山根隆治君
 まず、私は、宇宙航空研究開発機構法案につきましてお尋ねをさせていただきたいと思います。

 独立行政法人の航空宇宙技術研究所は、国の研究所から特定独立行政法人に組織変更をされ、そして今回また宇宙三機関が統合するということで、非常に組織的な混乱がその都度起きていたのではないかということが予測をされるわけでございます。職員の方の士気であるとか、それから組織の変更に伴う無駄なコスト等の問題が私は避けられなかったろうというふうにも思っているわけでありますけれども、今回の宇宙三機関の統合によるメリットというのはどんなところにあるのか、役員の数あるいは予算、職員数等における効果、メリットというものはどのように御認識されておられるか、お尋ねをいたします。

国務大臣(遠山敦子君)
 宇宙三機関の統合によりまして基礎的な科学研究から実用的な研究開発まで一貫して実施することができる組織となるわけでございまして、宇宙開発プロジェクトが一層効率的それから効果的に推進できるようになるというのが私としては一番大切なことではないかと思います。

 もちろん、規模の問題、あるいは予算の問題などもあろうかと思います。その点については政府参考人の方からお答えさせていただきますが、その内容面につきまして具体的にどういうメリットがあるのかということで話させていただきますと、一つは、プロジェクトの実施に当たりまして基礎から開発まで幅広い人材を有するということになりますので、横断的に多様かつ強力なチーム編成が可能になる、しかもプロジェクトごとにそういう組織を柔軟に作っていくということによりまして研究成果が上がりやすくなるわけでございます。

 二番目には、ロケットの開発、打ち上げ、追跡管制について一元化することができる。これは大変効率的に業務が行えるようになるわけでございまして、効果が出やすいわけでございます。

 それから三つ目には、各々の機関が持っておりました大学あるいは産業界とのネットワークがあるわけでございますが、これらがそれぞれに持っていたものが一緒になるということによりまして、その機関を中心にしてそうした大学あるいは産業界等、社会との連携のやり方が更に深まっていくということが挙げられると思います。

 このような点を重視いたしておりまして、それにしましても事業を重点化したり、あるいは試験施設などを整理合理化して効率的な事務管理あるいは経営の管理体制を構築してまいりたいというふうに考えております。

政府参考人(白川哲久君)
 私の方から、予算面と役職員定数等について補足をさせていただきたいというふうに思います。

 まず、三機関の予算でございますけれども、実はこの三機関の宇宙関係の予算は、最近大変合理化の努力をしておるところでございまして、三機関合計で平成十一年度の時点で二千百八十億でございました予算が、今年度、平成十四年度には千八百五十六億になっておりまして、この間に三百二十四億、約一五%の減少ということで、これまでの間も相当の合理化を行っておるということをまず御理解いただきたいというふうに思います。

 それから、この三機関統合に当たりまして更に見直しを行いまして、宇宙科学研究所が取り組んでまいっておりますミューXというロケットがありますけれども、このロケットの研究開発は中止をするとか、試験施設設備の整理合理化等を行いまして、より戦略的に重要な分野、そちらの方に強化をするという措置を取ってございます。

 それから、役職員の関連でございますけれども、まず役員につきましては、これは法定をされておるわけでございますけれども、この三機関の統合によりまして、理事長級が二人、それから理事二人及び監事二人の計六人の削減が行われておりまして、十七人であったものが十一人ということで統合効果が出ておるわけでございます。

 それから、職員数につきましては、新独立行政法人の役職員数は事業見直し後の事業内容に応じ必要最小限のものとするという、これは政府の特殊法人等改革推進本部の方針でございますが、これが示されておりまして、統合後の新機構におきましても、事務・管理部門の合理化、射場、追跡管制等の事業運営の合理化、こういうことを通じまして可能な限りその削減に努めていくべきものというふうに考えております。

山根隆治君
 平成十一年から十四年度で三百二十四億減になっていると、こういうふうな三機関での予算の削減ということについての今数字を挙げての御答弁がございました。

 三機関が一緒になってからの削減はどうなのかということが一番関心のところでございますけれども、今お話の中でございましたように、ロケット、MXロケットですか、の研究開発の中止であるとか、あるいは国際宇宙ステーション計画の縮小等の削減ということは承知をいたしているわけでございますけれども、したがって、三機関が統合することによって予算が削減をされてきたというよりも、むしろ大半が研究開発などの削減に伴うものだというふうに私は言わざるを得ないというふうに思っております。

 したがいまして、この三機関の統合ということについては、統合そのものについては私自身賛意を示したいとも思いますけれども、しかしそれによるメリットというものは、考えてみるとこれはまだしっかりとしたものが表されていないというふうに思わざるを得ません。この点について、時間の関係もありますので余り深追いはできませんけれども、私どもはこの法案につきましては党内で種々協議、論議、鳩首協議をしてもまいりましたけれども、方向性としては、論議を通じて、衆議院の論議を通じてもなおこれは賛成しかねるというふうな立場で、この点について御指摘をさせていただきたいというふうに思います。

 次に、お尋ねをいたしておきたいと思うんですけれども、ロケットの発射実験について異常な膨大な予算というものを伴わざるを得ないということでございますけれども、その削減の手法というのは様々なものがあろうかと思います。例えば、ロケットそのものの発射実験というものをコンピューターによるシミュレーションというふうな形でそれが実施できないだろうかというふうなこと、素人考えでありますけれども、そんなふうな思いもいたします。

 と申しますのも、御承知のように、自動車会社も衝突のショックがどの程度のものかというのはコンピューターによるシミュレーションということを行われていますし、それから航空機につきましてもその操縦というのがシミュレーションでも行われるというふうなことがございます。ロケットと比較するというわけには単純にまいりませんけれども、ある段階である限定的なものであるにしろ、そうしたやはりシミュレーションというものを私は日本の技術、能力をもってすれば開発ができていくのではないか、そういうソフトも開発が可能ではないかというふうに私自身は考えるわけでありますけれども、この私の提案について御答弁、御見解を求めます。

政府参考人(白川哲久君)
 今、山根先生から御指摘があった正にとおりでございまして、この宇宙開発分野では、実は、先ほど来話が出ておりますが、HUAロケットが二度も失敗をしたということもございまして、そのときの宇宙開発委員会の検討の中で、今正に先生がおっしゃいましたように、地上の試験等で確認することが困難な部分の技術的な実証、充実、そういう観点からはコンピューターのシミュレーション技術が大変役に立つということで、それの高度化を図りまして、高い信頼性を確保するための技術手法を確立すべく宇宙開発事業団等でも様々な取組をやっておるところでございます。

 先生からロケットの話がございましたが、例えばロケットの開発におきましても、エンジンの流体解析のツールを用いたシミュレーションによりまして、従来は一つ一つ試作試験を繰り返しておった開発手法が大変効率化されるとか、衛星開発の分野におきましてもシミュレーターを使いますことによって設計・検証作業の確実化、迅速化が図られるとか、さらには、現在宇宙ステーションを国際的に建設中でございますけれども、宇宙空間における宇宙機の挙動等をビジュアルに再現するバーチャルリアリティー、そういうものを活用いたしまして搭乗員や運用担当者が事前のイメージアップを図ると、こういった多くの場面で私ども宇宙開発の分野でもシミュレーションの技術を活用をしておるところでございます。

山根隆治君
 当委員会にも有馬先生もいらっしゃいますけれども、そうした優秀な頭脳をもってすれば、まず不可能と思うと不可能になってしまうんですね。それができ得るというふうに思ったところからすべて大きな発明というものにつながっていくわけですから、大きな、世界にないような私はシミュレーターというものの開発を是非していただきたいというふうに思っております。

 さて、この開発機構でございますけれども、例えばHUAロケットを生産をしていくというふうなこと等いろいろな事業がこれから展開をされるわけでございますけれども、実際の経営のこれからの見通しというものはどのように立てておられるのか、お伺いしたいと思うのです。例えばHUAロケットでも、今なかなか受注があるようなないようなよく分かりませんけれども、あるいはオファー、そういったものが今現在、世界から寄せられているのかどうか、そのことの確認をひとつさせていただきたいと思います。

 それから、時間も余りありませんのでまとめてお伺いいたしますけれども、それから売れる事業ですね、事業展開というものはこれから何か企画があるのかどうか、それもお伺いしたいと思いますし、それから実は本年の四月末に開かれました総合科学技術会議の宇宙開発利用専門調査会の中で、ロケットや衛星の部品が調達できない問題が起こっていると、こういうふうな報告もあるわけでありますけれども、この部品の製造ライン等の問題についてはどのようなこれから対策を取っていかれようとするのか、現状認識含めてお尋ねいたします。

副大臣(渡海紀三朗君)
 全般的な意味では、これからやはり競争力を高めていくという、このことが大事であろうと思います。そのためには、まず十四日の打ち上げ、四号機でございますが、これはしっかりやると。それから、これからは、宇宙開発委員会の先生方とお話をしておりますと、やっぱり衛星の技術というものをもっと高めていく必要があるだろうと。ロケットでいいますと、もう少しパワーアップしたやつを何とか開発をして、一個上げるんではなくて、衛星を、二個一遍に積んで上げればこれは当然安くなるわけですから、そういった意味でも競争力が出てくる。

 部品等につきましては、様々な検討委員会で実は検討をされておるわけでございますけれども、既に宇宙開発事業団の中でもそういう検討委員会を作っておられまして、そして、やっぱり国として自律性を確保する、要はしっかりとした製品を他国に頼らないでちゃんとやれるという体制を作るためにも、一定の量を確保するような方策をどうやって取っていくか、これも大事だろうというふうに思っております。

 残余の点につきましては、これは産業界の問題でございますから局長の方からお答えをさせていただきたいと思います。

政府参考人(白川哲久君)
 お答え申し上げます。
 山根先生の方から商業的な利用がどういうふうになっているかという御質問があったわけでございますが、現在、我々、HUAのロケットの開発を一生懸命やっておりまして、先ほど渡海副大臣の方からもお話ございましたように、来週の土曜日にこれの四番目のロケットを打ち上げる予定になっております。

 そこで、このHUAロケットの商業衛星打ち上げの件でございますけれども、この受注活動につきましては、これは民間ベースで、現在、株式会社ロケットシステムというところが行っておるところでございます。この株式会社ロケットシステムによりますと、多いときでは実は三十基程度の商業衛星打ち上げの契約を保有をしておったというふうに聞いておりますけれども、先ほど来お話が出ておりますHUロケットの二度の失敗がございまして、かなりの契約が解除をされたというふうに聞いております。

 しかしながら、現在も約八基の契約が残っておりまして、現在、これまで民間ベースの交渉を続けてきたようでございますけれども、この契約につきましては現在も継続されておるというふうに伺っております。

山根隆治君
 なかなかちょっと時間がなくて追っ掛けられないのが残念ですけれども、次、法文そのものについてお尋ねをいたしておきたいと思います。

 本法案の第二十八条に「財務大臣との協議」というところがございます。これにつきましては、実は事前にお話ししていなかったので唐突で恐縮でありますけれども、条文にこういうことはなじむのかどうか、ちょっとお尋ねしたいと思うんです。

 わざわざ財務大臣に、予算等、保険金の金額を定めようとするときとか、そうした財政にかかわる問題で相談をしなくてはいけないと。何をやるにつけ財政がかかわってくるわけであります。それが、わざわざこうした協議事項というのを入れるということの意味はどんなものなのか。文部科学省としては余計なお世話だということを言いたいんじゃないかというふうに私は思うんですけれども、この点について、この法文作成の過程でなぜこういう文言が入ったのか、お尋ねをいたしたいというふうに思います。

 それから、もう一点続けてお伺いしてしまいますが、第四条の平和目的のためというところがあるわけでございますけれども、この平和というものの一体定義は何なのかということをお尋ねをこの際しておきたいというふうに思います。

 以前、参議院でも、参議院科学技術振興対策特別委員会、これは四十四年六月ですけれども、附帯決議の中で「平和の目的」ということを、言葉、文言を使っておりますし、四十四年の五月の九日には、衆議院で決議がされて、「ロケットの開発及び利用は、平和の目的に限り」という文言が使われているわけでありますけれども、この法案の中に書かれている平和というものの定義というものはどのように考えるのか、お尋ねをいたします。

副大臣(渡海紀三朗君)
 それでは、ちょっと順序は逆になりますが、この「平和目的に限り」という部分は、従来の解釈はそのまま踏襲をされるというふうに考えております。

 国会決議等の従来の法制局解釈、また国会の理解といいますか、お互いの約束、これをそのまま踏襲をさせていただく。簡単に言いますと、要は公益的な、そういった防衛庁の兵器と一緒になって使わないというふうな文言、それから、一般的に定着している技術そのものについては、これは防衛庁が使うことも差し障りがないといった、こんな文言であっただろうというふうに記憶をいたしておるところでございまして、細かくは申し上げませんが、要は従来の見解をそのまま今後とも踏襲をさせていただくということであろうと考えております。

政府参考人(白川哲久君)
 山根委員の方から、第二十八条、「財務大臣との協議」の事項について御質問ございました。

 この条項につきましては、例えば第一項でございますけれども、第六条第二項の規定による認可をしようとするときにはあらかじめ財務大臣に協議しなければならない、これは一例でございますが、この第六条第二項と申しますのは、機構が資本金を増加をすることができるときの主務大臣の認可でございます。

 機構は将来的にも政府から資本金を受け入れる可能性もございますし、そういうことになりますと、当然ながら財政との兼ね合いということが出てくるわけでございまして、そういう点につきましてはこうやって財務大臣との協議を法定をしておるということでございます。

 この辺につきましては、これは例えば現在の宇宙開発事業団法にも同様の趣旨の規定がございますし、そのほかの独立行政法人につきましてもほぼ同様の規定が入っておるものというふうに理解しております。

山根隆治君
 じゃ、ほかの全部の規定も私自身はやっぱりちょっとおかしいというふうに思わざるを得ません。財務省にみんなかかわるのは当然のことであって、わざわざそこに書いてくるというのは、やっぱり財務省の圧力なのかどうか、それももう本当に私は疑問です。

 これはやはり、この宇宙開発機構の独立性ということからしても、財務省がかかわるということについては、当然なことをわざわざ書かなくてはいけないという、明文化する、法文化するということについては私はいささか疑問を感じ、その点問題提起をさせていただくにとどめたいと思います。

 それから、平和の定義について今御答弁をいただいたわけでありますけれども、平和そのものは何なのかということを私も考えてみたいと思っておるんですけれども、それはやはり、語源的には平和というのは世界各国で平和の定義が全く違うわけですね。つまり、戦争がない状態というものが平和であるとか、あるいはまた、もっと宗教的な意味合いを平和というものに持っているところが世界じゅう多いわけです、語源的には。

 そういうことになると、一体平和とは何なのかということの今の私のお尋ねとは少し御答弁はそごを来しているというふうに私自身は考えているわけでございますけれども、いずれにいたしましても、ロケットの平和利用ということと絡めまして、実は来年に情報収集衛星が打ち上げられるということになっているわけでございます。

 今朝の新聞見ますと、イージス艦の派遣が決定されたということがございました。昨日の、私、通告ということでありましたけれども、今朝の新聞ですから間に合いませんでしたけれども、この情報収集衛星については、今までアメリカの民間会社からいろんな資料等の提供を受けてきたということがあるというふうに承知をいたしておりますけれども、今後、日本がこの情報収集衛星を打ち上げた暁には、そうしたアメリカからの商業ベースでの情報収集費用というものは掛からなくて済むのかどうかということが一つ。そしてもう一つは、イージス艦との打ち上げ後は情報の共有というか、連携というものが行われるということになるのかどうか。

 この点について、ちょっと唐突で申し訳ないんですが、今日の新聞見ての話ですから、御答弁、分かる範囲で、御理解していただいている範囲で御答弁いただければと思います。

長官政務官(佐藤昭郎君)
 今、山根委員からの御質問で、情報収集衛星が打ち上げられた後、現在、防衛庁等が利用している米国の商業衛星についてはもう要らなくなるのかといった趣旨の御質問、まず第一点だと思います。

 専守防衛を旨とする我が国にとりまして、平素から常に、委員御案内のように、国の安全に必要な情報の収集、処理を行うとともに、必要な各種情報機能の充実を図ることは極めて重要でございます。その際、我が国独自の情報収集手段の保有、これは今回の情報収集衛星になるわけでございますが、それとともに情報源の多元化というのにもやはり配慮する必要があると考えております。

 そういう意味で、今回、情報収集衛星が打ち上げられた後も、これら我が国独自の情報収集手段と併せまして、従来より利用しております米国の商業衛星による情報画像、これはやはり両方活用しまして我が国の専守防衛という旨に合致する国の安全に必要な情報収集に当たっていきたいと、このように考えております。

 それから、イージス艦のあれでございますが、これは我が国のテロ特措法に基づく目的にのっとりまして今回出していく。ローテーションの問題でありますとか、それからイージス艦の今の、失礼しました、護衛艦、補給艦の活動しておりますこの業務におきます隊員のアメニティーですね、大変な酷暑の中に、厳しい条件の中で補給艦の安全を図っているという護衛艦の任務に照らして、これを、より隊員の安全あるいは補給の安全を考えてよりやりやすくなるということで今回派遣していこうということになったわけでございます。そういうことでございまして、情報収集衛星の関連につきましては直接はないと。

 ただこれは、情報収集衛星をこれからどのように活用していくかにつきましては、内閣官房長官を委員長とする情報収集衛星推進委員会、ここでこれから議論していくということでございますので、個別具体的な情報収集衛星の活用については、その審議、その経過を待つということになろうかと思っております。

山根隆治君
 審議を待たずしても、それは軍事的にはもう常識的な話で、やっぱりイージス艦との連携、情報の交換ということは是非これはもう必要なことだろうというふうに思っております。

 それから、先ほど平和の話ございましたけれども、やっぱり平和というのは少なくとも、いろんな定義がありますけれども、日本の国民の生命と財産を守る、そして戦争のない状態ということを平和ということで端的に表現するとすれば、私は、今もう六十六基打ち上げられている人工衛星につきましても、そうした収集機能というもの、今までなかったかもしれないけれども、それなりに今後のいろんなロケットの打ち上げ等については、私は、我が党もいろんな議論がありますけれども、幅広い懐の深い政党ですからいろんな議論は横の中にもあろうかと思いますけれども、私自身は非常に有効活用を、費用対効果ということを考えた場合にはある一定の役割というものを、他の商業用の衛星等についてもやっぱり活用ということをこれは積極的に私自身は考えていくべきだろうというふうに思っております。これは私の意見です。

 次に、日本学術振興会法案につきましてお尋ねをさせていただきます。
 先ほど来、岩本議員の方から科学技術振興事業団との合併ということについての角度からの御質問もございました。私どもはこういう観点からこの法案についてはどうしても賛成できないというふうな方向性というのを持っているわけでございますけれども、それはもう衆議院の論議、先ほど岩本議員の論議に終結させていただきたいと思いますけれども、私は、あと七、八分の時間でございますので、まとめて科学研究費補助金の問題につきましてお尋ねをさせていただきたいと思います。

 一つは、審査体制の整備ということでございますけれども、これは申請が非常に多い件数でございますし、そして、有馬委員も先ほど御指摘ございましたように、その審査をするスタッフの数が本当に極端にアメリカ、ヨーロッパに比べて少ないと。しかし、今の日本の経済状況から、財政状況からしてこれを大きく引き上げるということは難しかろうというふうに私は理解するわけでございますが、したがって、例えば、申請回数が今、年に一遍であるところを二回に増やすこと、あるいは大学の研究者のOBの方にボランティア的に御協力をいただく、そういうふうなことができないだろうかということをお尋ねをさせていただきたいと思います。

 そしてまた、審査員の登用につきましては、有馬委員も先ほど御提言ございましたように、是非ともこれは外国の能力、外国人の方にも是非参加を、協力を要請するということがこれから非常に大事だろうというふうに私自身も考えておりますので、この点については要望にいたさせていただきたいと思っております。
 以上、二点ですか、お尋ねをいたしましたので、まとめて御答弁をいただければ有り難いと思います。

政府参考人(石川明君)
 科学研究費補助金につきましての審査体制についてのお尋ねでございます。
 なかなかこの数ということにつきましては、各国で審査制度等が異なるために一概に諸外国と比較をするということは難しい面がございますが、我が国におきます科学研究費の補助金の審査につきましては、第一線級の現役の研究者ですとかあるいはOBの方なども含めまして、今現在約三千七百名で構成される科学研究費委員会及び約五百名で構成される科学技術・学術審議会の学術分科会科学研究費補助金審査部会というような場で厳正公正に行われているところでございます。

 特に、平成十一年に科学研究費補助金の一部の種目を日本学術振興会の方に移管をした際には、これまでこういった審査体制が約二千人であったところを二倍以上の四千二百人、現在のほとんど同じ規模でございますけれども、これに大幅に拡充をしたところでございます。

 また、委員から御指摘のありました外国人研究者等の活用につきましても、これは今後私どもとしても検討していくべき課題だなというふうに考えておりますが、やはり研究者の負担あるいはその評価に要する期間、あるいはどういったふさわしい方がいらっしゃるかという情報収集の問題等々いろんな問題が考えられるところでございますので、これらのことを併せ考えながら検討してまいりたいと、このように考えております。

山根隆治君
 この科研費につきまして、申請の書類、今厳正公平にというふうなお話ございましたけれども、申請書類については大学名あるいは研究者名が当然記されているかと思います。しかし、結果として国立大学の関係者が非常に多いという結果も一つあるわけでございまして、私は、結果がそういうことだから結論付けるわけではありませんけれども、やはり一つの配慮として、私大関係者にも公平感というものを広くアピールするという意味でも、私はその申請書類に大学の名前であるとか個人の名前というものは伏せて審査書類として提出を求めるべきではないか、あるいは工夫を、何らかの工夫が必要ではないかというふうに考えますけれども、この点について御答弁求めます。

政府参考人(石川明君)
 現実の審査についての個人名ですとか大学名についてのお尋ね、御懸念でございますけれども、先ほど申し上げましたように、現在の審査体制につきましては、四千二百名といった第一線級の研究者を活用してといいますか、お知恵をいただきながら、書面、ヒアリング、それから合議制による厳正公正な審査、ピアレビューといったようなもので行っているところでございます。

 また、これはあらかじめ定めております審査方針等に基づきまして申請された個々の研究計画の内容について行われるということでございますので、審査に当たっては、研究目的の明確さ、あるいは研究の独創性、あるいは当該学問分野や関連学問分野への貢献度等、こういったものを考慮して、研究成果が期待できるものかどうかという観点から選定しております。

 したがいまして、御懸念のような個人名や大学名などによりまして審査結果が左右されるということはないものと考えております。

山根隆治君
 ないものと考えている人と考えていない人がいるわけで、考えたら検討したらどうかということを申し上げたわけで、ひとつ話題にしていただいて省内でも御議論を是非この点していただきたいというふうにも思います。

 それから最後に、もう時間がなくなりましたのでお尋ねしておきたいと思いますけれども、補助金を出して、その成果の検証というか評価、これはどのように行われているのか。例えば、補助金を出していて部品等を、部品というかいろいろな材料等を購入をする、その期間だけの評価ということになるのか、それとも、その補助金が打ち切られた後も研究は続き、一定の結論がその先、数年後に得られるというふうな場合に評価というものはなされているのかどうか、お伺いします。

政府参考人(石川明君)
 科学研究費補助金の事業の評価の観点でございますけれども、採択されました課題につきましては、基本的には研究期間中は毎年、研究実績報告書を提出していただくということとともに、終了後には成果発表ですとかあるいは成果報告書の作成というようなことを行うことにしておりまして、これらの研究実績報告書等というものはデータベース等により一般に公開してございます。

 また、研究規模が大変大きなもの、大きな研究種目、例えば研究費総額が一億円以上あるいは研究期間が三年以上にわたるようなものにつきましては、中間の段階もそれから事後の段階でも評価を小まめに実施をしておりまして、特に二年目には現地調査をやったり、あるいは五年ぐらいの期間が掛かるものにつきましては、二年目に現地調査をやったりあるいは終了後の事後評価としてヒアリングなどを実施したりして充実した評価をしておるところでございます。

山根隆治君
 本当の最後の質問になりますけれども、この科研費の問題につきまして、先ほど御答弁の中に出ましたけれども、実際に私たちの生活に直結するあるいはその効果を期待できるものについての重点的な配分というのは当然かと思いますけれども、しかし抗生物質でもそうでございましたし、そのほか様々な世界的な発見というのは、全く最初のねらいと違ったところで新しい結論、すばらしいものが、発明というのが行われるということがあるわけで、私は研究者の、直接的には生活に役に立ちそうもない、しかしどうしても興味のある、我々がとても計り知ることができない知的な欲求を満たすための研究にもこの補助金というものは有効に活用すべきであると思います。

 そういう意味では、そうした人たちに対しての、やはり一定の割合で、この補助金につきましては一定の割合の予算というものを確保する必要があろうかと思いますけれども、この点について、私の提案についての御見解を最後に求めて、質問を終わります。