山根隆治君
 私は、主に拉致問題につきまして質問をさせていただきたいと思います。
 小泉総理の女房役というお立場で、二十四時間とは言いませんけれども相当の時間総理と御一緒になっていらっしゃる福田官房長官にお尋ねいたしたいんですが、小泉総理はお元気なんでしょうか。

国務大臣(福田康夫君)
 至って元気であります。

山根隆治君
 至って元気ということでほっといたしましたが、実は昨日、拉致された御家族の皆さんが官邸で総理に思いのたけをお訴えをする、そういう機会がございましたが、予定されていた時間は十分ということで非常に短かったんですが、ドアを開けて入って出るまでに大体二十分は掛かっていたというふうに伺っているんですけれども、その間総理が話されたことは非常に短い言葉で、非常に虫の鳴くような、蚊の鳴くような、そんなふうな声だったということで、少しがっかりしたような感想というものもお持ちだというふうにも伺っているわけです。

 福田官房長官は、昨日のその総理への被害者の方々との会談の場にはいらっしゃったんでございましょうか。──いらっしゃらない。今日は、安倍副長官をちょっとお呼びをしていたんですけれども、まだお見えにならないんでしょうか。

 それでは、時間も少し多少ずれもありましたので、質問の少し形を変えてお尋ねをいたしたいと思いますけれども、官房長官もこのやり取りについては御承知だろうというふうに思っておりますけれども、総理は御家族の皆さんにどんなふうなお言葉を掛けられたのかどうか、そのことを御承知の範囲でお聞きをいたしたいと思います。

国務大臣(福田康夫君)
 昨日は私は立ち会っていなかったんですけれども、家族の方々から、私は、私たちは命を懸けている、総理に拉致問題を解決する気持ちを見せていただきたいと、こういうようなことを言われて、もう本当に切々たるお気持ちをそれぞれの方々が伝えられたというように聞いております。

 総理の方は、そういう皆さんの困っているというか、その立場はよく分かると、家族だけの問題ではなくて日本国全体の問題と受け止めて北朝鮮にしっかりとした対応を求めていきたいと、こういうことを述べたというふうに承知しております。

山根隆治君
 必ずしも時間がすべてを物語っているわけではないんですけれども、歴代の総理で、実は小渕総理、それから森総理に続いて三人目の総理への要請ということになったんですが、今までの総理は大体四十分から六十分ぐらい時間を掛けていただいていろんな思いを聞いていただいたんだと。それが今回は時間的なことも非常に短かったし、小泉総理も拉致の家族の皆さんには激励の手紙を出されたり、積極的な姿勢があるというふうに家族の皆さんは思っていらっしゃったんですが、なかなか力強い声というものではなかったので大丈夫なんだろうかと、こういうふうな思いをお持ちになったということで、それで最初に、冒頭に、健康というか元気なんだろうかということで伺ったんですね。

 お元気だということで安心いたしましたけれども、是非、総理自身が拉致問題が解決しなければ日朝の国交回復の交渉ということはあり得ないということをはっきりと明言をされておりますので、是非、そうした総理の考え方に沿って官房長官も是非サポートしていただきたいということを、これは要望にさせていただきたいというふうに思っております。

 それで、実は、この拉致問題のプロジェクトチームを設置されたというふうに伺っております。そのプロジェクトチームの責任者に安倍副長官がおなりだというふうなことを承知をいたしているわけでございますけれども、そうしたお立場で、総理の方から安倍副長官に対して具体的な、今後の北朝鮮との拉致問題についてのいろんな指示、そうしたものがどんなものがあるのか、あるいはまた昨日既に第一回の会合をなさっていらっしゃるというふうに伺っているんですけれども、この内容についてお示しいただける部分があれば、是非この際お聞きいたしたいと思います。

内閣官房副長官(安倍晋三君)
 昨日は、PTの後、総理にも内容について御報告をしたわけではございますが、そのときに総理から、この問題は、拉致をされた方の被害者の家族の皆様にとっては大変な心配でございますが、私どもといたしましては、その方々だけの問題としてとらえるのではなくて、日本国全体の問題と受け止め、北朝鮮にしっかりとした対応を求めていくべきであるというお話がございました。

 そしてまた、PTにおきましては、各省庁間での連絡の場が今までなかったわけでございますので、これから連絡、連携の強化を行っていかなければいけないという決定をいたしたわけでございます。また、八件十一人のこの事案に対して、今までの捜査自体を洗い直すいわゆる再捜査を行うということを決定したわけでございます。

山根隆治君
 今までの事件をすべて洗い直すというふうなこともお述べになっていらっしゃるわけでございますけれども、これは具体的にどのような形で、つまり海外との当然かかわりがあるわけでございますから、そうした拉致されたルートを全部追っていくという方法もありますし、様々な手法があるかと思いますが、どのような方法で洗い直すということをされるのか、お尋ねいたします。

国務大臣(村井仁君)
 現在、私ども、合計八件十一名この拉致疑惑があると、このような認識を持っておりますけれども、今度の有本さんの拉致容疑事案につきましては警視庁に捜査本部を設置して捜査を進める、こういうことにいたしております。

 それから、それ以外の案件でございますけれども、これは有本さんの事件も含めてでございますけれども、外務省等関係各機関、これは国際的ないろいろな情報機関との情報交換等々いろいろございますけれども、そういうことも含めまして、ありとあらゆる手段を通じまして全容解明のために最大限の努力を重ねてまいりたい、こういう決意を申し上げたいと存じます。

山根隆治君
 官房長官、明日から首相が訪韓されるというふうに承知いたしているんですけれども、この拉致の問題については韓国には様々な情報があるというふうに聞いているわけでございます。この際、金大中大統領に対して、この拉致の問題についても情報収集等の面で積極的に協力を呼び掛けていただけないだろうかという思いも、家族の方皆さんお持ちだろうと思います。そして、その後に日本の方から調査団を派遣するなりして、具体的な情報の収集を図るということが非常に大きなこの問題解決の前進になるというふうに思うんですが、この点、この私の提言に対してどのようにお受け取りいただけますか。

国務大臣(福田康夫君)
 誠に妥当性のある御提言だと思います。
 従来から政府は、米国とか韓国とか、それからその他の関係国、そういう国々との協議及び国際会議の場におきましても拉致問題の解決の重要性について訴えてきております。今後も国際会議、また地域のフォーラムなどにおいても、拉致問題を取り上げ、国際世論を喚起していくということでありますけれども、それとともに中国とか韓国などの諸外国に対しても、機会をとらえて本問題を取り上げ、本問題解決に向けての協力を求めていく方針でございます。特に、韓国は北朝鮮の隣国でございますので、韓国との協議、そしてまた必要なことはお願いをすることあるかもしれぬ、そういうことも含めまして密接なる関係を保っていきたいと思っております。

山根隆治君
 村井大臣にお尋ねをいたしますが、このいわゆる拉致事件というもののとらえ方なんですけれども、昨年の官房長官に最初にこの問題取り上げて御質問したときには、この拉致というのは事件だというような御認識を示されたわけです。

 村井大臣自身は、この拉致の問題というのは拉致としてとらえるか、テロとしてとらえるか、あるいはまた事変としてとらえるか、様々なとらえ方があろうかと思いますけれども、表現するとするとどんなとらえ方をされますか。テロということで御認識を持っていらっしゃるかどうか、お尋ねします。

国務大臣(村井仁君)
 言葉の定義なかなか難しいものがございます。テロというのは、私は一般的に恐怖、他に恐怖を与えることを通じて自己の主義主張を通すというような行為を一般的に呼ぶものではないか、こんなふうに思っておりますけれども、そういう意味では、とらえようによっては、これ一部報道されているところ、あるいは一部の方が述べられるところによれば、革命を継続していくというような主義主張を継続するための手段として行われたという認識に立てば、一種の、ある種のテロというような把握もできるかと存じますが、ただ、警察の立場からこの事象をどういうふうにとらえるかと、こう申しますと、やはり本人の意思に反してその自由を拘束し、そして家族から引き離すというようなことでありますから、一つの事件として認識をするのが一番手堅い対応なのかなという気はいたします。

 ただ、いずれにいたしましても、国が国民の生命を守るというのはこれはもう一番根幹にかかわることでございますから、さような意味で国民の皆様の御期待に沿うように精一杯の努力をするのが当然だろうと、このように思っているところであります。

山根隆治君
 非常に幅広い角度からの御答弁で、いかようにも取れる御答弁でも逆にあったかなと思うんですが。

 私自身は、この拉致の問題というのは非常に国家の意思の働いたところのものだろうというふうに受け取っております。朝鮮戦争で北朝鮮に拉致された韓国の人々は八万人いるというふうに言われているわけです。その八万人の中で現在身元が確認をされている方は四十名にすぎないという状況も実はございます。非常にスケールの大きい膨大な数字、スケールというか、膨大な数字になるんですが、石原東京都知事は、被害者の家族の方々との懇談の中でも触れられていますけれども、御自分自身の警察関係の情報というふうなことで、少なくとも拉致された方もっといらっしゃる、二十名かあるいは百名かというふうな御発言もされているわけですね。

 警察の方でも様々な情報があるだろうというふうに思いますけれども、非常にもうしっかりとした証拠固めをして、これはもう間違いないんだということで八組十一人というふうな数字を挙げておられると思うんですけれども、いろいろと寄せられている情報の中では、その辺の全体像というか、数としてはどの程度の情報が寄せられている、疑問を持たれているか、情報を収集されている範囲でお尋ねをいたしておきたいと思います。

国務大臣(村井仁君)
 このいわゆる行方不明になったというようなことだけで拉致事案というふうに認識できるかどうかという問題もございます。要するに、本人の意思によっていずれかの地域に、具体的には北朝鮮にいるというようなケースはこれはとても拉致と呼べるわけではございませんし、いろいろその辺が不分明な場合にどうするかというような判断もございます。

 そんなようないろいろな情報がある中で、明らかに本人の意思に反して拉致されたということが言えるものが八件十一人あるというのが警察の認識でございまして、その余のことにつきましては、やはりこれはいろいろな影響もあることでもございますので、ここで申し上げるのはこれは遠慮をさせていただくのがよろしいかと存じます。

 当局が何らかのことを申しますのと、その衝にない方が仰せになる話とは若干事柄が違うんだろうと私は考えております。

山根隆治君
 ぎりぎりの御答弁だったと思いますけれども、もう少し膨らみのあることになるんだろうというふうなイメージでの御答弁でございました。それはそれでよしとさせていただきたいというふうに思いますが、二月の十九日にブッシュ大統領がお見えになりまして、参議院の本会議場で演説をされました。その演説の一節に、こういうことを述べられております。

 昨年の秋に上海で私は小泉総理から特別な贈物をいただきました。それは、箱に入った日本の矢で、箱には悪を倒し平和を地球にもたらす矢と書かれていました。これは自由の存続を確保するために勝利しなければならない戦いだ、と総理は私に話してくれました。私はそのとき、総理に断言したことを今日皆様に断言します。自由は勝利すると。文明とテロは共存できないのです。テロを打ち破ることによって、我々世界の平和を守るのです。そういう一節がございました。

 私も本会議場でその演説を聞く中で、テロと戦っていこうとする強いブッシュ大統領の決意のほどというものが伝わってきたわけでございますけれども、これにはやはりしっかりとアメリカの大統領として、世界の指導者としてテロを何としても撲滅していきたいと、こういう思いがにじみ出ている。そしてそこにまた勝負の心というものも見る思いが私自身したわけでございます。

 私は、有本恵子さんの失踪というものも拉致ということで断定をした今日において、先ほどもちょっと触れましたけれども、石原都知事は五十名規模で捜査本部を設置をしたというふうにも聞いているわけでございますけれども、私は東京だけではなくて、関係するそれぞれの各県においてもそうした捜査本部というものをこの際設置すべきだろうというふうにも思うわけでございます。それが見直しをするということにつながるものだろうと思うんですけれども、この点についてどのような御見解をお持ちになりますか。

国務大臣(村井仁君)
 御指摘のように、有本さんの拉致容疑事案につきましては、有本さんと同様に二人の日本人が欧州から消息を絶った事案が関連していると見られるというようなこともございまして、一連の捜査を集約して統一的に進めるために警視庁に捜査本部を設置したものと承知しております。

 一方、七件十名の拉致容疑事案についてでございますけれども、それぞれ私どもも大変重大な事案だという認識をいたし、関係都道府県警察におきまして必要な捜査体制を取り、それから鋭意捜査をこれまでも進めてまいりましたし、今後も進めてまいるつもりでございますけれども、今回の事案のように複数の事案が関連していると見られなかったことから、これまで捜査本部を設置してこなかったんだと取りあえずは理解しております。

 なお、警察の立場から申しますと、それぞれの事案の重大性にかんがみまして、外務省等関係機関とも連携しながらこの解明に努力をしているところでございますので、今、委員御指摘ございましたが、もしこれで、もしといいましょうか、これである程度また新しい状況が展開してまいりまして捜査本部を設けて捜査に当たる必要が生じました場合にはそのような対応を取るものだと考えております。捜査本部を設ければ捜査が非常に熱心に行われており、捜査本部がなければ捜査を行わないというような誤解が生ずることを私は内心恐れる次第で、あえてそのような余計なことを申し上げた次第でございます。

山根隆治君
 官邸の中で一番熱心だというふうに思われる安倍副長官は、今の点についてはどのような感想をお持ちですか。

内閣官房副長官(安倍晋三君)
 ただいま村井大臣がお答えしたとおりでございまして、捜査本部あるいは捜査班等があるわけでございますが、捜査本部を設置をいたしておりますのはこの有本さんのケースのみでございますが、しかしだからといって、他方その以外の、それ以外のケースについての体制が不十分であるということには私はならないんだろうと思いますが、その点は警察庁が専門的な見地からそれぞれの事案に対して対応していくということになるんだろうと、こう思います。

 いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、副大臣会議を開催をいたしまして私どもの決意を示したわけでございますから、そういう決意で進んでいきたいと、こう思っております。

山根隆治君
 先日、被害者家族の連絡会等から安倍副長官に対しまして要望書を提出がされております。

 その中で、私も前回の質問の中でも触れさせていただきましたけれども、北朝鮮という国柄からした、やはり交渉のカードを幾つもこっちは持っておかなくてはなかなか問題が進展しないと、それにはやはりある程度強制力のある措置というものも必要なんだということをお訴えをしてきた経過があるんですが、その御家族の会の皆さんも、一つには北朝鮮船舶の入港の禁止あるいは在日朝鮮人への再入国許可の停止、それから第三国経由も含めた北朝鮮への送金の禁止等の要請書を出されているわけでございますけれども、これについては安倍副長官もお目になって、見ているかと思うんですけれども、これについての御見解はいかがでしょうか。

内閣官房副長官(安倍晋三君)
 この拉致問題の解決については、いろんな状況を総合的に勘案しながら政府において統一的に交渉を進めていきたいと思うわけでございますが、その中で拉致家族の皆様方から要請があったようなそうした制裁的なものが妥当かどうかということも常に勘案しながら行っていかなければいけないということだろうと思います。

 ただ他方、テポドン事件のときに我が国は制裁措置を取ったわけでございますが、その中でこの家族の皆様方から要請がなされていたわけでございますが、例えば港に入る船については、開港に対してはその船を止めるということは法律上できないわけでございますし、また送金につきましても、国際的な決議あるいは国際的な取決めの中で送金の禁止はできるわけでございますが、我が国の事情のみにおいては法律上は難しいということも他方あるんだろうとこう思います。

山根隆治君
 私はぎりぎりのところで可能な範囲でいろいろな措置をやはり取って交渉しないと、なかなかやっぱり突破口が開かないと。今までずっと時間を掛けてやってきて、人道的な支援ということで米も相当送ってきた、しかし一向にらちが明かないということがございますので、やはりそうした方法とまた違った角度からこの問題に取り組んでいくということは極めて大事であると思いますので、是非今申し上げた家族からの要望の点については具体的に可能なところから是非手掛けていただきたいというふうに思います。

 そういう今御答弁をちょうだいをして、今日の国会でも、衆議院でもあるいは参議院の外務委員会でも今この朝鮮、北朝鮮によると思われる拉致の問題、今取り上げておられるんですけれども、しかしそうした国会での論議の中にもかかわらず余りいい話が伝わってこないことがあります。

 外務省の元アジア局長、阿南さん、槙田さんの発言として新聞報道もされていて、おとついですか自由党の森議員の方からも指摘がありましたけれども、九人か十人ぐらいのことで日朝国交回復の流れというものは止められないんだという、非常に後ろ向きというか水を引っ掛けるようなそういうふうな発言があったと。これは自民党の組織の中での御発言だというふうに承知いたしているんですけれども、そのときに安倍副長官の方では、これしっかりと調査してみたいというふうな御答弁があったように聞いているわけですけれども、この点についてその後調査の結果等が出ていればお聞かせをいただきたいと思います。

内閣官房副長官(安倍晋三君)
 先般の委員会で私が申し上げましたのは、私も平成五年に初当選して以来、この問題に取り組んでまいったわけでございます。というのも、私が父の外務大臣の秘書官をしておりましたときに、有本さんのお父様がたまたま私の父の友人を通じて何とかしてもらえないだろうかということで私のもとにやってまいりました。ただ、当時はまだ情報が十分に集まっていなかったということもありまして、十分な対応ができなかったということがございます。その反省の上に立って、私も長年にわたってこの問題に取り組んでまいりましたし、何回も質問してきたということでございます。

 その中で私の強いそうした思いがございましたから、当時のそのときの私の気持ちを申し上げたわけでございまして、個々のやり取りにつきましては、これは二人だけのやり取りもございますから、私が申し上げたということの形で、私が申し上げたということで新聞に出ているわけではないわけでございますので、個々の幹部の名前を挙げてのことについては私は言及を控えさせていただきたいとこう思うわけでございますが、当時の雰囲気はそうであったということを申し上げたわけでございます。

 また、委員会において、私が調査するということは申し上げておりません。川口大臣が調査をしようということでございます。ただ、これは二人でのやり取りということもございますから、それが果たして正確な中身がメモにない限りなかなかこれももしかしたら難しいのかなという認識も持っております。

山根隆治君
 外務省が一番頑張らなくてはいけないのに、担当の局長こんなふうな発言をするということは本当に心外でございますけれども、また今日の産経新聞でも、これは私が申し上げるのがいいのかどうかあれですけれども、自民党の国対の皆さんが政府に北朝鮮の拉致事件に対して厳しい対応を求める国会決議を今国会で出したいというふうな話があったときに、それをやはり外務省のアジア太平洋局の方の幹部の方々がそれを止める動きに走ったというふうな新聞報道があるんですね。

 この件については自民党さんの方のことですから、私がこれ以上追い掛けることはしませんけれども、こういう非常にもう外務省がどこの国の外務省だか分からないような、時にはアメリカの外務省だったり、時には中国の外務省だったり、時には北朝鮮の外務省じゃないかというふうに思われるほど、日本の国益というものを最近の外務省というのは非常に忘れていると、こういう思いがしてならないわけでございますけれども、こういった姿勢について、是非これからも安倍副長官、是非厳しく御自分の立場から頑張っていただきたいというふうに思います。

 さて、この拉致問題と重ね合わせるように、国民の皆さんの関心というか、引かれたのが例の不審船の問題でございます。

 この不審船につきましては、国土交通省の方の担当かと思いますけれども、いつ引き揚げるつもりなのかどうか。そしてまた、時間もないので少しダブらせて聞きますけれども、中国の反応は今どうなっているのか、お尋ねをいたします。

政府参考人(須之内康幸君)
 お答え申し上げます。
 海上保安庁におきましては、去る二月二十五日から三月一日までの五日間にわたりまして、犯罪捜査の一環として、測量船に搭載をしておりますサイドスキャンソナーを用いた調査により、不審船の沈没位置付近にエコーを認めました。続いて、巡視船に搭載しております自航式水中カメラを用いた調査によりまして、不審船の外観、船名等を確認したところでございます。

 今後、これらの調査結果を踏まえまして、引き続き有人潜水による船体調査を実施することになると考えております。その上で、手順といたしましては、引揚げが可能か否かについて判断することとなろうと思います。当庁といたしましては、引揚げが必要であると考えておりますが、現場付近の天候状況を踏まえながら引揚げを行うために行動するという姿勢で取り組むことといたしております。

 なお、現場は我が国が事実上中国の排他的経済水域として扱っている海域であることもございますので、引揚げ等につきましては中国と調整をしながら適切に対処をしてまいりたい、こういうふうに考えております。

山根隆治君
 ちょっと時間もないので、これも官房長官にお尋ねをした方がいいかと思いますが、確かに排他的経済水域に入っているところでございますけれども、ですから中国との関係というのが当然生まれてくるんですが、ただ、二〇〇〇年の六月に発効した日中漁業協定によって、漁業資源に限って日中の共同管理とした暫定措置水域であるということもあるわけですね。したがいまして、これは両国がどこでも操業できて、相手国の漁船を取り締まることができない水域ということもまた一つの事実としてあるわけです。

 したがいまして、日本の国益ということに直接大きくかかわっている問題でございますから、この引揚げについては中国政府にしっかりと交渉して理解を取り付けた上で、引揚げについては、今技術的な話がございましたけれども、政治的にもしっかりと交渉していただいて、何としてでもこれは引き揚げるという決意の表明を最後に官房長官にお尋ねをいたしたいと思います。

国務大臣(福田康夫君)
 経緯につきましては今海上保安庁の方からお答えをしたとおりでございまして、今、天候が捜査に適しないということがございます。それがいつになるかというと、普通であれば五月の中旬ぐらいから波が穏やかになるというようなことで、そうなりますとダイバーが入るとか、そしてダイバーが入るということは、引き揚げられるかどうかというそういう技術的な点検ということもございますでしょうし、また引揚げをする必要があるかどうか、また引揚げの安全性の問題ですね、油漏れとか、そういったようなことがないのかどうかとかいったような点検をして、その上で引揚げを決定する、こういう手順になるわけですね。

 ですから、そういう手順を踏んで、そして捜査上必要だということであれば当然引き揚げるというのは、これはもう最初から決まっていることでありまして、その手順を踏んだ上での最終的判断はこれからするんだと、こういうことであります。