山根隆治君
 おはようございます。
 私は、まず、朝銀の破綻に伴う様々な派生してくる問題について、この際お尋ねをいたしておきたいと思います。

 上野官房副長官におかれましては、非常に今日あちこち引っ張りだこということで、早めに質問をしろというふうなお話もございましたので、まず冒頭、上野副長官に対してお尋ねをしておきたいと思います。

 昨年の九月の十一日のアメリカにおける同時多発以来、国際政治もテロの撲滅ということで大きく動いてきております。そして、昨年のそうした事件といいましょうか、テロということを受けまして、テロリズムに対する資金供与の防止に関する国際条約というものがございますが、いわゆるテロ資金供与防止条約でありますけれども、これは日本は昨年の十月の三十日に既にもう署名をいたしておりますが、聞くところによりますと、今国会で批准の手続を取られようということを伺っているところでございますが、もしこの条約が批准されるということになった場合の想定でありますけれども、そしてまた国連安保理の決議が、千三百七十三号を受けまして、法整備でテロ資金の提供、収集を犯罪化する法律というものが整備されてくるというふうなことになってくると思いますけれども、そういう動きの中で、もしこれらの措置が取られた場合、つまり批准が我が国において取られた場合に、朝銀──朝銀というのは朝という字を書く朝銀でありますけれども、朝銀そして朝鮮総連、さらにはそれとの絡むところの北朝鮮の関係について、これらの条約というものが日本において適用されるというふうにお考えになるかどうか、この点についてお尋ねをいたしておきたいと思います。

内閣官房副長官(上野公成君)
 特定の団体といいますか、特定の国について今ここでお答えすることは差し控えたいと思いますけれども、一般論を申し上げますと、現行法でも、今委員が御指摘になりましたように、国連決議でありますとかそれから安保理決議とか、こういった国際約束、こういうことを履行するために必要があるとき。それからもう一つは、国連決議じゃなくても、例えばユーゴのミロシェビッチ前大統領ですかね、に対してEUだとかアメリカがそういう措置をしておりますので、これは国連決議はなかったわけでありますけれども、そういった国際的な努力に我が国が協力をしていくために特に必要がある場合。こういう場合には資産凍結とか送金とかいうことの停止だとかということの措置を取ることができるわけでありますけれども、ただ実際には、その措置をするかどうかということについては、我が国が具体的な事案に即しまして、関係の省庁とも、財務省がこれは主管でございますけれども、協議の上で総合的に判断しているところであります。

 そして今回、今お尋ねのように、外為法の一部改正を出しているわけでございますけれども、その法律の内容は、今御指摘のありました国連安保決議の千三百七十三号を踏まえて、今言われたような資金、資産凍結だとかそういった措置を講じる場合のテロリスト等の指定を行う。そういうことで、これは今までもできるわけですけれども、もうちょっと明確に関係省庁の協力の仕組みその他を明確にするということでございますので、そういうような中で、そういう指定に該当するかどうかということが委員のお答えになるかと思いますので。

山根隆治君
 朝銀と朝鮮総連との関係が非常に深いというふうなことを言われておりますし、それを指し示す証拠というものもいろいろとございます。そして、そのことと、総連の方から北朝鮮に資金というものが流れている、このことはお認めになりますか。

内閣官房副長官(上野公成君)
 ちょっと私自身は、そういう話は聞きますけれども、実際にそういった、明確にあるということについては確信はといいますか、きちっとした知識を持ち合わせておりません。

山根隆治君
 この委員会で村井大臣にもお尋ねしたことがあるんですけれども、いわゆる拉致疑惑、拉致問題、これをテロとして認めるかどうかというのは、なかなか言葉として、答弁としてテロということが出てきません。それは福田官房長官も村井大臣も同様でございますけれども、これは非常に奇異なことで、世界的に見れば、こうした拉致というものが行われているということであれば、それは明らかに私はテロ行為だというふうに思っております。

 そして、それをもしテロというふうに認めるならば、アメリカは穏当を欠く発言がブッシュ大統領からあります。つまり、イラン、イラク、北朝鮮についてはこれはもう悪の枢軸だというふうな発言がございます。私は、こうした表現というのは必ずしも国際的な平和ということからするといささか疑問、こういう表現をすることについては疑問を持ちますけれども、しかしアメリカはそうした言明というのは大統領自身、一般教書等で三度にわたって発言をしている。そして、テロの撲滅については、小泉総理もこれは全面的に協力する、こういうことを言ってきているわけでございます。

 そういうことからすると、もしこれから、アメリカが北朝鮮にいろいろな外交的な攻勢を掛けているんですけれども、こうした拉致問題を始めとする一連の北朝鮮の行為というものがテロである、あるいはテロ国家であるというふうに国際世論が認定するというふうなことにある意味ではなった場合には、私は、この今私が申し上げたような条約の適用というものもやはり具体的に検討せざるを得ない状況に私はなってくるんだろうと思うんですね。そうした部分では、非常に慎重に扱わなくてはいけないことではありますけれども、そうしたものも検討するということも極めて私は大事だろうというふうに思っております。

 拉致にかかわることにつきましては、北朝鮮もこのところ少し表現が変わってきて、有本さん等についての生存をほのめかすようなことを言っておられます。私は、こうした国会での論議というものがかなり北朝鮮に対して影響を、日本にとって好ましい影響を与えている、あるいは与え続けているんだろうと思うんですね。そういう意味では、この今私が提起した問題についても是非真剣に、慎重に検討をこれからしていただきたいというふうに、この点については時間もなくなりますので御要望ということでとどめさせていただきたいと思いますが。

 それで、実はつい最近ですが、金融庁と関東・近畿財務局が四つの信用組合、信組に認可を与えることになりました。これは非常に政府のいろいろな意思というものも実は入っていたと思います。つまり、朝鮮総連に対してその影響が排除されなきゃいけない、あるいは架空の名義という口座についても、この辺もしっかりとチェックされなくては公的な資金の注入というのは行えない、こういう意向がかなりある中でこの認可に踏み切ったわけでございますが。

 四つの信用組合の中で、一つ大きいところではハナ信用組合というのがございますけれども、この事業計画の概要というものがありまして、それは朝銀の信用組合の役員の経験者を新しい組合には役員としない、あるいは役員は総連のいかなる地位にも就かず職にも従事しない、総連及び朝銀で構成される団体に参加しない、総連に対する融資を引き継がず、新たな融資も行わないということを条件としてこれを認可したというふうに承知いたしているんですけれども、これはこれで評価できることでありますけれども、これがもしほごになった場合に、あるいは全部とは言わないまでもこれを犯すようなことになった場合、この認可というものを取り消すということになろうかと思いますけれども、この点についてはどのようなことになっていくのか、お尋ねをいたしたいと思います。

副大臣(村田吉隆君)
 委員今御指摘の点でございますけれども、朝鮮信用銀行でまだ破綻した後の受皿が決まっていない、そういう組合がございまして、それに対して四つの受皿組合が今設立の認可を終えたところでございます。

 そうした中で、朝銀信用組合につきましてはかねてよりいろいろな問題が指摘されておりましたので、我々といたしましては、新しい受皿信用組合の認可に当たりましては、今先生が御指摘のように経営の透明性、あるいは独立性を確保されるような、そうした指導をしてきたところでございまして、私どもとしては正式に今後受皿の信用組合として適切かどうかということにつきましては、適格性の認定の申請を受けまして、一連の破綻処理のスキームの手続を進めていくと、こういうことでございます。

 定款にそういうことが、定めるように我々といたしましては指導しているわけでございますが、仮にそうした定款に記載された事項が守られないという事態になるとすれば、我々としては行政処分を行う可能性があるということでございますが、まだ仮定の話でございますので、私どもとしては推移を見守りたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

山根隆治君
 仮定の話で推移を見なくてはというのは当然のことでございますけれども、私はしっかり、これはもう国民の税金というものを過去において、そしてこれからも投入するということを、公的な資金の投入ということを考えると、総額で一兆円規模の投入というふうに言われているわけですね。ですから、国民の血税をそれだけ入れるわけですから、私は慎重の上にも慎重、そして認可したからそれで終わりということではなくて、しっかりとやっぱり厳しい目というものを、正しい目というか、そういう目を向けて、これからもいかなくてはいけないというふうにも思っております。

 朝銀と総連との関係というのはもう密接不可分なものだというのは幾つものあかしというものがありますし、そしてそれが北朝鮮に資金が流出しているということも、いろいろな状況証拠というか、話としては伝わってくることが多いわけですね。そういう北朝鮮において拉致が行われている中で国民の税金が一体どういうふうに使われるのかというのは、これはもう外国から見たら笑い物になるような状況も一つあると思うんですね。

 北朝鮮は、例えばラングーン事件を起こしたり、あるいは大韓航空機の爆破事件を起こしたりしているときも、いつもやっぱりしらを切って今日まで来ました。そして、南北の朝鮮半島の三十八度線で二つのトンネルが見付かったときも、これは韓国側から掘られたものだというとんでもない抗弁をしたという、そういうところでございますから、私はしっかりとこの辺はやっぱり国益というものを十分考えて、単なる一金融機関ということではなくて、そうした政治的な背景もあるということで、これからもしっかりやっぱり監視し続けていただきたいということで、この問題については終わらせていただきたいと思います。

 まだまだたくさん伺いたいことあるんですけれども、上野官房副長官もちょっとお時間がないということで、これで御退席していただいて結構でございます。問題を次に移させていただきたいと思います。

 それでは次に、警察官の増員の問題についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
 各都道府県警に割り振ってある警察官の定数というものは警察法等によって定められているわけでございますけれども、定められているそのもっと前の根拠、これはどういうところからきているのか。つまり、人口であるとか、それから犯罪の発生件数であるとか、あるいは面積だとかいうことも当然勘案されているんだと思うんですけれども、その基となる数字の根拠、これはどういうところから算出をしてきているのか、お尋ねをしたいと思います。

政府参考人(石川重明君)
 今お尋ねの各都道府県の警察官の定員の基準でございますが、これにつきましては、各県の人口、それから面積、あるいは犯罪や各種警察事象の発生状況、そのほか、例えば離島が多いとかそういうような特殊事情等を総合的に勘案をいたしまして定めているところでございます。

山根隆治君
 各県警から毎年予算要望のときにいろいろと要望があると思うんですね。つまり、警察官、これだけ治安が不安視されている時代の中で、あるいはまた更に最近非常に多くなっているDVの問題等で警察官の増員の要望というのは非常に多いかと思うんですけれども、これらの要望にどれぐらい今こたえられているのか。数字ちょっと、これ事前に言っていませんでした、なければ結構ですが、いうことをちょっとお尋ねをしておきたい。つまり、要望に対してどれぐらいということでこたえているのか、もし数字があれば、なければ結構です。

 それで、実は警察の方で警察刷新会議というもので、諮問をされて、そこから緊急提言が出されております。我が国の警察官一人当たりの負担人口は全国平均で五百五十六人であるけれども、欧米の警察官の負担人口がおおむね三百から四百人ということであって、著しく負担が高くなっているということでございまして、当面、警察官一人当たりの負担人口を五百人となるまで地方警察官の増員を行う必要がある、こういう提言が出されているわけでございますけれども、こうした提言をそのまま受け入れるとすると、一体警察官を、充足というものを、何年ぐらい掛かるとこれは達成されるということになるのかどうか、お尋ねをしたいというふうに思います。

政府参考人(石川重明君)
 お答え申し上げます。
 地方警察官の増員につきましては各都道府県から増員要望というものがございます。これを踏まえまして、警察庁におきましてそれぞれの治安情勢に的確に対処するために必要最小限の人員を積算して、増員の場合に各県で措置をしているところでございます。

 ただ、この増員要望と申しますのは必ずしも要望数というような形で数字をもって明示されているものでもございませんので、御質問の各県警からの要望数に対してどのぐらい達成しているのかといったようなことを数字でお示しすることはできないということを御理解をいただきたいというふうに思います。

 また、今御指摘の警察刷新会議の緊急提言でございますけれども、警察官一人当たりの人口負担を五百人にするために、これはオールジャパンでございますが、どのぐらいの警察官の増員が必要になるかというと、これは単純に計算をいたしますと約二万三千人強ということになるわけであります。

 ただ、この緊急提言にも触れられておりますが、それはまず内部の合理化の努力、いろいろな形でスリムにして、そして余剰人員を今忙しい業務負担を持っているところへ回していくという努力をした上で、そしてそういう増員というものに計画をしていかなきゃならないと、こういうことでもございますので、私ども今、組織、業務の徹底的な合理化というものに取り組んでおります。そして、そうした、捻出した人員を体制が不足する部署に振り向けてもなお不足する人員、これにつきまして、今約一万人ということでございまして、今後この三年間で緊急に増員をしていきたいということで今努力をしているところでございます。

 そして、平成十四年度におきましては、このうちの四千五百人を予算でお願いをしている、こういう状況にございます。

山根隆治君
 何年で私はこれ全部達成されるのかということをお尋ねしたんですけれども、そのことはなかったように思いますが、いただいた資料を見ますと、一番負担増が、負担が多いのが埼玉県ですね。これ人口が急増しているということ等もあるんですけれども、埼玉県においては来年度も一応予定としては増員の計画がかなりあるというふうには聞いているんですけれども、五百人を達成するのにはやはり十数年掛かるようなたしか計算だったかと思うんですね。

 私は、やはりその状況に応じては、単なるペーパーで計算をするということではなくて、その重要性ということにかんがみて思い切って、例えば埼玉、一番全国でワーストワンという、ワーストというか負担増、負担が多いところでございますので、そこについては、首都圏ということもあるし全国的な波及性ということ等も考えると、私はやはり特に埼玉県については特別な措置を計らうということも当然行われるべきだというふうにも考えるんですけれども、この点についてどのようにお考えになりますか。大臣の方からでしょうか、お願いいたします。

国務大臣(村井仁君)
 ただいま官房長から全体につきまして御答弁を申し上げたわけでございますが、昨年度、埼玉県につきまして四百人の増員を図っておる。

 そして、十三年度において四百人の増員、それから今御審議をいただいておる予算案で四千五百人の増員、全国で果たす中で、埼玉県に三百八十人の増員を図っているところでございますが、いずれにいたしましても、ある程度の重点化を図りながら三年間で一万人増員するということで関係先へお願いを申し上げ、その前提で平成十四年度四千五百人の増員ということを実現することで予算案を組んでいただいたわけでございますが、やっぱり全体、行政を大いに整理していく、行政整理をしていく、こういう環境の中で、警察だけ増やしていくというのはなかなか大変なことでございまして、国民の皆様の御理解を得ながら何とか実現していかなきゃならない、そういうことでございまして、埼玉県はその中で二年に続きまして、二年間にわたりまして少なくとも最大の配慮をしているということを是非御理解をいただきたいと思うところでございます。

 埼玉県の公安委員会からも私も強い御要望を受けておりまして、これ将来、これからどうするかということでございますけれども、これはまたその後の警察事象の発生状況等々、それからまた合理化の進展状況などもにらみ合わせまして判断をしてまいりたいと考えているところでございます。

 なお、五百人というところでございますが、確かに警察刷新会議からはそのような御提案を受けたわけでございますが、取りあえずはやはりまずは合理化を進めようと、その上でどうしても足りない一万人をこの三年間で増員をさせていこうと、いただこうと。

 もう一つ配慮しなければならないのは、やっぱり警察官にふさわしい人材を得なければならないという問題でございまして、そういう点でも御期待に沿えるような人材をそろえるという前提で対応してまいらなければならないと、こんなふうに思っているところでございます。

山根隆治君
 今、大臣の方から御答弁をいただきまして、増やす前に合理化をということですが、私も一番負担の大きいところということでお話しするんですが、埼玉県の実情についてはある程度掌握しているつもりですが、これは、合理化はぎりぎりのところまでもうやってきているんですね。例えば、警察官のOBの方にも協力いただいて不在交番の解消をということに取り組んでいただいたり、様々なことを埼玉の場合もやってきているわけですね。

 よく言われる、引き合いに出されているニューヨークの犯罪が激減したというのは、テロでかなりテレビにも登場していたジュリアーニ市長、検事出身の方でございましたけれども、この方が徹底した合理化を図って、それで余剰した人たちを現場の警察官に回したというふうなことも言われていますし、あるいはまた、もう一つは徹底した事務の合理化ということで、パソコンの導入ということで余剰人員というのを作ってきたということあるんですけれども、もうそれらはすべてやり切っていますね、埼玉の場合で限って言えば。ほかの県警でも恐らく似たような事情だと思うんですね。

 ですから、合理化という言葉に逃げずに、まず、今、日本の国家について一番大事なことは何か、経済の安定ということが、先ほど竹中大臣もおられましたけれども、経済をもう一回復活させるということも大事ですけれども、もう一つやはり漠とした不安が国民の間にあるのは、やっぱり治安の問題がかなり今大きくなっています。そうした不安というのはかなり国民の間にびまんしている状況にかんがみて、私はこの警察官の増員という問題については急がれる問題であろうというふうに思いますので、最後、もう時間になりましたので、たくさん質問用意していて、おいでいただいた方、政府委員の方、申し訳ないんですけれども、最後に警察官増員の問題について決意、大臣の方からお聞かせください。

国務大臣(村井仁君)
 大変御理解をいただいておりまして、感謝をいたしております。
 私どもといたしましては、いろいろ研究をいたしまして、三年間で一万人の増員を図る思い切った対応を打ち出した次第でございまして、これをお認めいただけることによりまして、将来、時間がたった後に、確かにあの時点で日本の治安の悪化に歯止めが掛かったと、このような御評価をちょうだいできるように誠心誠意努力をしてまいる決意でございます。