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●山根隆治君 私は、与えられた時間の範囲で、拉致の問題、BSEの問題、そして中国で成立しました反国家分裂法と日米の対応、この三つの問題についてお尋ねをいたしたいと思います。 まず、拉致の問題でございます。 私は、この拉致の全面的な解決というものは、いろいろな事由によって北朝鮮にいる日本人が、自分が希望すればいつでも帰国することが可能だという状況が、本格的な根本的な私は拉致の全面解決だろうというふうに思っているわけであります。 しかし、小泉総理が北朝鮮に行かれたときに、ジェンキンスさんの問題、ジェンキンスさんについていろいろとお話をされた。そのジェンキンスさんが、総理が行ってさえなお本当の心の内を北朝鮮にいるときには話すことができなかった。つまり、恐怖な政治が行われている体制の中で、本当に自分は帰りたいんだというふうなことはなかなか口が緩まないということがあろうかと思います。 寺越武志さんは、自分は拉致をされたんではないんだと、だから帰国するつもりはないと、こういうことを言われたというふうな話でございます。その真意は分かりません。しかし、現在の金正日体制の中で、本当に私が言ったような意味で根本的な拉致の問題というものは可能なのかどうか、この点について総理にお伺いいたします。 ●内閣総理大臣(小泉純一郎君) 可能であるかどうか、問題解決不可能な問題についても解決に向けて努力するのが日本の政府の立場であり、そのように今まで進めてきたわけでございます。 もとより、日本の国家体制、民主主義と北朝鮮の体制は全く違います。そういう中においての、拉致の問題につきましての考え方も違いますが、拉致された家族の方々、被害者の方々の発言につきましては、北朝鮮においては制約があるのは承知しております。日本に帰国されて、当時はこうだったというような心情も理解しておりますが、日本政府としてはこの拉致の問題を解決すべく今までも全力を尽くしてまいりましたし、これからも全力を挙げて取り組んでいかなきゃならない問題だと認識しております。 この北朝鮮の交渉につきましては極めて難しいものがあると思いますが、今後も何とかこの難しい問題を乗り越えて、平和的に、外交的に解決が図られるよう努力をしていきたいと思っております。 ●山根隆治君 今、パネルを出させていただいたわけであります。(資料提示) 拉致に関して、我が国の窓口といいますか、対応されている役所というのは、公安調査庁、内閣調査室、海上保安庁等々ございます。しかし、その連絡調整機能というのがなかなか発揮されていないということが私はあろうと思います。 その一つの証拠がここに、久米裕さん始め十五名の、これは日本政府が拉致を認定した方々でございますけれども、その明らかになった経緯というものをここに記させていただきました。お一人として、日本政府、日本の当局がいろいろな調査して、積み上げてきて、そして拉致だというふうに認定したもの、ほとんどない。皆、新聞記者の人たちのスクープであったり、あるいは被害者の方々が実家に手紙を出されたり、そういう中からの資料で明らかになっていくというふうな状態でございまして、私は、もうこの辺で日本も、一つのこうした問題を解決するに情報機関というもの、しっかりとしたものを構築すべき、検討すべき時期に来ているのではないかと思われてなりません。この点について御見解を聞かせてください。 ●内閣総理大臣(小泉純一郎君) 情報機関を強化充実していくということについては、私も同感であります。どの国でも情報機関の活動というものは極めて活発でありますし、日本だけそういう機関がなくていいのか、またおろそかにしていいかというふうには私も考えておりません。 こういう問題につきましては、党派を超えて御理解をいただいて、日本がしっかりとした情報収集能力を高めていく、こういうことについては今後も更に強化充実策というものは真剣に考えていかなきゃならないし、その充実に具体的な改善を図っていく必要があるということは私も同感でございます。 ●山根隆治君 なぜ私はこういうことを野党の立場で申し上げるといいますと、一九七三年、金大中事件が東京で起きました。これは完全なる日本の国家の主権を侵されたと、この経験が全く生かされていないというふうな認識を私たち持たなくてはいけないんではないかと、そういう思いから申し上げているわけでございまして、是非、具体的な、まず研究、検討ということになろうかと思いますけれども、この点については今総理から御答弁いただきましたけれども、積極的に私からお願いを申し上げておきたいと思います。 さて、十五名の認定をされた方以外にも、クアラルンプールで日朝の実務者会議が平成十四年の十月に行われました。その際に、日本側から北朝鮮に対して、拉致と思われる方を想定して具体的に名前を出されてその安否というものを確認されたというふうなことを承知をいたしているんですけれども、これは事実としてお認めになりますか。 ●国務大臣(町村信孝君) 個別のやり取りにわたる部分はちょっと控えさせていただきますけれども、何人かの方々について先方と接触を持ち、話合いもしたことも事実でございます。 ●山根隆治君 こちらの側が具体的に国との交渉の中で名前を出して安否を確認したということは、当然国内にあっては拉致と認定をされている、条件が整ったというふうに私は理解をいたすわけでございますけれども、この点についてはいかがですか。 ●国務大臣(町村信孝君) ちょっと今手元に資料がございませんので、どの方をというのは私ちょっと今個別名を挙げることはちょっとできないわけでございますが、諸般の情報を勘案して、これは先方に対して持ち出すのが適切であるというふうに判断した方々については複数名、先方と折衝をして協議をしたことは事実でございます。 ●山根隆治君 私が申し上げたいのは、であるならば、なぜ国内においてそれらの方々を拉致として認定しないのかということを伺っています。 ●国務大臣(町村信孝君) ちょっと、どなたの名前を言っておられるのか、ちょっと私、今手元に資料がないので、もし後ほど調べて分かりましたらまた御返事したいと思います。 ●山根隆治君 いや、そういう話じゃない。そうじゃなくて、もっと本質的な話をしているわけですね。外国に対して返してほしいということを言っているのならば、当然日本では認定されてしかるべきではないだろうかということを私は申し上げているんです。 私の方からお名前を、これ差し障りがないかと思いますので承知しているところで申し上げますと、伝えられるところによりますと、藤田進さん、加藤テル子さん、松本京子さん、田中実さん、小住健蔵さんというふうに私は承知をいたしておりますけれども、個々のお名前というよりも、むしろ北朝鮮に対して返してほしいということを、いうことを言っているんであれば、当然国内において拉致として認定するのが当然ではないかと、この矛盾を私は申し上げています。 ●国務大臣(村田吉隆君) ただいま拉致の被害者との認定ということでございますが、私、国家公安委員長の立場として犯罪捜査という観点から言いますと、私どもは情報を鋭意集めまして証拠を積み上げて、それから捜査を集中して行った結果、現在のところ十件十五名、これが北朝鮮による拉致の被害者、容疑者であると、拉致の被害者であると、そういう事案であると私どもは認識しているわけでございます。 ●山根隆治君 まあ全く私の質問に答えていないんですけれども、こういうふうな答弁では本当に私は北朝鮮に侮られる、交渉の中で、ということをひとつ申し上げておきたいと思います。 それで、総理にお伺いいたします。時間の関係で先急ぎますけれども、この北朝鮮の問題、拉致の問題で最後の質問であります。 北朝鮮の金正日体制、非常に不安定な状況にあるということを総理も多分内々認識されておられると思います。もし政変が起きた場合に、日本の拉致被害者の方々の身辺に危険が迫ったとき、日本国の責任においてその救出に立ち上がる、その決意を国民の前に明らかにしてください。 ●内閣総理大臣(小泉純一郎君) 現在も拉致被害者の救出に全力で取り組んでいるわけでありますが、この政変が北朝鮮に起こった場合ということは今の金正日体制が転覆されるわけであると思います。その場合に、どういう政権ができるかというのは予測ができません。今までも拉致の被害者であると言われていながら、現実にはそうでない場合もあったわけです、情報におきましては。確認している以外の方も実際には拉致被害者であったよという場合もあったわけであります。情報が錯綜しているんです。それを認定する、確認するということが大事であるということも御理解いただけると思います。 そして、今、仮定の議論なんです。それは、金正日体制がいつまでもつかという議論は様々な方々がなされます。そして、どういう状況になるかというのは想像の段階を超えないわけであります。こういう時点において、今の北朝鮮で政変が起こって体制が変わる、どういう状況になるかということについて私がこの場でこうなるであろうと言うことは、言うのが適切かどうか。 また、想像の域を、段階で、私はいかなる場合においても拉致の被害者は救出するということであります。それはどういう体制であろうが全く変わりないんです。 ●山根隆治君 私、前向きに理解をすることにいたします。つまり、いかなる体制にあっても拉致の被害者の人を救出すると、そこに私は納得をしたいと思いますので、是非この辺のところの決意を改めて固めていただきたいと思います。 次に、BSEの問題についてお伺いいたします。 二月二十五日の衆議院の予算委員会で、日本が行っている全頭検査については世界の非常識の部類であります、こういうことを発言されていまして、この予算委員会で我が党の福山議員がその撤回を求めまして、その際の議事録を読みますと、「この言葉を収めることに異議はありません。」、こういうふうな答え方をされています。 これは本当に他人事としか思えないような答弁の私はもう仕方であって、本当に撤回したいという思いがにじみ出ていないと、こういうふうに思います。この意味というのは、やはりもうこれ以上余り混乱をさせたくない、当面糊塗したいというふうな思いが出ているように私には思えてならないわけであります。 農水大臣が私、犯した罪というのは二つ、二つあると思います。 一つは、国民を愚弄した罪ということになります。つまり、全頭検査を行って国民に安心を与えていた。それを、世界のこれは実は非常識だったんだよということを農水大臣が話されるというのは、これは私は国民を愚弄したことになりはせぬかということが第一であります。 それから第二は、これは小泉総理が怒らなくてはいけないんですけれども、小泉内閣において全頭検査というものをいろいろな議論、経過がありながら決められたわけですね。その小泉内閣のまた農水大臣、後任になったあなたがこのことを否定するような発言というのは、これは私から言わせれば、閣内にあって、野党ではない閣内にあってなお、私は小泉内閣不信任案というものを出したというふうに思えてなりません、結果して。 私はこの際、この発言という、明快な言葉で発言というものを撤回されて陳謝を求めたいと思います。 ●国務大臣(島村宜伸君) 議事録をすべてお読みいただくと有り難いのですが、部分だけ取られると、なるほどそういうことになります。 私は、簡潔なことに、簡潔に申し上げるならば、これが、この発言がもし不穏当であるならば収めることに異議はないと再三答弁してきたところでありますが、これは撤回と受け止めてよろしいですかと言われた際にも、結構でございますと、こう言いました。また、改めて発言を撤回してほしいというお話に対しても、私は撤回させていただいたところであります。 なお、そのBSE問題については、平成十三年の九月にこれが発生しまして、国民の大変驚愕、言わば肉に対するおそれは、肉屋さんを大変な打撃に、打撃を与えた。外食産業すべてにも影響が出たわけですね。これを何としても国民の理解を得るためには全頭検査に踏み切るというので、当時、そこまでやる必要はないんじゃないかという意見がある中で、私はむしろそれをやるべきだと賛成した一人、しかも、これは英断であったと思います。 しかし、その後、ずっとその検査が続きまして、昨年我々が諮問した段階でも約三百五十万頭、現在に至っては四百二十万頭に及ぶと、こう言われておりますが、そのいろいろな言わば検討の結果を経て、言わば食品安全委員会の中間取りまとめの言わば議も経まして、我々は今諮問しているところでございまして、当時とすれば全頭検査は英断であったけれども、ここまで検査をした結果、しかも専門家が中間取りまとめをなさったことでありますから、私たちはそのこと自体について新たな諮問をしているというのが現在の段階。やっぱり時間の経過の中で状況が変化しておると御理解いただきたい。 なお、さはさりながら、我々はあくまで言わば科学的知見に基づいて、食の安全、安心を大前提に、この問題に取り組んでいくという考えをこれまた再三申し上げているところであります。 ●山根隆治君 時間の関係もありますので、先急ぎます。 総理にこの問題についてお伺いをいたします。 明日、ライス国務長官が来日されます。そして、電話会談の内容も外務省の方から明らかにされておりますけれども、BSEの問題ほか四点ほどの会談であったというふうに承知いたしております。その中で、総理とブッシュ大統領で意見が合わなかったのはこのBSEの問題だけだというふうに承知をいたしております。 今日の夜、ライス長官が来られます。このBSEの問題というものを中心に、多分総理にお話しになられるんだろうというふうに想定を、そんたくをいたすわけでございますけれども、十五日の夕刊にこういう記事がありました。アメリカ会計検査院が、アメリカ食品医薬局に対し、BSEの発生防止で重要な飼料の検査に十分な体制を取っていないと指摘した報告書をまとめたと、こういうふうな報道があったわけでございますけれども、こういうことを踏まえてライス長官にはどのような対応をされるお立場でおられるのか、お考えを聞かせていただきたいというふうに思います。 ●内閣総理大臣(小泉純一郎君) ライス国務長官は町村外務大臣とも会談されますし、私もできれば会談したいと思っておりますが、どういう話になるかというのは今の時点では分かっておりません。そのときにどういう話が出るか。 でありますが、BSEの問題につきましては日本政府の立場ははっきりしております。日本国民の食の安全、これを確保して、科学的知見に基づいてできるだけ、お互いの貿易再開を望む姿勢は分かっておりますから、そういうのをよく展望しながら、時期を設定することはできませんが、日本としても誠意ある対応を取っていきたいと。今までアメリカが思っているような早期の解決は見られていないということにつきましても、決して日本は遅らせているわけでもないと、牛肉産業界を保護しているという観点からこの問題の対応を遅らせているわけでもないと、日本としては食の安全、安心、科学的知見に基づいて誠意ある対応を行っているんだということをブッシュ大統領には申し上げているわけであります。その方針について変わりはございません。 ●山根隆治君 科学的知見というお言葉を使われました。是非それに徹して、国民のやはり生命にかかわることでございますから、変な意味での妥協なく、科学的に知見に基づいて是非対応をしていただきたいと思います。 私は、この今回のBSEの問題というのは、日米で、小泉政権になって初めてと言ってもいいぐらい非常に微妙な難しい交渉になるだろうと思います。場合によっては、アメリカも上下両院で決議案出されていたりしています。もしこれが制裁措置をとられるということになると、ガットあるいはWTOの違反の可能性もあるのではないかと、そんなふうな議論もあるぐらいに微妙な問題でございますから、その一番決断をされる最後のとりでは、やはり科学的な根拠ということに私は是非徹していただきたいと思います。 で、アメリカのこうした要求に対して、私思い出すのは、日米繊維交渉を思い出します。沖縄の返還に伴って、ニクソン大統領の地元の繊維産業を擁護するために自主規制というものを求めてきた、しかしそれを調べてみると、実質的な日本からの輸出によって繊維産業が打撃を受けたという例がなかったということでございます。これは密約説が当時ありましたけれども、その後数十年たって、その密約というのが本当にあったということはいろいろな方々の発言等で明らかになっているわけでありまして、こうした私たちは苦渋の歴史があるわけでございますから、あくまでも、国民の生命を守る、そして科学的な根拠に基づいて措置していくということを是非お願いをいたしたいと思います。 次に、最後に、中国の反国家分裂法と日米の対応ということでお伺いいたしたいと思います。 この法律の制定、施行というのは、主権がある二つの組織というか、中国という一つの国家がございます。台湾も主権を持っています。一方の主権を持つ国家が一方の主権を持つところに対して、地域に対して、一方的に法律の適用をすると、こういう措置というのは、国際法上普通あり得ないというふうに私には思えてならないわけでございまして、場合によっては、見方でございますけれども、宣戦布告というふうな見方さえできるぐらい、これは恐ろしい法律かなというふうに思っております。 アメリカには台湾関係法がありますし、アチソンが唱えた絶対防衛ライン、地政学上のアメリカがずっと持ってきた国家戦略というものがあるわけでありまして、台湾をあくまで守るというふうな意思というのを明らかにされているわけであります。 一朝有事の際、日本はどのように対応されていくのか、その点についてお尋ねをいたしたいと思います。周辺事態法の発動あるいは在日米軍の活動に制約を与えないというふうな選択肢等々があろうかと思いますけれども、この点について具体的な検討をされておられれば、お答えをできる範囲でお願いいたします。 ●国務大臣(町村信孝君) この反国家分裂法につきましては、いろいろな案件もあったものですから、十五日の日、私は李肇星中国外交部長と電話会談をいたしました。先方から説明があったものですから、私の方からは、この法律の両岸関係の否定的な影響を懸念をしていると、日本としては、台湾の独立を支持はしない、しかし武力行使にももちろん反対であるという旨を述べておきました。 日本としてはこれまで一貫して中国の武力行使に反対をすると、平和的な解決法以外いかなる解決法にも反対であるということを述べてきたところでありまして、これはもう一貫した我が方の立場であります。そういう意味から、両当事者が早期に話合いを再開をするということで、それに向けて私どもとしては最大限の努力をしていこうと、こう思っております。 仮定の話として、仮に台湾地域をめぐって武力紛争が発生するような場合どうするんだという今お尋ねでございましたけれども、実際にその紛争というのは、どういう形で、どういう規模で、どういう性質で、どういう国際情勢の下でそれがあり得るのかということを具体に考えてみなければならないわけでありまして、今現時点で抽象的にこのことを論ずることは適切ではないのではなかろうかと、かように考えております。 ●山根隆治君 抽象的に論じられないということで、この場でいろいろな論争をすること、仮定の問題で論争していくことについては非常に国防上の問題もあろうかと思いますので、これ以上追及を私も避けたいと思います。 いずれにいたしましても、やはり日米安保条約があって、私たちはアメリカとの連携なしに台湾問題というものを語ることもできないし、行動を取ることもできないというのは事実であります。日米関係が非常に今微妙な時期に掛かって、BSEの問題でございますけれども、そうした問題を超えて、日米基軸ということは揺るぎないものだろうと私自身は思っているところでありますし、これからもそうありたいというふうに思っております。 しかし、小泉総理の対米外交ということを見てみると、国民のイメージは、どうも唯々諾々としてアメリカの言われること、されること、ただ付いていっているんではないか、そういうふうな目で国民が見ている節もあるわけでございます。 例えば、イラク問題にいたしましても、フランスはまず、アメリカのイラク問題への決断という、決定というものに対してフランスはノーと言って、そこから条件というものを少しずつ整備していくという手法を取りました。そしてイギリスは、まずイエスと言っておいて、アメリカの懐に入っていろいろな修正を課している。例えば、国連決議の問題でも、決議案の作成の問題でもそうでありましたし、私もイラク攻撃の前にブレア首相がアメリカに飛んだそのときにイギリスに行きまして、いろいろな関係者から話を聞かせていただきましたけれども、ブレアの心は本当はイラク爆撃反対なんだというふうな論調が非常に強かったし、そう、識者も多かった、指摘する識者も多かったわけでございます。しかし、一度アメリカの懐へ入り込んで、そしていさめたりするというふうなことを取ったんだというふうなやり方でございました。 日本のアメリカ外交、そして日本の国家戦略というものが明確でない中で、この二つの国の外交の在り方というのは大いなる私は参考になると思います。例えば私だったら、私は、一つの物の考え方としては、総理がもっとイギリスと連携して、時にはアメリカをいさめる、時にはアメリカを励ます、そうした外交戦略も一つの選択肢としてあり得ると思うわけでありますけれども、私の指摘に対して、総理、どのようにお考えになるか、日本の外交戦略の基本について、対米関係を重視しながらどのように展開されるか、その理念をお聞かせをいただきたいと思います。 ●内閣総理大臣(小泉純一郎君) 日本はイギリスとも違いますし、フランスとも違います。イギリスを参考に、イギリスを見習うべきだという話でありますが、それではイギリスと一緒にアメリカと戦おうということでしょうか。日本はイギリスとは違います。イギリスは軍隊を派遣してアメリカとともにイラクの安定した民主的な政権をつくるために戦っております。日本はイギリスと違います。 私は、日本は日本の立場をよく考えながら、わきまえて行動しているものであります。そして、アメリカやイギリスと違った日本はイラクでの人道支援、復興支援活動に自衛隊を派遣しているわけであり、アメリカと協調しながら世界各国とも協調しております。 イギリスのように懐に飛び込んでということは、イギリスと日本とはそれぞれ違うんですから。フランスだって核兵器を保有しております、そしてNATOという組織を持っています。日本とフランスは違います。 しかし、日本は日米同盟と国際協調を重視しながら日本の安全と独立を確保していくということでありまして、私は、イギリスと日本が違っておかしいということはないと思います。 ●委員長(中曽根弘文君) 時間が参りました。 ●山根隆治君 私の質問を、外交の基本的な戦略と日本の国家戦略を伺ったのに、総理の答弁は私の質問を矮小化してしまったと、非常に不愉快な思いであります。 終わります。 |