■平成15年7月8日 
山根隆治
 私は、民主党・新緑風会を代表いたしまして、内閣提出の国立大学法人法案に反対し、民主党修正案に賛成する立場から討論を行うものであります。  本法案は、自律的な環境の下で国立大学を活性化し、個性豊かな大学を育てるというその提案趣旨とは裏腹に、国立大学に対してこれまで以上に国の関与を深め、高等教育の将来を危うくする欠陥法案であると言わざるを得ません。  我々民主党は、国立大学を国の組織から切り離して各々に法人格を与えるという改革の基本スキームそのものを否定するものではありません。むしろ、改革の必要性を大いに認める立場であるからこそ、政府案には多くの問題点が含まれていることを指摘し、改革を真に実のあるものとすべく修正案を提出したのであります。  以下、政府案の問題点について改めて指摘をさせていただきます。  まず、各国立大学法人が六年間において達成すべき中期目標について、政府案では文部科学大臣が定め、これを当該国立大学法人に示すとしております。国の組織から切り離して各大学の自主的、自立的な発展を期待することにこそ改革の主眼があったはずであり、大学運営の正に骨格となるこの中期目標について、文部科学大臣が、しかも財務大臣と事前協議の上でこれを定めるなどとしたことは言語道断であります。あわせて、中期目標において定める事項として教育研究の質の向上に関する事項が掲げられており、これは教育研究の中身に国が関与することを意味し、学問の自由、大学の自治の観点からも断固容認することはできません。  各大学が中期目標に照らしてどれだけ成果を上げることができるかを測る評価の在り方にも重大な問題があります。政府案では、各国立大学は文部科学省に設置される国立大学法人評価委員会の評価を受けるものとされておりますが、この極めて困難な作業であるはずの評価について、その妥当性、透明性等には多くの疑問が残されております。さらに、その評価が運営交付金の多寡にどう影響するかが極めてあいまいなままであることが露呈するに至っては、多くの大学関係者に不安と懸念、失望をもたらしたものであります。  政府案には総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会の関与も示されておりますが、その関与の在り方について政府側の答弁が二転三転し、委員会を混乱せしめ、法案提出が政府の拙速だったことを明かしていたと指摘しなければなりません。  また、法案が未成立であるにもかかわらず、本委員会審議を通じ、文科省が各大学に対して事細かな法人化への準備をさせていることも明らかになり、文科省の国会軽視ぶりが党派を超えて指摘されたところであります。権限の有無にかかわらず、大学に対して細大漏らさず関与しようとする文科省の姿勢の背景には一体何があるのでありましょうか。いわゆる文科省からの天下り問題についての懸念も何ら払拭されていないのであります。  我々は、このように多くの問題を抱える本法案をこのまま成立させれば、新しい時代に対応した我が国の骨格作りの第一歩である教育の礎を築くという責任を果たすことはできません。万感の思いを込めて内閣提出の本法案に反対の意を表明して、私の討論を終わります。

▲「質問記録」メニューに戻る

▲トップに戻る