山根隆治君
 三点お伺いしたいと思います。
 小泉総理は、国内だけではなく外国においても米百俵の話をされているという報道等があるんですけれども、このODAの問題も、国民の見方というのはなかなか厳しくなってきて、三割くらいの方々はかなり消極的な評価だという報道があるわけでございます。

 そういう中で、やはり長期的に見たらば、現地のひもつきだとか、ひもつきというと、今、日本では二割ぐらいだということの認識をしておりますけれども、現地の国々がいろいろな公共事業というか我々が投資する事業について仕事をとっていくということじゃなくて外国からのものが多いとかと、いろんな生々しい現地での話が伝わってきます。

 そういう中で、私は、小泉さんがせっかく米百俵の話をされておりますので、やはり教育というか人づくりのお話、先ほど来出ていますけれども、そういうところにかなり今後シフトしていくべきではないかなというふうに思うんですけれども、この点についてどのような考え方を持たれるか、一つ伺います。

 それから、二つ目でございますが、正式なカウントにはならないのかもわかりませんけれども、外国の国際機関を通じて北朝鮮に拉致問題に絡めて米を送り続けてまいりました。外交的に見て非常に私自身からするととんでもないことをやってきたなという思いがするわけですけれども、今後こうしたものについては、北朝鮮への米の支援ということについてはどのような考え方を外務省は持っているか、お尋ねをいたします。

 それから、三つ目です。アフガニスタンの状況は非常に今硬直している状況だと、現地ではそういう報道もあるわけで、恐らく硬直した部分もあるんだと思うんですけれども、そう長い期間ではないところである程度平定をしていくだろうということの予測がつくわけですけれども、その際に、今、単なる難民支援という形じゃなくて、あそこにはカスピ海の油田の問題があります。

 カスピ海は埋蔵量は相当なものだということも確認されていますから、今問題になっているのは、例えば今私がカスピ海ということを言いましたけれども、それは湖じゃないかという主張もあるわけですね。それは、国々によっていろいろな利害が直接絡むから、そういう言葉一つにも非常にナーバスになっているわけでありますけれども、今これから問題となるのは、カスピ海の油田については、やはり輸送、パイプライン、そうした敷設の問題等がこれから現実的にそれぞれの国の利害に絡んで、アメリカはもちろんロシア、中国、世界の大国が、ここの利権というか、そういうものをめぐって非常なこれから外交的ないろいろな措置をとってくるだろうというふうに思われます。

 しかし、日本としてもこれを手をこまねいているべきではないと思いますけれども、こうした利害にかかわる問題と、そしてアフガニスタンの戦後の復興ということでのパイプラインの敷設、これは一国だけではなくて、アフガニスタン、パキスタン、それから旧ソ連の幾つかの国々を通ってインド洋に結んでいくということになろうかと思いますけれども、こうした非常に微妙な問題について、しかし現実には日本も戦後の復興策の支援として、ODAという視点からこの問題、避けて通れない問題がこれから惹起されてくると思うわけですが、この点についてどのように考えるか、お伺いをいたします。
 以上です。

政府参考人(西田恒夫君)
 御指摘のとおりに、総理におかれましては、各国要人とのいろいろなお話し合いの場を通じまして、米百俵の例を引かれつつ、人づくりの重要性、教育の重要性というものをいつも強調しておられます。このような考え方は政府全体としてこれまでも一生懸命努力をしてきたところでございまして、日本の教育に関する協力というのはいわばハードとソフトと両面あったと思いますが、一つには、先ほど他の先生からも御指摘がありましたが、学校の校舎をつくるというような一種の箱物的なものもやってまいりましたし、同時に教材を、コンテンツをつくるとかあるいは機材を供与するというようなこと、あるいは教育に従事する方を日本にお呼びして、日本の、主に理数科でございますけれども、教育というものを技術移転をするというような相まって努力をしてまいりまして、予算的にもこれは伸びてきているところは御案内のとおりでございます。

 今後とも、自分たちの、日本の開発の経験というものがもしあるとすれば、やっぱりモデルの一つとなり得るのは人づくり、教育というものを重視することが最も最大の投資であるという考え方等に基づいて、各国にそのような考え方を、理解に努めると同時に、それを裏づけするようなハード、ソフト両面にわたるODAというものをやってまいりたいというふうに考えている次第でございます。

 それから、北朝鮮に対する米支援という話いかがかということでございますが、これは御案内のように、日本政府としましては、これまでも単に人道的な観点のみならず、日本と北朝鮮との関係、あるいはアジアをめぐる情勢等、より広いコンテンツの中でこの問題については総合的かつ慎重に考えるべきものというふうに考えておりまして、そのような基本的な立場は今も変わっておらないというところでございます。

 アフガンにつきましては、御案内のように、これまでも非常に長い歴史の中でその時々のいわばいわゆる大国との関係で、抗争もございましたし、周辺の国との関係においてもいろいろな出入りがあって、かつ宗教的にも部族的にも非常に難しいという地域であるという認識は、これは各国がみんな共有しているところでありまして、他方、今御指摘のような難民のように極めて人道的に深刻な状況というものも日々起きていると。したがって、そのような緊急人道支援を行いつつ、どうやってここに和平をもたらし、それをさらに復興につなげていくかというのが非常に大きな課題になっておりまして、それぞれの国、それから周辺にあります関連の国、さらには国際機関というものが、もちろん国連を中心にしながら、皆どういうような知恵があるのか、努力があるのかということで突き合わせの努力が始まったというところであろうかと思います。

 今、私たちの受けている印象は、相当に長い道のりになるんではないかということで、他方、和平というものと復旧、さらに復興というものを一つの大きな流れとしてとらえていくということが大事でありまして、ぼつぼつと切れた形でやってはこれは今までの経験に倣ったことになりませんものですから、それを世界全体としてどうやって抱え込んでいくかという問題がこれからの一番大きな外交的な仕事として大事な話だろうというのは御指摘のとおりであろうというふうに考えております。

政府参考人(白川哲久君)
 ありがとうございます。
 山根先生からの教育の重要性について御指摘がございました。私ども文部科学省でも、まさにそういう方向で施策を進めていくべきだというふうに考えておりまして、教育分野におきます開発途上国への協力方策を検討いたしますために、昨年、まだ文部省の時代でございますが、大臣の私的諮問機関として国際教育協力懇談会というものを開催いたしまして、昨年の十一月には報告書をいただいております。

 きょう、外務省の西田局長の方から全体御報告ございましたけれども、例えば青年海外協力隊に現職の小中学校の教員を参加する制度を創設するとかいろんな取り組みをやっておりますけれども、まさに山根先生御指摘のように、小泉総理はことし七月のジェノバ・サミットでも米百俵にお触れになりまして、教育協力の重要性、それがコミュニケに盛り込まれたところでございます。

 そこで私どもは、日本が持っております教育分野で培いました経験、それを生かしまして、できればこれまで行ってこなかったような分野についても協力ができないかということで、先月十月から新たに国際教育協力懇談会を発足をさせまして、実はきょうも二回目の会合が行われておるわけでございますが、ぜひ今後、教育分野において日本の経験をよく吟味をしました上で、より顔の見えるような協力を教育協力の分野で展開できるよう施策の展開に努めてまいりたいというふうに思っております。

政府参考人(林洋和君)
 先生からカスピ海周辺の油田の話がございました。私、今貿易局長という立場なので若干個人的な意見も入るかもしれませんけれども、前職が資源エネルギー庁におりましたものですから、私どもの認識を申し上げさせていただきたいと思います。

 私ども、アジアの原油あるいは天然ガスの需要に対して大変心配をしております。これは、一番大きな原因はやはり中国の油の需要の増大ということでございます。原油は既に輸入国になっている。今後、恐らく何年間か考えた場合に、中国あるいはインドを含めたアジアの原油、天然ガスの需要が爆発的にふえていくだろうと。そういう中で中東だけにラッシュするというのは非常に危険で、非常に価格が急騰するおそれもあると。そういう意味では、やはりカスピ海周辺の油と天然ガスは非常に大切なものだと思っております。

 ただ、私なりに思うに、二つ問題がありまして、もう先生御承知のように、権利関係が非常に複雑であるということと、それからもう一つ、パイプラインをどうしていくかという問題でございます。アフガン・ルート、パキスタン・ルート、トルコ・ルート、イラン・ルートあるいは新疆ウイグルから上海の方に行くようなルートができた場合にそこに接続するのかといった問題もございます。ただ、いずれにしても大変関心を持って見ているということは御理解いただきたいと思います。

 ただ、これは繰り言になるかもしれませんが、こういう中で他方、石油公団の廃止論なども出ますと、国のリスクマネーを一体どうしたらいいんだというようなことも悩ましいという問題でございます。