度の補正予算は、十四年ぶりに国債を増発することなく編成しました。国主導の財政出動に頼らなくても、構造改革の成果が現れています。」という文言については、これを支持なさっていらっしゃいますか。

国務大臣(谷垣禎一君)
 はい。十六年ぶりに発行しないで済んだということは……

山根隆治君
 十四年ぶり。

国務大臣(谷垣禎一君)
 十四年ぶりに発行しないで済んだということは、私もやや胸をなで下ろしているところでございます。

山根隆治君
 しかし、せっかくの大臣の評価でございますけれども、しかし、この法律案そのものが、提出された法律案そのものが、私はこれは裏技、ある意味では裏技を使っているということを言わざるを得ません。実質的にはやはり国債を増発したということと同じで、形式だけを整えてきているものだというふうに思えてなりませんが、この点についての御見解、聞かせてください。

国務大臣(谷垣禎一君)
 裏技という表現をお使いになりまして、確かに六条の本則から見ますと例外的な手法を取っているというのは御指摘のとおりだろうと思います。

 しかし、先ほど申しましたように、全体の、小さなところでは違いますが、大きな意味では国の財政の言わばバランスシートというものが変わるわけではございませんので、国債の発行を極力抑制していくという立場からこのような手段を取ったということの御理解をいただきたいと思っております。

山根隆治君
 十五年度の補正予算のフレームを見てみますと、私はここに、はっきりと言えば、国民の目をごまかしているというふうに思わざるを得ないところの指摘をまずしておきたいと思います。

 それは、歳出のところで既定経費の節減ということで一兆千七百十六億円が記されているわけでございますけれども、この既定経費の節減のこの一兆一千七百十六億円のうち七千百八十九億円が、実はこれは本来は国債費の減少、償還の費用に充てる、そういうものであったはずでございます。この点についてはどのように御説明なさいますか。

政府参考人(杉本和行君)
 国債費につきましては、当初予算編成時におきまして、国債の金利を、予算積算金利、十年債で二%と見込んでおったわけでございますが、マーケット、市場の動向がこれを下回って推移したことに伴いまして、利子割引料が不要になった分が七千百八十七億円ございますということでございます。

山根隆治君
 私は大臣の今見解をお聞きしたかったんですけれども、今はもう事務的な話で、それをああそうですかということで聞かざるを得ないんですけれども、国民の感情として、そうしただまされているというふうな思いが、このことを細かく説明すれば、私は沸き上がってくる。そういう国民の感情はこの数字から出てくると思うんですね。

 ですから、こうしただましのテクニックというのは非常に小泉さんはお上手でございますけれども、私はこの辺の、もうちょっと率直に、国民にこの辺の補正予算の内容というものを明らかにやはり数字的にも私はしておくべきだったというふうに思います。

 つまり、剰余金と合わせて一兆一千億円のこの予算というものは、本来、全部国債の償還にやっぱり充てることを当初から予定されていたものでございまして、これをそうした償還に充てないということになっているわけですから、国債の増発は抑制するということと全然実態は違っているわけですね。つまり、目先の形式だけを整えているというふうに私は実は言わざるを得ない。少しこうかつにすぎないかというふうな思いがいたしますけれども、この点についてはいかがですか。

国務大臣(谷垣禎一君)
 こうかつとおっしゃられますと、どのようにお答えしたらいいのか言葉を失ってしまうんですが、これは、先ほど申しましたように、やっぱり国債の金利等を抑制していくとか、いろんなことはやらなきゃならないわけでございまして、そしてまた発行していくとなると、先ほど申し上げましたように、全体の量が、国債の量が増えていくというようなことを少しでも避けて、国債の信認も確保したいという大変苦しい立場で私もございますけれども、そういうことでやらせていただいたものでございます。

山根隆治君
 国債を増発するということと、そしてその分の財力というものを償還に今度回さないということと、どういう意味があるんですか。意味の違い、政治的な意味でもいいですし、財政的な意味合いでもいいですけれども、どういうことなんでしょう。

国務大臣(谷垣禎一君)
 これは、要するに国債の発行額、残高が大きくなるわけでございますね。これ、償還いたしますと、その分、同じ形の予算を組みますと、また新たに国債を発行するということになりますので国債の発行額が大きくなってまいります。そうしますと、やはり国債全体の信認というような問題もあり得るだろうと思います。

 やはり私は、それは委員はこうかつだというような表現でおっしゃいますけれども、いかにして国債の信認を確保しながら財政を立て直していくかという上では私はやむを得ざる判断であったというふうに考えているわけでございます。

山根隆治君
 我が国で減債基金制度というのはもう明治時代からずっとあったものでございます。そして、今日の財政法の六条一項の規定というものについても昭和二十二年から施行されている。そして、その施行の中で、お話が、先ほど御答弁ございましたように、もう十回ほど特例措置ということをもって対応をしてきているわけでございます。

 当初、明治時代のことはともかくといたしまして、戦後、昭和二十二年に施行されたときの償還をすることの意味合いと、バブル前のとき、あるいはバブルの時代、そして今日のバブルが崩壊して非常に財政が厳しい状況の中でのこの減債基金というか、そうした制度の意味合いというのは、私、かなりもう違ってきていると思うんですね。こうして毎年のように特例措置を法律として提案してやっていくということについては、もう無理が私はあるんじゃないかというふうに思えてならないわけですね。

 昭和二十二年にスタートしたときでさえ、国会の論議の中では、これはしかるべきときが来たら見直す、改定をしていくというふうなことの論議も実はあったわけでございまして、それがずっとこうして置かれてきているということについて、非常に、私はもう一回今改めて考えてみる時期がもう来ているんじゃないかというふうに思えてならないわけでございます。

 財政法の四条の二項では、公債を発行し、又は借入金をなす場合においては、その償還の計画を国会に提出しなきゃならない、こういう文言もあります。これに沿っていろいろな措置は取られているわけですけれども、目をみはるような成果はなかなか出ていないということで、財政全体を少し私はもう見直していく、そういう時期にもうそろそろ来ているのではないか。つまり、財政法もいろんな改正すべきと思われるところも、私も感じるところもたくさんございますけれども、この六条一項の規定についても、もっと時代に合ったものに改める表現にするところもあるのではないかというふうに思うわけです。

 二十二年というと私が生まれたときとほとんど同じですから、私も人には若いというふうに言われますけれども、かなり疲れてきているというように自分自身で自覚が肉体的にはございますけれども、この法律そのものももうかなり私は疲れてきているところがかなりあるんだろうというふうに思いますけれども、改正の意欲、あるいは検討するお考えがあるのか、ずっとこのままいこうということであるのか、お考えを聞かせてください。

国務大臣(谷垣禎一君)
 確かに、公債の発行をめぐる状況は昭和二十二年当時と現在とは大きく違っておりますので、この財政法が直面している、六条が直面している課題も大きく変わってきていることはもう委員の御指摘のとおりだろうと私は思います。

 ただ、現在は非常に厳しい財政状況にありますけれども、私ども、やはりこれだけの公債を仮に今、今の時代に適した表現に変えていく気はないのかという御趣旨で、どういうような方向を想定されているのかお考えは伺えませんでしたけれども、仮にそれが将来に対しての、何というんでしょうか、公債の償還というようなものに国が意欲を失ったと思わせるような表現であるとしたら、私はそれは適切ではないのだと思います。現状では非常に高い目標であるということは、もうおっしゃるとおりでございますけれども、私はやはりこの基本精神は大事にしなければならないのではないかと、こけの一念でそう考えているわけでございます。

山根隆治君
 何をどうかというのは、これは全体の財政法の中の仕組み全体、有機的な条文ですから、それぞれが。ここをこうということを言うのには少し支障があるかと思いますけれども、基本的には、成長がほぼ約束されている中、昭和二十二年から戦後ずっと経済が発展して三十年代の高度成長になってきた、それはほっといても税収が来るというふうな時代の物の発想と、そして今の財政状況とは、ある意味で苦しさということでは似ているけれども、その財政の背景というものは大いに違う。

 つまり、今は財政をどう健全化するかということについては、出るのを少なくして入るのを良くする、景気を浮揚させて税収を増やすという施策と、そして出というものを極力抑制していく、これは当然のことでございます。そうした根本的な理念のもう時代の違いというものがあるわけですから、そうした違いの中で財政そのものを、財政法そのものも見直していく時期が私は来ている、こういうことで申し上げたわけであります。

 さて、時間の関係がありますので次に進めさせていただきたいというふうに思っております。

 十五年度の補正予算の中で、剰余金の三千八百七十四億円が繰り入れられることになるわけでございますが、その予算フレームの中では三つの項目が突出、数字的にはしております。一つは義務的経費の増加、社会保障費、福祉等の内容だろうと思います。それから災害対策費、そしてもう一つがイラク復興支援経済協力費ということでございます。今私が言った順番は支出、歳出の多い順番でございます。

 この中で、イラク復興支援経済協力費の中身はどのようなものになっているのか、外務省来ておられるかと思いますので、御答弁願います。


政府参考人(古田肇君)
 御答弁申し上げます。
 昨年の十月二日に世銀が、世銀・国連がニーズアセスメントを発表いたしまして、それを踏まえまして、我が国としては昨年十月のイラク復興支援国会議におきまして総額五十億ドルまでの支援を表明しておりまして、このうち当面の支援として十五億ドルの無償資金を供与することを表明しております。

 現在国会において御審議いただいております補正予算でございますが、このうち千百八十八億円が含まれておるわけでございます。この積算の内訳でございますが、イラク復興信託基金に対する拠出を四百九十五億円、国際機関経由の支援を百三十四億円、イラクへの直接支援等を五百五十九億円ということでございまして、内容的には電力、水・衛生、保健等々の、医療等々の分野に供与するということでございます。

山根隆治君
 復興支援経済協力費ということが書いてあるわけですけれども、復興支援というふうにされていますが、復旧の概念とは同義語ということで理解してよろしいですか。

政府参考人(古田肇君)
 御答弁申し上げます。
 ここで使っております復興という概念は、どちらかというと広い意味で一般的に使わせていただいておるというふうに思っておりますが、この昨年の戦争が、戦闘が終結をした後、イラクの各地で人道的見地から、あるいは国づくりの見地から急いで復旧、復興をしなきゃいけないというものを全体をとらえてこの言葉では復興という言葉を使わせていただいておるということでございます。

山根隆治君
 広い概念で復興という言葉を使っているということでございましたけれども、国民の税金を使っての支援ということでございますから、その辺をもう少し明らかに私はしていただきたいというふうに思います。

 私、なぜそうした文言にとらわれるかというと、復旧ということであれば、恐らくもう少し広い概念かどうか分かりませんけれども、旧に復するということですから、アメリカの攻撃によって社会的なインフラが損なわれた、壊されてきた、それを元に戻すということを想定をしているのか、あるいはそれを超えたところで支援協力をしようとしているのか、その辺はどのように理解したらよろしいですか。

政府参考人(古田肇君)
 御答弁申し上げます。
 現在、国際的に議論しております支援の根拠となっておりますニーズアセスメントでございますが、これにつきましては、委員御指摘の狭い意味での昨年の戦闘から生じた様々な災禍を旧に復するということにとどまりませんで、もう少し広い意味でイラクのいろんな面での問題点について手を差し伸べようということでニーズアセスメントというものが発表されておりまして、それに従って各国が様々な支援策を表明しておるというふうに理解しております。

山根隆治君
 そうしますと、もう少し復旧よりも広く想定をしているということですけれども、どの程度広く考えておられるんですか。まさか東京のような大都市をつくろうというようなことでは当然ないでしょうし、その地域の歴史、環境等にかなったものを復興支援していこうというふうなことでございますけれども、具体的にはアメリカの攻撃の前はこのような状態であった、そしてアメリカの攻撃によって壊されたものを復旧させて、そしてさらに人道的な支援からこの程度までのものを想定していくと。その辺の目標、目的というものはどのように規定していますか。

政府参考人(古田肇君
 御答弁申し上げます。
 この国際的に指摘されております、ニーズアセスメントで言っておりますところのニーズといいますのは、例えば地方行政、法制度、社会基盤整備、民間セクター開発、それから治安、警察、石油等々とございまして、例えば電力の問題でありますと、必要な能力から現在どれだけの不足があるかと、これに対してどのように対応していくかというような検討がなされておりますし、それから水・衛生でありますと、それらにつきまして衛生状況の悪化を正常化するためにどうするかということから試算が行われておりまして、総じてフセイン時代を通じてイラクという国が疲弊をしてきたと。その疲弊してきたところについて一つ一つ今申し上げましたテーマについて分析をし、ニーズを提出しているというふうに理解しております。

山根隆治君
 そうしますと、自衛隊本隊がイラクのサマワにこれから派遣をされていくということになりますが、今のお話からすると、そうした社会的なインフラがある程度完結するという、復興を一つの事業として完結するということになったらば、これは自衛隊が撤退するということになるのか、あるいは、これは大きな政治的な判断でありましょうが、ほかの地域へやはり移って同じような事業を成していく、そういうふうな理解でよろしいんでしょうか。外務省として考えているところを教えてください。

政府参考人(古田肇君)
 今般の補正予算で私どもとして想定しておりますのは、そういう国際的なニーズの上に立って我が国としてどんな役割を果たすべきかと。そして、その支援の相手方としてどういった主体がふさわしいのかといったことを煮詰めながらこの積算をさせていただいておりまして、例えば電力でありますと、我が国がかつて手掛けた発電所三か所のリハビリを中心に対応していくとか、あるいは水・衛生でございますと、浄水機とかごみ収集車等々の供与をするとか、あるいは医療、保健でございますと、我が国がかつて立ち上げました十三病院を中心にリハビリをやるとか、あるいは治安対策ということで先方の内務省と御相談をして警察車両の供与に取り組むとか、そういったことをこの補正予算で要求させていただいておりまして、これを私どもとしては日本として果たすべき役割として、この補正予算を御承認いただきました暁には速やかに執行してまいりたいというふうに考えております。

 なお、自衛隊の撤退云々の御質問がございましたが、政府参考人であり、かつODAを担当する私の分際を越える御質問でございますので、私の方からは差し控えさせていただきます。

山根隆治君
 財務大臣、閣僚の一人として同じことをお尋ねします。
 改めて申し上げると、補正予算の審議でございますけれども、そしてイラクの復興支援に日本も協力をしていくということでございます。そして、どの程度のことをやるかということについては、社会的なインフラを整備する、復旧を超えるものとしてやっていくんだと。ある一定の社会的なインフラというのを整備するということをやっていくんだということでございました。

 しかし、サマワに今度は派遣されますけれども、それが完結した、サマワにおいて一定の完結を見た後は、そうしたらまたほかの地域に行ってそういうふうなことをやるというふうな理解でいいのかどうか。その辺の閣僚の一人として物の考え方、見解、お示しください。

国務大臣(谷垣禎一君)
 これは、現在、いろんなニーズアセスメントをしまして、現地も見て、サマワあるいはその周辺でこういうことができるだろうというので始めているわけでございますが、やはり何よりもきちっとそれができるのかどうかというのを私は見ていかなければいけないんではないかと思っております。

 あの地域の治安の回復の実情等も今後よく見て、その後またどうしていくかということを考えなければいけないのではないか。できるだけのことはしていくということは当然頭の中にあるわけでありますけれども、そういう現地の実情もよく見ながら先を考えていくということが大事ではないかなと思います。

山根隆治君
 いや、大臣は政治家だからもうちょっと先々の話をしてもらいたかったんですね。それは、今は当然のやっぱりお役所からの話としてはそんな程度だろうと思いますけれども、一人の政治家として、やはりそれが完結したらほかの地域もやっていくというものなのか、あるいは撤退するというのか、その辺のところをもう少し明らかにしていただきたいというふうに思ったんですけれども、唐突だった感を恐らく受けているからまだ整理されていないんだと思いますけれども、ちょっと整理されたら同じことでまた答弁いただきたいと思います。

 ほかにちょっと質問を移しますけれども、IMFそれから世銀で復興支援というものについては五兆円くらい掛かるだろうというふうに言われています。これ、外国からのいろんな声としては、日本も国連の分担金の比率と同じようにこの五兆円、日本円で五兆円の中の負担をしてもらえぬだろうかというふうな声が国際的にもあちこち聞こえてくる。

 つまり、一兆円規模の、最終的には、この補正予算の話じゃないですよ、もうちょっと広げて最終的には一兆円ほどの支援というものを国際的に期待されているという面もあるわけでございますけれども、今、日本のこんなふうな財政の状況の中で、湾岸戦争のときにはお金だけ出して人的な貢献がない、今回は人も出すんだということを小泉さんは言っておられますけれども、財政的な負担ということについては先ほど御答弁では五十億ドルというふうなお話もございましたけれども、最終的にはこういう数字ということで理解していいんですか。国際的な日本への期待に対しての対応というのはどういうふうに考えるのか、お尋ねします。

国務大臣(谷垣禎一君)
 これは、マドリッドでしたかの会議で、私ども日本として一定の約束をしております数字は先ほど委員がおっしゃったような数字でございます。

 先ほど、これ、これから正に始めるところでございますので、やや慎重な答弁をしたことも事実でございますが、そういう、やはり一方で石橋をたたいて渡りながらも、先ほど外務省の提出したペーパーにもありますように、サマワ周辺だけではなくて、バグダッドあるいはバスラ、いろんな事業を考えておりますので、できるところはきちっとやっていくということではないかと思いますし、先ほど、マドリッドの会議でお約束したことは、今後のニーズと復興の実情等を見ながら考えていくべきことだと思います。

山根隆治君
 今回の復興支援ということについて、あるいはイラクへのアメリカの攻撃に対しては、私どもこれに対して日本が支持を与えたということについての抗議をずっとしてきて党としてもいるわけでございます。

 国連中心主義、そしてアメリカとの同盟関係、このはざまの中で、現実は非常に難しいかじ取りというのは、我が国の政治を進めていく上で一番難しいところだろうと思います。しかし、小泉総理が取られているのは、国連の諸決議の話というものはよく引き合いには出すものの、実際にはやはりアメリカの主張を、唯々諾々とは言いませんけれども、かなり大幅に取り入れて支持して、そしてそこから我が国の政治選択をしている、こういうふうに思えるわけでございまして、国際的な声では日本に一兆円をというふうな声もあるのも確かでございますけれども、具体的にアメリカからはどの程度の支援をというふうな要請、数字的に出ておりますか。

政府参考人(古田肇君)
 御答弁申し上げます。
 先ほど来出ておりますようなニーズアセスメントに基づいて、我が国としてどの分野でどのような役割を果たしていくのかという観点から、無償資金十五億ドル、そして基本的に有償三十五億ドル、合わせて五十億ドルということを我が国として主体的に決めたものでございまして、特に他の国からどう言われて、どうということではございません。

山根隆治君
 それは外務省の方の耳に入っていないだけで、内々に、それはアメリカとの同盟関係を持っているわけですから、それなりのサジェスチョン、私はあったんだろうと思います。大臣は聞いていませんか。

国務大臣(谷垣禎一君)
 聞いておりません。日本が独自に判断をいたしたものでございます。

山根隆治君
 御答弁は御答弁として承りましたけれども、しかし実際には日米同盟の中での話ですから、ある程度の私はサジェスチョンがあったものだというふうに思ってはおります。

 それでは逆に、我が国の財政状況からして、今度のイラクの復興開発支援協力ということについてはどの程度が、それはアセスメントで調査してということは当然分かりますけれども、財政的な限度ということでは、今の日本の財政状況からしての支援限度というのはどのぐらいだとお考えですか、大臣。

国務大臣(谷垣禎一君)
 これはニーズアセスメント等を踏まえ、日本が何をできるかを考え、そこで当面の支援は無償で十五億ドル、それから中長期的に更に三十五億ドル、これはこれからのニーズや復興の状況を見ながら決めるわけですけれども、上限は五十ということでプレッジをして、現在そのような考えの下でやっているわけでありますが、これが日本の今の財政状況、経済力からしてどうなんだという御議論だと思いますが、私は、中東地域に関して我が国が持っている、原油等を頼っていると、こういうような状況。あの地域がやはり今後平和で安定した地域になってもらわないと私どもとしても非常に、これは日本だけではありません、国際的にもそうですが、日本としてもそういう事情を踏まえると困ると。こういうことを考えますと、このような約束をしたということは適当な、適切なところではないかというふうに考えております。

山根隆治君
 分かりました。
 それでは、有償、無償の線引きというもの、それはどこで行っていますか。三十五億ドルを有償ですね、そして十五億ドルを無償ということでございますが、その線引き、物の考え方、教えてください。

政府参考人(古田肇君)
 一般論でございますが、有償と無償の違いは、正に言葉どおり、無償は渡し切りのお金でございますし、有償の場合には当然返却が伴うわけでございますから、そのプロジェクトが動き、そしてその国がその借りたお金を返せるかどうかということについて吟味するにふさわしいプロジェクトは有償で行いますし、かつ、その国の能力から見て、ここで無償で供与することが適当だということであれば無償になるというのが一般論でございますが、世銀・国連のニーズアセスメントでございますが、二〇〇四年と、それから二〇〇五年から二〇〇七年と二つに分けておりまして、二〇〇四年はむしろ緊急に必要なところにスポットライトを当てておりまして、私どももこの二〇〇四年のニーズの中で緊急に要せられるところについて十五億ドルを、これを無償に充てると。それから、二〇〇五年から二〇〇七年ということにつきましては基本的には有償で考えると。こういうふうに整理をして国際的に表明させていただいておるわけでございます。

山根隆治君
 少し答弁満足していませんけれども、時間の関係もございますので進めます。
 補正予算の中で私が非常に気になったところでは、そのフレームの中で雇用問題が項目として挙げられてない。厚生労働省はこの本予算の中で雇用について求めなかったんですか、雇用対策費。

政府参考人(三沢孝君)
 お答え申し上げます。
 十五年度補正予算と雇用対策関係費の関係でございますけれども、雇用対策関係の予算につきましては私どもとしては平成十五年度当初予算について必要な予算を計上していると、こういう考えでございまして、今回の十五年度補正予算には計上をしていないところでございます。

山根隆治君
 今国民が一番求めているのは景気の回復と雇用の安定ですよね。そうした中で、厚生労働省、当該年度の予算要望を財務省にしたときに一〇〇%受け入れてもらったということはないわけでしょう。そして、国民の、勤労者の雇用の安定を求める声が物すごくある中で、声も上げなかったというんでは、来年度の当初予算も大体もう固まっていますけれども、次の年度の当初予算でも非常に財務省から厳しい査定が来るというのを覚悟しなくちゃいかぬでしょう。これはやはり少し国民が、勤労者が聞いて私はもう怒ると思いますけれどもね。

 平成十三年度の補正予算のときも今後三年間でおおむね百万人の雇用を創出するということを明らかにされているわけですけれども、今二年たっていますけれども、これの進捗状況はどうなんですか。

政府参考人(三沢孝君)
 お答え申し上げます。
 平成十五年度補正予算で百万人の雇用効果と、こういうふうなことで積算をしたわけでございますけれども、現在までの雇用創出・維持効果、三十五万人と、こうなっております。

山根隆治君
 もうあと一年ほどしかないので、これはもう是非とも百万人達成をされないと、国民へのやっぱりもう約束ですから、是非ここのところはしっかりとやっぱり腰据えてやってもらいたい。補正予算にも、財務省に物も言えないようなやっぱりちょっと姿勢では、厚生労働省としてもうちょっと頑張ってもらいたいと。応援団の一人として強く申し上げておきたいと思います。

 さて次に、農業共済再保険の特別会計についてお尋ねをさせていただきます。
 本特別会計の中にある家畜共済の中で、今非常に世界的な心配事であります鳥インフルエンザでございますけれども、これがビールスが豚に感染したときに、これは給付の対象となるんでしょうか。

政府参考人(川村秀三郎君)
 お答え申し上げます。
 これまで家畜共済に加入している豚がこの鳥インフルエンザに感染した例はもちろんないわけでございますが、仮に感染をいたしまして、死亡、廃用又は疾病、傷害となった場合は共済事故の対象となり、共済金の支払が行われます。

山根隆治君
 既にオランダでは、これは豚にも感染しているということがはっきりしております。やはり、このインフルエンザもA型、B型、C型とありますけれども、A型はどこでどういうふうに変異していくか分からない、増殖していくか分からないということで、必ずしも鳥だけではない、人間にも感染した、そして豚にも感染する。実際はもうしたという事例があります。そしてさらに、馬にもこれは感染するということがかなり確率で高いというふうな学者もいるわけでございます。

 そうなりますと、豚だとか馬にも感染が広がるということになると、私は、この特別会計の根幹を揺るがしかねないような事態というものも想定できるわけでございますけれども、その辺についての財政上の措置等はどういうふうに考えておられるか、お尋ねします。

政府参考人(川村秀三郎君)
 農業共済の基本的な仕組みは保険の手法を用いて実施をしておりまして、長期的に収支の均衡が図れるようにということでやっております。被害の状況等を反映して、その長期的な収支均衡が図れるような方法に変えていくということで対応していきたいと思っております。

山根隆治君
 対応できるように変えていくというのは、具体的にはどういうふうに、どこの部分をどういうふうに変えていこうとされるんでしょうか。

政府参考人(川村秀三郎君)
 被害の発生によりまして、まずその被害率が変わってまいります。この被害率は基本的には二十年の平均を取って、ある程度の安全率を見込んでやっております。
 そういうことで、被害率が上昇するということを反映した仕組みにしていくということでございます。

山根隆治君
 運用について弾力的にやっていくと、こういうお話でございます。財政破綻そのものを恐れるわけでございますので、これから少し研究していただいて、是非あらゆる事態に適応できるように御努力をお願いをいたしたいというふうに思っております。

 時間も残念ながら来ましたので、あと一点ほどのお尋ねにしたいと思います。
 先ほど同僚議員の方から外為の関係のお話がございました。外国為替資金特別会計についても、歳入歳出の政府から出されている数値が非常に乖離がある。これ何なんだろうということでございまして、介入資金がその差額になっているなということで理解を外国為替資金特別会計についてはいたしたわけでございますが、この農業共済再保険の特別会計に実はつきましても、再保険金支払基金勘定についてはそれぞれ八十二億円、歳入歳出、ここで整合性が取れているんですけれども、農業勘定、家畜勘定、果樹勘定等について歳入と歳出がかなりこれは数字の開きがあるわけでございます。特に家畜勘定については、歳入が十六年度政府予算で申し上げれば四百四十八億、そして歳出が三百七十九億ということになっているわけですけれども、この細かい数字的な内容はともかくとして、分かりやすいこの辺の乖離、説明していただける用意がございますか。

 事前にこれ申し上げておかなかったので、もし分かればで結構です。分からなければ私の方からも幾つかお話ししたいと思いますが、どうでしょうか。

政府参考人(川村秀三郎君)
 ちょっと失礼しました。あれをいたします。
 農作物等につきましては、先ほど言いましたように、二十年で平均をしておりましてやっておりますが、家畜については三年ごとの見直しということでやっておりますので、ちょっと訂正をさせていただきます。失礼いたしました。

山根隆治君
 少しちょっと話がずれてきました。
 歳入歳出のこの数字の開きということについては、歳出が少なくなっていると。家畜勘定では四百四十八億に対して歳出が三百七十九億ということですから六十九億の開きがあるわけで、これをどういうふうに御説明いただくかということを聞いたわけですけれども、私の方から先に申し上げれば、これは積立てに回っているというふうに私は考えるわけでございますけれども、私はやはりこうした歳入歳出の数値のここにある分からない部分についても、これからは私は分かりやすく明示していく必要があるだろうと、大いに工夫が必要だというふうにも思うわけでございますけれども、この点について最後にお尋ねして、私の質問を終わります。

政府参考人(川村秀三郎君)
 農業災害の場合は年によって非常に変動がございます。それで、もちろん被害が少ないときにはプラスが出ますし、少ないときにはマイナスということで、それをならすという意味で今言ったような差が出るということで御理解いただきたいと思います。