山根隆治君
 おはようございます。
 私は、一つは災害救助犬についてお尋ねをいたしたいと思います。

 実は先般、内閣委員会でもかかわりを持つ部分がございまして、この災害救助犬について村井大臣にお尋ねいたしましたが、今日は災害担当大臣というお立場で、幾つかの御質問を更にさせていただきたいというふうに考えております。

 実は先般の委員会での御答弁で、この災害救助犬につきましては大臣の御認識と私の認識の若干のずれがあるといいましょうか、そんなふうな思いで答弁聞かせていただきました。どういうことかといいますと、災害救助犬の能力というものについての安定性の面からどうだろうかと、そういう御答弁だったろうというふうに承知をいたしております。それに代わるものとして、生存者等の探索のシステムで科学的な機器というものを駆使していくということでそれを代替できるのではないかと、こういう御認識を披瀝されたわけでございますけれども。

 しかしヨーロッパにおきましては、もう百年を超える歴史が災害救助犬の活動がございますし、あるいはまた実績もあるわけでございます。そういう点に改めてかんがみて、この災害救助犬に対しての評価というものを改めてお尋ねをしておきたいと思います。

国務大臣(村井仁君)
 先般、内閣委員会でお尋ねがございましたときに、私は国家公安委員会委員長という立場で、主として警察犬の中の災害救助犬の位置付けということで申し上げた次第でございまして、もしもそこで、何といいましょうか、大変消極的な印象をお与えしたとしたら申し訳なかったと思います。

 もちろん、災害救助犬というものにつきまして、これは神戸の震災のときも活躍しておりますし、それから、インドのグジャラートで去年起こりました大震災のときにも活躍しております。

 そういういろいろな事例があること、よく承知しておりますが、一番の問題は何かと申しますと、これはこういう使役犬の特性でございますけれども、まず余り長時間使えない。それからハンドラー、犬を扱う、ハンドラーと申します、その扱う人と犬との組合せ、これが非常に微妙である。常になれた人が一緒に行かなければ活動できない。それから、当然でございますけれども、聴覚が非常に敏感な動物でございますから、大変、周辺に騒音があったりいたしますと機能が十分果たせないというような、そういう限界があるということを認識した上で、しかし諸外国でもいろいろ使われている例もございますので、それは私どもそれなりの評価はいたしている。

 とりわけて、私申しました機器による、何といいましょうか、救助ということで見ました場合に、生きて埋まっているという状態でございましたら、これはいろいろな感知の方法があるようでございますけれども、亡くなった方の遺体を発見するという点では、犬は非常に多くの成果を上げていることがいろいろな資料でもはっきりしているように聞いております。

 決して災害救助犬そのものを否定するわけでもございませんで、ただ、それを警察でうんとたくさん持てということになると、いかがなものかという趣旨であったにすぎません。

山根隆治君
 大臣の答弁を伺ってほっといたしました、いろんな、委員会が違っていましたから、前提がございましたので、その辺で少しずれも出たのかと思いますけれども。

 例えば海外ですと、オーストリアにおきましては五百頭が既に災害救助犬として活動しておりますし、それを支えるシステムとしては、人的には四万七千人の会員を擁する組織もあるということでございます。あるいは、国際的には国際救助犬連盟という、IROという組織がございまして、これは一九九三年に設立をされておりまして、既に十七か国、二十九団体がそこに加盟しているという実態もございまして、相当な歴史と国際的な広がりを持つわけでございますから、ここにはいろいろな歴史的な蓄積というものが十分あるわけでございます。

 スイスから来た、例の阪神・淡路大震災のときの映像というのは国民の記憶に非常に強い鮮明な印象として今でも残っているわけでございますけれども、日本のNPOからもボランティアとして何頭も海外に派遣をして、今、大臣がお話しされたような、遺体の発見等で成果をそれなりに上げているということが実際としてあるわけでございまして、私はこれからNPO、民間だけに任しておくのではなくて、災害救助犬のレベルというか統一性というか、そういうものもやはり国なりである程度情報を収集して基準を設けていかないと、これからNPOのいろんな支援とかというのを国の組織が行っていく場合に、あるAという団体に対しては手厚い支援をするけれどもBという団体に対してはそれほどでもないというふうなことが仮にあった場合、その物差しは何なのかということに当然議論として私はなってくるだろうというふうに思うわけでございまして、その辺、国の基準というものを作ったり、様々な国の物差しを作る必要があるだろうというふうな思いがするわけですけれども、この点についての御見解をお聞かせいただきたいと思います。

国務大臣(村井仁君)
 いわゆるNPOの活動につきまして国がどのくらい関与するべきかというところは、これは一般論として申しますと大変私、難しい問題を含むものだと思っております。

 国が、何といいましょうか、基準を作ってしまいましたためにNPOの活動に何らかの制約を及ぼすというようなことになりましてもいかがなものか、その辺りは少し研究をさせていただきたい問題だと思います。

 と申しますのは、この災害救助犬というのはどういう役割を果たすものか。瓦れきの中から生きている人をかぎ当てるという機能と、それから人間の死体をかぎ当てる、いろいろ役割がまたそれぞれ違う、訓練の仕方もまた違うというような問題もかたがたございます。犬を使います場合に、その目的によりまして訓練のマニュアルとか、あるいは犬の選別の方法ですとか、いろいろ違いがあるようでございまして、その辺りで政府がどのようなことができるのか。

 これはひとつ、御示唆でございますから、そういう活動をしておられるNPOの方々などともいろいろな形で接触をさせていただいて勉強させていただきたい、そういうことで取りあえずお答えさせていただきたいと存じます。そして、その上でどんな支援が一体可能なのか、もう少し研究させていただきたいと存じます。

山根隆治君
 NPOの認可と言われるとなかなかやっぱりこれは大変でして、御承知のように専従者が当然いなくてはいけないとか、いろんな条件があるわけで、日本でこの救助犬にかかわるNPOというのは四つあったかと思います。これからまだ更に、そうした団体として届出をして、災害救助犬の育成ということに情熱を持っておられる方もかなりいらっしゃるわけですね。

 そうした折に、今いろんな基準を作ると支障があるというふうに言いましたけれども、支障のある基準と、支障のない基準もあると思うんですけれども、やはり国がこの災害救助犬についてまだ熱が入っていないというか、非常に施策ということから、方針ということからするとあいまいもことしている状態があるんだろうと思うんですね。そういう中で、国が研究をして、検討して、情報を収集していろいろな関係団体と協議する、そういう中でおのずから一つのぼやっとした基準というか、国の形、考え方というのが出てくるんだろうと思うんですね。それをまず急ぐということが私は非常に今急がれている問題だろうというふうに思っております。

 例えば、大臣所管の、これは私、一方的にしゃべることで、この委員会とちょっとかかわりなくなると申し訳ないんですが、盲導犬につきましても幾つかの有力な団体がございますけれども、それらの団体への支援ということにつきましても、やはりその団体の特性というのはそれぞれあって、盲導犬を実際にどれぐらい育成してきているかという実績等の比較とか、そういうことの指摘も業界の方々から聞くとあるわけでございまして、やはり国がずっとあいまいなままの状態であると非常な混乱を来すし、国際的なやっぱり物差しというのはまずあるわけですから、それを基準と取りあえずしながら、我が国においてどんなふうな基準を作っていくか、支援体制を作っていくかというのを是非模索していっていただきたいというふうに思うわけですね。

 もう既に自治体でも一つの、ジャパンケネルクラブというところは、東京消防庁、それから渋谷区、仙台市、伊勢原市、町田市、大宮市、大宮市というのは今はさいたま市になっていますけれども、それから平塚市と、災害救助犬出動に関する協定というのをもう既に結んでいるわけでありますし、あるいは東京の、ここの国会からも近いですけれども、港区では訓練場所の提供ということをもう既に行っております。そして、その見返りとして、日本災害救助犬協会とは何か一朝事があった場合にはその犬を派遣してもらうというふうなことを内容とする協定が結ばれておりますし、石川県におきましては、犬の訓練費について一頭当たり二万五千円の補助金というのがもう付いているということで、自治体の方がどんどんどんどん進んでいるし、民間も進んでいると、こういうふうな状況でございます。

 過般、テレビを見ていましたら、東京都知事が、国というのは無視してやりゃいいんだというふうな、非常にすごいことを言う人がいるなと思ってテレビ見ておりましたけれども、やはり自治体、これから地方分権の時代とはいいながら、まだまだ国の指導性というのは必要、求められる部分もあるわけでございまして、そうした地方自治体にすべてを任せるということではなくて、国としても国際的な情報とか組織とのコネクションもあるわけですから、是非そうした国の力、情報収集力というものを生かしていくべきだろうというふうに考えますけれども、さらに、これらの自治体の動きと絡めて、大臣の所見をちょっとお聞かせいただきたいと思います。

国務大臣(村井仁君)
 地方でできることは地方にというようなスローガンもかたがたございますけれども、確かに、御示唆のように、国の情報収集力でございますとかあるいは逆にまた国が得ました情報を発信していくというような機能もまたあるだろうと思います。それから、様々の国が持っている手段で一層災害救助犬を広く普及していくということにつきましてお役に立つような手段もあるかもしれません。その辺りよく、せっかくの御示唆でございますので、研究をさせていただきたいと思います。

 いずれにいたしましても、決して消極的に申し上げているわけではなくて、一定の限界はよく認識しながらも、災害防御のために使っていける非常に有効なツールの一つだという認識はこれは持っておりますので、よく研究させていただきたいと思います。

山根隆治君
 今までの大臣の御答弁の中で、イメージとして、災害救助犬というのは、家屋の倒壊などによる捜索、そういうところに重点、イメージでのお話だったと思うんですけれども、国際的には災害救助犬というのは、山岳、山での遭難者や行方不明者の捜索ということにも一つ役割を担っておりますし、それから水難救助ということで、川であるとか湖で人を救助するということでの実績というのも国際的にはかなりございます。そういう意味で、少し災害救助犬に対してイメージをもうちょっと広めてお考えを是非いただきたいと思っております。

 そこで、最後にこの災害救助犬の問題についてお尋ねを、お尋ねというか御要望をしておきたいと思うんですけれども。

 必要性というものは認識をされているというのはよく分かりました。しかし、その限界をわきまえつつというと、またそこでひとつ腰の引けたような御答弁もいつも少し形容して出てくるのがちょっと気になるところがございますけれども、限度があるということであれば、どんな限度があってということを説明責任を是非果たしていただきたい。つまり、民間でボランティアでどんどんどんどんやっている方々が今財政的に非常に厳しい中でそうした活動を行っておりますので、国としての支援が将来とも受けられないのかどうかということも非常に気になっているところでございますので、その点、もし否定的な方向でいくんだとすれば説明責任を是非果たしていただきたいと思いますし、それを積極的に今度は災害救助犬について施策を展開するということであれば早期に私は助成制度等含めて結論を出すべきであると思います。

 研究する、検討するという今お話が、たびたびちょうだいいたしましたけれども、最後に、そのめどというのはどの辺に置かれているのか、時期的なめどについてお尋ねをしておきたいと思います。

国務大臣(村井仁君)
 たまたま、私、あれなんでございます、災害救助犬の問題につきまして、阪神・淡路大震災のころに私自身がたまたま地元で動物愛護の関係者とのお付き合いがございまして、少し勉強をする機会がございましたので、多少知っていたこともございますけれども、率直に申しまして、そう現段階で組織的に政府として勉強をしているわけではないと思います。どちらかというと、災害救助の手段として自治体がそれぞれに地元の動物愛護団体などとの間で、先ほど正に御指摘ございましたように、協定関係などをお持ちになってやっているというのが実態だろうと思います。

 そういう意味では、せっかく山根委員からこういう御指摘をいただきましたのはいい機会でございますので、少し内閣府防災担当としまして、関係の省庁との間でどういうことが可能なのか、また、NPO等々でございますね、その諸団体ともまずは話を聞いてみるということが第一ではないかと思っております。

 それで、今、例えば飼っていらっしゃる方の、民間の方に対する補助というようなお話がありましたけれども、国による補助というものになじむものかどうなのかということも、これは少し私は研究してみる必要があると思います。どちらかと申しますともっと地方自治体の方で考えていただく話なのかもしれません。そういうことも含めて研究をさせていただきたいということでございます。

山根隆治君
 めどは。

国務大臣(村井仁君)
 めどですか。

山根隆治君
 時期。

国務大臣(村井仁君)
 ちょっと時期の問題につきましては、これは余りにも、私も今度御質問受けまして調べてもらったんでございますけれども、どうも蓄積が余りないんですね。そういう意味で、情報収集の問題も含めて、まずやらせていただきたい、その上で申し上げたいと存じます。

山根隆治君
 それでは、前向きな御答弁というふうに受け取らせていただきます。よろしくお願いしたいと思います。

 次に、内水問題についてお尋ねをいたします。
 実は、内水問題、治水上の問題では外水と内水の問題というのがあろうかと思います。被害額については、この外水と内水、どのような近年変化をしてきているのか、お尋ねをいたします。

政府参考人(鈴木藤一郎君)
 御説明申し上げます。
 まず、内水被害額を平成八年から十二年という数字でちょっと見てまいりますと、内水被害額だけで見ますと、百九十三億円、八百七十八億円、平成十年には千三百十九億円、更に増えて十一年には千七百三十九億円、そして平成十二年には二千百八十三億円ということでございますので、この五年間で見ますと単調増加と、大変増えてきているという状況でございます。

 ただ、外水と内水とを比べてまいりますと、そのうち平成十年、私先ほど内水は千三百十九億円と申し上げましたが、外水被害は千八百十五億円ということで、外水被害の方が上回っております。これは高知での大変大きな水害の例でございます。それから、平成十二年も、先ほどの内水被害額は二千百八十三億円と申し上げましたが、外水被害額は五千八十億円ということで、これは東海豪雨でございますが、そのようなことでございます。

山根隆治君
 一昨年、東海豪雨がございましたので、少し数字的なものでは特殊な事情もあったかと思いますけれども、内水について相当な被害がずっと起きてきているということは一つの確かな事実だろうと思います。

 これは昨年の十一月二十八日に同じこの本委員会で私が内水問題質問をいたしましたときに、竹村当時の政府参考人、局長でございましょうか、緊急都市内浸水対策事業を創設したということをお話しに、御答弁になられましたが、これにつきましては、都市機能が集積している地区ということでの前提があるわけでございますけれども、私は、都市域以外の住宅地にも国としての施策というものを積極的にこの際立てていく必要があろうかと思いますけれども、これらの点についてどのような御見解をお持ちか、お尋ねをしておきます。

政府参考人(鈴木藤一郎君)
 内水被害の軽減に関する事業として、一般河川改修事業、当然ございますし、下水道事業による対処、これもございます。これについては、まず一般的なことを申し上げますと、都市域のみならず全国的に適用可能な制度として作ってございます。

 もうちょっと具体的に申し上げますと、平成七年度には、床上浸水被害が十年間で二回以上頻発しているというような河川を対象に、おおむね五年ぐらいでそれを解消しようというような、床上浸水対策特別緊急事業というようなものも創設してございます。例えば埼玉県坂戸市とか、いろんな、全国百十二か所でそういったものの補助を実施してございます。

 それからさらに、そういった対策以外に、平成十年度からは機動的な内水排除を行うということで、基本的には内水排除はポンプを設置してやるというのが原則でございますが、なかなかそれが全国的に行き渡らない。それが設置するまで内水被害をずっと甘受していくのかということになりますとそうもいきませんので、排水ポンプ車というのを実は本格配備を開始してございます。平成十三年度までに、例えば川越市にございます私どもの荒川上流工事事務所などに配備しておりまして、全国で二百台配備しているところでございます。

 それから、内水被害を軽減するためには、流域の保水・遊水機能を増進させる。都市化の進展によってそういったものが失われてきたわけでございまして、そういったものを更に増進させるということから、これは河川事業だけではなく下水道事業においてもやっているわけでございますが、様々な雨水の再利用あるいは貯留浸透による流出抑制を図るというようなことで様々な制度の新設、拡充を行ってございます。

 今後とも、内水被害の軽減に資する事業の拡充に努めてまいりたいと存じております。

山根隆治君
 ポンプの排水というのは、非常に見た目、素人の私なんかが見ても分かりますけれども、なかなか減らないんですよね。効果が出ない。つまり、それ以上増えないことを抑えるということで、被害が出てから当然ポンプ車が行くというふうなことになるケースが多いわけですから、その被害を食い止めるというところまで段階はなかなかいかないわけですね。口径が相当なものが用意をされて、国でしょうからありましょうけれども、しかし、地元の自治会あるいは消防団等でもポンプ排水というのはずっとやっていますけれども、小さいエリアならばそれを食い止めることができるけれども、気休め程度のものになるというのが実態として私はあるんだろうと思いますね、その場所にも当然よりますけれども。

 やはり一番私は効果的なのは、貯留するという施設をどんどん造るということがやっぱり大事だろうと。それをやっぱり大規模にやらなくてはいけないし、特に大都市圏における農家というのが非常に田畑が今遊休状態にあるということですから、そういうところをお借りする。あるいはそこに、もっと大規模なことを言えば、地下のそういう貯水するところを大々的に造ると。こういうことが現実的にも必要だろうというふうに思っているわけですね。

 それを自治体に任せるといっても、地方分権として国は権限を与える、つまり、権限という仕事はどんどん与えたけれども、財務省の方がうまくやっちゃって結局お金を出さないということですから、しかもそのめどが全然付いていないと、そんなふうな状態で、もう地方自治体もあっぷあっぷしているわけですね。国の財政も当然厳しい状況にあることは承知をいたしておりますけれども、しかし、治水という問題については、そうした地方自治体の、地方の現状というものをよく認識してやっぱりやっていく必要があるだろう。

 床上浸水を中心的に今はまだやっていますが、それは順番としては分かるけれども、床下であっても同じような悩みというか、そういうのは非常にあるわけでして、それを緊急にやっていく措置というのをどうしてもやっぱり作ってもらいたいというふうに思うわけでございます。

 特に、都市計画法が改正される以前に、用途地域の指定等が行われる以前に乱開発が行われたと。これは大都市圏かなりありますが、そういうところはみんな、余り優良でないような農地というものを、それを地主さんが売っていくということで、非常に低地にある場合が多い、取引されたところが多いですね。そこにディベロッパーの方が土地開発して住宅地を造るということで、近所の人から言わせると、農家の方々、昔から知っている方なんかは、あんなところに家なんか建てられるものじゃなかったのにという話がどこへ行っても多いわけです。そういうところが水被害というのが常態化しているわけですから、当然各自治体も把握しているし、国もその情報は取っていると思うんですね。

 ですから、被害の実態のひどいところから、床上もいいけれども、床下でもかなりの被害が出ているところについてはそうした大規模な事業というものを私は施すべきだろうというふうに思うわけですけれども、この点についての御答弁、御見解を求めます。いい答えをお願いします。

政府参考人(鈴木藤一郎君)
 浸水対策につきましては、床上浸水の被害が特に大きくなるため、重点投資という意味では床上浸水対策というものを当然重視しながらやっているということでございますが、いずれにしましても、委員いろいろよく御存じでございましたが、いろんな地域の実態に合わせた対策を、いろんな対策を正に総合的に組み合わせるということが大変大事でございます。

 御指摘がございました遊水地や地下調節池の整備ということについても、これは川の整備と併せて、そして、例えば前からやっておりますのは、大規模な宅地開発に合わせて防災調節池を造るとか、それだけではなくて、学校の校庭を利用するとか公園を利用するとか、さらに、元々十軒、百軒という住宅が整備されても流出に変化はないんですが、それが千軒、一万軒、十万軒、百万軒と、こうなって、そういったものが原因して都市の流出が増えてきているということでございますので、各戸の住宅での貯留というようなことも含めて総合的な対策に取り組んでいるところでございます。

 さらに、もう少し毛色の変わったことを申し上げますと、住宅が実際に浸水するということがございます。その場合に、仮に浸水しても復旧ですとか補強をやりやすくするということが大変大事になってまいりますので、これは住宅局と御相談させていただきまして、建築主や住宅設計者にマニュアルを用意しようと。どういうマニュアルかと申しますと、浸水被害の実態や浸水を生じにくくする対策、こういったものを、マニュアルを作って、それを都道府県を通じて先ほど申しました建築主や住宅設計者に届くようにする、このようなこともやっております。

 御指摘のように、地域の状況を踏まえまして、河道整備や流域対策などハードだけではなくて、こういったソフト対策も含めまして総合的に実施してまいりたいと考えております。

山根隆治君
 先ほどの台風の報告、大臣の報告の中で、岐阜県大垣のところとか、これから激特の指定については検討するというふうな話はありましたかね、ちょっとずれているかもしらぬ、ちょっと聞き違っているかもしれませんが。

 激特の指定をした地域というのが相当やっぱり国の集中的あるいは都道府県の予算も充てられて効果が抜群なんですね、治水上。それは河川のハードの面でのものだけではなくて、内水についてもてきめんな効果があるということでびっくりすることもあります。私自身もそういうのを目の当たりにしております。

 ということで、内水の処理の問題についても、私は、言わば床上の話は資料としていただいていますけれども、床下浸水対策特別緊急事業というものを、例えばそういうものを創設して、試験的にでもやはりやってみていくということで、それを見せていくということがすごく大事だろうというふうに思うんですね。非常にいい意味で衝撃的なことを私も目の当たりにしたこともございます。そういう意味で、そうした制度の創設も是非考えていただきたいと思います。

 そうした住宅地における内水問題の被害というものの解決には、今、先ほどいろいろないい御答弁がございましたけれども、いろいろなマニュアル化してやっていくと。それは短期的なもの、当面やる措置と、それから中長期でこういうものがあるという、そういうメニューを是非研究して作っていただいて、それについて住民に分かりやすく説明する。その前に、各自治体にもそうした説明をしていく、そして解決に向けてどうするか。やっぱり今、日本経済じゃないですけれども、先が見えないのが一番不安なわけで、その辺のところを是非お願いしたいということで御答弁をいただきますが、ちょっと時間の関係でもう一つだけ。

 水の問題でいえば、高規格の高速道路、高速道路の雨水の排水ということについては、当初の計画どおりうまくいかなくて近隣の地域に迷惑を掛けている箇所というものがかなり見えるわけでございます。これらの点について実態をこれから調査して、例えば私は埼玉県ですが、埼玉県でも関越自動車道の沿道の地域にかなり迷惑を掛けている箇所もあるわけでございまして、それらの調査及び対策というのを是非取っていただきたいと思いますが、これらの点についての御見解をお聞かせをいただいて、私の質問を終わります。

政府参考人(鈴木藤一郎君)
 先ほども申しましたように、ハードだけではなく、ソフトも含めて総合的に実施してまいります。

政府参考人(佐藤信秋君)
 お答え申し上げます。
 高速道路の排水が原因で内水排除がうまくいかずに沿線自治体あるいは住民に御迷惑をお掛けする、こうしたことはあってはならないことでありますので、設置の段階と管理の段階とあると思いますが、設置については路面の排水が十分に流し得るように、それから横断構造物で排水路などを分断するといいますか、しないようにというようなことに配慮していると。

 さらに、管理の段階でも、そうした点検や修理を通じてそうしたことが生じないように、こうしたことを努力しておるわけでございますが、先生のお話は多分、非常に低地では全体としてはなかなか浸水被害が止まらない、その中で高速道路にも原因があるのではないかと、こうしたことの考えられる要因としての一つとして挙げられることもあり得る議論だとは思います。

 県、市町村、あるいは治水担当の部局と十分相談しながら、先ほど来河川局長も答弁しておりますが、全体的な総合的な内水排除対策という中で、高速道路の設置あるいは管理で必要な、可能な役割分担ができるのであればできるだけそれをやってまいると、こんなふうに考えております。

山根隆治君
 高速道路の周辺の地域の自治体あるいは住民の方々からの、雨水対策、高速道路の雨水対策ということについて余り評判良くないんですよね。なかなかそういうことを思い切って言えなくて、陰でというか、小さな声で聞こえて、サイレントマジョリティーがたくさんおりますので、是非耳を傾けていただきたいというふうに思っております。

 まだあと一分ぐらい時間ありますので。
 河川行政というのは、明治以降いろいろな考え方があって、河川工学の上からいろんな考え方、特にオランダの技術というのを取り入れて堤防を高くするということで治水というものを図ってきたということがございます。しかし、水そのもののとらえ方というのは、徳川幕府の時代のとらえ方と現在のとらえ方は全然違ってきていますし、その前に今言ったオランダの河川土木の考え方もある。ここは非常に変化している。つまり、川とともに一緒に人間がすばらしい環境の中で生活をしていくということ、新しい概念が今、治水問題、河川の問題で導入されてきていると思います
 
 是非、そうした複合的な歴史的な流れを大事にしながら、これからもしっかり河川行政、治水対策、万全を取っていただきたいということをお願いして、質問を終わります。