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●山根隆治君 おはようございます。 質問通告に沿いまして順次お尋ねいたしておきたいと思います。 今の竹中大臣の御報告を聞かせていただいて、本当に日本の金融システムがついにもうここまで来ているんだという思いが禁じ得ません。今日まで本委員会で様々な角度から専門的な経験等を生かしていろいろな方が御質疑されてまいりましたけれども、一体いつになったら金融システムが安定していくのかという漠たるそうした思いが次々と浮かぶわけでございます。 実は私は、二十二年間、地方議員をやってきました。市会議員を十六年やって、県会議員を六年やってきて、非常に地方議員としての活動が長かったわけでございますけれども。市会議員のときには道路環境とか生活に非常に密着した御相談事が非常に多かった、選挙区内を東奔西走したという思いがあるんですけれども、県会議員になってくるともう激減して、余り陳情がないんで、県政とは何なのかという思いもちょっと持ったことはあるんですけれども。 一昨年の参議院選挙を当選してから、陳情のほとんどはやっぱり金融問題なんですね。それはどういうことかというと、以前ですと、例えば市中にある市中銀行の支店長等にお話しすると、零細中小企業から融資の申込みをしているけれども、今ちょっとうまくいかないんで何とか話してくれないかということでお話が、御相談があると、うまくいっていたのに、何で山根さんに話するとうまくいかないのかと、こういうことでよく言われたりいたしました。私自身も随分、それなりに自分の許せる範囲で、私の立場もありますから、いろいろな中小零細企業の皆さんの融資の問題については東奔西走してきましたけれども、なかなかうまくいかずに、ノー、ノーという、そんな返事ばかりなんですね。 いろいろなことをあえて承知の上でお尋ねをこの際しておきたいと思いますけれども、このような金融機関の状況に至った最大の原因、そう端的に言えないし、改めてどんなふうな思いを持っておられるのか、お尋ねしておきたいと思います。 ●国務大臣(竹中平蔵君) 委員御指摘のように、日本の金融システム全体、非常に大きな問題を抱えたままもう十数年走ってきたのだというふうに思います。 要因を挙げるのはなかなか容易ではないんでありますが、非常に、ちょっと視線を遠目に置いて見てみますと、日本の銀行融資の残高、銀行融資残高というのが、八〇年代の前半ぐらいまではGDPに対して大体七〇%ぐらいであったと。それがバブルに向かう過程でどんどん膨らんでいって、最高一一〇%弱ぐらいまで行った。極端に言えば、十年間で総体規模が一・五倍になったと。この間、やはり銀行は非常に安易に貸したということになったし、逆に企業も、これ全部の企業ではありませんけれども、やはり安易に借りたと。その修正をもうせざるを得ない状況にこの十年間置かれてきたということだと思います。 その過程で、今はマクロ的なお話を申し上げておりますが、ミクロ的にはいわゆる貸し渋り、貸しはがし的な状況が起こってくる。銀行は銀行でその自己資本を維持されなきゃいけないということで必死になる、企業は企業で当然のことながら必死になる、そういう言わばバランスシートの調整を両方ともしなければいけなくなった状況であろうかというふうに思っております。 これはしかし大変苦しい道でありますが、打ち出の小づちのような方法は実はやはりどこの国の経験を見てもないわけで、銀行としてはしっかりと資産を洗い出して、それをルールを決めて着実に減らしていく。その間の、同じように企業についてもバランスシートの調整が求められて、必要なリストラもしなければいけないでしょう。しかし同時に、そこに信用保証のような形で、セーフティーネット保証、セーフティーネット融資のような形で激変を緩和するセーフティーネットを用意して、できるだけその準備をしていこうと。大変地道な努力を重ねていかなければいけないという状況に追い込まれているんだと思っております。 この点について我々更に努力しなければいけないことはたくさんあると思っておりますし、細心の注意を払いながら政府と、行政府と、それと民間企業、それで従業員の方、それぞれ一丸となって難局を乗り切らなければいけない状況であると思っております。 ●山根隆治君 民主党も行った調査がございます。それから、政府自身も行った調査がある。それどういうことかというと、末端の中小零細企業の事業主の方々が政府の改革路線、現場ではどのように受け止められているのか、あるいはさらに具体的にどのような問題があるのかというアンケート調査をいろいろな機関、政府も含めてしております。 私自身も地域において、例えば川口のある零細企業の方から言われました。非常に、日本の経済システムというのは二重構造に今なっておりますけれども、いろいろな製品の開発については零細企業から生まれてくることが非常に多い。例えば、汚物処理システムをある川口の方が開発をされました。それには二億円だったか三億円だったかの設備投資してわざわざ開発したと。しかし、それをいざ、今度はそれを販売に乗り出そうといったときに、全部資金がもう枯渇していて、そこで金融機関に駆け込んだけれども、もうその担保も底をついているということで、なくなっていますよというふうなことが言われたと。あるいは、建設業者の方でも、マンションの非常に床張りの中にある工夫をして、そしてきしむ音を和らげる、そうした製品開発をしたけれども、それをやはり販売していく営業力というか、というところで非常に資金が枯渇してしまったというふうな話も実は御相談を受けたことがあります。そうした話を持っていきましても、やはり担保担保というふうなことで、軌道に乗れないで、こうした製品開発の意欲というものがなえてきている、そういう環境が非常に私あるなというふうに感じているわけです。 大臣自身がいろいろなイメージを持って金融システムというものの改革に今取り組んでおられるという御努力に対しては評価するにやぶさかではない面もございますけれども、こうした政府が考えている、あるいは大臣がお考えになっていることと現場とのやっぱりギャップというものについては非常に私、大きいものがあるように思うんです。 こういう点について、もういろいろなアンケート調査等の結果ももうごらんになっていらっしゃるかと思うんですけれども、これらの何か埋める知恵というか、そういう思いというのはございませんか。 ●国務大臣(竹中平蔵君) 今の山根委員の御指摘、一つの例として御紹介してくださいましたが、そういった正にミクロの現場を踏まえるということは、これは大変重要なことであると私自身常に考えております。 よく、構造改革の結果、銀行が融資態度を厳しくしている、貸し渋りが起こるというような言い方をされるんですが、これは実は現実はそうではないわけですね。このような、先ほど銀行が融資を、どんどんどんどん残高を減らしているというふうに申し上げましたが、これは小泉内閣ができるもう何年か前から始まった現象です。銀行はそうせざるを得ないような市場からの厳しい圧迫、評価を受けたと。むしろ構造改革というのは、そういうふうに調整をしなければいけないのであるならばきちっと調整しようではないかと。ルールを決めて調整しよう、そのために必要な制度整備をしっかりやっていこうではないかと。私はこれが構造改革の本質であるというふうに思っております。 今の委員の例示で言うならば、銀行は川口のその企業に、本当にきちっとした目利きの能力があれば、単純に担保に頼るということではなくて、目利きを持ったそういうしっかりとしたリスクを取れる金融機関であるならば御指摘のような問題は本来生じないはずであると。それはしかし、どうしてそのようになっていないのかと。これは、やはりこれまで言わば右肩上がりの中で安易に融資をするという姿勢で、なかなか融資のノウハウが蓄積されていない、担保にだけ頼る、そういった金融システムそのものを変えると。担保に頼らない融資というのを増やせというのがこれは実は金融再生プログラムの中にもうたっていて、実際、我々、そういう働き掛けを随分しているわけであります。 その意味では、私自身は、できるだけ今御指摘のようなミクロの情報を踏まえながら、きめ細かさを伴った、しかしやらなければいけない調整はしっかりやっていこうと。そのような政策を取っていくことがどうしても必要であろうと思っております。 もう一つは、先ほども申し上げましたが、やはり変化をしなければいけないときにはそれを救うセーフティーネットというのはどうしても必要になってくる。これに関しては経済産業省でも大変御努力くださって、例のセーフティーネット保証というのができてから実は統計を見ると非常にその辺は正直に現れているわけで、セーフティーネット保証が充実してきた時期から実は日本の企業倒産数は減っております。企業倒産は実は今十か月連続で前年を下回って減少していると。小さなサインではありますが、やはり重要なサインであると思っている。その背後にはそうした経産省も努力してくださったセーフティーネット保証、セーフティーネット融資の存在があるというふうに思っております。そのためには、過渡的には政府系金融機関の活用というのも大変重要になってくる。 そういう総合的な対応が、中長期的な方向を明確にしながらきめ細かい対応をしていくということが政策には求められているのだと思います。 ●山根隆治君 かなりの長期間にわたって企業の倒産が減っていると、減少してきているということ、それはお心の中ではしてやったりと、効果が出てきたなというふうに思っているかも分かりませんが。 実は株価の問題でもそうですけれども、ここへ来て経済の復調といういろんな指標、経済指標等が出ているというのは、私はやはり企業努力に負うところがすごく大きいと。つまり、もうリストラをし切って、体を絞り切って、企業が体質強化をしてきた、それがそろそろ出てきたということであって、私は必ずしも政府のいろいろな施策のおかげだというふうには非常に思いにくいという点をまず御指摘は、それはしておかざるを得ないと思います。 先ほど申し上げましたように、川口の事例、零細中小企業の方々のいろんな知恵というもの、それが日本の経済というものを支えてきた。知的なやっぱり蓄積というものをもって今日のやはり日本の経済を築いたわけでございますから、私はこうした知恵というか、零細企業の方々の汗、そういうものをやはりどうしてもやっぱり生かしていかないと後々取り返しの付かないことになるんじゃないかと、そういう思いが非常にするわけで、あえてこんな事例を挙げてお尋ねをしたわけなんですけれども。 民間の金融機関と、それから政府系の金融機関があるわけで、私は、民間についてはある一定のやっぱり限度が政府の介入について当然あるわけでございますけれども、政府系金融機関というのがもう担保担保ということではなくて、やはり今大臣お話のあったような目利きですか、そこにやはりシフトこれからしていって、私は、体質をやっぱり変えていく必要がもうすぐそこまで来ている、迫られているものだろうというふうに思っているわけです。 ですから、政府系金融機関でそうしたハンドルを大きく切ることによって、当然民間の金融機関もそれに倣うような形に結果としてなるわけですね。それは上からの上意下達ということではなくて、政府の姿勢、後ろ姿を見せることで私はそういうふうになっていくんだろうと思うんです。 例えば、少し話が広がりますけれども、担保担保というふうな話でいえば、社長さんの個人の資産、家屋敷を担保に入れなくては駄目ですよということで自殺者を生む、三万五千人だとかというふうに、それは全部が経済的な事由ではないにしろ、かなりその比率が上がっていることは確かですけれども、こうしたことを防ぐのにも、私は政府系金融機関がそうしたことを全部排除していくということを示すだけで民間への影響というのはかなり出てくると思うんですけれども、こうした点についての決意、政府系金融機関に対するお考え、聞かせてください。 ●国務大臣(竹中平蔵君) 昨年の経済財政諮問会議でこの政府系金融機関の在り方についてのかなり包括的な議論を行い、取りまとめも行いました。基本論は、これは、民間でできることは民間で、政府が仕事を取り込むのではなくて民間でやっていただくというのがこれはあくまでも大原則であろうかと思います。しかしながら、今委員も御指摘されましたように、実は目利きの力とか金融機関としての専門家としての力というのは、本来でしたらお役所仕事的なところよりも民間の厳しい競争にさらされているところの方が進んでくるはずなのに、残念だけれども結果はそうはなっていない。 例えば一例として申し上げるならば、DIPファイナンスと言われるような、今企業の再生に向けてのファイナンスの仕組みとかというのは、これは非常に重要な大きな金融機関にとってのマーケットであるにもかかわらず、民間ではできなくて、結局のところ政府系の金融機関である政策投資銀行がそれに先鞭を着けて一生懸命やっているという現実があります。恐らく、その分、日本の民間の金融機関が八〇年代ぐらいまでのいわゆる護送船団という空気の中でノウハウの蓄積が進まなかったということと、もう一つは、その後は一気に不良債権でバランスシートが痛め付けられて、それまでの余裕がなかったということに帰するんだと思います。 その意味では、実は、中長期的には民間でできることは民間でという議論を大切にしながらも、当面の間、この政府系金融機関をもう存分に活用するということが現実の日本経済の運営では非常に大切になっているというふうに理解をしております。昨年取りまとめました諮問会議の報告でもこの点を前面に出しまして、当面はこの政府系金融機関を活用して、特に中小企業のセーフティーネット等々の部分でこれを積極的に活用するということを前面に打ち出しております。 我々としては、この今の正に過渡期、集中調整期間といいますか、この不良債権処理を進めなければいけないあと二年ぐらいの間には、特にこの政府系金融機関の活用というのが大変重要な意味を持っているというふうに考えております。 ●山根隆治君 少し時間がたってまいりましたので、次に移らせていただきたいと思います。 この国、我が国の景気回復を早急に果たさなくてはいけない、どのように果たすか。いろいろな手だて、それこそ魔法のつえはないということは確かでございます。しかし、いろいろな改革を積み重ねた後で日本の国はどのような姿になるのかということについてまだまだ国民のイメージが定着していない。この国は、我が国はどこへ行こうとしているのか、どのような社会を目指そうとしているのかというのは、私はまだ見えてきていない、経済の面についても、というふうに思っています。 やはりいろいろな、この国の経済を改革していくのに、今、パイを大きくするというよりも、例えば税制をいじくってみたり、あるいはまた四月から健康保険を引き上げてみたり、国民の、言わば国民への負担を強いることによって乗り切ろう、そちらの方にどうも目が行っているように私自身は思えてならないんです。やはり根本的には、我が国の直面している問題というのは少子化ということがあるし、それから海外に資産が流出している、産業の空洞化といったふうな問題があるわけですけれども、これを真正面からとらえて、我が国のあるべきイメージというか、それがどうも見えてこないような気がしています。 例えば、イギリスの経済のありようというのは、昨年もちょうど私、イギリスへ行ってきましたけれども、非常に活気あふれているという感じではないけれども、非常に静かな、何か大人の国というふうなイメージというのがイギリス、まだ二度しか行っていませんけれども、そういうものを感じるわけですね。それは長年のいろんなストックというものがあって、すごい産業があるわけではないけれども、様々な形で国家としての国益というものを作っているという一つのイギリスとしてのイメージがある。 日本のこれからのありようというもののイメージがいま一歩見えてこないんですけれども、この辺をもうちょっと立体的に御説明いただけますか。 ●国務大臣(竹中平蔵君) 経済を良くすることが重要である、しかしその先にどういう日本を見るか、これは当然のことながら大変重要であり、それを示していくのがまた政治の大きな役割であろうかと思います。 基本的に、経済に関しましては、例えば「改革と展望」等々で中期的なマクロ経済の姿を示すという努力は我々なりにしております。これも実は今までにはなかった試みでありますので、一つの進歩であるかなとは思いますが、マクロ経済の数字だけ見せられても国民はそんなに明確なイメージを持つことができないという御指摘もそのとおりだと思います。 一方で、国民生活局では、そうしたことも踏まえて、いわゆる社会生活に関して未来生活懇談会というのを、これは官房長官と私が主宰する形で作りまして、一つのイメージを持っていただくために有識者を集めていろんな議論を重ねたという事実もございます。これはこれで御評価をいただいた面もありますが、しかしまだ、これまた委員の御指摘のとおり、そんなにはっきりとした姿が見えていないのではないかという御指摘は私はあろうかと思います。 これは同時に、じゃどのようにしたらよいのかなというふうに考える場合に、例えばアメリカが、イギリスが、ヨーロッパの国々が行政府としてそういう国家ビジョン、国家イメージのようなものをどこかで出したかなというふうにいうと、これもそうすると必ずしも思い当たるものがない。ホワイトハウスが二十年後の生活についてレポートを出したわけでも考えてみたらないなと。結局のところ、こういう問題というのは、政治的ないろんな議論の中で何がよいだろうか、何を目指すべきだろうかという国民経済的な議論の中である意味では自然に培われていくという性格も持っているんだと思います。 しかし、我々としてはまず経済に関してどのようなイメージができるか、少なくとも国民の皆さんに議論をいただく素材をより多く出していかなけりゃいけないということは事実であろうかと思っておりますので、これは「改革と展望」、骨太の方針等々を、より国民の皆さんから見て魅力的なものにするような、そういう努力は担当大臣としては是非しっかりとやらなければいけないと思っております。 ●山根隆治君 そこで、私は、短期、中期、長期で国のなすべき景気回復策ということで幾つかちょっと提案させていただきたいというふうに思うんですけれども、一つは、住宅ローン減税が今年十二月一杯で期限が切れるということでございますけれども、私は、非常に住宅建設というのは景気の回復にすそ野が広いので即効性が非常にあるということの状況というのは今でも変わっていないんだろうというふうに思います。 そこで、具体的には住宅建設に伴う耐久消費財等の購入額が住宅投資の八%に相当するということが数字として挙がっているわけでございまして、例えば平成八年度の名目値で住宅投資額が二十九・五兆円でございますけれども、この住宅建設に伴う耐久消費財の購入額というのは二・三兆円になっていて、最終的に最終需要に対する生産誘発額というのは実に六十二・五兆円になる、こういう非常に大きな数字があるわけでございまして、今年度この住宅ローン減税というものを打ち切るということになると、非常に日本経済の足を引っ張ることになりはしないかというふうに思うわけでございますけれども、この点について、住宅ローン減税、更に引き続き行うのかどうか。国土交通省と財務省との綱引きということ、今あるように聞いていますけれども、どのようなことになるのか、政府としての御答弁願います。 ●政府参考人(松野仁君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、住宅建設というのは大変景気対策上大きな効果がございます。例えば、住宅建設十万戸当たり約二十六万人の雇用誘発効果がございます。それから、住宅投資額の約一・九倍に及びます木材、ガラスなど関連資材を含めました生産誘発効果がございます。また、委員もおっしゃいましたが、住宅取得に際しまして約二百万円、一世帯当たり約二百万円の家具あるいは家電製品、こういったもの、耐久消費財の購入というものがございまして、十万世帯では約二千億円の消費の拡大というような大変すそ野の広い大きな経済効果を有しております。現在の厳しい経済情勢にあって、住宅投資を促進するということは大変重要な課題であると考えております。 最近の住宅建設の状況を見ますと、雇用あるいは所得環境が大変厳しいということを背景といたしまして、新設住宅着工戸数は平成十四年度は百十四万六千戸ということで百十五万戸を下回る水準となっておりまして、その後、最近では更に前年をやや下回る水準で推移しているという状況でございます。 このため、国土交通省といたしましても、国民の住生活の向上ということを図ることは当然でございますが、経済活性化に資する住宅建設、住宅投資を促進するためにも、住宅ローン減税におきましてこれらにマイナスの影響を与えるような制度の変更は問題であると考えておりまして、経済情勢等を適切に見極めながら、税制改正における最重要課題の一つとして対処してまいりたいと考えているところでございます。 ●山根隆治君 平成十年十月十四日に経済戦略会議が短期経済政策への緊急提言というものを行いました。今行われている住宅ローン減税については、いろいろな制限という、条件というものがございまして、今の時代に必ずしもマッチしていない、もう少し緩和措置をいろんな面で取るべきだろうというふうに思いますし、そういう情報等もたくさん国土交通省もお持ちだと思いますけれども、今言いました経済戦略会議の中でも指摘されているように、床面積や上限所得に関する制限を設けないで、設けず、土地取得やセカンドハウスについても認めるべしといった指摘等が経済戦略会議で出されております。 この経済戦略会議の委員のメンバー見ますと、当時慶応大学の教授であった竹中大臣もこのメンバーのお一人でございますので、ある意味では、この住宅ローン減税についての推進について、それを積極的に支援する義務があると私は思うんですけれども、いかがでしょうか。 ●国務大臣(竹中平蔵君) 住宅需要面の掘り起こしという観点からも、また国民生活の直接的な向上という点からも住宅の質的拡充というのは大変重要な課題であるというふうに思っております。同様の議論は、引き続きまして、したがって経済財政諮問会議でも民間議員を中心に非常に活発に、時に活発にしていただいております。私自身も、そうした意味では、住宅ローン、住宅減税についてはいろんな観点からの政策的な工夫が必要であるというふうに引き続き思っております。 同時に、その制度そのものを実態に合わせていくためにはどのようにしたらよいか。当時の経済状況と今とは少し違うということも踏まえて、今の時代にふさわしい制度作り、工夫は是非我々も引き続き諮問会議を中心に議論して努力をしていきたいと思っております。 ●山根隆治君 実は民主党でも、住宅だけではないんですけれども、民主党の場合には、住宅、自動車、教育費等を中心にして、キャッシュローン以外のすべてのローンに掛かる利子を所得控除するローン利子控除制度というものを創設して、資産デフレを軽減して、将来的にも、金利が上昇した場合でも消費の下支えがされるようにということで提言を実はさせていただいております。 今、様々な角度から見直しの必要があるというふうなお話ございましたけれども、こうした私どもの提案に対してはどのようにお考えになられますか。 ●国務大臣(竹中平蔵君) 提案の細部までは今ちょっと存じ上げているわけではございませんが、基本的にはやはり住宅投資というものを社会的に重視しようということ、それに関しては、利子控除とか経済的なインセンティブに、直接インセンティブにかかわる部分、これは特にアメリカの制度なんかを参考にしながら重視しようということに関しては、私は政策の方向としては十分にあり得る方向であるというふうに思っております。 ●山根隆治君 ありがとうございました。 もう一度、改めて国土交通省に伺います。 住宅政策全体についての考え方をお伺いしたい、あるいは私の提案に対しての御見解をいただきたいと思いますけれども、これからの住宅建設は、もう少しスケール、質ともにやはり発想を変えていかなくてはいけない、そういう時代に来ていると私は思います。様々な、前提が五十平米ということで、土地の面積は五十坪という想定の中でいろいろな住宅建設の促進ということを図ってこられましたけれども、これからは、私は、敷地面積ということでいえば百坪程度のものに変えて、良質な住宅を建設ということを考えていくべきではないかというふうに思っております。 私、埼玉県の過疎地というか農村地帯に住んでいるところでございますけれども、近隣の住宅を見てみますと非常に三十年ほど、ほとんど建て替えたり、あるいは非常に傷みが、老朽化が激しいというふうな実態を目の当たりにしているわけですけれども、私はこれからはやはり百年単位で住宅というのをキープしていく、そういうことで私は良質な住宅を最初からもう造っていく必要があるだろうと。 アメリカなどでは、そうした良質な住宅というものを何度も何度もメンテナンスしながら、最終的にはその家を資産処分して、そして老後を別のところで、気候が温暖なところ等で過ごすと、そういうふうなパターンがあるわけですけれども、すべてアメリカのまねする必要ないですけれども、そこに私はこれからの住宅政策の知恵があるんじゃないかというふうな気がしてなりません。 特に、私、埼玉県に住んでいて、飯能とか秩父の山が非常に荒れております。住宅建設、どういうところの住居に住むかということについては、今ほとんど外材ですけれども、私はやはり日本の気候風土に合った材料というものを使う中で本当に住んでいても非常に気持ちの安らぐような住宅というものに私はなっていくんだろうというふうに思うわけです。 ですから、そこのところも、今までの前提というのを大きく、ただ住めばいいということではなくて、メンタルな部分でも、住んだ方が落ち着けるような、非常に良質な住宅というものを建てていく必要があるだろうと、システムも全部それに合わせていく必要があるだろうと思うんですが、この点についての考え方をちょっと聞かせてください。 ●政府参考人(松野仁君) 委員御指摘のとおり、我が国の住宅のストックの水準を少しでも上げていく必要があるだろうと思います。国民一人一人が、大都市あるいは地方都市、その住む場所に応じて、またその年齢あるいは世帯構成等のライフステージに応じて、その時点でそれぞれゆとりある豊かな住生活を送れるようにしていくべきだと思います。 そのために、今御指摘になりましたような税制による支援、それから融資、これは住宅金融公庫による融資、そういったことで持家の取得支援ということもしております。賃貸住宅につきましても様々な支援制度がございます。また、できる限りグレードの高いものを適切な値段で手に入れられると。必ずしも最高級という意味ではなくて、それぞれのグレードの表示を見てそれを判断して適切なものを手に入れられるような住宅の性能表示制度というものも整備してございます。こういったものによりまして少しでも住宅の取得支援等を進めていくと。 ただし、税制によるその基準も、余り庶民の手の届かないような基準にしてしまってはやはり問題がございます。税制による取得支援で少しでもそれぞれの方がゆとりある住まいを取得できるように進めていくべきだというふうに考えております。また、木造住宅のお話もございましたが、木造住宅もできる限り、例えば公営住宅でも戸建て住宅についてはほとんど木造で実施してもらうというようなことも含めて、そういった支援策も実施しているところでございます。 いずれにしましても、全体としてゆとりある豊かな住生活が送れるような様々な政策支援をしてまいりたいと考えております。 ●山根隆治君 次に、高市副大臣にお尋ねをいたしておきたいと思いますけれども、時間の関係もありまして少し大ざっぱなお尋ねにならざるを得ませんけれども、いわゆる産業の空洞化の問題についてお伺いしたいと思うんですけれども。 やはりここの空洞化というものが一体何なのかと。いろんな定義もありますし、それの対応策というのも様々あるわけでございますけれども、この問題というものを正面から私は取り組んでいかないと日本の経済のやっぱり再生というものは長期的におぼつかないというふうにも思っております。産業の空洞化についての基本的なお考え、対策、何かあれば聞かせてください。 ●副大臣(高市早苗君) 山根先生おっしゃいますとおり、今、海外への生産拠点の移転というのはもう顕著な傾向となってきております。二〇〇一年度、製造業の海外生産比率ですが、一六・七%ということになっております。これは、やはり賃金やコストの内外価格差が最も大きな理由であると思います。もう経済産業省といたしましては、この生産拠点の海外への移転をもう補完し得るだけの高付加価値産業の国内での生産、これを維持拡大すること、もうこれが何よりも大切だと考えております。 もしもこの高付加価値分野の拡大が進まない場合には、生産拠点の海外移転が結局は国内の雇用に悪影響を与えるというデメリットの部分だけが出てきてしまうということで、この高付加価値化によってよその国との差別化を図っていく、そしてまた、我が国初のイノベーションを創出することがとても大切だと思っております。 そこで、平成十五年度の予算におきまして、市場の拡大が見込まれる四分野につきましては、これはコア技術から実用化、市場化まで一貫した技術戦略を持った研究開発に政策資源の思い切った集中等を図りましたし、また研究開発投資税制の拡充、これも行いました。また、今回改正されました産業再生法、これで有用な技術や人材を企業の強みのある分野に集中させていくということを促していく、そしてまた、設備投資減税、こういったものも用意いたしました。 そして、今、日本から出ていくだけじゃ困っちゃうというので、むしろ海外からいい企業に日本に来てもらって、税金も払ってもらい、また雇用も確保させていただきたいということで、「INVEST JAPAN!」というキャンペーンを繰り広げておりまして、地方自治体で海外からの投資を呼び込もうということに積極的な自治体を支援したり、また私どもも海外に国際会議へ出るときにはインベスト・ジャパンという名刺を持って個別に各閣僚に働き掛けるということもいたしております。 大変な時期ですけれども、とにかく付加価値を高めて、高くても世界の人たちが買ってくれる高付加価値型の商品、この開発も支援を行っていきたいと思っております。 ●山根隆治君 それは当然なことなんですけれども、ある意味では、過渡的な措置というか、その間のそうした高付加価値の商品開発ということについて力を入れるというのは当然のことですし、それが非常にスケールが大きなものになっていかないと、産業化する、産業という言葉になるまでには非常に年月が要するわけで、ある意味ではそれはびほう策に聞こえる部分もあるわけですね。ですから、そこの時間的なギャップというのをどう埋めていくかというのは、私はもう知恵だろうというふうに思っているんです。 海外に、中国が非常に四割から五割ぐらい生産というものを海外では上げてきています。そのほかの国々も進出をしてきていますけれども、今度逆にUターン現象というのが少し起きてきている。つまり、それはデフレということになってきたり、それぞれの効率性で、ある産業にとっては日本でやった方がまだ効率がいいというふうな企業もあってUターンしてきているということがあります。 それから、進出するよりも倒産してきて整理されていることの方がこの数年増えてきているというふうな、非常に今現象があるわけですね。これはどういうような兆候としてとらえるかということも私は非常に大事だろうというふうに思います。そこでやはり、今言われたような施策というのは当然なことですけれども、もう少しそこの穴を、時間的なものを埋める私は施策というものを打ち出していく必要があるんだろうと思うんです。 それともう一つ、マクロでいえば、外国人労働者の問題というものも実は相変わらずあるわけですね。政府は、ホワイトカラー、専門職、技術職の方は受け入れる、しかしブルーカラーの方々は受け入れられないというふうなずっと見解でずっと来ています。 そのことは決して間違っていることではありません。国内の労働者へのいろいろな悪影響等々もあるわけでございますけれども、しかし、いろんなシミュレーションというものを私は研究していく必要がある、研究というか、検討する必要というものも部分的にはいろいろなものあるだろうと。それは、台湾もいろいろな外国人労働者を受け入れる問題についての研究というか実験も行っておりますし、アメリカ、ヨーロッパのいろんな事例もある。その中で、本当に日本の製造業というものがどのような、先ほど日本のこれからのイメージが少しないんじゃないかというお話ししましたけれども、どのような形で日本というものを持っていくのかということによってこの外国人労働者の問題というのもまた違った光をやっぱり私は当てることができるんだろうというふうに思っております。 外国人労働者の受入れの問題というのはそう単純なものではなくて、目先の生産する労働力としての力を求めるというそういう単純なものであってはいけません。社会的な問題とかいろいろなものが絡まってくるわけで、そう単純なものではないけれども、もう少しその穴を埋める施策、そしてさらには長期的にどのように日本の経済というものを持っていくのかというふうなもう少し突っ込んで私は検討する必要があると思うんですけれども、ちょっと時間がなくなっちゃいました。お考え聞かせてください。 ●副大臣(高市早苗君) 日本の場合は、特許の登録数、これも世界トップレベル、それからまた、研究開発投資に使っているお金も世界トップレベル。でもそれを、その技術を利用して実際に商品化につなげているかとか、起業しているか、会社を起こしているかというと、これは非常に低い順位となっております。 今この谷、今先生から御指摘のあった谷を埋めるためのもう細やかな支援をしているところです。先ほどお話のあった中小企業金融もそうですし、あと販路の開拓、商談会、それから、もうちょっとで実用化できる商品、こういったものに特化して金融的な支援も行っております。ですから、少しでもこの時間的なギャップを埋めようと思っておりますし、実際には割と短期間で効果が出ているものもあります。 中国で割と繊維産業、移転しておりますよね。ニット業界なんかも、安さで中国と勝負してももうどうしようもないと。それだったら、高くても世界じゅうの女性が飛び付くような高付加価値型のものを作ろうというので、デザイン力もアップいたしまして、先般ニューヨークで商談会もし、引き合いも出てきておりますので、この辺のギャップが非常に早く埋まってきている産業もございます。 外国人労働者の問題、非常に先生がおっしゃったとおり難しい問題で、日本の周りには巨大な人口もありますし、それから発展途上国も多いですから、潜在的には巨大な流入圧力があると思います。高付加価値型ということにいたしますと、政府の基本方針どおり、まずは専門的な方を受け入れると。単純労働者に関しては、先ほど申し上げた巨大な流入圧力というのがあります。これを受け入れていくということになりますと、やはり社会福祉、そして教育環境、いろんな環境整備も必要ですし、社会的な混乱も当然ありますから、ここは国民的なコンセンサスが必要なところだと考えております。 ●山根隆治君 あと一分なんであれですけれども。 担当は違っても、最後に捨てぜりふじゃないんですけれども、やっぱり教育の問題、日本はやっぱり人材が非常に大事なわけですから、担当の省庁とはちょっと違いますけれども、この間の国立大学法人法案のようなばかな法案が、私から言わせるとですよ、出てきて、個性というもの、個人の能力というものを縛るような、そういうような一部動きもありますので、そういう教育についても是非御関心いただきながら、お立場の中で精一杯頑張ってください。 終わります。 |