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●山根隆治君 初めての登場でございますので緊張いたしておりますけれども、御答弁の方、よろしくお願いいたしたいと思います。 事前にレクチャーでお話をさせていただいた順序と都合により少し変えさせていただきたいと思いますが、まず雇用対策についてお伺いをいたしておきたいと思います。 政府は、総合雇用対策というものを新たにつくられたわけでございます。これから、雇用の問題については、その計画案に沿ってさまざまな施策の展開があるというふうに期待をいたすところでございますが、実は私、選挙を戦っていく中で、参議院選挙を戦う中ではいろいろな国民の皆さんから御意見がありました。雇用問題もその一つとして具体的な実は提案がありましたので、これはぜひ直接、政府担当部局にお伝えして見解を求めさせていただきたいと思いますが、それはどういうことかといいますと、ハローワークについてですが、これを土日もぜひ開いてもらいたいということでございました。 と申しますのは、もうリストラになりそうだ、あるいは自分の勤めている会社が非常に厳しい状況にあるというところで、会社をやめてから就職を探す、仕事を探すということではなくて、その会社に在籍しながら就職活動をするということが極めて今大事だということでございました。と申しますのも、休んで行くということになると、それが非常にマイナスの査定になっていてリストラの優先順位が高くなる、そんな不安を非常に持っておられる方が多いということがよくわかりました。 そういう意味合いで、ぜひ土曜日、日曜日にハローワークを開いてもらいたいと、こういう声が国民の皆さんからあったわけでございますけれども、今政府では、新宿と大阪ですか、二カ所で土曜日に開いておられるようでありますけれども、これを全国に広げるというおつもりはないかどうか、この点についてひとつお伺いをいたします。 それから、時間の都合でまとめてお伺いしますが、もう一つ、雇用の問題については、ハローワークに行っても現状では一人当たり九分程度の面談時間しかないということで、メンタル面で不満を持っておられる方が非常に多いという実情があるわけでございますけれども、これについての改善策等が今御検討されていれば、ぜひお聞かせをいただきたいと思います。 ●政府参考人(三沢孝君) お答え申し上げます。 まず第一点目、ハローワークの開庁問題でございます。 本日発表されました、完全失業率五・三%ということで、過去最高になっております。こういう中で、雇用情勢、さらに厳しさを増しておるのではないかと思っている次第でございます。 先生御指摘のように、このような中で、大量の失業者の発生とともに、在職中からいろんな事情で求職活動を行う労働者の方々、これも増加してきているところでございます。 ちなみに、九月に全国のハローワークに求職の申し込みをされた方々は五十七万人弱と、こういうふうな数字になっております。こういう労働者の方々のニーズに的確に対応するためには、先ほど山根先生からも御質問がありましたように、これまでの従来どおりのハローワークの運営の仕方、こういうことで本当にいいのかというふうなことを我々も考えております。 現在、先ほど先生からもお話がございましたように、新宿と大阪東のハローワーク、これは勤務時間外、おおむね七時、あるいは土曜日も開庁しております。また、それ以外にも、安定所の情報提供施設でございますハローワーク情報プラザというものもございますけれども、そのうちの三カ所、錦糸町、名古屋、堺東、ここでも同じように平日時間外あるいは土曜日の開庁をし、サービスを行っているところでございます。 ただ、いずれにしましても、現在のような厳しい状況を考えますと、先生御指摘のような点、これは我々も十分考えていかなければならないと思っております。 このたびの総合雇用対策の中でも、ハローワークのサービス提供時間の延長、これが盛り込まれておりますので、我々厚生労働省としても、ぜひ検討をさせていただきたいと、こう思っておる次第でございます。 第二点目、安定所での求職相談時間が短いのではないかという御質問でございます。 これは、求職者数の増加に伴って平均の相談時間が非常に短くならざるを得ない状況にはございますけれども、本年四月から、安定所での業務取り扱いを定めました業務取扱要領の改定を行いまして、このような事態に的確に対応するためのいろいろな措置を講じております。 その第一点が、パソコンを活用した求人自己検索装置の導入、あるいは求職者のニーズや特性に合わせた相談を必要とする者に重点化したサービスの提供、このようなことをやっております。 そのほか、能力の向上等のいろいろなカウンセリング技法もやっているところでございますけれども、いずれにしましても、さらにホワイトカラー層の長期の失業者の職業相談、これをマンツーマンの形式でより綿密に行うための就職支援アドバイザー、こういうものを設けるべく今現在検討中でございます。 いずれにしましても、このような努力を通じて早期の再就職を目指して頑張っていきたいと思っております。 ●山根隆治君 ぜひひとつ、今の御答弁を即実効あるものにしていただきたいというふうに思っております。 さて、官房長官にお尋ねをいたします。 先ほど、私も食事をしながらテレビのニュースを見ていましたら、アメリカの司法長官が、今週から来週にかけて新たなテロの発生が予想されると非常に厳しい表情で語っておられました。国民に向けたものであると同時に、私は世界の人たちにも向けたメッセージでもあるというふうに受け取りました。そして、それもかなり確度の高い証拠、確証があると、こういうニュアンスでのスピーチがあったわけであります。 あさって、一日、園遊会が行われるわけでございます。私自身も、九月の十一日のああしたアメリカにおける同時テロ以前に御招待をいただいていたものですから、ぜひ出席をさせていただきたいというふうな返信をさせていただいておりますし、今現在もそのつもりではありますけれども、こうしたアメリカ司法長官のスピーチを聞くにつけ、本当にそれで大丈夫なんだろうかというふうな思いが開催についてするわけでありますけれども、この点についてどのようにお考えになっておられるのか、お尋ねをしたいと思います。 ●国務大臣(福田康夫君) 先生おっしゃるとおり、司法長官がそういうテレビでアナウンスをしたということがございます。これは、米国内、また、はっきりは言っていなかったんですけれども、米国に関連する外国の施設というか人というか、そういうことではないかと思います。もちろん、我が国もそういう情報というのは過去にも何度かございました。その都度、必要な措置はとって、十分な警戒態勢をとってまいったところでございます。 そういう状況の中で今御指摘の園遊会をすることがよろしいのかどうか、こういうことになるかと思います。 園遊会というのは、天皇皇后両陛下が、各界各層で活躍し、国家社会に貢献しているそういう方々をお招きになって催されているものでございまして、両陛下及び皇族方が、招待された多くの方々と直接お話をされ、御苦労をいたわれる、そういう重要な行事でございます。このため、今回も例年どおり開催することになっておりますが、警備につきましては、今のような情報等も踏まえまして、警視庁と皇宮警察本部が綿密な警備を実施するということによりまして要人の安全確保等に万全を期すると、こういうものでございます。 そういうことではございますんですが、テロでもっていろいろな大事な会合がこれがキャンセルになってしまう、取り消すとかいうようなことになりますと社会生活全般に影響を与えてしまう、そういうようなこともあわせ考えなければいけないと思っております。 ですから、警備の方は警備の方として万全を期するという体制の中で、安心して皆様方がそれぞれの会合に参集されるというようなことをしていかなければならない、そういう時期じゃないかと私は思っております。 ●山根隆治君 官房長官、そうはおっしゃいますけれども、時々刻々いろいろ状況は変化していますね。パキスタンでもキリスト教徒に向けたテロが行われて、十二人ですか、きょうのこれもニュースでやっていました。教会が襲撃されて死者を出したという事態があるわけですね。 今、官房長官のお話ですと、在日米軍施設等というふうなお話をされましたけれども、テロリストがどこをどういう形でねらうかというのは予測がつかないわけですね。ですから、日本にある外国の大使館も非常にセキュリティーに気を使っていて、いろいろなパーティーを自粛するとか、それから出入りの人たちへのチェックを、新たなシステムをつくるとか、いろんな形でかなり緊張してやっているわけですね。そういう中で、今、万全を尽くすと言われたけれども、万全の尽くしようのない事態というのはたくさんありますよね。 後ほど私もちょっと質問を展開しますけれども、BC兵器であるとか、それから、だれもニューヨークのああした貿易センタービルにあんなことが起きるなんて思ってもいませんね。そういう不測の事態というのが、非常に社会的な不安が増大している中であえてやるということも一つの意味があるという見方も確かでしょう。それは、テロに屈しないという意味ではそうかもしれません。しかし、今、テロに屈する屈しないではなくて、それだけ世界じゅうが今いろんなことで自粛して、アメリカの議会でさえ閉鎖したりとかいろんなことがあるわけですね。それは、テロに屈服したのではなくて、テロと戦うための私は準備というか、そういう段階の位置づけということで考えればおかしくないはずだと思うんです。 ですから、園遊会につきまして、国会議員はもしものことがあれば代理はききますね、年に二回補欠選挙が行われるということがありますから。しかし、やはり天皇皇后両陛下の主催されるそうした園遊会ということで、皇族方等もおいでの中でそうした事態がもし起きたということになると、これは大変な私は逆に言うと事態を惹起する、そしてテロリストにとってはそれが極めて効果的だというねらいがある、そういう心配が非常にあるわけですけれども、きょうのアメリカの司法長官のそうしたスピーチについて、今お話も、御見解もございましたけれども、そのほかいろいろな情報が、日本の情報機関というのは、アメリカのCIA等に比べるともう大人と子供ぐらいな情報量、組織しかありませんけれども、アメリカからこのところ、きょうにでもいろいろな情報の提供というのはないんでしょうか。 ●国務大臣(福田康夫君) どんなことが起こるか、それは、この世の中わかりません。今だって、今だってわかりませんよ、それは。園遊会をねらうというようなことであれば皇居だってねらわれるかもしれない。この国会議事堂だって、一〇〇%安全だというように言い切れるかどうかということであります。 私が申し上げたのは、そういう情報に基づいて、そして我々の行動が制約を受けるということがあってはいけないということで、もちろん行動をするための安全は十分に確保しなければいけない、そのことはその前提としてございますが、そのためにいろんな情報がございます。そのいろんな情報を一つ一つ点検をしながら、確度の高いものについては十分な対策を今とっておると。そういうために、警察もあり、いろんな警戒のシステムというのができ上がっているわけでございますから、どうか、そういう意味において、御安心をして社会生活を、政治生活を続けていただきたいと思っております。 ●山根隆治君 不安は残りますけれども、私も、天皇皇后両陛下主催の園遊会でありますので、もしそのまま開かれるのであればそれも一つの私自身の中での整理した気持ちでありますので、出席するつもりでありますけれども、しかし、重々にその警備については、そうした時々刻々変化しているということだけはぜひ御理解をいただいて、情報の収集等には万全を期していただきたいというふうに思います。 それで、テロ新法、関係三法、ああいう形で成立をいたしたわけでございます。しかし、国際的にテロの定義というものがまだはっきりと確定をされているわけではありません。今回の法律を見ましても、日本としてのテロへの定義というものがどういうものであるかというのは明らかになっているわけではございませんが、例えば、アメリカの国務省であるとかイスラエルのジャフィ戦略研究所などの国際研究機関等が発表しているテロに対する定義というものがありますけれども、それには幾つかの共通したものがあります。 それをまとめてみますと、一つテロリズムの定義でこういうことが言えるかと思いますが、具体的には、テロリズムとは、国家の秘密工作員または国家以外の結社、団体などがその政治目的の遂行上、当事者はもとより当事者以外の周囲の人間に対してもその影響力を及ぼすべく非戦闘員またはこれに準ずる目標に対して計画的に行った不法な暴力の行使を言うということでございますが、こうした定義について長官は妥当なものだというふうにお思いでしょうか。 ●国務大臣(福田康夫君) 妥当かどうか、先生がおっしゃるんだからそうだと思いますけれどもね。 今回のこの事件でもってテロリズムとは何ぞやと、こういうふうな議論が随分いろいろございますので、いろんな考え方があるのかもしれません。しかし、戦争とも言えない、しかし、決して無視できない大きな犯罪であるというように私は思っております。 ●山根隆治君 そこでお伺いいたしたいのは、そうした国際的な定義、確定はいたしておりませんけれども、おおむね妥当だというふうに御理解をいただいたんだと思うんです、今の御答弁の中で。 そこでお伺いしたいのは、そうしたら、北朝鮮による、思われる、容疑という言葉を最近警察庁は使っていますけれども、拉致の問題、これはテロというふうに御認識をお持ちでしょうか。 ●国務大臣(福田康夫君) これは重大問題であります。国民の生命にもかかわる問題であるということでございますから、先ほど私は重大問題だ、それはテロだと、こう言ったけれども、そういうことではなくて、これはちょっとやはり認識は異にしております。 今回の同時多発テロ、それは社会に恐怖心を与える、社会に与える、また国家にいろいろと強要をするといったような、そういうことを伴う殺傷行為というように考えますので、これはちょっと性格が違うのではないかなと思っております。 ●山根隆治君 非常に残念な御答弁ですね。 ただ、柳井駐米大使、佐藤国連大使は、以前、拉致というのは、御家族の方がいろいろと要望、陳情に行かれたわけです、救出についての要請をされた、そのときのお話の中では、拉致というのは現在進行中のテロだということを言っておられる、断言しておられるわけですね。これは三月のことでございます。 私は、今、テロとは違うというふうなお話ありましたけれども、今の官房長官の、こうした拉致事件というのはテロと違うという認識を持つ先進諸国というか世界的な政治指導者は恐らくおられないんじゃないかというふうに思います。韓国でも五百何十人の方、五百人ほどの方が北朝鮮によって拉致されているということをこれは金大中大統領自身が認められていたところでもあります。 私は、これは重大な国家への主権の侵害であり、テロだというふうな認識を持つべきであろうというふうに思いますけれども、もう一度御答弁を、御見解を求めます。 ●国務大臣(福田康夫君) テロの定義みたいな話になっちゃうので、私は余りテロの定義について議論は正直言ってしたくはないのでありますけれども、テロというのとちょっとニュアンスが違うんじゃないかなと、こんなふうに思います。 ●山根隆治君 どうも勢い込んでお話しして、質問しているんですけれども、大臣の人柄で何かのみ込まれてしまうような、どうも危うさを感じちゃうので弱ってやりにくいんですけれども。それでは、その議論は少し外します。 私は、テロの、こうした拉致事件については、日本の外務省の姿勢というのは非常に後ろ向きというか、弱い、そういうことが今までかなり見受けられたというふうに思います。どなたとは言いませんけれども、歴代のアジア局長の方、いろんなことを言っておられますね。 一つは、ある方は、韓国に亡命した北朝鮮工作員の証言などは信憑性がないということを言われたわけです。その後、北朝鮮の方では労働新聞の中で、日本の外務省の高官までもが拉致疑惑の信憑性に大きな疑問を表しているということを新聞に書かれてしまった。そういうことがあって慌ててそれを取り消されたということがあります。あるいはまた、世論が許さないから拉致棚上げの国交正常化はできないというような物の言い方を御家族が行ったときにされたりしているわけですね。そういうことからしても、非常に外務省の消極的な姿勢が目立ってしようがない。 河野外務大臣のときも、歴代の何人かの外務大臣が北朝鮮にお米を、直接国交がないからできませんけれども、国際機関を通じて米の支援をするということをやってきた。なぜするかというと、拉致の問題もこれによって光明が見えてくるだろう、打開できるんだというふうなことでございましたけれども、それが一向に効果は出ていない。つまり、米を送ってもらえれば交渉のテーブルには着きますと、しかし、またのど元過ぎればそれを無視してくると。こういうことの繰り返しで私は来ているように実は思えてならないんですね。 資料をいただきましたけれども、平成七年の食糧支援、二国間で三十万トン、一回目。二回目が二十万トン。平成九年には六・七万トン、平成十二年には一回目が十万トン、それから五十万トンということで支援をしてきているわけでございますが、一向に私はらちが明かないということになっていることについて、非常に焦りと怒りというものを感じるわけですね。 アメリカの大統領自身が言っていることでは、つい六月までは北朝鮮は、非常に厳しい、に対してならず者の国だとかというふうな発言を大統領がしていたり、あるいはテロの支援国家だということの認定がアメリカからもされていたということがあるわけですね。ですから、幾ら人がよくて、お米を援助すれば何とかなると、そういう問題じゃないだろうと思うんですね。 それはもう国際政治、歴史を見てもいろいろな例があります。例えばクウェートも、非常にいろんな環境が厳しいということでイラクにいろんな支援を、経済的な支援や何かしていた。しかし、いざとなったらそれが侵略をされて、略奪されて、そして婦女子が非常に暴行を受ける、こういうことが今の時代でも起きているわけですね。 ですから、やはりここのところはしっかりと毅然とした態度で、その救出ということについては私は立ち向かっていかなくてはいけないというふうな思いがするわけでございます。 これは官房長官にお話ししても、きょうは外務大臣おられませんから。外務大臣もきょう記者会見で、テレビを見たらかなり頑張っておられましたけれども、外務省の姿勢については非常に私は問題があると思うんですけれども、外務省の弁明を聞かせてください。 ●副大臣(植竹繁雄君) 私、副大臣の植竹でございます。 今、山根委員のお話でございますが、外務省の姿勢が今までいろいろあった、見解がいろいろあるということでございますが、そのときに答弁された方はそのときのいろいろな思いを持ってお答えされたと思いますが、私といたしましては、過去北朝鮮に百数十万トン出したという米の問題と、またこの日朝国交正常化の問題というのは全く別じゃないかと。しかし、長い目で見まして、鬼の目にも涙ということがございますので、人が誠意を持ってやっていけば、やはりその誠意というものは必ずやこれはわかってもらえるんじゃないかと思っております。 したがいまして、この拉致問題とは直接ではないにしましても、日本の誠意というものをわからせる。しかし、拉致問題は拉致問題として、これはまさに日本と北朝鮮の重要な問題でありますから、これは言うべきときは言い、そして、これら拉致の解消に向けて、あるいは赤十字を通じ、あるいは国交正常化交渉におきましても、その調査あるいはその後の状況については強硬に言っているということでございます。 私としましても、この問題は何としても、それこそらちを明けるように努力していきたいと思います。努力なくしてこういう問題の解決はございませんから、私は、これは機会があればその都度拉致解消に向けて強硬に主張していく所存でございます。 ●山根隆治君 見解は私とはかなり違っているわけですが、日本の外務省の基本的な姿勢というのは、いつも弁明を聞いていると、対中国、東南アジアの問題、いろいろな問題が起きてきました。それから領土問題、領海問題、ロシア、台湾、韓国、アメリカとのいろいろな関係の中でいつも出てくるのは、もっと骨太の内閣だというふうに私は思いたいんですけれども、骨太であれば外交もしっかりと骨太でやっていかなくちゃいけないということが私はあると思うんです。何かというと刺激しないように刺激しないように、そういう国の外交方針というのは世界じゅうないですね。 今もう世界が、例えば自由主義か共産主義か、そういう時代じゃなくなってきた。イデオロギーの時代、これにも決着しています。今、これから世界を動かしていく論理というのはやはり国益であると思うんですね。ですから、永遠の敵国もなければ永遠の友好国もないという有名な言葉がありますけれども、そういう認識の中で日本の国益というものをどうやって守っていくかというのはやっぱり外務省がしっかりしないと大変なことになるだろうと思う。今はいろんなことを国会の答弁で、私が質問をしてもいろんなお話あってそれで済むかもしれないけれども、何十年たったとき、三十年、五十年、百年たったとき、あのときの外務省は何だったんだというふうなことを私は指摘されるような気がしてならないんですね。その辺のところはぜひしっかりしてもらいたい。 例えば、もうちょっとお話しさせてもらいますけれども、一九八七年に、小さな国と言っては失礼ですが、人口とか経済規模という意味ですけれども、レバノンでやはり北朝鮮によって四人の方が実は拉致された、誘拐された。二人は途中で逃げおおせたわけですけれども、二人はどうしても捕まってしまったということで、レバノンはいろいろな外交的な手段や強硬なメッセージを送り続けて、一年四カ月後にその二人を帰国させるということに成功したということが実はあるわけですね。 ですから、私は姿勢だと思うんです。今、北朝鮮の人たちが、指導部が恐らく考えていることは、日本はアメリカの言うがままだから、アメリカさえ押さえておけば大丈夫だと、こういう感覚が非常にあると思うんです、拉致問題だけじゃなくて。最大の友好国であるアメリカとでさえも、時にはいろいろと意見が異なって外交も展開するということもないと、そういう姿勢を示さないと、私は何でもアメリカに唯々諾々としている外交姿勢というのは世界からも侮りを受けるという気がしてならないわけですね。 そこで、実はまだ記憶にあるかと思いますが、ちょっと調べ切れませんでしたけれども、パスポートを偽造したということで、金正日総書記の息子さんと思われる金正男氏が偽造パスポートということで日本で拘束されたということがありました。これは正式には政府は本人だということは認めていませんけれども、写真も映像も出ていますし、まずあれが金正男さんじゃないというふうに思う識者というのは私は余りいないだろうというふうに思っております。 私はなぜ早く帰してしまったのかよくわかりませんけれども、やはり外交を預かる立場からは、この問題もはっきりと、やはり違法行為であったわけですから、しっかりと拘束して取り調べるなりなんなりという、そういう姿勢を私はそのときは示すべきであっただろうというふうに思うわけですね。この点についてはどのような御見解をお持ちでしょうか。 ●副大臣(植竹繁雄君) 山根委員まさに御指摘のとおり、日本は外交上もっと強くなれと、日本の国益に従って強くなれと、まことにおっしゃるとおり、私も大変御注意をいただきましてありがたいと思っております。しかし、やはり日本における立場というのはその都度どうやっていったらいいか、どれがベストであるかということを考えていかなくてはならないかと思います。 例えば北朝鮮の問題ででも、超党派で行って交渉しているわけです。しかし、民主国といいますか、開かれたそういう国ですと、それがいろんな多角的な交渉もできます。しかし、閉鎖的な国というものはその辺が非常に難しい。レバノンと北朝鮮のお話もございましたけれども、レバノンと北朝鮮の関係は日本と北朝鮮の関係以上により近い関係かと私は考えるわけでございます。しかし、外交というのはやはり日本のため、日本国民のために強くやっていくというその姿勢は全く私も同感でありますし、私もその点はまた改めて外務省職員に対しましてもよく委員のお話のとおり伝えてまいりたいと思います。 また、ただいまの北朝鮮の首相の御子息、金正日さんの御子息らしいと認定される問題については、外交交渉の場合ははっきりそれがいたしませんとなかなか外交上の問題もありますし、むしろそれは法務省の入管ではっきりとそれを仕分けるということが必要かと思います。そういう点につきましては、なおこれは法務省ともさらなるその辺のあり方については考えていくべきかと思っております。 いずれにいたしましても、強い外務省に脱皮しつつ、方向でいかねばならないことは委員のおっしゃるとおりだと思って、肝に銘じましてやってまいります。 ●山根隆治君 私は、よく国会での答弁、政府、総理あるいは官房長官からも御答弁ございましたけれども、国家が国にすることというのは国民の生命と財産だと言われますけれども、しかし憲法十三条にはもう一つ概念としてやっぱり自由があるわけですね。その自由を拘束される、奪われるということ、これは国家としてやっぱり外国からそういうことがあったらば許しがたい行為だろうと思うんです。 交渉事というのは、これは私も外交には直接かかわったことはもちろんありませんけれども、お願いに行くのでは、例えば超党派の議員団で行くにも、お願いに行ってごあいさつに行くんじゃあしらわれますよね、軽く。やはり相手に対して一つ上の立場を持つかどうか、つまりカードを持っているかどうか、あるいは最低でも五分五分の力というものを持たないと、本当の交渉というのは私はできないんだろうと思います、どれだけ知恵をめぐらしても。 日本にそれじゃカードがないかということになると、そんなことはないですね。経済的な支援の問題があります、それから行き来の問題がありますから、再入国を禁止するということがあるし、あるいは入港を禁止する、阻止する、そういうようなことというのは十分できるわけですね。私は、そうした姿勢というものを示すことによって初めて北朝鮮が本気になって変わってくるんだろうというふうに思うんですね。 北朝鮮の亡命した高官の人たちからのいろんな話も伝わってきますけれども、やはり相手は足元を完全に見ていますね、日本の。やはりしっかりとした姿勢というものを持たないと、私は侮りを受けるということになるというふうな思いが非常にいたすわけでございますけれども、この点については、もう時間もどんどんなくなってくるので、これ以上余り抽象的な論議で終わらせたくないので質問を少し変えさせていただきたいと思います。 拉致されている中で今、日本政府が認めているのは七件十人ということでございますけれども、第一次日朝交渉あるいは第二次日朝交渉の中で、政府は有本恵子さんのことについて言及を日本からされているわけですね。この七件十人の中には有本さんが今まで入っていないわけですけれども、なぜ有本さんをこの中にカウントしないのかということをお尋ねを一点しておきたいと思います。 ●政府参考人(漆間巌君) 御指摘の女性につきましては、北朝鮮による拉致の疑いも含めましてあらゆる可能性を想定して関係各機関と情報交換を行うなど、現在のところ所要の調べを進めているところでありますが、現在までのところ、北朝鮮による拉致の疑いがあると判断するまでには至っていませんのは、本件は、警察として北朝鮮による拉致の疑いがあると判断している七件十名の事案と異なりまして、日本国内から直接行方不明になったものではないことから、失踪時の状況が具体的に判明しておりません。そのため、事案の解明には引き続きより慎重な調べが必要であると考えているからであります。 ●山根隆治君 慎重な調べというふうに言われますけれども、最終的な確認というのは本人、向こうに行って確認するわけにいきませんね。そうすると、いろんな状況があるわけですよ。よど号の乗っ取った人たちの奥さんがこっちに帰ってきたり、そういうところからの情報もある。あるいは韓国に亡命していた人たちがある。そういうところからのいろんな証言があるわけですね。それで、ある程度の確信を持ったからこそ、あれだけ北朝鮮を相手にする交渉の場で、普通だったら日本の今までの外務省の姿勢等からはちょっと考えられないですね、二回も言われているわけですから。相当外務省自身には自信があっての話だろうと思うんですよ。 ですから、それをわざわざ外交交渉の中で出しておいて、国内においてそれを認めないというのは明らかな矛盾じゃないんですか。 ●政府参考人(漆間巌君) この拉致といいますのは、本人の意思に反して連れていかれるということになります。先生おっしゃったとおり、本人に、意思に反したかどうかというのはまさにその本人そのものに当たれないものですからわからないわけでして、そこを情況証拠で埋めることができるかどうかというのがポイントだと思います。 私どもが七件十名として拉致の疑いがあるとしているものについては、これは実はいろいろ関係者の証言とかいうものからその本人が意思に反して連れていかれた疑いがあるということを裏づけるものを得たわけであります。 ところが、この先生御指摘の女性の場合については今のところまだその証言を得るに至っていませんので、したがって、しばらく慎重に捜査を続けたいと言っているところであります。 ●山根隆治君 それじゃ質問の仕方を変えますけれども、その日朝交渉のときに有本さんのお話をされた。しかし実際には、北海道出身のIさんであるとか熊本県出身のMさん、名前は伏せますけれども、についても同様のやはりその場で指摘をすべきだったと思いますが、これについてはなぜ交渉の中で提案をされなかったんでしょうか。 ●副大臣(植竹繁雄君) 今、先生お尋ねのその三人の問題は、これは五十八年のころから起きた問題でございますが、ただその三人の、有本さんも入れた三人のうちの一人から、ポーランドの消印で日本に、平壌にいるというような手紙があったということに基づいてこれやっております。その後、北朝鮮との赤十字の交渉、第一回、第二回、先ほどもおっしゃられましたとおり、その交渉で調査を強く言っていることは、外務省として処置はとっておるわけでございます。 なお、ついでに申し上げますが、これ昨年の八月以降、第二回の交渉におきましても強く言っておりますが、いまだに北朝鮮の方から回答は来ておりませんが、こういう機会があればさらにこれを追及を、調査の結果を要求してまいりたいと思っております。 ●山根隆治君 ちょっと時間がないのでなかなか深追いできないのが残念ですけれども、それでは角度を変えますと、週刊誌等で、赤木志郎氏の妻の金子恵美子さんが帰国して逮捕をされている、そこでいろいろな供述をされているという報道が週刊誌等でされているんですが、これについては警察庁の方ではどのような、お話しできるところで結構ですけれども、状況になっているのか、御見解等をそうした報道について承りたいと思います。 ●政府参考人(漆間巌君) 週刊誌等でもいろいろな報道が出ていることも承知しております。また、よど号ハイジャック犯人の妻の赤木恵美子につきましては、九月十八日に帰国したところを警視庁が旅券法違反で逮捕し、さらに十月十六日に大阪府警察が有印私文書偽造、同行使で再逮捕しているところであります。 この辺につきましては、週刊誌に出ていることも含めまして、議員のお尋ねの点の、いろいろな拉致のときの状況、拉致というかその実際に失踪するときの状況とか、そういうところについても私ども十分重大な関心を持って所要の捜査を行っているところであります。 ただ、今現実に具体的な捜査が進んでいるところでございますので、具体的内容については答弁を控えさせていただきます。 ●山根隆治君 北朝鮮との交渉のやり方、いろいろとあると思うんです、いろんなチャンネルはあると思いますけれども、ぜひ、やはり一番大事なことは、骨太の交渉をしてもらいたいということです。副大臣ぜひ、外務大臣も骨太なんだか骨太じゃないんだかよくわかりませんが、ああしたエネルギーをぜひ外交に集中してもらって、突破していただきたいというふうに思っております。家族の皆さんも非常にもうこのことを熱望、何十年も、二十数年もしているのだから、これについてはお願いということでとめたいと思います。 さて、テロの問題についてですが、これは非常に幅広い、いろいろな形態も実はあるわけですけれども、朝日新聞を読んで、官房長官の経歴というのをそのとき初めて、勉強不足なんですが、知りました。アラビア石油でしたか、丸善ですか、石油会社にお勤めだったというふうに伺っておりますけれども、実は、政府の公式な官房長官というお立場とまた違った角度でこのテロの問題、もう一つの側面、このアフガニスタンが一時平定したときのいろいろな状況、つまり石油業界というかメジャーというか、そういうところの絡みの中で、ロシア、中国、アメリカのカスピ海における石油の権益をめぐっての、一つの、冷たいというか熱いというか、交渉というか外交戦略、ぶつかっているところだろうと思います。この点については官房長官、そうした今までの御経歴から見て、この問題についてはどのように思われますか。つまり、アフガンが一時平定した後のパイプライン等の問題、御承知だと思いますけれども、これについての御感想を聞かせてください。 ●国務大臣(福田康夫君) 先生御指摘のとおりでございまして、あそこは将来のエネルギーの大変大事な通過点というように思っております。 中央アジア、カザフスタンなどは非常にそういうエネルギー資源が豊富だというふうに言われております。エネルギーだけでなくて、ほかの鉱物資源にも恵まれているということもございますけれども、ロシアの天然ガス、これも相当大量のものはあるのでございますが、これを活用するということになりますと、やはりアフガニスタンをパイプラインで通過する、そしてインド洋に出てくるとかいったような、そういうことを考えないとなかなか活用できないんじゃないかといったようなこともございます。 ロシアはロシアで中国とパイプラインの契約を結びまして、そっちの方面の活用ということも考えていますけれども、アジア全体考えまして、そしてまた、将来の世界のエネルギー需給バランスということを考えても、あの辺のそういう資源開発ということは極めて大事で、そのためにあの地域の安定ということは極めて大事であると、こんなことでございますので、できるだけ早くあの地域を安定して、そして、あの地域も経済的に発展をする中で、世界全体が公害の少ない天然ガスを使用できるような、そういうことになれば大変結構ではないかと思っております。 ●山根隆治君 時間でございますので、最後に。 今、この質問は事前に御通知していなくて大変申しわけなかったんです。先ほど、委員会始まる前に少し思いついたものですから、御無礼もあったと思いますけれども、いずれにいたしましても、石油をめぐる経済的な各国の戦略が非常にぶつかり合っているところですから、日本は日本なりのしたたかさでこの点についてもやはりしっかりとした戦略、国家戦略というものをぜひ立てていただきたいと思います。 きょうは私も初めての質問でございました。御無礼も多々あったと思いますし、大変行ったり来たりの質問でございましたけれども、将来、私からは、総理になる可能性のかなり高い官房長官に初めての質問の場を与えていただいたことについては、非常に光栄に思っております。 大変ありがとうございました。 |