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●山根隆治君 山根です。 日向野参考人にまずお尋ねいたしますが、その前に、大変心労の重なっている中で今日お出ましをいただきました。非常に見えざるいろいろなプレッシャー等もある中での公述だと思いますけれども、是非、日本の金融行政のためにも思い切ったひとつ御発言をこの際期待をいたしたいというふうに思っております。 まず、北朝鮮への送金の問題でありますけれども、一部マスコミ等で、アメリカから指摘があって、北朝鮮への送金六百億ほど足銀を通じてなされたというふうな報道もございました。この数字の内容についてはつまびらかに私も承知いたしておりませんけれども、御承知いただいている範囲で、いつごろから、どの程度北朝鮮に足銀を通じて送金がされたということを御認識になっていらっしゃるかどうか、お尋ねいたします。 ●参考人(日向野善明君) 私の記憶でございますが、昭和五十四年ごろから送金の取次ぎが始まったかと思っております。その後、五百億という数字は、これはよその銀行も含めた数字でございまして、私どものいわゆる郷里送金と言われる家族や親族に送る送金はそれほどの額ではございません。最近の数字でございますが、平成十一年、十二年、十三年辺りは百万ドル程度でございました。一億ちょっとでございます。こういう数字でございます。 さりながら、私どもは、事務の効率化のために送金の停止を考慮いたしまして、十四年の四月に北朝鮮とのコルレス関係を全部撤廃しまして、その後一切取り扱っておりません。 ●山根隆治君 次に、奥山参考人にお尋ねをいたしたいと思います。 先ほど奥山さん御自身からお話ございましたように、中央青山監査法人の代表社員ということで、今でも非常に実力者として影響力をお持ちだというふうに承知をいたしているんですけれども、そういう前提でお尋ねいたしたいんですけれども、中央青山監査法人には旧大蔵省及び現在の財務省のOBあるいは現職の方々が出向していたり、あるいは社員として雇用されているというふうな実態はございますか。 ●参考人(奥山章雄君) 現在はないと思います。元ノンキャリの方が一人採用されていると思いますけれども、キャリアの方はいないと思います。 ●山根隆治君 そういたしますと、今まででここの中央青山ではノンキャリの方が一名だけだというふうなことで理解してよろしいんですか。 ●参考人(奥山章雄君) そうだと思います。 ●山根隆治君 なぜこのようなことを両参考人にお伺いするかといいますと、昨日の衆議院の委員会でのいろいろな御議論を聞いていましても、なかなか理解がちょっとされないところがありました。当委員会で、閉会中の審査で竹中大臣との論議もこの委員会でございましたけれども、どうも政府からの説明によっても、なぜ三号措置であったのかということが非常に合点がいかないことがございました。いろいろと法律上の問題や規約等でそれを棒読みされるような形で、木で鼻をくくったような説明だというふうに私自身は受け取れて仕方なかったわけですけれども、まあ、そんなふうなことでございますが、非常にミステリアスな感じが三号措置についてはいたします。 巷間、いろいろな真相というものは何なのかということが論じられているわけでありますけれども、来年の四月にペイオフが全面解禁になるというようなこと、あるいはまた今度の通常国会で公的資金の予防的注入可能な措置が取られるよう新法を作るというふうな背景等があって、この際、地銀で内容が余り良くないというふうに思われる足利銀行をいけにえにしたのではないかというふうな取りざたもされるわけでございますけれども、これについて、こうした見方に対しては日向野参考人はどのようにお考えになりますか。同意されますか、私の見解に。 ●参考人(日向野善明君) 背景にどういうことがあったのかは私は知るすべもありませんが、いろんな点で、たまたま同じ日に監査法人から通知され、金融庁から通知され、それから時間的にも余裕を持たされない、いろんなことで我々としては納得できない部分がございます。しかしながら、何があるのかは事実以外は分からないわけでございまして、私には知る由もありません。 しかしながら、短期間でこういう結論を出さなくちゃならなかったということ、短期間でこういう状況の変化があったということ、これには非常に残念な思いで一杯でございます。 ●山根隆治君 ミステリアスだからこそいろいろなことが言われるわけですね。北朝鮮との関係というのをこの際帳簿を全部洗い直して徹底的に調査する、そういう意図があるのではないかというふうなこと等も実はございますので、あえて先ほどああした質問をさせていただきました。 三月期、昨年三月期決算につきましては、中央青山監査法人の監査結果、そして金融庁の検査ということで、非常に大きな隔たりが結果的にございました。監査法人の方では風邪だというふうな患者さんを見立てたものが、実際にはもうがんの末期症状だというようなことを国から言われたようなもので、非常にこの辺がどうしても私も昨日の議論を聞いていても理解ができません。 そこで、お尋ねをいたしたいんですけれども、もし金融庁のこうした措置というもの、それを形としては足銀の方はそれも認めざるを得なかったということになったわけでございますけれども、しかし結果として認めたということは今回ございます。金融庁の言うように三月期の決算が債務超過だったとすると、足銀は私は結果として粉飾をしていたというふうなことになりはしないか、あるいはまた逆に中央青山監査法人の方ではそれに加担していたということも私は言えるかと思います。こうした問題についてはどのようにお考えになりましょうか。両参考人にお尋ねいたします。 ●委員長(平野貞夫君) 最初にどちらが。じゃ、日向野参考人。 ●参考人(日向野善明君) 三月期の決算につきましては、会計基準にのっとり正しく計上しまして、監査法人によって確認をしていただいたものでございます。粉飾ではないと思っております。 ●参考人(奥山章雄君) 三月決算はそれぞれ妥当な決算が出され、妥当な監査が行われて、その結果だと思います。 また後で御質問あれば是非お答えしたいんですけれども、監査と検査の違いというのがどこにあるかということについては、是非その御認識をいただきたいと思います。それだけ申し上げておきます。 ●山根隆治君 具体的にはどのようなことを言いたいんですか、奥山さん。 ●参考人(奥山章雄君) 監査と検査というのは、実は数年前から同時並行といいますか、制度が走って、銀行が決算を組んで、それを監査人が監査をする、それを事後的に金融検査でチェックをしていく、こういうシステムができ上がったわけですね。 私は、前々から、こうなると、検査と監査では必ず見方の違い、目線の違い、それから目的の違いから乖離が出ると、そういうふうに申し上げていました。ですから、乖離が出た場合にそれをどう修正するのか。現実に多くの銀行の検査でもって監査との違いについて出ております。これは金融庁に確認していただければ分かると思いますけれども、ほとんどの銀行において検査の結果は自己査定あるいは監査と違う、そういう差異が出ております。 これをどう修正するのかというのが当初からの懸念でありまして、私は、あるときは検査と監査を同時に行ったらどうかと。そうすると監査と検査が違うことが起こり得ない。それは一番決算を固める上でいいのではないか。 しかしながら、これを申し上げたら、金融庁としては、これは事後検査という、事後監督という立場をまた放棄することになる、また、決算に対して金融庁が介入することになる、これはあくまでも監査は証取法のシステムで成り立っていて、検査は銀行法の上で成り立っているものだから、これはやはり分けるべきだというそのことは変えないと。ここが一番違うところで、具体的に何が目線が違うか、何が見方が違うかということをまたお尋ねであれば申し上げたいと思います。 ●山根隆治君 いろいろと伺いたいんですけれども、時間の制約がありますのでね。 それではお伺いいたしますけれども、繰延税金資産についてですけれども、繰延税金資産を除いた実質的な、それでは、先ほども御議論ありますが、自己資本比率が四%をクリアしている銀行というのはどれぐらいあるというふうに御認識なさっていますか、奥山さん。 ●参考人(奥山章雄君) 四%を繰延税金資産だけで賄っているという意味ですか。 ●山根隆治君 いや、除いて。 ●参考人(奥山章雄君) 繰延税金資産を除いて四%をクリアしている銀行がどれだけあるか、いや、私はちょっとその計算したことございません。 ●山根隆治君 非常に厳しい結果が私は出るんだろうと思うんですね。 今回、繰延税金資産を認めなかったということについて、果たして、それじゃ、他行全部、地銀から都市銀行から全部含めてそういうふうな措置を取った場合には、私は、もう大変な金融恐慌が起こるというような実態というのは、私、あるんだろうというふうに思っております。したがって、本当にこれからも私はこの措置というものが様々な形で悪影響が出てくると思うんですけれども、この繰延税金資産が金融庁のさじ加減一つで決められるような、そういう非常に頼りないものだというふうな印象を私は多くの金融関係者は持っただろうというふうに思っております。 したがって、例えばですけれども、行政上の資本にはこれを算入しないというふうな考え方があるわけでございますけれども、これについてどのようにお考えになるか、あるいは会計上、これに代替される措置というものは考えられるかどうか、参考までにお尋ねいたします。 ●参考人(奥山章雄君) 確かに、お話のように、繰延税金資産の一部算入規制という形で自己資本比率を算定する方法はあるかと思います。私は、それは監査人が繰延税金資産の是非をしなくてもいいという意味では賛成でございますけれども、ただ、これには前提として、やはり今積み上がっている繰延税金資産が余りにも大きい。大きいのは、これは税法で過去に繰戻し還付を認めてないということがあってこういうことになっているわけで、アメリカ等では繰戻し還付を認めた上でこうなっているわけですから、そこはやはり制度上大きな違いがあるので、そこを前提としなければいけないというふうに思います。 ●山根隆治君 日向野参考人にお尋ねをいたします。 金融庁は、二〇〇一年以降、二年以上も検査をしておりません。その間、二百九十九億円の第三者割当て増資を容認して持ち株会社の設立も認可してきたわけでございますけれども、この間というのは非常にお互いの信頼関係が確立されていたのかなというふうに私思うんですけれども、こういう認識でよろしいですか、金融庁との関係で。 ●参考人(日向野善明君) 金融庁との間では、以前から公的資金を受けている関係もあり、常に報告を求められ、またこちらから状況報告もするようなことも多々ございました。金融庁との間は特にまずい状態にはなってなかったと私は思っています。 ●山根隆治君 そういう御答弁を聞きながら、表現が少し悪くなりますけれども、別の言葉で言うと、甘えが生じていて、なれ合いというふうなことの状況はなかったというふうに理解してよろしいんですか。 ●参考人(日向野善明君) 公的資金を受けて、二度受けていることもありまして、危機対応室が窓口になって、銀行二課と併せて危機対応室が我々の資料を受け取ったり、話を聞いたりしてくれました。危機対応室は非常に厳しい見方で、健全化計画を必ずクリアしろと、これは常に言われておりまして、我々も健全化計画をクリアするのが最大の目標で、剰余金を積み立てて千五十億、公的資金を返すのが一番の目的だと、こういうふうに思って常々敏感な気持ちで対応をしておりました。 ●山根隆治君 それでは、時間でございますけれども、最後にお尋ねいたします。 受皿作りということでは県民銀行構想というものも地元であるやにも聞いておりますけれども、これについての見解を一つお尋ねします。そしてもう一つ、善意で増資に応じた方々、株主からの様々な、これいろいろな問題が出てくるかと思いますけれども、訴訟の可能性というものは感じておられますか、そういう方々から。この二点だけお尋ねして終わります。 ●参考人(日向野善明君) 県民銀行という話でございますが、これは地元密着とする地方銀行としては非常に好ましい方向だとは思います。ただ、いろんな問題が具体的にございますので難しいことだとは思いますが、県民銀行として認知すると、こういう話は非常に有り難い話でございます。 それから、裁判の話については私は具体的には聞いていないんですが、そういうようなことを言っている方もいらっしゃるという話は仄聞をしております。 ●委員長(平野貞夫君) よろしいですか。 ●山根隆治君 結構です。 |